【完結】 種(CE)世界に00(西暦)要素をぶち込んで、死亡フラグを圧し折りながらイージーモードにしてみた   作:種再燃祭

57 / 200
いよいよ、ライブコンサートもFainalです。

前回とはガラッと空気を入れ替えてっと。






第57話 アンコールとファンサービス、アイドル☆ラクスの真骨頂!

 

 

 

 それは”圧巻”の一言だった。

 会場は、ざわめき一つたてず、ただただラクスの歌声を聴きいっていた。

 

 ラクス・クラインという少女は、その本質においてとても残酷なのかもしれない。

 

 ENDLESS RAINは、決して派手な曲ではない。

 ましてや、反戦の歌などでもない。

 むしろ、しっとりとした”ただのバラード”……今回歌われたラクスのアレンジverは特にそうだ。

 音もなく降る霧雨が、ひび割れた荒れた大地に染み込み、そっと癒してゆくような歌声……

 だから、届いた。

 届いてしまった。

 ラクスの声が、歌声を通じて、この曲を聴く全ての”戦争で傷つた者達”へ……

 

 このコズミック・イラという時代は、誰しもが”終わらない雨”の中を彷徨い歩くような境遇なのだから……

 

 

 

 

 

 曲の終わりを自覚した観客から上がったのは、あらゆる感情が込められた歓声と言うの名の絶叫。

 それは、止められない魂の嗚咽であり、慟哭であり、叫びだったのかもしれない。

 だからこそ、それは自然発生的に起こった。

 

「アンコール!」

 

「アンコール!」

 

「アンコール!」

 

「アンコール!」

 

 このコンサートの参加者たちは、このままでは帰れなかったのだ。

 当然だ。

 このままでは、その胸にこみあげる正体不明の熱でどうにかなってしまいそうだった。

 憎むことも哀しいことも虚しいと理解してしまった。いや、”わからせられて”しまったのだ。

 それも脳で理解する演説などではなく、魂に響く歌声で。

 それは直感に似た何か……知能ではなく、心の琴線のような場所で理解してしまった。

 

 この世の、戦争の全てを否定したくなった。

 だけど、頭の片隅の冷静な部分が、それが不可能であることを必死に訴えていた。

 だからこそ、彼ら彼女らは渇望する。

 ラクス・クラインの更なる歌声を!

 

 

 

 そして、再び暗くなったはずのステージが再び光を宿し、如何にもアイドルらしいピンクの衣装に衣装替えしたラクスは、

 

「じゃあアンコールいっきますわよ~♪ ファンサ!!」

 

 歓声の質が明確に変わり、より一層大きくなる!

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

気のせいじゃない 目は合ってるよ

ハート作って恋しちゃってください!

 

「当然じゃないかぁっ!!」

 

好きになって! モット! 私を見て! モット!

恩返しは”愛のこもった投げキッス”で!

 

 本当にウインクしながら投げキッスのモーションで、

 

「ごはっ!?」

 

 直撃を喰らった(と思った)アキヒサ(オルフェ)がシリンダーの中で、身をよじりながら悶絶する!

 

嫉妬、嫌がらせには負けない

ふざけんな! 実力で勝ってやる

 

「シュラ……僕のラクスに嫌がらせをするような奴は残らず殲滅しろ! 今すぐにだっ!!」

 

 オルフェは完全に目が座っていた。

 

「よせっ! 今、地球連合とザフト双方と事構えるのは流石にマズいっ!! というか本名を言うな!」

 

 直ぐに相手を特定するシュラも大概だが。

 

だから辞めない負けず嫌いのわたくしがいる

 

いきますわよ~!!

 

こぶし上げて! モット! 汗をかいて! モット!

恩返しは”愛のこもったRaku☆ビーム”で!

 

「Foooーーー!!」

 

「……お姉、本当にあんなんでいいの?」

 

「可愛い♡」

 

はぁ 終わりが近づく

寂しいね

楽しいのに泣きそうだよ

 

「やめないでぇ~っ!!」

 

 な、なんだかオルフェの声が妙に善逸チックになってきたというか……

 

次も次もまた会えますわよね?

 

約束ですわよぉ~~~♪

 

 

忘れないで 特別な日になるように

ともに歌おうずっと! ともに歩もうずっと!

 

「そうだラクス! 僕と君はずっと一緒に歩むんだっ!!」

 

合言葉はとびっきりの

 

「L-O-V-E!!」

 

 オルフェの渾身のシャウトがVR会場にこだまする!

 

 

好きになって! モット! 私を見て! モット!

 

「「「「「「MOTTO!!」」」」」」

 

 明久(オルフェ)が周囲と一体になって、ヴァーチャルで再現されたペンライト両手に叫んでいた。

 ”本来あったはずの未来”を知る皆様には、目を疑う光景かもしれないが……

 

恩返しは”愛のこもった投げキッス”で!

虜にする! モット! 夢を見せる! モット!

 

「「「「「「MOTTO!!」」」」」」

 

楽しんでって スペシャルナイト!

 

ファンサしちゃいますわ~~~~っ♡

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「終わったな……そして始まった」

 

 一足先に現実空間に戻ってきたカガリは、そう呟いた。

 

「何が?」

 

 ネーナ・トリニティの問いかけに、

 

「”大きな流れ”さ。目に全体像が映らないほど大きな、な」

 

 カガリは苦笑と共に答えた。

 

「まあそれはいい。今は笑顔で現実に戻ってくるだろう”()()()()”を、精々精一杯の笑顔と抱擁で出迎えてやろう」

 

 なんか原作のデュランダルぎちょーみたいな事を言い出したカガリだが、

 

「……ワタシ、しーらないっと」

 

 ネーナは「処置なし」と素直に沙慈……じゃなくて匙を明後日の方向へオーバースローでぶん投げた。

 ちなみに沙慈はぶん投げるものでは無く押し倒して騎乗して搾り取る物だと、某お嬢様はドヤ顔で言うのだろう。きっと。

 まあ、どっちも当然だろう。

 

(これはますますラクス病んじゃうの確定だにゃあ~。まあ病んで愛が深くなればなるほど、あの()の”歌力”は増すみたいだけどね)

 

 実は、本質的には間違っていない。

 芸術家(アーティスト)というのは、狂気に浸れば浸るほど発表する作品に”冴え”を増すことがままある。

 例えば、とある著名な作曲家は若くして狂死する直前に発表したオペラ曲が最高傑作とされた。

 とある画家は、拳銃自殺するまでの最後の2年間で「最高傑作」とされる名画を描き上げた。

 

「ん? ネーナ、何か言ったか?」

 

「ううん。しいて言うなら、カガリの脳量子波コントロール精度も上がったなぁと」

 

「それは嬉しいな。一応、私のナノマシン強化は”情報型イノベイド”を参照してるからな。能力が上がるってことは、そのまま政務能力が上がるってことだ。仕事が捗るのは喜ばしい」

 

「カガリ、前から思ってたけど……それ調整の方向性、情報型でちゃんと合ってる?」

 

「? そうだが?」

 

(どう考えても”戦闘型”の気がするんだよね~。スペック的にも性格的にも感性的にも思考的にも)

 

「ラクスに関する情報、絶対エラーとかバグとか出てるとおもうなぁ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




先ずは全3話のラクスのライブコンサートに付き合って下さりありがとうございました。
楽しんでいただけましたか?

という訳で、アンコール曲は、王道アイドルソングとも言える”ファンサ”でした。
もしかしたら、サブタイから予想した皆様もいらっしゃるのではないでしょうか?

Honey Works様の曲が好きっていうのも、勿論ありますが……

「一度、ラクスにこびっこびでガチなアイドルソングを歌わせたかった!」

というのが一番の動機です。
いえ、原作の種シリーズで、ラクスは「プラントの歌姫」という役回りだったのに、曲はともかくステージで歌うシーンがほとんど印象に残ってないんですよ。

むしろ、2作目のミーアのピンクザクのライブシーンの方がよっぽど印象に残るという。
なので、一度「思い切り歌姫ラクスをステージで歌わせたかった」って動機からVRライブコンサートの企画が始まりました。

そして、歌姫(アイドル)の武器は?と言えば、ピンクの戦艦でもでこビームなんて物理兵器でもなく、やっぱり「ファン」なんだろうな~と。

故にアンコール曲は最初から「ファンサ」にしようと思っていました。
このライブコンサートは、普通に同時配信もされてますから、きっとエゲつないくらいファンが増えそうw
そして、ファンが地球でも宇宙でも爆発的に増えれば、それはさして時間もおかず大きなムーブメントに……
カガリは、ライブの成果からどうやらそれを予見したようですよ?

さて、次回からはがらっと雰囲気を変えて、ラブコメ(?)っぽい物でも書いてみようかと。
間に合えば、本日の夜にでも投稿しようかと思っています。

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