【完結】 種(CE)世界に00(西暦)要素をぶち込んで、死亡フラグを圧し折りながらイージーモードにしてみた 作:種再燃祭
内容は、シンプルにほぼ「ラクスが歌ってみた」するです。
いよいよ配信、開始です。
その放送の前、オーブではとある噂で持ち切りだったと言う。
『なぁなぁ、ソレスタルビーイングが企業枠で超大型新人をネットデビューさせるって噂、知ってるか?』
『ああ。なんか拉致ってきたラクス・クラインじゃないかって噂があるよな?』
『せめて連れ帰ってきたって言いなさいよ』
『いや、無理だろ? 相手は天下の”プラントの歌姫”だぞ?』
『やったら、国際問題一直線だもんな。カガリ代表がそんな危ない橋を渡るか?』
『いや、むしろカガリ代表だからやるんだろ? あの人、鉄火場とか大好物っぽいし』
『まあ、そうよね』
『俺は噂になってるパトリック・ザラの息子の可能性が微レ存あると思う』
『ああ、なんか”プラントのプリンス”が捕虜になってるって噂、あったわね』
『いや、それなら政府がもっと大々的に公表するんじゃないか?』
『ああ、そういえば婚約者同士だとかなんだとか』
『アス×ラクかラク×アスか……そこが問題だ』
『私はカガ×ラク一点推しで♪ だって仲良さそうだし。俺様系王子と囚われの歌姫♡』
『ただし、どっちも女である』
……とりあえず、その”生放送”の瞬間までオーブは平和だったはずだ。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「初めまして♪ それとも久しぶりかな? ラクス・クラインです」
その一言から、後に”伝説の配信”とされる生放送(生配信)は始まった。
「まず、わたくしはオーブにいますの。そしてこの度、ソレスタルビーイング代表、カガリ・ユラ・アスハ様のご厚意でネット配信チャンネルを開設させていただきましたわ♪」
飾り気のない白のワンピースという比較的カジュアルな私服姿のラクスは、にこりと微笑み、
「名前はズバリ、”らくらく☆ちゃんねる”。捻りがない? こういう物はわかりやすい方がいいみたいですよ?」
とクスクス笑い、
「内容は私が好きに決めて良いという事でしたので、早速、”歌ってみた”企画をやってみたいんですの♪ ちょっとお待ちくださいませ」
テロップで、”なう・ろーでぃんぐ♡”のSDラクスとハロの表示となり、画面が切り替わると……
「じゃん♪ 実は、ライブステージを用意していただきましたわ~」
そう、それはとてもアナログな……この時代ではもはや珍しい方法だ。
VRではなく、ラクスは専用配信ブースから、となり部屋に用意された音響機材の整ったスタジオルームへ移動したのだ。
そして、ライブステージ仕立てのスタジオブースに待機していたのは、エレキギター、エレキベース、ドラム、キーボードというこれまた古典的な楽器のオンパレードを構えた”生バンド”メンバー。
本来、この手のやり方はとても資金がかかるのだが、そこはそれ企業枠の金とカガリの本気をを甘く見てはいけない。
「では、早速ですが歌わせていただきます。これが偽りのない、本当の”今のわたくし”です……”誇り高きアイドル”!」
”私のこと知っていますか?”
(本当のわたくしのこと、知っていますか?)
”私の歌どうだろうな 上手く歌えてますか?”
そう歌いだされる、いっそ生々しいまでの”アイドル”という生き方と生き様……
”手は冷たくなって脚は震える”
それは、誰も見たことのない、誰も知らないラクス・クラインの姿で……
”それでも戦いたい アイドルだから”
”きっと可愛くない 全部わかってる”
”それでも好かれてたい アイドルだから”
それは鮮烈で、
”向かい風を切り裂いて 誇り高きアイドル目指そうぜ!”
そして、どこまでも”生”の、剝き出しの感情で……
”馬鹿にする奴は嫌いだ!”
”見下されるのも嫌いだ!”
”「アイドルなんか」という言葉を 見てもいないくせに言うな!”
”頑張りを当然というな!”
”イメージとか強制するな!”
誰も聞いたことのない、渾身の”叫び”!
それはラクス・クラインという「運命を押し付けられた少女」の魂の叫び。
ずっと言いたかったこと、ずっと言えなかったこと。
沢山の愛があった。
そんなことは分かっている。
でも、人間だもの。生きているのだ。
彼女だって好きな事だけやってきた訳じゃない。
怖いことも辛いこともたくさんあった。
ただ、それを表に出すことは出来なかった。
許されなかっただけじゃない。
ラクスは、その手段を、方法を知らなかった。
だから、今こそ拳を振り上げ解放する!!
”「アイドルなんか」という言葉はこの世で一番大嫌いだっ!!”
☆☆☆
それは、ラクス・クラインにあるまじき”泥臭さ”だ。
煌びやかなステージ衣装も派手な演出もなく、汗をかき、息は乱れ、たった1曲……たった1曲だけど全力で、今の想いを全てこめて歌いきった。
だから、ラクスは笑顔だったのだ。
心の底からやりきった者だけができる、”偽りのない満面の笑み”……
「ご清聴ありがとうございました♡」
そして、プラントは史上空前の政治的暴風雨に見舞われる事になる。
そう、特大の大嵐に……
色々とご意見もあると思いますが、第1回配信完了です。
いや、実はこのエピソード、短いくせに作るのが大変でした。
というのも普通とは逆のプロセスで作ったからです。
普通は、骨組みとなる話を作り、そこに文章を肉付けしてゆくのですが、このエピソードだけは、逆に「一度作った話から文章を削ぎ落してゆく」という形になってます。
例えば、最初はもっと引用する「誇り高きアイドル」の歌詞は長かったのですが、読み返すと妙にくどいというか、違和感がありまして。
だから、「ラクスが一番伝えたいだろう部分」だけ残しました。
「誇り高きアイドル」を選んだのは、勿論HoneyWorks様の作ったこの曲が大好きというのもありますが、少なくとも、この世界線のラクス・クラインという少女が、
”言いたくても言えない、言う手段がなかった物”
を吐露させるのに、この曲が一番だと思ったからです。
だから、削ぎ落して削ぎ落して、”ラクスの想い”だけ書いたって感じです。
その分、後書きが長いのはご愛嬌ということでw
感想でラクスの歌いたい曲に触れてくださった皆様、ご納得いただけたでしょうか?
ラクスの楽曲を予想してくださった皆様、イメージに合ってましたでしょうか?
ちなみに私の中では、オリジナルのmona verではなく、Hanon様がカバーした「【全力で】誇り高きアイドル/HoneyWorks【Covered by Hanon】」をイメージしています。
皆様の脳内で、「ラクスが歌う”誇り高きアイドル”」をイメージしていただけると嬉しいです。
ご感想、お気に入り登録、そして引き続き高評価を入れてくださった皆様、ありがとうございました。
本当に励みになります。