【完結】 種(CE)世界に00(西暦)要素をぶち込んで、死亡フラグを圧し折りながらイージーモードにしてみた   作:種再燃祭

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いよいよ、(パナマの準備で)盛り上がってまいりました。





第84話 ”合同性能評価部隊” ~カガリと七人の機動サムライ~

 

 

 

「ふ~ん。俺用の新型、ザフトから持ち込まれた、えっと”ドレッドノート”の改修機になるって訳ね」

 

「ええ。”χユニット”……フラガ少佐の空間認識能力をフルに活用できる有線電力供給式の量子通信遠隔操作兵器、通称”ドラグーン(Disconnected Rapid Armament Group Overlook Operation Network)・システム”に対応できる機体がないんですよ。どっちもザフト由来の機体と技術ですから、相性が良いんです」

 

 とモルゲンレーテ社の技術スタッフより説明を受けるムウ。

 ”χユニット”とは、アマルフィ夫妻が脱出・亡命してきた時に持ち込まれた機材や資料に紛れ込んでいた、”第一世代ドラグーン”の一つ……というか、初期のドラグーン計画案の一つだ。

 それをオーブは原作同様(原作でも”アメノミハシラ”で製造されている)に完成させたらしい。

 

「ん? 有線電力供給? 量子通信遠隔操作? これ、有線誘導兵器じゃないの?」

 

 当然の疑問のムウに、

 

「ええ。誘導自体は無線、量子通信式です。まだドラグーンに使われている量子通信デバイスは消費電力が大きくて、ドラグーン本体の内部電源では不安があったので、このような形になったようですね。ただ、安定した大電力の有線供給は他にもメリットがあって、”χユニット”のドラグーンはドラグーン本体にフェイズシフト装甲材を使えますので実体弾兵器による撃墜は難しいですし、ヤマト技官(キラのこと)が開発している”フェイズシフト素材を耐ビームコーティング皮膜で覆った電源ケーブル(ストーム・レイダーのトールハンマー用ケーブル)”を用いれば盤石となるでしょう。加えて、現在、複数のドラグーンを対象周囲に配して粒子線で錘型にフィールドを形成する、一種の”ビーム・バリアフィールド”を展開できないか研究中です」

 

 ※原作のディスティニーで”アカツキ”がやったμガンダムのフィンファンネルのようなアレ。実は原作の「機動戦士ガンダムSEED X ASTRAY」にも登場する。

 

「ほぇ~。随分と多芸にすんのね。でもこれ、宇宙戦用だよね?」

 

 すると技師は頷き、

 

「X状に配されたマウントの基部はフレキシブル・ジョイントになっていますので、母機に接続した状態でも多連装ビームランチャーとして機能しますが……真価を発揮できるのは、4基のドラグーン・ユニットを縦横無尽に走らせられる宇宙でしょうね。やはり」

 

「となると、まだもうちょい先か? まあ、それまでに開発と調整を頼むよ」

 

「お任せください。”エンデュミオンの鷹”が再び宇宙(ソラ)を飛ぶ日までには必ず」

 

「いや、その仇名はもういいから」

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 さて、その日のムウの案件は、新型機の打ち合わせだけではなかった。

 正確にはムウだけでなく、何かと最近一緒に行動(保護者として引率)する事が多いキラ、ニコル、オルガ、クロト、シャニ。

 それに加えて、見ない顔……カナード・パルスまで保護者(メリオル)同伴で、カガリの執務室に呼び出されていたのだ。

 

 側近であるネーナはともかく、当たり前のようにいるラクスには、もはや誰もツッコミを入れる気配がない。

 

「急に集まってもらって悪いな」

 

 カガリはそう切り出すと、

 

「実は極秘裏に、ここに居る7人に私を加えた計8人で、アークエンジェルを母艦とした1回限りの作戦を前提とした”臨時の緊急展開モビルスーツ部隊”を編成しようと思ってるんだ」

 

 最初に出たのは、言うまでもなく困惑。

 まず、キラが……

 

「カガリ、聞きたいことは多いけど……まずこの人選ってその、どんな意味が?」

 

「それはシンプルだ。お前達が乗ってるのは第1期と第2期のGAT-Xシリーズ、そしてキラと私が預かるのはオーブが開発したというふれこみの”正体不明の新型機”……表向きの理由は、オーブと大西洋連邦の友好親善を兼ねた”合同性能評価部隊”の設立と言う建前で行うからさ」

 

「それはつまり、『部隊設立の目的をザフトに察せられたくない』って事でよいのかな?」

 

 正解を引き当てたのは軍歴がそれなりに長いムウで、

 

「流石にフラガ少佐は鋭いな」

 

 カガリは感心したように、

 

「もうすぐ、ザフトは大規模な侵攻作戦を”パナマ”に対して行う……これはほぼ確定だ」

 

”ざわっ!”

 

 一瞬、場は驚きに包まれるが……

 

「そう驚くことではあるまい? 独裁者に()()()()()()パトリック・ザラが最低でも現在の地位を維持するには、”確固たる勝利”が必要なことは歴史上、あらゆる事例が証明している。国民にアピールできる、『自分が率いるザフトは強い。戦争に勝利できる』と国民に信じ込ませるには小さな勝利では無意味だ。大戦開始の時のような『大規模な戦いでの華々しい勝利』こそが、オーブ相手に大敗したザフトへの綱紀粛正の特効薬になりうる」

 

 独裁と言うのは「国民の強い同意」があって始めて成立する。

 政治家と言うのは元々が人気商売だが、成功も失敗も「個人の責任に帰結する=責任の所在がこの上なく明確化する」独裁制は、よりその傾向が強い。

 つまり、”負け続ける独裁者”など国民にとり無用の長物もいいとこなのだ。

 歴史に詳しい者なら知ってることだが、故に独裁者が恐れるのは敵国よりもむしろ自国民であり、だからこそ国内の弾圧組織を熱心に整備するのだ。

 それらに強権を与え、時には恐怖政治の走狗に使う。今の本国詰めのザフトがまさにそうだ。

 

「あの……先の戦い、オーブ防衛戦であれだけの大損失を出したのに、ですか?」

 

 と当然の疑問を出したのはニコルだ。

 ”オーブ防衛戦”とオーブ主観の物言いを自然にするあたり、彼も今やすっかりオーブ国民という事だろう。

 

「逆だよ。あれほどの大敗をしたからこそ、ザフトは早急に失地、政治的信頼を回復しなければならない。今のプラントの状況は、情報封鎖がされているから普通の方法じゃ察知できないだろうが……戒厳令が敷かれ、街中の治安を警察組織ではなくザフトが担ってる状況だ。今やプラントの市街地でも、武装したモビルスーツが立っている姿が、普通に見られるらしいぞ?」

 

 つまり、どこぞの歴史上の”SS”の真似事をザフトはやってるということだ。

 戦車がモビルスーツに代わっただけとも言える。

 

「現状、正しく”ヒトラーの尻尾”だな?」

 

 カガリは不謹慎な笑みで、

 

「だが、敗北に対する不安や軍事政権というストレスに対する不満は、最初は情報統制や武力で抑え込めても限界はある。いわゆる恐怖政治ってのは長続きしないもんだ。要するに国家という社会統治システムにかかる負荷が大き過ぎるのさ。独裁者とその兵隊だけで国を回そうとすれば当然だな? 軍ってのは国家システムの一部であり、全部ではないんだ」

 

 まあ、軍隊が警察の真似事をしなければならない国家がどういう状況にあるかなど、少しでも歴史を学べば想像がつくだろう。

 独裁者+軍事政権で豊かになった国と言うのは、まず存在しない。軍政家であっても、本職の政治家や経済家の置換にはならない。

 むしろ、国家としては末期状態の姿だ。

 

「だからこそ、最低でも現状を維持すべく”プロパガンダとして喧伝できる大きな勝利”が必要と言うことですわね?」

 

 とラクス。

 

「ラクスしゃま、賢い」

 

 これは言うまでもなくシャニ。

 

「その通りだ。ただ現状、もはやオーブ攻撃の時のような大規模な戦力投入は物理的にザフトには不可能だな。プラントの治安維持に兵力の一部を割いてる現状では尚更、な」

 

 カガリはいくつかの情報を空間展張スクリーンにホログラム投影し、

 

「現在、ザフトが動員できるのは、いいとこ宇宙艦20隻以下、モビルスーツ100機前後って所だろう」

 

「えっと……カガリ、それでパナマは落とせるの?」

 

 戦力的に無理じゃないかと思うキラに、

 

「ああ。落とせると思うぞ? 落とす定義にもよるが……占領しないことを前提に言うが、あそこを守ってるのは、大西洋連邦の精鋭じゃないんだ。主にユーラシア連邦や東アジア共和国から派兵された部隊を中心とする、”()()()()()混成軍”なのさ。大西洋連邦の本隊は、どっちが狙われるか分からないって理由でアラスカ(JOSH-A)に詰めてるよ」

 

「つまり弱いってこと?」

 

「額面通りならそう弱くはないはずだ。オルガ、地球連合にも量産型モビルスーツあったよな? 確か既に先行量産型の配備が始まっていたはずだな?」

 

 振られたオルガは思い出しながら、

 

「ああ、”ダガー”のこったろ? あのなんか弱っちいの」

 

「言ってやるなよ」

 

 以前の”安普請”発言を棚上げしオルガの正直すぎる評価に苦笑ながら、

 

「その”ダガー”は、地球連合パナマ派遣軍に優先的に配備されてるらしくてな。本来はジンくらいなら十分、戦える筈なんだが……」

 

 カガリは、一つの情報を画面に加えた。

 

「だが、それはザフトもある程度は把握しているみたいだな? 現状では情報量が少なすぎて”UNKNOWN”とするしかないが……どうやら連合のモビルスーツへの対抗策になり得る”新兵器”も用意されてるらしい。情報を精査すると、パナマの部隊が壊滅する公算は大きい。それこそ戦争劈頭のモビルスーツって新兵器が実戦投入されたばかりの頃のようにな」

 

 ザフトの場合、ヘリオポリス襲撃の一件と数々の戦いから「オーブは当然としても地球連合もまたモビルスーツ投入の準備ができた」と判断しての想定だろう。

 まあ、実はカガリ本人は「どういう新兵器なのか?」は掴んでる臭いが、別に「自分の軍に”決して”使われないのなら開示しなくても良い」と判断したのだろう。

 あるいは、「今回投入するモビルスーツを含めてオーブ製モビルスーツには、使われたとしても大した影響はない」との判断かもしれない。

 常にユーラシア連邦や東アジア共和国の核の先制攻撃を想定しなくてはならなかったオーブ軍の装備は、大気圏内の核爆発で必ず生じる高強度電磁パルスに対する高い耐性(耐電磁コーティングやサージ電流に対するシールド処理)が求められるのだ。

 

「最悪、ニュートロンジャマー・キャンセラーを搭載した核兵器が投下って可能性もある訳ね」

 

 と言うムウの言葉に、

 

「それも完全否定はできんよ。実際、今回の作戦に投入予定の”プラント本国からの精鋭”を考えればな」

 

 そうカガリが拡大した情報、人員リストには……

 

「あん? なんなの、この連中?」

 

 クロトはよくわからないと言いたげな表情をするが、しかし、その開示された人名データに顔色を変えたニコルは心当たりがあったようで、

 

「これ、まさかザフトの中でも過激派と呼ばれる面々の……」

 

「ニコル君、どういうこと?」

 

 キラの問いかけにニコルは悲痛な表情で、

 

「コーディネーター至上主義、いえ、ザフトの中でもナチュラル根絶主義の最右翼、”コーディネーター絶対優位原理主義者”のリストですよ、多分これ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ムウさんの新型機(予定)がアップを始めました(挨拶
”χユニット”と”ドレッドノート”の改修機はプレア君ではなく、本家筋(?)のムウが使うことになったみたいです。
そして、この先、「多芸な有線ドラグーン」は、改良を重ねムウの代名詞になって行きそうな……

そして、”合同性能評価部隊”という名目で、パナマへの派遣組(モビルスーツ隊)が決定しました。

正規軍の海外派兵は手続きに時間がかかる。
また、既に戦時中のため形骸化しつつあるとはいえオーブの国是「他国を侵略せず、他国の侵略を許さず、他国の争いに介入しない」の建前の関係で、、緊急展開部隊を現在のオーブ正規軍は持っておらず、今から事前設立、常設には法整備が間に合わない。

正規軍で間に合わないのなら、「正規軍以外で緊急展開部隊を仕立てるしかない」というカガリの結論です。
数は確かに普通に少ないけど……アークエンジェルを母艦として考えると、実はオーバーキル疑惑w

相手するのは、ニコル君の弁によれば、どうやら「ザフトでも選りすぐりのロクデナシ」な模様。
いや~、もうパナマで何が起こるか確定ですわw

でも、「そのような胸糞事案」が発生して、尚且つ大西洋連邦からの要請がないと出撃はできない……
まあ、この反省点が活かされて、C.E.73では非常時に対応できる”正規の緊急展開部隊”が常設される予定です。
これで培った経験が、後の”コンパス”設立に大いに役立つのではないかな~と。

まあ、C.E.71のこの大戦をまず終わらせるのが最優先なんですが……少しネタバレをするとC.E.73では、ザフトはどんな理由があれ「オーブを通常戦力で狙うことは無い」ので、”緊急展開部隊”が話の中心になるかな~と。
ちなみに狙わない理由の一つは、先のオーブ防衛戦、今回のパナマ(EXステージが追加されるかもしれませんが)、そして宇宙ステージでザフト自体が「トラウマ」を背負ってしまうからというw

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