【完結】 種(CE)世界に00(西暦)要素をぶち込んで、死亡フラグを圧し折りながらイージーモードにしてみた 作:種再燃祭
このシリーズでは珍しく上中下の3話構成。
そして……ラブコメです。多分。
加えて、またしてもフライングで登場するキャラが……
”
そして、これは後に続く大小様々な影響を生み出してゆくのだが……
まずは近場から見てゆこう。
オーブ某所、高級ホテルの一室(四人部屋)……
「なあ、リデラード……僕は何故、正座させられているんだい? それも床の上で」
と状況がよくわかってない”残念リーダー”ことオルフェ・ラム・タオに、
「お姉が先に宿泊費全額前払いしてくれてたし、帰りのチケットも前もって確保してくれてたから助かったけどさ……」
リデラード・トラドールは腕を組んだいわゆる”ガイナ立ち”しながらジト目でオルフェと部屋の一角に山積みされた”ラクス・グッズ”の集合体を交互に見て、
「私たち四人の共同旅費まで全額グッズ購入に使い果たすとかどういうつもりよっ!? 私たち個人のお財布の中身じゃ、帰るまで食べつなぐのが関の山じゃない! この後、観光とかショッピングとかレジャーとか色々考えてたのにっ!!」
実はそれなりに”オーブへの修学旅行(?)”が楽しみだったのか、それなりに下調べしてきたのに全てが水の泡になったリデラードであった。
そりゃあ怒るよ。オーブは物価は高めだし。
「どういうつもり? よくぞ聞いてくれたっ!!」
正座させられていたオルフェはガバっと立ち上がり、
「全てのラクス・グッズはオーブ限定のオフィシャル正規品! しかも数量限定ばかりだっ! ”ファウンデーション”建国の暁には、全てを国宝扱いに、」
シュラは「あちゃー、言いやがったよ。このバカ」という表情をしており……
「腐った商業主義にまんまと乗らされてんじゃねーーーっ!!」
”ぶちっ!”
完全に使い込みにキレたリデラードは、
「ぐふっ!?」
見事にオルフェの意識を一撃で刈り取った!
ちなみにDDTとはプロレス技の一種で、間違っても”Death for DT野郎”の略ではない。
どうでもよいが、まさか将来のオルフェの凶行(いや、どちらかと言えば奇行か? 結果的に)に走らせた理由は、「ファウンデーション王国民にラクスの布教が失敗したから」とかじゃあるまいな?
いや、推してるのはわかるが……このオルフェだと、それも行動原理になりそうで、原作と違う意味でちと怖い。
白目で痙攣する明久……もとい。オルフェをホクホク顔で膝枕+髪撫でで介抱するイングリット(コイツ、さては展開読めててもわざと止めなかったな……)は、
「”リッちゃん”ちょっとやりすぎ。メッだよ?」
「お姉が甘やかしすぎるから、私が厳しめの折檻するくらいでちょうどバランスが取れるのっ!」
フン!と鼻を鳴らすリデラードである。オルフェの所業を考えれば、特に厳しめでもない。というか妙に慣れたやり取りの気がするが……
さて、公式設定によると留守番組を含めた合計7人の将来の黒騎士は、どうやら”全員が兄弟姉妹みたいなもの”で、上下関係は基本的にないらしい。
だが、流石に”兄弟姉妹みたいなもの”は噓だろう。少なくともこの世界線においては。
確かにこの容赦や遠慮のなさから考えて上下関係がないのは事実っぽいが。
「お姉、ちょっと外を歩いて頭冷やしてくるよ。オルフェの顔を見てると意識が戻った途端、STF(スピニング・トゥ・ホールド)とかパロ・スペシャルとか泣いて謝っても耐久でかけたくなってきそうだから」
リデラード、もしかしてバトルマニアじゃなくてプロレスマニアとか……?
なお、リデラードのように年端も行かぬ美少女に密着系の技をかけられるのは、とある界隈ではご褒美になりかねないから注意が必要だ。
「いいけど……気をつけてね? オーブは治安が良い国だって聞いてるけど、犯罪者が0ってわけじゃないだろうし」
「阿呆な事を考える奴がいればすぐ”分かる”し、ちょうどいいから八つ当たりに”シャイニングウィザード(相手の体を踏み台にした頭部を狙う飛び膝蹴り)”の一発でもかましてくるわ」
と手をひらひらさせて出て行ってしまう。
☆☆☆
(治安が良いって本当ね……)
リデラードにとって、まず街に司法の手が届かぬスラム街がないのが驚きだ。
(ユーラシア連邦じゃあちこちにあるしね)
エイプリルフール・クライシスの悪影響は、まだまだ同地では残っていた。
例えば、軍隊に志願する最大理由が「とりあえず食べ物に困らなくなるから」というので察してほしい。
そんなことを考えながらぶらぶらしていると、
「君、つまらなそうな顔してどうしたの?」
リデラードに声をかけてきたのは、同年代くらいの男の子……黒い髪と”赤い瞳”がなんだか印象的だった。
(これ、ナンパってやつかな?)
知識では知っていたけど、当然されるのは初めてだ。
どう対処すればよいか迷うが……
(ちょっと心、読んじゃえ♪)
とアコードの特殊技能の一つである”読心”を発動させてみる。
『可愛い女の子だなぁ』
「か、可愛いっ!? 私がっ!?」
生まれて(生み出されて)から早々味わったことの無い衝撃を受けるリデラードだったが、
「ん? うん。普通に可愛いと思うよ? 可愛い子が不機嫌そうな顔をして歩いてたから、気になって声を掛けたわけだし」
なんだかとても育ちが良さそうな事を言い出す無垢な”赤目の少年”。
「え、えっとさ……唐突だけどね、私が超能力者だとか言ったら気持ち悪い……?」
「よくわからないけど、そうなんだ?」
本当によくわかっていないけど、同時に他意もないようだった。
「君の心、読ませて欲しいって言ったら、怒る?」
実は……その本質においてリデラードは、とても臆病で慎重だ。
特に「未知の物・理解できない物」に対する恐怖心が強く出るタイプだった。
オーブを下調べしていた理由も楽しみなのは半分、もう半分は未知を減らすための行動だった。
だから、知りたくなってしまった。
興味を持ってしまったこの子を……
「? そっちもよくわからないけど……別に怒らないよ?」
「じゃあ、ちょっとだけ失礼して」
リデラードの感応能力は、実は今のところそこまで高くはない。むしろフィジカルが強い。
なので、本当に知りたいなら接触が必要で……
”こつん”
『わわっ! こんな可愛い子とおでこくっつけちゃった! えっと、熱がある訳じゃないよね?』
『にゃっ!? 新鮮で可愛い反応だよぉ。あのバカもちょっと見習ってほしいなぁ』
『あれ? これ、君の声?』
『あっ、ごめん。くっついてるから意識が逆流しちゃってるみたい。私、そういうの苦手で……気持ち悪いとかない?』
『ううん。なんだかちょっとあったかい』
『そっか……♪』
スッと……少しだけ名残惜しそうにリデラードはおでこを離すと、
「えっと、私は”リデラード・トラドール”。観光客?だよ。君の名前、聞いていい?」
偽名の”ヴァナリータ・タナカ”ではなく、きっちり本名を名乗るリデラード。
何となく、そう何となく
(この子に噓の名前、なんか教えたくない……)
自分でも何故そう思ったのかは理解できなかったけど。
「俺は”
正史では出落ちで終わった感のある少女と、現状ではラッキースケベからスケベがカットオフされて、幸運値が高そうな少年……
”Destiny”、二人を繋ぐ”運命の環”が今、ゆっくりと回り始めた……
という訳で、劇場版では出番が多かった姉に対してほとんど掘り下げられなかったリデラードのストーリーイベントです。
シンが相手は意外でしょうか?
いや、どういう訳かリデラード、なんか不憫で嫌いになれないんですよ。
そんな訳で将来の黒騎士、ファウンデーションご一行の中で一番の優遇キャラはリデラードになりそう。というかなるでしょう。
この世界線のシンは、家族を失ってないせいもありますが、大分、主人公気質の性格をしてます。
人懐っこくて妹がいるせいで非常に面倒見がよく、同じ理由で女の子に優しいです。
そして、ラッキースケベ技能からスケベ成分がカットオフされて、ラッキーだけが残った感じ?
そして、あのビジュアルですし、きっとモテるんだろうな~と。特に何とは言いませんが、”重め”の女の子にw
リデラードも実はファウンデーションの貴重な常識人枠(だからイングリットと原作より仲良し)だったりするので、根は良い子の設定でお願いします。
本質は臆病で慎重。あの言動は”裏返し”かなと。
出会ってしまった二人、後の2話でどうなってゆくのか、楽しんでもらえると嬉しいです。