【完結】 種(CE)世界に00(西暦)要素をぶち込んで、死亡フラグを圧し折りながらイージーモードにしてみた   作:種再燃祭

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本日、お休みで明日から四連で半日拘束の夜勤となるので、時間に余裕があるうちにアップです。

今回は、この戦いの中である意味最も異色な戦いである海中ステージと、そしてニコル君の「オーブ陣営としての初陣」になります。





第73話 ”オペレーション・スピットブレイク” 海中&地上ステージ(ニコル) オーブは海洋国家という事を忘れる事勿れ

 

 

 

 さて、ラクスの歌声が届かぬ海中でも戦いはあった。

 それは海面より上で行われる戦いとは対照的な”静かな戦い”……

 

 

 

 唐突だが、皆さんは”タクティカルロア”という海洋戦闘アクション作品をご存知だろうか?

 その作中に、”メトセラ”と呼ばれる熱核反応炉を搭載した巨大潜水艦が登場する。

 その最大の特徴は、”レイヤー・エクスパンション・システム”。これは周辺の海水温と塩分濃度を制御し、”層水領域”を形成することで「音の遮蔽幕」、「海中の音響学的ステルスフィールド」を形成し、ソナーからの探知を逃れようとというシステムだ。

 

 そして、オーブは艦載式ではないが浅海海底固定式装備として、”レイヤー・エクスパンション・システム”を実用化していた。

 オーブ周辺の海域は比較的浅い海が多く、待ち伏せでは深海に隠れる事ができないことがままある。

 そこで考え出されたシステムだが……問題は、その海洋ステルスフィールドに隠れる潜水艦だ。

 

 オーブの優れた超電導技術を結集して作られた”完全電動潜水艦”。

 完全電動化に加え、無反響ハルを抵抗低減を兼ねた吸音柔軟性被膜で覆った船体は、通常動力型攻撃型潜水艦としては驚異的な水中排水量7,000t以上とされ、電池式であるため時間制限はあるが、攻撃型潜水艦としての性能は現行の米国シーウルフ級、ヴァージニア級、ロシアのヤーセン型、ハスキー型の性能を凌ぐ。

 最大速度はやろうと思えば40ノット以上を出せるらしい。

 つまり、2020年代のあらゆる潜水艦より静音で、やろうと思えば静粛性を保ったまま旧ソ連のアルファ型原潜と追いかけっこができるのが、この正式名称までが秘匿された7,000t級潜水艦だ。

 

 特徴的なのは、8門が前方に装備された740㎜大口径スイムアウト式魚雷発射管。

 そして、その大口径魚雷発射管から静かに”泳ぎ出る”のは、直径650㎜・全長で9mを越える大型対艦魚雷だった。

 

 この魚雷は、層水ステルスの外に張り巡らされた水中センサーネットワーク・システムから情報えた発射母艦から有線による誘導と電源供給を受け、可動部の無い(故に音を出さない)電磁推進で海中を進み、標的に近づいた時に「音を拾って補正し画像として認識する」音響イメージングソナーで標的をロックオン。

 終末段階でケーブルを切り離し、超高速を海中で発揮するスーパーキャビテーション・モードに移行。自立誘導で敵艦に突入する。

 弾頭はフェイズシフト化するペネトレーターを備えた電化熱(プラズマ)燃焼爆薬500kgの半徹甲弾頭……いや、バ火力だろ?

 ペットネームは、古の酸素魚雷を彷彿させる”ロングランス”。

 8隻のオーブ潜水艦から発射された64本のロングランスは、カーペンタリアから出航してきた僅か3隻のボズゴロフ級に”全弾命中”する。

 つまり、1隻あたり平均して20本以上、つまり10t以上の貫通して戦隊内部で爆発するプラズマ化爆薬が叩きこまれた計算になる。

 

 

 こんな殺意の塊のような攻撃を受けては、ボズゴロフ級がいかに巨大潜水艦と言えどもたまったものでは無いだろう。

 いや、鈍重な巨大潜水艦であればこそ、全弾直撃を食らったのだが。

 更にボズゴロフ級は構造的あるいは艦種的な欠陥を抱えた。

 基本的にモビルスーツ水中母艦として設計されているボズゴロフ級は、内部に搭載するモビルスーツや支援機材、整備人員の動線と作業スペースの確保などで、空洞部分が多いのだ。

 そして、潜水艦の撃沈される多くの原因は、「船体内への排水不可能な浸水による沈没」だ。

 あちこち空洞がある図体に、平均20発以上の「貫通して船体内部で爆発する大型魚雷」の直撃を受ける……案の定、ボズゴロフ級は全艦が瞬く間に海の藻屑となった。

 

 また、搭載していた”ゾノ”や”グーン”であるが……この戦闘自体が、ボズゴロフ級がオーブの経済的排他水域(領海の外側)に入った途端に開始された為、パイロットの搭乗すら満足にできておらず、仮に搭乗していたとしてもバッテリー駆動の水中モビルスーツではオーブに到着することは可動限界から考えて叶わず……その大半が、母艦と同じ運命をたどったようだ。まあ、浮上して降伏で来た幸運な機体もあるにはあったようだが。

 

 後に7,000t級潜水艦の艦長の一人、フカマチは語る。

 

『結局、彼らは海の戦いという物を理解していなかったのさ(頼むから海の中をどんちゃん騒ぎしながら来るなよ。調子が狂う)』

 

 オーブは、言うまでもなく旧日本の伝統を継承する海洋国家である。

 宇宙を故郷とするにわか仕込みのサブマリナー……海中で海の中で宇宙と同じ様子でモビルスーツの出撃準備を行うザフトでは、やはり荷が勝ちすぎる相手だった。

 

 何しろオーブは、切り札と言える”レーザー核融合炉搭載の大型反応潜水艦”という切り札を切る前に海中の戦いに圧勝してしまったのだから。

 まあ、旧西暦時代から脈々と継承されてきた”海のNINJA集団”相手に、モビルスーツを積んで海中を航行できるだけの”運送トラック”が勝てないのも道理ではあるのだが……

 

 ザフトの根本的な敗因は、宇宙戦での成功体験から「モビルスーツがあれば何でもできる」と思い込んだところだろうか?

 相手が居る以上、戦いに絶対はない。どんなに高性能な水中用モビルスーツを保有していても、出撃させられなければ無意味となる。

 

 そして、オーブによるこの戦果も使用された潜水艦も使われた兵器も長年、公表されることは無かった。

 潜水艦とは、”静かに潜むべき兵器”であるべきなのだから。

 その時点から「主力兵器であるモビルスーツを見つからないように作戦域まで運ぶのが潜水艦の役割」としていたザフトは考え違いを起こしていたのかもしれない。

 ザフトのそれは潜水母艦の発想であり、むしろ対艦戦特化の攻撃型ではなく戦略型原潜の発想に近い。

 ならば、この結果は必然ですらあった。

 

 最後に、水上艦と対潜哨戒機の皆さんのボヤキを一つ。

 

「「俺たちの標的は何処に?」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時は少し遡る……

 

「ラクス、頼むぞ」

 

「わかりましたわ。カガリの願い、必ず応えてみせます……!」

 

 そして、オーブ全域に広がる戦う男たち、女たちへ向けたコンバットマーチ、

 

「精一杯、歌います! 哀戦士を!!」

 

 ここは軌道エレベーター”アメノミハシラ”の基部にあるソレスタルビーイング本局、そこに置かれた特設ステージだ。

 ”アメノミハシラ”は現在、友好国各国への配電を止め、全体にモノフェーズ光波防御帯を展開する鉄壁の防御態勢(第17話参照;https://syosetu.org/novel/335614/17.html)にある。

 

 キーボード担当のニコルこそいないが、生バンドの演奏をバックにラクスの歌声が戦場をフルボリュームで震わせるっ!!

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

哀 かなしみの哀

いまは残るだけ

 

「ははっ! 良い曲ですラクスさん!」

 

『貴様っ! その機体はニコル・アマルフィだなっ!? この裏切り者がぁっ!』

 

 運良く、本当に運よくオーブの大地に降りたてたザフトのモビルスーツがあった。

 オーブの本土に落着できた機体は、大雑把に全体の1割程度だ。

 だが、彼らの運もここまでだった。

 遊撃手としてマスドライバーのあるカグヤ島の守りについていた、後に”黒い死神”と呼ばれザフトに恐れられるモビルスーツ”ブリッツ・天”に出会ってしまったのだから。

 

「誰が裏切り者ですか人聞きの悪い。ボクは(愛で)”表返(おもてがえ)った”だけですよ」

 

”ドヒュッ!”

 

『ぐはぁ!? き、機体のエネルギーが……』

 

名を知らぬ戦士を討ち

 

 隊長機と思わしきシグーにマガノグレイプニールを突き刺しエネルギーを吸引すると同時に引き寄せ、

 

『こ、この隊長を離せっ!』

 

 マシンガンを向けてくる部下らしきジンに、

 

「おっと」

 

 引き寄せたシグーを向けて盾にする。

 命中する無数の徹甲弾は隊長機をハチの巣に変え、

 

生き延びて 血反吐はく

 

(この場合、血反吐を吐かせるですけどね)

 

『この卑怯者っ!』

 

「一方的に攻めてきておいて、どの口が言いますか」

 

 隊長から棺桶にクラスチェンジしたシグーを無造作に投げ捨て、トリケロスに内蔵されたビームガンを乱射しつつ、

 

疾風のごとき 死神の列

あらがう術は 我が手にない

 

「ニコル・アマルフィ、これより突撃しますっ!!」

 

 トリケロスのビーム刃に加えて背中のエールストライカー改のビームサーベルを抜き放ち、ストライカーパックの推力を全開にしながら、変則二刀流の”黒き疾風”がオーブの大地に吹き荒れる!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




異色(モビルスーツが出てこない)海中ステージでした。

オーブ・サブマリナーズ(なんか野球チームみたいだ……):「モビルスーツ出す前に母艦ごと撃沈しちゃえば問題ないよね?」

という訳で、人工的に作り出した層水域(海の音響学的ステルスフィールド)に潜んだめっちゃ静かな完全電動の超電導通常動力攻撃型潜水艦8隻によるスイムアウトかーらーの”ロングランス”魚雷のつるべ撃ちという鬼畜ステージw

ザフト・サブマリナーズにしてみれば、「これをどうしろと?」という感じでしょう。
なんせ音を立てず接近してきて、回避不可能な距離で急加速、フェイズシフトする貫通体で船体食い破って内部でプラズマ弾頭がドカーン!ですからねぇ~。
しかも、無駄に的が大きいせいで1隻あたり20本がほぼ同時に全弾命中………
あと、ディスティニー時代の描写を見てる限り、モビルスーツの搭載魚雷が当たって即座に轟沈するボズゴロフ級ってかなり構造的に脆い疑惑が……

そして、ニコル君、今度は「自分の意志で(愛のために)戦場に立つ」です。
「ちょっとやんちゃで生意気なオスガキ」感出てましたでしょうか?
ヒリングさんの好みは、あくまで「可愛い男の子」であって、男の娘ではないので、こんな「優しいだけじゃないニコル君」にしてみました。
むしろ戦場で再会したイザークやディアッカをめっちゃ煽りそうw

次回は、いよいよキラ君の登場ですが……

いや~、前書きにも書きましたが明日の投稿は確実にできるんですが、ちょっとそれ以降が不規則になってしまう可能性があるんですよ。

無論、ストックがあるうちは可能な限り毎日投稿しようと思ってますが、執筆時間とか平日は厳しくなりそうで。
これも悲しき社畜の命運ってやつです(泣
実は本日、二度目の投稿に踏み切ったのは、確実に投稿できるうちに”オペレーション・スピットブレイク”の戦闘シーンだけでも終わらせたいな~と。特にキラw

こんな感じですが、どうかこれから応援よろしくお願いします。

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