【完結】 種(CE)世界に00(西暦)要素をぶち込んで、死亡フラグを圧し折りながらイージーモードにしてみた   作:種再燃祭

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このエピソードから、新章スタートです。
章の始まりは、まずは穏やかに?


第6章:パナマの戦い ~ザフトの本性、あるいは恥部が白日の下に晒される時~
第82話 穏やかな日常の中における次なる戦いへの準備(虎と傭兵)


 

 

 

 ”オーロラ・カラミティ”

 ”ストーム・レイダー”

 ”ミラージュ・フォビドゥン”

 

 とまあ、3機の核動力化を含む改修プランは正式に立ち上がったわけだが、それがすぐさま実機に反映されるもなく、まずは”一次改装”と銘打って、パワーエクステンダーの電力周りへの換装やちょっとした各部の強化とアップグレード、あるいは制御ソフトウェアやコックピット周りの自動化の推進やアップデートが行われた。

 更に簡易的ながらも外付けのフィン状無線受電アンテナが追加され、完璧には程遠いがある程度の「戦いながらの充電」ができるようになっていた。

 まあ、本格的な改造に向けた下準備ないし下処理だが、これでも総合性能評価で3割近いパワーアップがなされたのだから中々侮れない。

 

 ちなみにキラに対するナノマシナリー・チルドレン三人組とニコルの信頼度は上限突破中。

 予定が合えば五人でつるむ機会も日常になってきた。

 ただ、最近は三人娘に引率やら運転手を任せると、何やら直感的に妙な寒気がする(キラも脳量子波に順応しだした?)ので、時間が空いていれば「気のいいお兄さん」ことムウに引率を頼むようになった。

 そしてキラは、

 

「よし。今は忙しくて無理だけど、この戦争が終わったら絶対に運転免許を取ろう」

 

 と決意した。これが後年、家族サービスにゲスト(意外と戦後もキラを訪ねてくる人も多くなりそうだし)の送迎にと大活躍するのだが。

 ちなみにカガリは普通乗用車免許は既に持っているらしい。

 なら、カガリに頼めば良さそうなものだが、自分以上に多忙な姉に頼むのは、流石のキラも気が引けた。

 

「というか、大体ラクスがべったりだしなぁ」

 

 シャニはラクスと会うと素直に喜ぶが、キラにはたまに自分へ敵意に近い何かが飛んでくるような気がしてならない。

 別に嫌いなわけではないのだが……ちなみに敵意が飛んでくるのは、カガリとの物理的な距離に反比例(距離が近いほど飛んでくる確率が高い)とする非公式データがある。

 

「弟に嫉妬してどうするんだ?」

 

「だってぇ……」

 

「キラの甘え癖は生来の物だ。私も受け入れてるぞ?」

 

「頭ではわかっているのですが……」

 

 そんな会話があったとか無かったとか。

 また、実はシャニの性格がダウナーというより「陰キャというよりシャイ」ということがわかって以来、音楽の趣味と言う共通項があるニコルが積極的に話しかけているらしい。

 

「シャニって結構、可愛いですよね♪」

 

 ……くれぐれも三人娘に燃料を投下しないようにご注意ください。ちなみにニコルの方が年下だ。

 

 ああっ、危うく書き忘れるとこだったが、アスランは腰使いを見る限り相変わらず元気です。

 最近、思い悩む場面もあるそうですが……

 

「まあ、僕に言わせるとヘッドドレスだっけ?だけを装備させた全裸のメイドさん侍らせながらシリアスな顔をされても、リアクションに困るんだけどね」

 

 キラは相変わらず、時間を見つけて時折様子をうかがいに行ってるらしい。

 いや、ホントに親友だわ。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 オーブでは次なる戦いの準備に余念がない中でも、それぞれの日常を過ごす中……

 アフリカの地では、戦時中らしい殺伐とした空気が流れていた。

 

「オーブで歴史的大敗を喫したというのに、懲りるという事を知らんのかね? 今の上の連中は」

 

 そう”レセップス”の艦橋でぼやくのは我らが砂漠の苦労人、もとい”砂漠の虎”ことアンドリュー・バルトフェルドだった。

 

「アンディー、不服そうね?」

 

 そう気遣うような視線のアイシャに、

 

「そりゃそうさ。今更、『パナマを攻めろ』と言われてもねぇ。そりゃ本来の”オペレーション・スピットブレイク”に備えて額面通りの準備はしていたさ。だが、攻撃目標をまたコロコロ変えるんじゃないかと疑いながら作戦をするのは流石になぁ」

 

「でも、その反応から見ると、今度は本当にパナマ攻撃なんでしょ?」

 

「まあな。正直、今のザフトが用意できる戦力で他に攻撃できる”意味のある重要拠点”が無いってのが本当のところだな」

 

(アラスカなんて降下部隊で急襲する位しか手がないが、オーブであれほど手酷くやられたんだ。流石に現場も納得しないだろうさ)

 

「だが、部下たちが気乗りしないだろ? なんせあれだけの大敗の後だ……正直、今だって士気は高くないんだ。俺も含めてな」

 

 するとアイシャはクスクス笑いながら、

 

「でも、士気が高そうな子、いるじゃない? 二人も」

 

「イザークとディアッカか……」

 

 バルトフェルドは苦虫を嚙み潰したような顔で、

 

「重力にも慣れてきて、ちったあマシになってきたが”実戦”にどこまで耐えられるかは未知数だな」

 

「というと?」

 

「”戦場の薄汚さ”を連中は知らんだろ? 理想や勝利に燃えるのは結構。若さゆえの特権とも言える。だが、それは同時に諸刃の剣にもなりえる」

 

「それを導くのが大人の役目なんじゃないの?」

 

 バルトフェルドは、頭を搔きながら、

 

「そういうのは本来、クルーゼの野郎がやるべきことなんだぜ?」

 

(まあ、本人はプラント本国で飼い殺し状態だから致し方なしか……妙な噂も流れてるみたいだしな)

 

「いずれにしろ、今度の戦いはロクなことにならん気がするのさ」

 

(やれやれ。ザフトの陸上艦が水上航行できることをこれほど恨めしく思う日が来るとはねぇ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、その予感は的中する。

 パナマへの「地上からの侵攻軍」はバルトフェルド率いるアフリカ組だが、降下作戦を行うのは”本国で編成された「秘密兵器」を持つ精鋭部隊”だというのだ。

 参加人員のリストを確認する限り、プラント本土より降りてくるのは「練度においての精鋭ではない」事は明白であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、視点を再びオーブに戻そう。

 

「代表様直々に一介の傭兵に過ぎない俺っちをを呼び出すってのは、一体どういう要件だ?」

 

 ソレスタルビーイングのカガリの執務室、そこに呼び出されたのは……

 

「相変わらずの露悪趣味なようで何よりだ。サーシェス教官」

 

 ニヤリと笑うのはカガリだ。

 実は、この2人は割と相性が良い。まあ、どっちも曲者気質だからだろうか?

 加えて、実は第3世代のソレスタルビーイング・ガンダムの全員ではないが、一部のパイロットの教官を極秘裏に務めた事もある。

 まあ、言うまでもなく(原作でも因縁のある)刹那とロックオンがその代表格だ。

 無論、この世界線では真っ当(?)な国営PMC”カタロン”が抱えるモビルスーツ隊の総隊長、確かに若い頃に世界中の紛争地帯を回って腕を磨いたり戦争の深淵を見てきた経験はあるが、別に原作のようなテロ活動はしていない。

 だが、もしかしたら二人に与えたトラウマは質はともかく量的には上かもしれない。

 何しろサーシェスが行ったブートキャンプは、未だに刹那もロックオンも悪夢に見て魘されるレベルだというのだから。

 まあ、そのおかげ……基礎から徹底的に戦場で戦うとは? モビルスーツ・パイロットとは何なのか?を叩きこまれたおかげで、今のこの2人は「原作より明らかに腕前は上」になっているのだが。

 

 また、別の側面から見ても一人の戦士としてモビルスーツ乗りとしてもそうだが、教官としてはサーシェスはやり方はともかくかなり有能なのだ。

 ソレスタルビーイングに限らず明らかに死亡フラグが圧し折られているオーブ腐女子会の三人娘をはじめ、最近だとカナード・パルスにライル・ディランディ。どいつもこいつも「殺しても死なないような連中」ばかりになった。

 サーシェスには”教え子”たちに必ず言う言葉がある。

 

『敵は俺よりおっかないか? 恐ろしいか? もし、そう感じるならお前は死ぬかもな。だが、そうじゃないなら死にはしねぇよ』

 

 そして、教え子たちは思うのだ。

 

『あっ、教官の相手をするよりはマシだ』

 

 そう戦場の中で冷静さを取り戻す。

 まあ、そんな中でも別格中の別格なのがキラであるが……まあ、アレは一種の「精神的には異能生存体」と思っておこう。

 

「急な話で悪いが、ちょっと”ある機体”をテストして欲しいんだ。当然、正規軍には頼めない案件だよ」

 

「あん? ムウの野郎を引率にガキ共集めて何かしようって計画は聞いてるが、その流れか?」

 

「いや、それとは別件だよ」

 

 カガリはスクリーンに件の機体を投影する?

 

「なんだぁ? ”スローネ”なのか?」

 

 カガリは頷き、

 

「”スローネ・フィーア”。4番目のスローネって意味だが、ちょっと事情があってな」

 

「事情だぁ?」

 

 サーシェスが興味を持ったことを確信したカガリは、

 

「スローネの予備部品と、疑似太陽炉搭載の次世代量産機”GN-X(ジンクス)”のパーツを組み合わせた試験機だ。例えば、腕はまんまGN-Xだしな」

 

「ちよっと待て。確かGN-Xの技術実証機ってもうあったよな? 確か”スローネ・ヴァラヌス”つったか?」

 

「ああ。あるな。あっちでのテストは一通り終わってる」

 

 カガリは頷きながら、

 

「だがぶっちゃけ、”私の上司(リボンズ)”が、『誰よりも実戦を知るお前さん』が、その腕前を引き出せる性能を持つ機体と次世代機や現行のガンダム・タイプの装備でどこまで戦闘力を発揮できるか見たくなったんだそうだ」

 

「……相変わらず物好きなもんだな」

 

「長く生きるとああなるらしいぞ? そう思えば不老長寿も考えものだな」

 

 カガリはそう苦笑して、

 

「とりあえず機体は渡す。専門の整備チームも”カタロン”に出向させる。装備の要望があれば、ソレスタルビーイングで開発してやる。報酬は……」

 

「良い機体だったら、コイツでいいぜ」

 

 癖のある笑みを浮かべるサーシェス。

 

「確かに俺の操縦に、イナクト系だとそろそろ追従できなくなってきてるからな」

 

「お前もやっぱり物好きだよ」

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 さっそく、何処か楽し気な様子で呼び出された担当官と共に早速”スローネ・フィーア”受領に退室するサーシェス。

 そして、サーシェスが退室するまでカガリのそばに張り付いて居ながら、一切発言しなかったネーナは、

 

「カガリ、いいの? アイツにガンダム・タイプ渡すとかいいの? 絶対にロクなことにならない気がするんだけど」

 

「ネーナ、ホントお前はいつまでたってもサーシェスへの警戒を解かないのな? まあ、私の護衛を兼ねている以上、褒められた物ではあるんだが」

 

 ネーナはカガリがサーシェスと会うときはほぼ確実に側にいる。

 見えないようにしっかり武装して、集中と緊張を切らさないように。

 

「あいつはプロだ。クライアントに牙をむけばどうなるかくらい心得てるぞ?」

 

 傭兵というのもある意味、信用商売でありまして。

 命と金がかかってる分、簡単に裏切り裏切られるのは、実は創作物の中だけだ。世界最古の職業に数えられる傭兵は、相応に積み重ねてきた物がある。

 

「……な~んて言うかさ、アイツってなんか好きになれないのよ。背中を見せたら、心臓を一突きにされるような怖さがあるって感じかな?」

 

「女の勘ってやつか?」

 

「まあ、そんなところね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




少年少女たちの穏やかな日常に見えても、しっかり戦時中。
バルトフェルドの元には、次なる作戦の指令書が届き、サーシェスには新型機が舞い込みます。

まあ、「パナマを攻撃目標とした本来のオペレーション・スピットブレイク」の準備を重ねていて「オーブ攻略戦に参加してない部隊=消耗してない部隊」を遊ばせておく理由はないですし、バルトフェルド隊の参戦は当然なんですが……虎さんは、どうにも気乗りしない様子ですね~。

そして、サーシェス教官が割としっかり教官職をしてて、しかも原作と違う意味で刹那とロックオンにトラウマを植え付けた模様w
まあ、モビルスーツのド素人をガンダム・マイスターにしようって言うんですから、サーシェス式パイロット・ブートキャンプかなりハードなだった模様。

ちなみに”スローネ・フィーア(4番目のスローネ)”は、舞台版のガンダム00で設定された機体で、本当に「リボンズがサーシェス用に用意した機体」です。

とはいえアセンとか最終調整はこれからなので、デビュー戦は宇宙ステージに入ってからかな~と。

ほぼほぼオーブが関わる地上ステージ最後の大規模戦、”パナマの戦い”が中心となるこの章、どうかよろしくお願いいたします。


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