【完結】 種(CE)世界に00(西暦)要素をぶち込んで、死亡フラグを圧し折りながらイージーモードにしてみた 作:種再燃祭
「マリューさん! なんか爆発っぽいです! ケーブルを外して”ストライク”のコックピットに緊急避難してましょう! マリューさんが作ったフェイズシフト装甲の中なら、大抵の衝撃には耐えられるはずです!」
「わかったわ! 状況が判明するまでコックピットに退避してましょう!」
技術将校で、最近はやや彼氏にかまけて色ボケの傾向があったもののマリューとて訓練を受けた軍人、緊急事態における咄嗟の判断に鈍りはなかった。
コックピットに接続させれていた外部からのケーブルを手早く外し、ハッチを閉鎖する。
幸いバッテリーへの充電は十分だったためにフェイズシフト装甲のアクティブ化も問題がなかった。
そして、闖入者たちはちょうどGAT-X105がコンバット・ステータスで起動できた瞬間にやって来た。
☆☆☆
「なっ……1機、もう動いてるぞっ!?」
寝かされていた台座から、灰色のボディをトリコロールカラーに変化させて立ち上がる鋼鉄の巨人……その姿に、開発施設への突入を果たしたザフトの赤服の一人、ラスティ・マッケンジーは驚愕の声をあげた。
計画は全て上手くいっていた筈だった。
襲撃に慌てたナチュラル共は、慌てふためき開発中のモビルスーツを慌てて搬出しようとし、そこを自分達襲撃班が強襲したのだ。
既に確保した新型モビルスーツは3機、情報では大西洋連邦が開発していたモビルスーツは全部で5機だった筈なので、残る2機を確保すべくラスティは同僚のアスラン・ザラを伴い、開発施設への突入を敢行した。
だが、待ち受けていたのは予想外の事態だった。
まだ充分に動けない筈の1機が立ち上がり、そして頭部をゆっくりとこちらへと向けたのだ……
☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ザフトの想定外の事態は、何も大西洋連邦のG兵器開発施設だけで起きているわけではなかった。
ザフトは、決して状況を甘く見ていたわけでは無い。
オーブの軍事施設は避け、秘匿されていた大西洋連邦のG兵器開発拠点を集中的に狙ったのもそれが理由だ。
オーブは、プラントに先んじて実戦型のモビルスーツを開発していた。
ザフトは自らが開発していた主力機のジンや指揮官機のシグーに比べればオーブ製のそれは性能は劣ると判断していたが、開発にコーディネーターの手が入ってるとなれば油断するいわれはない。
真っ先にヘリオポリスよりスクランブル発進してきた大西洋連邦のモビルアーマーは1機を除けば大したことはなかった。
むしろ弱いといってよい。
だが……
「冗談ではない……!」
今回のヘリオポリス襲撃部隊(G兵器奪取部隊)の隊長であり、自ら愛機のシグーを駆り戦場をかけるザフト有数の歴戦の猛者であるラウ・ル・クルーゼは、彼にしては珍しく焦りの表情を隠しきれていなかった。
最初は、全て上手くいっていたのだ。
彼が唯一、大西洋連邦での脅威と感じていたムウ・ラ・フラガが操るモビルアーマー、”メビウス・ゼロ”を自分が押さえさえすれば、後は部下が操るジン部隊が作戦通りにやってくれる。
当初は……3機の奪取したG兵器が出てくるまでは予定通りだった。
ヘリオポリス内部には奪取部隊の支援のため、ジン3機が既に突入し、後は作戦終了まで制宙権を確保しておけば良いだけだ。
そう判断できたはずなのに……
「何故、こうも容易くザフトのモビルスーツが駆逐される!?」
そして、今は立場が逆になっていた。
ムウのメビウスを押さえるはずが、逆にムウの放つガンバレルのオールレンジ攻撃により、行動を阻まれ……その間に次々に部下のジンが撃墜されて行くのだ。
そう、”オーブのモビルスーツ”部隊によって……
「ここまでのものか!? オーブ!」
☆☆☆
クルーゼが今回の作戦の為に引き連れていたのは、ナスカ級1隻を旗艦としたローラシア級2隻からなる都合3隻の艦隊だ。
搭載モビルスーツ数は合計すると18機であり、一大戦力……ヘリオポリスに駐留する大西洋連邦の予想兵力相手なら過剰戦力とも言えた。
仮に大西洋連邦だけを相手にするなら、勝利は確定したも同じだろう。
例え、多少のイレギュラーがあったとしてもだ。
だが、そこにありえないほどのイレギュラーがあったとすれば……
「ハッハッハァッ! 俺こそが(シミュレーションと模擬戦が大半だけど)2000戦無敗のスペシャル! パトリック・コーラサワー様だぁ!!」
ザフトに地獄絵図を生み出した元凶、炭酸野郎は本日も絶好調であった。
パトリック・コーラサワー。
AEU所属であった本来の歴史とは異なり、この世界線ではトリノ議定書などなどで迫害を恐れてオーブへと移住したナチュラルの父とコーディネーターの母から生まれたハーフ・コーディネーターだ。
そして、本人はほぼオーブ育ちという感じで、少年時代に見た当時のオーブ主力モビルスーツの一つ”ヘリオン”の格好良さに一目惚れしてオーブ国防軍に入隊を決意。
本人の才覚とそれ以上の努力もあり、今やコーラサワーはオーブ軍全体でも五指に入るエースパイロットまで成長。
そして、
「この”イナクト”すげぇよ! 流石、”ヘリオン”の後釜! ザフトのモビルスーツなぞオモチャと同じだぜ!」
縦横無尽に先頃、先行量産型が宇宙空間での運用テストもかねて試験配備された最新鋭可変型モビルスーツ”イナクト”を駆り、あっという間に2機のジンを屠って魅せたっ!!
これこそまさに後に”不死身”の二つ名を持つことになるエースパイロットの、開眼にして会心の撃墜だった。
炭酸と書くだけで、誰だかわかるのは正直、凄いと思う。
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