【完結】 種(CE)世界に00(西暦)要素をぶち込んで、死亡フラグを圧し折りながらイージーモードにしてみた 作:種再燃祭
『ピーリス隊長、あれが例の……』
「ああ。我々軍とは異なり、少数ないし単騎で、太陽光発電施設の防衛を担う”ソレスタルビーイング”の実働戦闘部隊だ。任務の性質上、その情報はほとんど機密指定で、内部を知る者は軍でも上層部のほんの一部だろう。また、詳細は明らかにされてないが局地戦用の特化型、ワンオフのスペシャルオーダーの”
部下の問いにそう答えるピーリスに、
『ガンダム・タイプですか。まあ、確かにソレスタルビーイングと言えばガンダムでしょうからねえ』
部下の発言は的を射ていた。
数年前、ザフトがオーブに続き自国でのモビルスーツ開発成功を大々的に発表した際、まるで当てつけのように、あるいは技術力の格差を見せつけるようにオーブの中でも最先端を突っ走る公社、”ソレスタルビーイング”が大々的に新機軸試製動力の技術デモンストレーター・モビルスーツを発表したのだ。
その名は、”
驚くべき事に、件のガンダムはただの技術実証機の枠組みを超え、限定的な戦場投入ができる完成度とスペックを誇っていたらしい。
事実、当時の中東で勃発したどうということのない地域紛争に、性能テストとデモンストレーションの一環として投入され、それがオーブ国営放送で派手に中継された事がある。
その時、一人の少年が「神を見る様な視線」を向けていたらしいが……
ついでに記すと、他にもどこかの先輩後輩の女戦術予報士がとある理由から同士討ちを起こそうとした直前、介入してそれをぎりぎりのタイミングで止めたという隠れた大殊勲を0ガンダムはあげている。
アルマークさん、何気にファインプレー。
その後、先輩は現在、オーブ国防軍に在籍しており、後輩は……当時の彼氏は無事だったが、それなりにショックを受けたのか彼氏と分かれて軍も退役してしまった。
すかさずソレスタルビーイングにスカウトするあたり、アルマークさん、重ねてファインプレー。
もっとも、流石に何度か行われた実戦への試験投入は無茶が祟ったとソレスタルビーイングより公式のアナウンスがあり、”特殊な機関”こそ「国家最高機密にして、まだ開発中のテクノロジー」であるため情報が一切非公開とされた(世間では、荷電粒子を使った何らかの機関という説が一般的)が、特殊機関が外され他の動力(正確には一種のコンデンサーらしいが)に換装された状態では未だに時折、オーブの国家式典ややソレスタルビーイング主催の大規模イベントで公開される機会が多く、「ソレスタルビーイングのシンボル」あるいは「オーブのマスコットアイコン」として、実は地球全域で”ガンダム”という名は相応の認知度があるのだ。
それも数々の運用実績から何気に「正義のミカタ」側っぽいキャラ付けで。
アルマークさんは大いに自尊心と承認欲求を満足させたらしい。
余談ながら、熱心なモビルスーツ・マニアの間では、この”0ガンダム”に対して”ガンダム零式(略称:零式)”、あるいはソレスタルビーイングに因んで”ビーイング・ガンダム(始まりのガンダム)”などと色々ニックネームがつけられているようだ。
特に詳細は明らかにされていないが、ソレスタルビーイングが他の同じ系統の顔の機体、”ガンダム・タイプ”を運用し始めていることをそこそこ知られているようになったので、余計にそう呼ばれる機会が多くなったそうな。
蛇足だが、GAT-Xシリーズがガンダム・タイプ(ガンダム・フェイス)なのは偶然ではなく、主任開発者や開発責任者に0ガンダムの鮮烈なデビューに盛大に脳を焼かれた熱烈なファンがいるらしい。
『ところで隊長、お詳しいですね?』
するとピーリスは柔らかく微笑み、
「”古い知り合い”が、ちょっとだけ関わっているんだ」
(正確には、私ではなく”マリー”の方のだが)
そう内心で思ったところに彼女の”感覚”に引っ掛かるものがあった。
「軍曹、おしゃべりはここまでだ。どうやら、焼け出された間抜けな宇宙鼠のお出ましのようだ」
☆☆☆
アスラン・ザラはこの時、絶望と不幸のどん底にあった。
勇んで飛び込んだ残る2機があるはずのG兵器開発施設では、どういう訳か1機が戦闘ステータスで既に起動しており、残る1機を守るように立ちはだかったのだ。
そして、ばら撒かれる頭部機銃の弾幕で、潜入部隊は恐慌状態に陥り壊滅の憂き目を見た。
そして、方法の体で逃げ出してみれば……
「ジンが全滅している……だと!?」
まず目に入ったのは、爆発せずに横たわるジン。
既に電力は死んでいるようで、モニターカメラの光も消えていた。
そして、その周辺に陣取る資料で読んだオーブ製のモビルスーツ”ティエレン”が複数。
そして、ピンク色に塗られた機体からスピーカー越しに警告が響いてきた。
『ザフト破壊工作員に告ぐ。速やかに武器を捨てて降伏・投降せよ。応じぬ場合は、即時射殺命令が出ている』
自分とそう年齢が変わらなそうな若い女の声……おそらくは、オーブのコーディネーター兵士だとあたりを付けたアスランは、自分を含む僅かな生き残りがこの先、生きながらえる為の方策が一つしかないことを自覚する……
C.E71年1月25日、プラント最高評議会パトリック・ザラの息子アスラン・ザラは、オーブの捕虜となったのだった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「撤退っ!? 撤退ですかっ!?」
激昂するイザーク・ジュールに、
「まだ、アスランたちが戻っていませんが……」
心配そうなニコル・アマルフィ。
ここはザフト軍クルーゼ隊の旗艦、ナスカ級高速戦闘艦”ヴェサリウス”のブリッジだ。
「搭載モビルスーツを失った軍艦の脆弱性を、教育で学ばなかったのかね?」
とそんな二人に冷静に返すクルーゼ。
彼の言う事は事実であり、奪取した3機のG兵器を除けば、現状で搭載していた全てのジンは未帰還。彼の乗機であるシグーすらもメビウス・ゼロの砲撃で被弾し、中破判定なのだ。
艦内でできるのは応急処置程度で、本格的な修理は拠点に戻らない限り不可能だろう。
「我々には、奪取したG兵器がありますが……」
そう代案を出すディアッカ・エルスマンだったが、
「我々の目的は、そのG兵器の奪取だったことを忘れるな。それを安易に出撃させて失うリスクを考えてみたまえ」
三人の少年たちは押し黙るしかなかった。
大西洋連邦はともかく、オーブのモビルスーツ部隊に同僚たちが1機残らず落とされた……今まで敗北知らずだった彼らに、その衝撃が重くのしかかる。
「我々も失念していたのだよ。オーブには多くのコーディネーターが移り住んでいることを」
それはクルーゼの論点の転換だった。
三人の少年が撤退を受け入れやすいよう、「同じコーディネーター相手ならば負けることもある」とすり替えたのだ。
実際、クルーゼも敵にパイロットがコーディネーターだなんて確証は微塵もない。
だが、そうせざる負えないほど状況は悪化していたのも事実だ。
そして、その悪化は未だに加速度的に増大していた。
「隊長! センサーに感あり! お、オーブの戦闘艦が接近してきますっ!!」
クルーゼ隊の苦難は、どうやらまだまだ続きそうであった。
という訳で、某イノベイド総帥が過去に0ガンダム乗り回してファインプレーを連発してガンダムの「正義キャラ」としての位置づけに成功して中の人的にも大いに満足できる結果になったり、アスランがいきなり捕虜になって、クルーゼ隊からは随分と原作より随分と早いタイミングでMissing In Action扱いされたりとかなり大幅な原作崩壊があった模様。
00要素をごまんとオーブに一極集中に詰め込んだので、これも必然か?
まあ、ちゃんと投降したのでお坊ちゃんはそう悪い扱いにはならんでしょう。
お気に入り登録、ご感想、評価などしていただけたらとても嬉しいです。