【完結】 種(CE)世界に00(西暦)要素をぶち込んで、死亡フラグを圧し折りながらイージーモードにしてみた   作:種再燃祭

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前回まで初々しい少女と少年の話を書いてたのに今回は一変。
ラクスのライブコンサートがもたらした”大きなムーブメント”……その顛末と、結果として両極端な評価を得ることになった両国指導者の近影です。






第61話 ”終わらない雨事変” ウズミの「人道宣言」とシチズンキラー・パトリック

 

 

 

 前回までが初々しい少女と少年の物語(A Girl meets A Boy)だったからこそ、この先を書くのは気が重い……

 だが、描かねばならぬだろう。

 ザフト史上最悪の醜態、”終わらない雨事変”をっ!!

 

「俺はザフトを辞めるぞぉぉぉーーーっ!!」

 

「俺もだっ!! これ以上、ラクス様が……俺たちの歌姫があんなに楽しそうに歌っている国を、歌わせて貰ってる国を攻撃できるかっ!!」

 

「ラクス様暗殺を命じるようなところにいられるかよっ!!」

 

「もはやナチュラルだのコーディネーターだのなんて関係ねぇっ!! ラクス様こそ正義だっ!!」

 

「俺たちは”降りやまない雨(ENDLESS RAIN)”に濡れ続けるのも、心の傷が痛み続けるのももう嫌なんだっ!!」

 

「誰が好き好んで戦争なんかするもんかっ!! 俺は食うためだけにザフトに入ったんだっ!!」

 

 かくてラクスの”伝説の復活LIVE”配信後、ついに事態は”臨界”を迎えた。

 最初に火の手が上がったのは、オーブに最も近いザフト基地のカーペンタリアだ。

 パトリック・ザラの命による綱紀粛正と思想の再教育が、「オーブに近い」という理由で真っ先に行われたのが、逆に仇になったようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 顛末はこうだ。”クライン派”ではなく”ラクス様派”を僭称する兵士たちが反乱を起こし、ボズゴロフ級潜水母艦”クストー”を搭載機ごと強奪して出奔したのだ。

 

 進路は無論、オーブ。

 当然、五月蠅さに定評のあるボズゴロフ級は直ぐにオーブ海軍に察知されるが、水上艦艇や航空機、モビルスーツや潜水艦が警戒態勢に入る中、戦時中の為、半ば領海あるいは国防識別圏となっていた海域に入ってきた途端、”クストー”は急浮上し、乗員が甲板に走り出てきて大きくシーツを転用したと思わしき白旗を降った。

 

 ザフト潜水艦からの投降と亡命希望を伝える旨が国際オープンチャンネルで流れ、甲板に出た乗員たちは一斉に”ENDLESS RAIN”の大合唱を始めたのだ。

 その光景の異常さにオーブ海軍を一瞬、啞然とするが……それでも彼らはプロフェッショナルな軍人。

 本国の許可を取り、”クストー”を海上曳航してオーブの軍港へと戻った。

 

 一応、周辺警戒はしたが、予め脱走兵たちが破壊工作をしたのか、幸いにして追撃はなかった。

 

 驚いたことに、そのボズゴロフ級には格納庫や食糧庫、弾薬庫に至るまで亡命希望者が詰まっており、その1隻で1500名以上が乗艦していたのだ。

 ただ、オーブとしても無条件で全員の亡命を受け入れる訳にはいかない。

 オーブは「ナチュラルとコーディネーターの共存共栄を目指す国」と錦の御旗を掲げた国であり、「ナチュラルという種族全体に蔑視や憎悪を持つ人間」を亡命者として認めるわけにはいかなかったのだ。

 

 何しろ、彼らはつい先日まで「ナチュラルを殺せ」という命令で戦ってきた者達ばかりのザフトだ。

 全員がニコル・アマルフィのような人間でない(アスラン・ザラがまだ穏健派)であることぐらい心得ていた。

 

 結局、念入りに行われた数々の精神鑑定や思想チェックなどを無事にクリアして”亡命者”として申請通りに受け入れられたのは、全体の1/3強と言ったところか?

 それを多いとみるか少ないとみるかは、視点によって異なるだろう。

 

 残りの1000名弱は、「亡命者として受け入れられない理由」をきっちり説明したうえで捕虜として収容所に収監することになった。

 亡命者として受け入れられない者は、「カーペンタリアに送り返すべき」と言う意見も議会ではあったが……

 

『脱走して我が国の門をたたいた者達だ。受け入れられないからと言って送り返すのは、人道に反する。彼らは脱走兵なのだぞ? 本国へ戻れば、どういう扱いになるかは推して知るべしだ』

 

 というウズミ・ナラ・アスハによるこの”人道宣言”により、少なくとも戦後になるまでオーブに留め置かれる事になった。

 この模様は亡命者、捕虜に関わらず視聴が許可された。

 この元ザフト兵達、特に捕虜となった者達が怯えたのは、自分達を「返品」することを強烈に主張したのは、ナチュラルではなく「()()()()()()()()()()()()()()()」だったことだ。

 

 元ザフト兵は、初めて「地球のコーディネーター」に自分たちがどれほど嫌悪されていたか知ることになる。

 特に誰が命じたわけでもない市民集会、”Z.A.F.T Go Home!!(ザフトは帰れ!!)”運動のニュース映像は、彼らを心底恐怖させた。

 

 言うまでもないことだろうが……最も過激な反応を示したのは、「エイプリルフール・クライシスで故国を追われ、オーブへの移住したコーディネーター」であり、まだ生々しい怨みが骨髄であった。

 そんな彼らにとり、

 

『ラクス・クラインが居るから亡命したい』

 

 など許せることではなかった。

 だが、それでも理想主義的政治家であるウズミは、国民への説得をあきらめず粘り強く続けた。

 

『我が国の国是としてナチュラルとコーディネーターの共存共栄を掲げている以上、生まれで差別があってはならない! 地球生まれだろうが宇宙生まれだろうが、亡命者として我が国の国民となることを認めた以上は、出自による差別はあってはならんのだ! 全てはオーブ国民であり、それがオーブと言う国の国体その物なのだっ!!』

 

 そこ。「○○とハサミは使いよう」と言ってやるな。

 だが、これは実に皮肉なことなのだが……ウズミは少数のこれまでの支持者を失うと同時に、新たな支持層を得ることになった。

 最も国民の大半は、

 

「まあ、ウズミさんが言うなら、仕方なしだ。別に俺達もザフトだからって理由だけで殺したいわけもないんだし。それにウズミさんの頑固さはフェイズシフト装甲並みだしな~」

 

 のような反応だったらしい。

 実はこのあたりが同じくカリスマ政治家と目されるパトリック・ザラとの大きな違いなのかもしれない。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 さて、少しウズミの”人道宣言”の裏話というか、オチを最後に語ろう。

 

「亡命を受け入れられないからプラントないしザフトに送り返せと言われてもな……今、外交チャンネル自体が機能して無いんだよ。しかも、相手は公式的な意味での国家でも国軍でもない。下手をすれば法的論拠の再構築やら再定義からせねばならなくなるぞ? クソ忙しい戦時下だというのに」

 

 という訳で、問題を戦後に先送りにし、ちゃっかり自分の人気取りのパフォーマンスに使ったウズミである。

 血の繋がりはなくとも、やはりカガリと父娘(おやこ)だと感じさせるエピソードではある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 同じような状況は、地上だけでなく宇宙でも起こっていた。

 特に宇宙領土である”ヘリオポリス”では……

 

 

 

「なっ!? ザフトの戦闘艦(軍艦とは言わないあたりが実にマネキンらしい)が、民間人を寿司詰めにしてやって来ただとぉっ!?」

 

『そうなんですよ大佐ぁ。降伏してきたので臨検してみたら、中身は半分くらい民間人で……』

 

 ”ヘリオポリス”はプラントに比較対象的に近かった事が幸い(災い?)したのか、兵士とその家族まで乗っけて脱走した戦闘艦が押しかけてきたのだ。

 だが、入国を拒否するわけにもいかなかった。

 何故なら複数の戦闘艦は無傷な物はなく、カーペンタリアと違って追撃を受けた様子だった。

 話を聞けば、道行半ばで撃沈された船も相当数あったらしい。

 

(流石に民間人を乗せたまま目の前で爆沈でもされたら外聞が悪すぎるな……)

 

 コーラサワーの最悪すぎる報告に頭痛を感じながら、マネキンは本国に確認をとった後に渋々ながら受け入れることにした。

 

 今の”ヘリオポリス”は(ザフトの襲撃を受けたせいで)軍事拠点、宇宙要塞でありその胸を説明した後に、一時的に全員を捕虜扱い(軍事基地に敵国民間人を置くことはできないという建前で)とし、追って本国へ搬送するとしたのだ。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 ”アメノミハシラ”に投降した物も含めれば、この降ってわいたような”亡命ラッシュ”で、オーブへの辿り着いたプラント・ザフトのコーディネーターは7000名を超えた。

 

 途中で同士討ちで消えた人数は、ザフトが情報を秘匿したために分かっていない。

 本国では「民間人の乗った亡命艦の撃沈」に対し、箝口令が敷かれたが、その情報は人知れず拡散された。

 軍人だけの逃亡劇だったカーペンタリアの事例は、まだ良かった(マシだった)と言えよう。

 

 この頃、プラントでは「市民殺しの(シチズンキラー)パトリック」という呼び名が、密かに広がりを見せていた……

 

 

 

 だが、勘の良い皆様はもう気づいただろう。

 このザフト最大の混乱期に、人知れず、いつの間にかアマルフィ夫妻が、数々の研究資料や機材と共にオーブに無事、入国していた事に。

 そして……

 

「カガリ、”結納の品”が届きましたわよっ!!」

 

「何事っ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




そして、最後にオチを付けるラクス様w

いや~、今回の投稿はきつかった。
今回の内容は一言で言えば、

”ザフトの醜態”

前回までとのギャップが……
いや、まあ、物語として考えると、シンリデのラブコメよりも”終わらない雨事変”の方が本題なんですけどね。
大規模なザフト将兵の組織的脱走劇と、オーブの対応、そして、その過程で生じた「ザフトの同士討ちと(結果として)プラント市民の殺害」……

書いてる人間が言うのもなんですが、ラクスの歌声もとんでもない事態を引き起こしたもんです。
ラクスの影響力とプラントやザフトの気質や性質を考えると、実際にこの程度はやらかしそうだな~と。

そして、状況をちゃっかり政治利用するウズミに、またしても評判に傷がつき頑なになるであろうパトリック、そして、状況を最大限に利用して混乱のどさくさに紛れて色々持ってこさせるラクス(とターミナル)という構図w

何やら色々動き出しそうな予感……

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