【完結】 種(CE)世界に00(西暦)要素をぶち込んで、死亡フラグを圧し折りながらイージーモードにしてみた 作:種再燃祭
祝! 50話達成!
そして、前話の予告通り49話の対になるエピソードで第3章のラストエピソードになります。
いや~、皆様の応援で何とかここまでやって来れました。
先ずは心よりの感謝を!
さて今回は、”悪い意味”でgdgdのトンチキです。
ただ、ちょっと伏線とかも色々……
そして、ラクスの所業が鬼畜すぎる件についてw
えっ? 割といつもの事?
無粋なのは分かっている。
だが、言わせてほしい。
ラクス・クラインの”明日への扉”は、プラントやザフトに限らず、戦争を望む人々すべてにとり、”最悪の反戦歌”になってしまった。
直接的な反戦メッセージや戦争の悲惨さを暗喩したような表現は”明日への扉”にはない。
だが、「平和な時代ならば、誰もがいつかは辿り着けたかもしれない……そんな長い旅路の先」をリスナー全てに示してしまったのだ。
訳も分からず泣く者が続出した。
宇宙で、世界で。
そして、ラクスは次の放送で更なる追撃を行った。
「今回はちょっと変わった曲を。でも、タイトルがストレートで素敵なんです♪ では、聴いてください。”地球に I LOVE YOU”」
それは古い古い、そして放映されていた西暦時代でもどちらかと言えばマイナーなアニメ(侵略してきた宇宙人から地球を守るという当時としてはありふれた内容)である”特装機兵ドルバック”という作品のOP主題歌。
古臭いエレキギターサウンドからの出だし……だが、のっけから歌詞が凄い!
”星のピアス 虹のバンダナ 眩しすぎる地球にI LOVE YOU !!”
ラクスの言う通り、ドストレートな「地球を愛しい彼女に擬人化したラブソング」……つまり堂々たる、いっそ清々しいまでの
もう、プラント市民(そして、一部のブルーコスモス)の情緒はしっちゃかめっちゃかだ。
なんせ「プラントの歌姫」と信じていたラクスが、堂々と地球讃歌(しかもロック!)を歌っているのだ。
それだけではない。
プラントで草の根的に巻き起こった反戦運動、その集会では”命に嫌われている。”や”明日への扉”が歌われる反面、ブルーコスモスの穏健派停戦推奨グループ(可能な限り早急に妥協点を見つけてこれ以上の泥沼化する前に停戦、地球の早期復興を主張する勢力)の若手が主催した集会では”地球に I LOVE YOU”が熱唱されるというトンチキっぷりだ。
もはや、ラクスの影響力は原作の「プラントの歌姫」を遥かに通り過ぎ、斜め上の方向へ宇宙速度で大気圏を振り切る勢いで飛び出し、”誰もが決して無視できない
これにはパトリック・ザラ最高評議長も大激怒だ。
当然だろう。
プラント、そしてザフトの顔に泥を塗るどころか、「去り際(厳密にはプラントから去った後か?)にロマンティックスどころか助走付き真空飛び膝蹴り」を後頭部に食らったようなものだ。
しかも、その後にマウントポジションとられて(政治的な)タコ殴りに……
むしろ、この状況でまだ「聖戦」を遂行しようとするパトリック・ザラとその一派は、むしろ褒めるべきかもしれない。無論、皮肉だ。
だが、取った手段はあまり褒められたものではない。
何しろ”綱紀粛正”と、”ザフトに対する思想教育の更なる徹底”だ。
勘の良い読者の皆様ならば、それがどういう結果を招くか察しが付くだろう。
そして、
「ユーリ・アマルフィを最高評議委員より解任する」
厳格な口調で言い切った。
言うまでもなくパトリック・ザラならびに”
また、「ニコルに命じたのは両名の救出」のみだと公式にコメントを出し……
『ニコル・アマルフィは脱走兵であり、自己保身のためにオーブに協力、ザフトを貶めるプロパガンダを発信している』
との見解を示した。
ニコル・アマルフィには、即日で「銃殺刑」が本人不在の”軍法会議”に該当するらしい怪しげな会議(ザフトは狭義な意味での軍ではないし、そもそもザフトが規律を持ち出すこと自体に痛切な皮肉を感じる)で決定した。
今回のユーリ・アマルフィの解任劇も、その流れの一環であるようだ。
「また、ユーリ・アマルフィ主導の研究は全て凍結。ザフトが接収し、以後の研究は全てザフトが引き継ぐ。これは決定事項だ」
と、如何にも会議の末に決定されたようなパトリック・ザラの口調だが、実際には「ニコルが作戦に失敗した場合、行う予定のオプションプラン」を発動させただけだ。
元々の作戦の成功率が極小だったことを考えれば、「投入を渋るユーリ・アマルフィからニュートロンジャマー・キャンセラー関連の一切合切を取り上げるために最初から仕込まれたマッチポンプ(謀略)」と考えるのが自然だろう。
全てを取り上げられ、うなだれるユーリ・アマルフィ。
だが、彼は幸運だった
本来、パトリック・ザラはニコルがもたらした「想定をはるかに超える情報学的被害」の対価を支払わせる為にユーリ・アマルフィを妻と共に逮捕・拘禁(そしておそらくは秘密裏に処刑)しようとした。
『お待ちください。ニコル・アマルフィは既に成人扱いです。その責任を親に”連座”でとらせるのですか? そのような横暴を働いてプラント市民、特にマイウス市民が賛同するとでも?』
と猛反発したのが、シーゲル・クライン失踪後に穏健派の首魁となったアイリーン・カナーバ最高評議委員だった。
お忘れの方もいらっしゃる方もいるかもしれないが、ユーリ・アマルフィは原作でもニコル戦死までは穏健派で、ニコルの戦死で
無論、ニコルの行動がある以上、ザラ派入りはこの世界線では望めない。
また、どういう訳かいつの間にか中立派になっていたフェブラリウス市代表最高評議委員タッド・エルスマン(ディアッカの父親)もパトリック・ザラではなくカナーバに賛同した。
どうもこの男、「オーブと全面戦争する危険性」を学者としての見解からいち早く察し、中立派となったきらいがある。
いきなり穏健派にならなかったのは、元々はザラ派寄りで反ナチュラルの最右翼の立場だったという事もあるのだろう。
話を戻すが……実際、兵器開発の拠点の一つであるマイウス・ミリタリー・インダストリー社を抱えるマイウス市に反目されると戦争継続に著しい影響が出るのは事実であり、パトリックも強硬策を引っ込めるしかなかった。
だが、彼的には「(不本意ながら)穏健な方策=殺害しない」を取った物の、憎悪の炎はなお一層昏く燃え盛り、鎮火の見込みはなかった。
☆☆☆
「アマルフィ代表」
会議の後、失意のどん底にあったユーリ・アマルフィにアイリーン・カナーバは声を掛ける。
ユーリはカナーバに今回の一件で恩義を感じていたので、無碍にしない程度の人間性はあった。
「オーブへ亡命!?」
「お静かに」
誰もいないことはわかっていたが、カナーバはそうたしなめると、
「代表と奥様にその気があれば、手筈はあります」
「……本当に?」
「ええ。ですが無料と言う訳ではありません」
「……おいくらほど支払えば?」
するとカナーバは首を横に振り、
「必要なのは金銭ではありません」
カナーバは小さく笑うと、
「代表のお命でまず”試作モビルスーツ”を1機、奥様の分でもう1機……程度ですわ。安い物でしょう?」
何を言わんとしているかは流石に分かった。
ユーリが関わってる最新鋭の試作機と言えば、
「……それは、”自由”と”正義”の……」
「みなまでは申し上げません。自分の命の価値は自分で決めるもの……違いますか?」
「私はあらゆるものが剝奪されてしまった……手は貸していただけるのでしょうな?」
「ご随意に」
覚悟を決めたような顔で去るユーリ・アマルフィの背中を見送るアイリーン・カナーバの顔には”チシャ猫”のような笑みを浮かんでいた。
(きっとラクスさんも喜んでくださいますわね?)
「シ-ゲル様、貴方様が潜伏されている間、どうかご息女の面倒はこのアイリーンにお任せくださいませ」
アイリーン・カナーバ……プラント最高評議委員にして”ターミナル”のエージェントでもある、紛れもない”
パトリック・ザラおよびザラ派の天敵にして、プラントに仕込まれた「猛毒」の一つ……
後に”
(それにしても……)
「”明日への扉”、良い曲ですね♪」
上機嫌に鼻歌を歌いながら、
(では、私も”明日への扉”を開くために仕込みを進めましょう)
「とりあえず、市民が反戦デモとかで暴発するのを抑制しましょう。無駄な血が流れるのは、シーゲル様も望まないでしょうし」
(反戦派の抑制に穏健派が動いているとなれば、いくらパトリック・ザラでも即座に穏健派を処刑とかはできませんでしょうしね)
イノベイドはどこにでもいる。
そう、”どこにでも”だ。
流石に”地球に I LOVE YOU”をラクスが歌うことを予想した方はいなかったのではないでしょうか?(マイナーな作品&曲だし)
それにしてもラクスェ……それ、絶対に君がニコニコしながら歌ってはアカン歌やろ?
カガリPも何故止めなかったしw
まあ、第3章のエンドエピソードという事もありまして、色々と詰め込んでしまいました。
しっちゃかめっちゃかのプラント(ブルコスの一部)とか、激おこパトリックとか、泣きの入ったユーリパパとか、”自由”と”正義”の流出フラグとか、そして”女狐”さんとか……
まあ、”
まあ、ぼかした(?)出自はともかく、この頃から入念に下拵えしてりゃ、まあ、それは……
意外に聞こえるかもしれませんが、カナーバは割と真面目にシーゲルに
シーゲルが早い段階で雲隠れしたのも、彼女にとっては都合がよい……いや”良すぎる”かな?
気の早い話ですが、「戦後の尻拭い」もまあ彼女に任せておけば、そう悪いことにはならんでしょう。
さて、第3章もこれで終わりで、話も50話まで到達できました。
本当に読んで下さる皆様の応援のおかげです。
実際、一時は「投稿するたびに評価が下がる」という状況が何日も続いたために、仕事の疲れと相まってモチベーションが急降下して
「連載、やめるかな……」
と思ったこともありました。
ですが、話数的にも話としても折り返し地点に来れました。
原作と大幅に流れが違うのでわかり辛いかもしれませんが、種でいう「ニコル死亡イベント」や「キラ、プラントに拉致られイベント」の代替イベントが終わったという感じです。
カナーバの言動から察するに、シーゲルの死亡フラグは完全に圧し折れていますし……
次章からは”大規模な戦い”に至る前の「種原作では絶対に有り得ないイベント」を中心に書いて行こうかと思っています。
最初からかっ飛ばしていこうと思ってますが、どうかこれからも応援よろしくお願いいたします。