【完結】 種(CE)世界に00(西暦)要素をぶち込んで、死亡フラグを圧し折りながらイージーモードにしてみた 作:種再燃祭
あと後半、「ちょっとした伏線」の回収も。
とりあえず……ラクス、大勝利回なのは確かですw
「マジかぁ……」
その日、カガリ・ユラ・アスハは珍しく頭を抱えたくなった。
場所はモルゲンレーテ本社地下最高機密区画……
そこには、
ZGMF-X09A”ジャスティス”
ZGMF-X10A”フリーダム”
という紅白の……本来であれば、「ザフトにあるはずの最新鋭超機密試作モビルスーツ」がオーブに並んでいたのである。
そして、更に悪夢具合(?)を増長させていたのは、ニュートロンジャマー・キャンセラーの開発者である”ユーリ・アマルフィ”博士が、”ターミナル”で何を吹き込まれたか知らないが、自分を始めとするソレスタルビーイングとモルゲンレーテ、公的機関や軍部の技術関係の重鎮や科学者に嬉々として自分の技術とそれが使われたモビルスーツ、何より自分の才能の素晴らしさをプレゼンしていたのだ。
(あの男、ニコルの父親だと言うが……)
「絶対にニコルより中身は子供だよな」
何しろ、モルゲンレーテに来るなりこれだ。
何か鬱屈したものでもあったのか、自分をアピールしたくて仕方ないらしい。
ついでに言えば、アマルフィ夫妻は”ターミナル”を名乗る者達の強い勧めと協力もあり、2機のモビルスーツ共々に持ち出せるあらん限りの機材や資料を”終わらない雨事変”のどさくさに紛れて持ち出していたようだ。
無論、「オーブでの生活をより豊かにするため、高値で売れそうな技術」を厳選して、だ。
その中には、”
(そういえばアズラエル理事長もアクタイオン社を丸ごと買ったら、変な科学者だか技術者がセットでついてきたとか言ってたな……才能はあるらしいが)
「才能ある科学者というのは、変人しかいないのか?」
ちょっと否定するのは難しいかもしれない。イオリアにしてアレだし。
その一方、視界の片隅では……
「ああっ、ニコル……私の可愛いニコル。こうして生きてまた会えるなんて、お母さんは嬉しいわ……」
ニコルをギュッと抱きしめる相似形のような母親がいた。
(ニコルはかなりの母親似だな)
「母さん、さのね……ボクにも彼女ができたんだ。ソレスタルビーイングで働いている年上のお姉さんで」
「まあまあ♪ ニコルもちょっと見ない間に大人になったのねぇ♪ 今度、お母さんにも紹介して欲しいわ」
(こっちはこっちでホームドラマが始まったか……)
「まさか、出会った初日に強制的に大人の階段上らされて、以降は毎日のように盛ってますとは流石に言えんか」
母親という物がよくわからないカガリは、どこか冷めたようにそう呟いた。
(とりあえず、ユーリ博士の弁舌? 独演会が終わるまで待つか)
基本、経営者であって技術職ではないカガリにとり、技術論云々より「それを使ってどうやって儲けを出すか?」という方が遥かに関心があった。
☆☆☆
自分の執務室に戻ってくるなり、
「う・ふ・ふ♪ カガリ、”結納の品”は気に入っていただけましたか?」
ライブコンサート以降、人目が無いと遠慮なくすり寄って来るようになったラクスをカガリは片手で抱きしめ、ピンクの髪を撫でながら……
「よいな。開発を指示していた”個体用ニュートロンジャマー・キャンセラー”の実働品が標準搭載されてるのが、特にいい」
「重畳ですわ♪」
カガリに抱きしめられ、しなだれかかり梳くように優しく髪を撫でられる……まさに至高のひと時にご満悦のラクスであった。
(この一時だけでも、”正義”と”自由”を持って来させた甲斐がありましたわ~♡)
ラクス的には”カガリとのイチャイチャ1回>ジャスティス&フリーダム”であるらしい。
まさに恋する女は
「ユーリ・アマルフィ博士は研究してる題材から考えてソレスタルビーイングやモルゲンレーテではなく、国立科学研究所で新たに”NJC研究部門”を立ち上げ、そこの主任研究者をやってもらうことになったよ。まあ、当面は情報非公開だが」
「それは良いですわね~」
とあまり興味がない感じの返事。まあ、セッションする男の子本人はともかく、その親の話をされても……か?
「まあ、しばらくはニュートロンジャマー・キャンセラーの量産に尽力してもらうとしよう」
「機体の方はどうですの?」
「しばらくはテストだな。性能がよくわからんものをいきなり実戦投入せねばならんほど、オーブの国防は軟弱でもひ弱でもない」
なんか原作オーブに対する皮肉めいた事をのたまっているが、本音は
(というかビーム兵装はともかく、せめて頭部機銃とかの銃弾や消耗品を互換性のある物にしとかんと、補給部が泣くな……)
「多分だが、そのあたりはモルゲンレーテに投げることになると思う」
「ソレスタルビーイングじゃありませんの?」
「あの2機は系譜的に”盗んだGAT-Xシリーズの技術を叩き台に核動力化したモビルスーツ”で間違いない。ならノウハウや技術蓄積のあるモルゲンレーテの方がうってつけだ」
「ソレスタルビーイングの方がガンダム・タイプの運用実績が長いのに?」
「ウチはガンダム・タイプと言ってもGN粒子系……太陽炉系だからな。技術体系が大分違うのさ」
カガリは少し考え、
「ソレスタルビーイングが手を出すのは、”核動力とGN”いやGN-T(疑似太陽炉。電力が必要)の技術的融合とかそういう話が出た時だろうさ。要するに……」
ラクスを抱きしめる力を少しだけ強くし、
「あん♡」
「まだ、大分先ってことだ」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
その日、”アメノミハシラ”の軌道ステーション部分に併設されている宇宙港、その軍事区画に1隻のアガメムノン級が整備名目で入港する。
艦籍をユーラシア連邦から大西洋連邦に改められたばかりのこの船、その名を”オルテュギア”という……
「”ハイペリオン”3機+”ゲル・フィニート”1機、確かに引き渡したぞ」
「ありがとうございます。”カナード・パルス”様」
特殊な任務を請け負う
「このミッションを最後に”特務部隊X”の皆様全員、大西洋連邦より退役なさるとのこと。差し出がましいようですが、オーブ軍への再入隊などいかがでしょう? オーブ軍でしたら、パルス様の”出自”も問題にはなりません」
だが、黒髪の目つきの鋭い少年は、
「”メリオル”、今後の予定は?」
すると紫の髪を短くまとめた眼鏡型デバイスの美人秘書を思わせる副官は、
「この後、部隊全員でオーブ国営PMC”カタロン”へ入隊が決定しています。なんでも大型戦闘艦を動かせる人員が喉から手が出るほどほしいそうで、好待遇が約束されています」
「だそうだ。せっかくの誘いだがすまんな」
カナードの公私を含めた長年の”女房役”である”メリオル・ピスティス”……彼女の塩基配列は、ティエリアやリジェネと同じ”パターン0988”だった。
”カナード・パルス”
他称”スーパーコーディネーターの
とある理由から「本来の歴史」では「成功作であるキラ・ヤマト」を憎み、自らで倒すことに心血を注いでいたが……少なくともこの世界線ではそのような”負の側面”は表立っては見られない。
何しろ、”カナードの妄執の象徴”であり、
彼にどのような心境の変化があったのか語られるかもしれないし、語られないかもしれない。
しかし、そのおそらくは良い方向の変化に”メリオル・ピスティス”が深くかかわっているのは間違いあるまい。
何しろ彼女は、まだ「ユーラシア連邦で実験動物扱い」だった頃から、ずっとカナードと一緒に居るのだ。
その互いへの想いは、きっと深い……
蛇足ながら”機動戦士ガンダムSEED X ASTRAY”のもう一人の主人公である”プレア・レヴェリー”の消息を語っておこう。
第36話(https://syosetu.org/novel/335614/36.html)に”ドレッドノート”という範囲型ニュートロンジャマー・キャンセラーを搭載したモビルスーツの話題が出てきたが、彼はそれを運び人としてちゃんと送り届けた後、現在、オーブで静養している。
治療を担当しているのはソレスタルビーイングの医療部門で、そこはかつての事故(”プルトーネの悲劇”の改変イベント)の経験から、「テロメア異常に対するナノマシン治療法」が盛んに研究されているのが理由らしい。
治療の経過は良好で、少なくとも直ぐに命にかかわる事態は回避されてるようだ。
おそらく、彼も原作よりは長い人生を生きることになるのだろう。
”ライブラリアン”が『既に』存在しない、この世界では……
カナードとプレア、この二人が巡り会い戦い合う運命は、この世界では今までなかった。
この先、もし出会うとしても血が流れる様な事はないだろう。
二人の少年に、しばしの平穏を。
ラクス(コロンビア・ポーズ):「やりました! わたくし、やり遂げましたわっ!!」
実際、やったのはアマルフィ夫妻とかカナーバとか”ターミナル”だと思われ……ああ、後引渡し前に機体を整備したと思われる”ファクトリー”もか。
という訳で、カガリからのイチャイチャお墨付きを勝ち取り、この世の春を(歌姫だけに)謳歌しているラクス様どすえw
そして、感想欄で多くの皆様が想像した通りの”結納品”がw
ちなみに鶴だけではなく蟹も「金運が上がる」縁起物だそうです。
それにしても、ニコルは無事にママと再会出来て良かった。パパは、何か違うことに夢中なので、カガリがそうしたように放置で良いでしょうw
カガリは母親という物がよくわからないので、ホームドラマへの反応がちょいドライ気味です。
そして、まさかまさかの外伝主人公カナード君と情報だけですがプレア君も無事に登場です。
実はら”機動戦士ガンダムSEED X ASTRAY”を読んだのが00放映後だったので、メリオルさんのデザイン見た時、「なんかリジェネっぽいな~」とw
という訳で、ユーラシア連邦に潜り込んで何食わぬ顔で過ごしてきたイノベイターが保護者に居たので、(特に脱走から帰還後は)原作と比べて随分とマシな境遇で、アズラエルとカガリの暗躍で、スムーズにオーブに到着しました。
さて、大規模な戦闘に向けた準備が着々と進むオーブですが、次回はキラが頭を痛める予定?
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