【完結】 種(CE)世界に00(西暦)要素をぶち込んで、死亡フラグを圧し折りながらイージーモードにしてみた 作:種再燃祭
ちょっと久しぶりになる皆様とか初登場の皆様もチラホラとw
C.E.71年4月某日、ザフトの地上軍並びに該当宇宙部隊に極秘の作戦指令書が回ってきた。
「”オペレーション・スピットブレイク”ねぇ……」
そう胡散臭げに旗艦”レセップス”で指令内容を読むのは、我らが”砂漠の虎”……実質的には中の人繋がりのトレーズ閣下と同じくらい部下に慕われ、苦労に愛される漢、”アンドリュー・バルトフェルド”だ。
(パナマのマスドライバー基地を攻略し、地球連合の地球と宇宙の補給線を分断する……か)
「狙いは悪くないんだがね」
「”アンディー”、難しい顔してどうしたの?」
とは愛人? 恋人?のアイシャだ。苗字は多分、コーダンテではないと思う。
「今度の作戦でウチに回ってくる若い連中を見て、ちょっとな」
アイシャは資料を覗き込み、
「あら♪ 本当に若い子たちね」
「ただの若造なら俺も別に大して気には止めないんだが……こいつらの”出自”が少々厄介なのさ」
「どういうこと?」
バルトフェルドは珍しくため息をついて……訂正。最近はため息をつく機会が多い。
”明けの砂漠”などという妙なゲリラ集団を鎧袖一触で蹴散らすまでは上手くいっていたのだ。
だが、”ラクスの伝説のライブ”以降は全てが変わった。。
”終わらない雨事変”はザフトのアフリカ駐留部隊も無関係ではいられなかった。
感化されて騒ぎ出す部下に、
『地理的に、地政学的に、装備的に俺たちがオーブへ攻め込むことなどありえん!!』
と部下たちをなだめるのが大変だったのだ。
そして更なる厄ネタが……
「そいつらの出身、かの”クルーゼ隊”なんだよ」
その画面に映る映像資料には”イザーク・ジュール”と”ディアッカ・エルスマン”のプロフィールが投影されていた。
「あのエリート部隊の?」
「正確には”元”エリート部隊だな。看板の1人が捕虜、1人が亡命しちまって部隊は解散の憂き目にあったのさ」
「ああっ、例の”ニコル・アマルフィ”くんの?」
どうやらアイシャにも心当たりがあったようで、
「しかも、俺の部隊にこの二人を推薦した張本人がクルーゼの野郎自身なんだよ」
(クルーゼ、何を考えている……? パナマは間違いなく激戦地になるぞ?)
この世界線において、バルトフェルドはラウ・ル・クルーゼの為人をそれなりに知っていた。
いや、それどころではない。
まだ若かりし頃、バルトフェルドは偶然、クルーゼがナチュラルであることを知ってしまい、それをひた隠しながらコーディネーター至上主義のザフトでエリートの階段を血の滲むような不断の努力で昇っていく様を横目で見ていたのだ。
友情も感じてるし、尊敬もしていた。
だからこそ、まだ若い部下を激戦地へ赴く部隊へ赴任させることに納得いってないようだが……
(まさかっ!?)
「ブレイクするスピットは、パナマじゃない……?」
「アンディー?」
「となれば合点はゆく、か」
(これは赴任ではなくもしかして避難か……? 本当の目的地と、最近酷くきな臭いプラント本国からの)
「ダコスタ君、我々の部隊で”まず攻め込めない連合の要所”はどこだと思う?」
沈黙を守っていた副官に問うバルトフェルド。
”レセップス”をはじめとするザフトの地上艦は基本、水陸両用だ。
その作戦行動半径は比較的広いが……
「連合なら”アラスカ”がまず第一に挙げられますね」
「ああ、JOSH-A(Joint Supreme Headquarters-Alaska=アラスカ統合最高司令部)か……あそこは確かユーラシア連邦と東アジア共和国の軍勢も詰めていたね?」
「ええ。かなり防衛戦力は増強されているようです」
(なんだか嫌な予感がするな……)
砂漠の虎、あるいは”砂漠の苦労人”……その勘の鋭さには磨きがかかっているようだ。
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さて一方、”我らが盟主王”ことムルタ・アズラエル理事長は……
「さて、こちらもそろそろ本腰を入れて準備するとしますか」
”オペレーション・スピットブレイクの本命はアラスカである”ことは既にアズラエルに伝わっていた。
それは極秘事項とされ、情報共有は上層部の最小限とされた。
(ザフトと一緒に小うるさくて欲深いユーラシア連邦や東アジア共和国の兵士をアラスカでまとめて始末できれば、ますますオーブに”貸し”が作れるかもしれませんねぇ)
「細工は流々仕上げを御覧じろ、と言うところですか」
彼はニヤリと笑い、
「見返りに何を頂けるのか、今から愉しみですよ」
しかし人はそれを”捕らぬ狸の皮算用”と言うらしい。
いや、本来の歴史であるならば、あるいはそれに近い歩みをする世界線ならば彼の目論見は的中しただろう。
だが、此処が”あったはずの歴史をなぞる”だけの世界線ではないことを忘れてはならない。
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一方その頃、オーブの野外演習場では……
「こ、この、”
カナード・パルスが新たな乗機としていた先行量産型の”イナクト・カスタムⅡ”ごと地面に大の字に転がっていた。
『お褒め言葉、あんがとよぉ』
とサーシェスは、キラのプランで改造が施された”イナクト・カスタム・サーシェス”のプラズマソード機構付きのソニックブレイドが仕込まれた爪先でカナード・パルスの機体をツンツンと突っつき、
『ほれ、ガキんちょ。さっさと起きろ? まだ機体も持つし、エネルギー残量も十分だろうが。さっきまでの威勢はどうした?』
どうやら無事に国営PMC”カタロン”に入隊できたカナードは、その鼻っ柱の強さから機体の操縦に慣れるなり、早速、サーシェスに戦いを挑んだらしい。
「く、クソ! やってやる! まだやってやるぜっ!!」
『おう。その意気だ。お前、まだ動きは粗いが、筋は悪くねぇんだしな』
☆☆☆
「お~お。また遊び甲斐のあるオモチャ見つけてボスの奴、楽しそうにまぁ」
そう苦笑するのは、”ライル・ディランディ”。
双子の兄がガンダム・マイスターの一人を務めている青年である。
兄が遠距離狙撃のスペシャリストなのに対し、ライルはCQCやCQBのような近中距離での射撃戦が得意らしい。
「ライルさんは参加しなくてよろしいのですか?」
”メリオル・ピスティス”、ユーラシア連邦時代よりカナードの副官と言うより秘書官のようなポジションに居る、どうやらちょっと未来に”カタロン”が保有する事になる戦闘艦の艦長を任されそうな彼女は少し不思議そうにライルを見る。
「メリオルだっけか? ボスの遊び相手を務めるには、俺は大人すぎんの」
「? 年齢はカナードと大きく変わらないと思いますが?」
「ハートの問題ってことさ。俺は、あんな風に熱くはなれんのよ」
などと口では言ってるが、まあ、言うほど彼が大人ではないという事もその内判明するだろう。
そもそも、愛機のイナクト・カスタムⅡにサーシェスが愛用するブレイドライフルを切り詰めたショーティー・カスタムを2丁拳銃よろしく両手に装備して、「乱れ撃つぜ!!」なんて言ってしまう時点で何をいわんやなのだが。
ちなみに国営ではあるがPMCび過ぎない”カタロン”に小規模先行量産で、まだオーブ正規軍にも僅かな数しか出回っていない”イナクト・カスタムⅡ”が最低でも2機以上配備されているのは、公式には「モルゲンレーテよりテスト依頼を受けた」からということになっている。
まあ、何かと不正規戦も含めた実戦の機会が多い……組織の大きさゆえに実際に動きだすまで腰が重い軍では取りにくいデータが、フットワークの軽いPMCでは取れる場合もあるということか?
他にも理由はあるだろうが。
「ところでライルさん、キラ・ヤマトという少年兵は、サーシェス隊長の”良き遊び相手”なのですか?」
するとライルは少し困ったような顔で、
「あー、どこでその名前を知ったか知らないが、一つ訂正な。キラは少年兵じゃなくて技術者、軍への出向扱いにもなるが基本的にモルゲンレーテ社の社員だぜ?」
「あの
「世の中には、そういう奴もいるってこったな」
(俺の兄貴みたいにな)
という訳で、新しい遊び相手(=鍛え甲斐のある少年ともいう)を入手して、ご満悦のぎっちょん教官でしたw
いや、サーシェスを筆頭にライルとカナードがいるPMCって……これ、PMCってより特殊部隊かなんかなんじゃ(汗
しかもそう遠くない未来、移動基地となる高性能母艦とか入手しそうだし(それを見越してのメリオルたちの勧誘だったり)
そして、お久しぶりの砂漠の苦労人、いやいや”砂漠の虎”ことアンドリュー・バルトフェルドがアイシャさんを伴って再登場。
アークエンジェルが落ちてこなかったというだけで、原作より幸運値が高そうな虎さんですが、何やら原作をなぞるように厄ネタ……もとい。イザークとディアッカが降ってくるようですよ?
我らが盟主王も、情報を入手して何やらノリノリのようですが……
次回より新章、一大イベントである”オペレーション・スピットブレイク”が始まります。
新章もどうかよろしくお願いいたします。