【完結】 種(CE)世界に00(西暦)要素をぶち込んで、死亡フラグを圧し折りながらイージーモードにしてみた 作:種再燃祭
別名、「オーバーキル抑制会議」w
さて一方、いきなり喧嘩を吹っ掛けられたオーブでは……
「なんだ? ようやくか。随分と待たせてくれる」
呼び出されたリーサ・クジョウを含め、カガリの執務室に集められたソレスタルビーイングの首脳陣に対して、カガリは苦笑する。
前にも仄めかした気はするが……オーブはヘリオポリスが襲撃された時点からプラント並びにザフトに対する戦時体制に入っていた。
つまりは、パトリック・ザラの宣言はオーブにとり、意外でもなんでもなかったのだ。
ザフトが自国やアメノミハシラ、ヘリオポリスに再度侵攻をかけるのはその時点から考慮されていたわけで、モビルスーツの開発や製造を急ピッチで進めていたのは、そもそもがそれが理由だった。
どんなに準備をしても国防に万全も万端も本当はないのは、歴史が証明している。
なぜなら国防に完成形やゴールなどないからだ。
故にとりあえず、「出来る準備は可能な限り全部しておき、想定できる事態は全てしておく」ことが肝要なのだ。
そういう意味においてオーブの国防状態は”優良”、つまり「手薬煉引いて待っている」状態だった。
「それにしても、宣言から五日間も猶予期間をくれるとは、パトリック・ザラも随分と慈悲深いな? 観光客や外国籍滞在者の帰国や国外避難、民間人のシェルターへの避難誘導と退避、諸々の迎撃準備、全て余裕をもってできるではないか」
面白そうに笑うカガリに、この場で戦闘のプロ、スーパーバイザーとして参加”させられて”いた戦術予報士の資格を持つリーサ・クジョウはコホンと咳払いをして、
「カガリ代表、パトリック・ザラに慈悲だなんて冗談としても笑えないですわ。この五日間、120時間の猶予はあくまでザフトの都合、”パナマ攻略作戦”として計画立てていた物を、一握りの上層部の一存でオーブ攻略へ変更したのですから、現場部隊の移動と配置転換だけでそれだけの時間がかかるだけです」
「わかっているさ。まあ、この動きのトロさを見る限り、現場はパナマ攻略で動いていたのに、いきなり上層部の一存で目標を変更されて慌てふためいてるってのが手に取るようにわかる。クジョウ予報士、ソレスタルビーイング警備部門特殊警備セクション作戦統括担当官の君に聞きたいのだが」
いつの間にか就任させられていたやけに長い名称の役職にクジョウは内心へきへきしながらも、
「はい。どのような?」
「軌道エレベーター”アメノミハシラ”防衛に関して、事前予報から外れる可能性、あるいは防衛プランの見直しは必要か?」
「いいえ。必要ありません」
クジョウはきっぱりと言い切り、
「軍やモルゲンレーテ社との事前協議は終わっており、予想される敵対兵力もこちらの予想範疇を大きく超えるものではありません」
「具体的には?」
リーサは会議参加者に集計したデータを一斉に送信し、
「予想戦力は、宇宙ザフト艦隊は戦闘艦と輸送艦を合計して30隻前後、モビルスーツはカーペンタリア基地の地上兵力と総計して300機前後。ザフトの保有戦力の1/5以上1/4以下と推測されます」
「確認するが、それはアメノミハシラ攻撃
カガリの問いにクジョウは頷き、
「アメノミハシラを含むオーブ本土全域の攻撃部隊の合計で概算されています。他にもモビルスーツ数十機からなる別働隊がヘリオポリスに向かうでしょうけど」
「
非常に不機嫌な表情になるカガリに、
「いわゆる”終わらない雨事変”で彼らも戦う前からある程度、損耗しています。1作戦にこれ以上の戦力投入はプラントの防衛のみならず、治安維持にも影響が大きすぎます。無論、例のごとく”コーディネーター絶対優越論”を論拠とする慢心も判断に入ってるでしょうが」
「そうだったな。さすがのザフトも地球連合とも戦争中であることまで忘れていなかったか……」
カガリには思い当たるフシがあった。
幾たびの情報戦と、ラクスのライブコンサートが引き金となった”終わらない雨事変”……「弾丸より情報が物をいう戦い」で積み重なった敗北が、既に看過できる限界を超えたのだろう。
(ならば国ごと潰してしまえと、無茶を承知で作戦を決行するのも頷けるか……)
「まあ、最初にヘリオポリスで喧嘩を売られたのはこちらだが、それ以降はオーブが挑発を繰り返したようなものだしなぁ」
ちらりとしれっとした顔で会議に参加しているラクスに目を向ける。
彼女はにこりと微笑み返した。
だからこそ本格的な軍事衝突がいつ起こっても良いようにソレスタルビーイングもオーブ全体も準備を重ねてきたのだが。
「とはいえ、軌道エレベーター攻撃が宣言されている以上、堂々とソレスタルビーイングの戦力を展開できる大義名分ができたのは、正直ありがたいな」
「第3世代ガンダム4機を中心にGN-T試験機名目の”スローネ”タイプ3機ですね?」
「それだけじゃないぞ? 地上配備の”脳量子波対応型ストライク・ティエレン・タオツー(※イノベイド専用機)”にティエレンのエレベーター守備型(リニアレールに沿って動き給電を受ける軌道エレベーター防衛特化の対空列車砲型ティエレン改修機。原作のティエレンジィージュー)、あと良い機会だ、」
ちなみにお忘れかもしれないが、戦闘時には他国への配電を止めて、軌道エレベーター全体を覆うモノフェーズ光波防御帯を展開できる鬼畜仕様だ(第17話参照)。
カガリは小さく笑み、
「”アルテミー”も出そう。GN-T(疑似太陽炉)への動力換装作業は終わってるだろう?」
「……”
「そろそろ機体にも馴染んだ頃合いだろ? それにハナヨは刹那にご執心だからな。いい加減、一緒に戦場に立たせないとうるさくてかなわん」
(まあ、ソラン少年が刹那になるきっかけ……いや、)
「育ての親であり、姉であり、恋人(?)でもあるんだ。上司として願いの一つもかなえんと、女が廃るってもんだな」
詳細は、いずれ語ろう。
現状、明らかにできるのはマイスター874、ハナヨは”特殊なイノベイター”であり、第2世代ソレスタルビーイング・ガンダムに深くかかわっていた。
そして、どんな運命のいたずらか心境の変化があったようで、原作(00外伝)と異なり”受肉”をあっさり許諾し、現在に至る。
故に一部の皆様には残念なことに
同時にフォン・スパークもこの世界線には少なくとも現在、存在が確認できず(サーシェスとの邂逅が無かったことが大きいのかもしれない)にいる。
また”プルトーネの悲劇”の完全回避こそできなかったが、死者0の被害の極小化には成功しているせいもあり、因果は巡り、そして刹那とハナヨは巡り合った……そんな話のようだ。
実は原作に比べて、刹那が少し人間丸くなってる理由も、淡白な口調の割には世話好きな(あるいは刹那にいつも興味津々な)ハナヨの存在が大きい。
「”0ガンダム”はいかがなさいますか?」
「あれは
ガンダム・サダルスード、ガンダム・アストレアは厳密に言えば第2世代ガンダム・タイプで、記録上は既に存在しておらず、また当時のサダルスードパイロットであったのはハナヨで、アストレアの担当だったルイード・レゾナンス(フェルトの父親)もパイロットからは引退している。
ただし、ルイード本人は存命はしており、妻のマレーネ共々「ソレスタルビーイングの外郭団体(サポート組織)」の頭目として、忙しい日々を送っているそうだ。
最近の悩みは、
サダルスードとアストレアに話を戻すが、基本設計が良かったせいかそれぞれ「GN-T搭載の新世代センサーテストベッド機」、「GN-T搭載の実戦装備テストベッド機」として最近になって”TYPE-F(Fittingの略と言われている)”型として再生産されていた。
「ああ、だがそうなるとパイロットは”ヒクサー”と”グラーベ”かぁ……アイツらには”ラジエル”と”GNセファー”の開発に集中してほしいってのもあるしなぁ」
00外伝に詳しい方なら説明不要かも知れないが……フォン・スパークが不在な以上、TYPE-Fには別のパイロットが乗り込む必要がある。
おそらく、カガリが言うのはヒクサー・フェルミとグラーベ・ヴィオレントの事だろう。
二人とも「人間として生きていたイノベイター」だ。元気そうで何よりである。
「まあ、軍やモルゲンレーテも防衛戦力を出すわけだし、流石に不要か?」
「カガリ、カガリ、わたくしも出れますわよ?」
そう発言したのは、最近はカガリへのピンクのリビドーと熱いパトスを隠そうともしない我らが歌姫、ラクス・クラインだ。
驚くべきことに最近、彼女はピーリスと同じ脳量子波対応型ストライク・タオツーの実機操縦も単独でこなせるようになっていた。
それどころか、「量子情報を音として認識する」かなり特殊な脳量子波感応能力をもとにクォンタム・サイコフレームを改造した”クォンタム・MIDI(Melodious Interactive Direction Interface)フレーム”の実験もこなしていた。
歌姫のアピールにカガリは苦笑して、
「いや、実は現状でもオーブ全体で考えればかなりの過剰戦力なんだよ」
(ぶっちゃけ、300機程度のモビルスーツ相手なら防衛戦に徹すれば、ソレスタルビーイングの保有戦力だけでもやろうと思えば対応可能なんだよなぁ)
上記の機体以外も保有機はありそうだし。
「そこで、”私の歌姫”には別に頼みたいことがあるんだ」
「なんなりと♡」
「戦場で戦う全てのオーブ将兵、戦闘員に応援歌を歌ってやって欲しいんだ」
そして、どうやらカガリ自身が選曲したらしいその楽曲を聴いたクジョウを中心とする面々は、
(((((え、エゲつなぁ~~~っ!!)))))
心を一つにしたという。
☆☆☆
「クジョウ予報士、最後に確認しておきたいのだが」
「なんでしょう?」
「ザフトによるなりふり構わぬ”オーブへの
念を押すようなカガリに、
「ありえません」
リーサ・クジョウはきっぱりと答える。
「そもそもニュートロンジャマー・キャンセラーは製造にプラントやザフトでは入手困難な希少金属が多く必要となります。故にオーブにダメージを与えるほどの数の核ミサイルに実装するのは困難です。仮に核兵器として使うのなら、効果の怪しいミサイルではなくもっと確実な手段を使うでしょう。安易な核ミサイル攻撃など、オーブには以ての外です」
「その理由は?」
「永年、オーブは宇宙、空中、地上、水上、水中からあらゆる距離で発射されるであろう”ユーラシア連邦”と”東アジア共和国”からの全面核攻撃に備えてきました。ニュートロンジャマー投下前に構築されたこれらの防衛システムは、未だに健在で有効性は失われていません」
クジョウは少し誇らしげに、
「オーブは1000発以上の同時発射された直射、弾道、巡航ミサイルに対応できます。例えザフトが通常弾頭に核弾頭を織り交ぜて発射しようとも物の数ではありません。すべて撃墜すれば、あるいは発射する前にプラットフォームごと破壊すれば済む話です」
一つだけ、偶にはザフトに朗報を出そう。
この時点で無茶を承知で核の全面攻撃を施行しなくて正解だったと。
行っていれば、それは確実に失敗し……イノベイドに本気で”敵”として認識されていた事だろう。
「敵は排除する」
当たり前のことだ。
つまり、行っていればザフトだけでなくプラントにも「戦後は無かった」はずだ。
では同じく大量破壊兵器のはずの”ジェネシス”はと言えば……
もしかしたら、リボンズ・アルマークは近い未来、こう語るかもしれない。
『君たちの蛮行を印象付ける悪くない舞台装置だ。良い”余興”だったよ』
という訳で、「やろうと思えばソレスタルビーイングの保有戦力だけでも300機程度のモビルスーツと30隻程度の戦闘艦だったら対処可能だけど、それやったら顰蹙物だよな~。なので適度にやろっか?」的なノリですw
「投入予定戦力だけでも十分にオーバーキルじゃね?」とか思っていても言ってはいけないw
あと、スメラギ……じゃなかったクジョウさんが可哀想なことにw
もはや、恋人を作る……いや、探す暇すらないんじゃ?
気がつくと、お酒と仕事が恋人になっていそうな気配が……
そして、わずかでもいると嬉しい00外伝並びに874ファンの皆様に向けたサプライズ登場(予定)ですw
そして、887ファンの皆様、すみません。
これも人間に興味を持ちすぎて素直に受肉してしまった874が悪いということで、どうか一つご納得を。
他にも原作で不幸になってしまった皆様も元気でやってるようです。
そして、原作より4年も早くラクスに”新たな力(物理?)”の鼓動が……
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