【完結】 種(CE)世界に00(西暦)要素をぶち込んで、死亡フラグを圧し折りながらイージーモードにしてみた   作:種再燃祭

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せっかくの日曜なので、マネキンさんでもう1話追加。







第09話 それは、艦隊戦とも呼べないような一方的な何かだった

 

 

 

 優れた戦術予報士でもあるオーブ国防軍大佐カティ・マネキンは、誤解することなくザフトのローラシア級フリゲート艦2隻の行動を読み取った。

 

(ほう、残る戦力全てを投入して、おそらくは奪取した3機を載せた旗艦を逃がすか……)

 

「あくまで戦術的目的達成を最優先とする、か」

 

(敵ながら、悪くない判断だ)

 

 状況はシンプルだった。

 逃亡する敵旗艦と思われるナスカ級、そして、これ見よがしにこちらの進撃(追撃)路を塞ぐ位置に陣取る2隻のローラシア級。

 報告の上がってる敵艦の総数とモビルスーツの撃墜数を考慮すれば、もう敵に搭載モビルスーツは残っていないだろう。

 

 今度は自軍の戦力を鑑みる。

 自ら座乗する改イズモ級(アマギ級)1番艦”アマギ”を旗艦とする9隻の艦隊で3倍の数を有するとはいえ、臨時編成であり、ヘリオポリス防衛に駐留していた残る8隻はともかく、ヘリオポリスに着任したばかりのアマギはまだ充分に周辺宙域のデータを把握しているとは言えない。

 また、臨時編成の手前、緊密な連携を有する高度な艦隊行動は、ぶっつけ本番では難しい。

 

(数の差を生かして、艦隊を二つに分けて2隻を抑えつつ残る1隻の追撃を強行するのは、この場合は愚策だろうな)

 

 そうすれば、一石二鳥ではなく”二兎を追う者は一兎をも得ず”になりかねない。

 

(何より、私はオーブの軍人だ)

 

 最優先すべきはヘリオポリスの安全確保、脅威の排除だった。

 大西洋連邦の軍人でない以上、奪われた事実報告は受けているが「G兵器の奪還ないし破壊」の命令は受けていない。

 そして、おそらく……

 

「逃亡を図るナスカ級を追うそぶりを見せれば、残る2隻は嬉々としてヘリオポリスに攻撃を仕掛けるか」

 

 残った意図は、明らかにオーブ追撃部隊の足止め。

 ならば、ヘリオポリスを人質にするような真似も躊躇なく行うだろう。

 

(ふん。ならば、考える必要もないな)

 

 ナスカ級が奪取した3機を乗せているとすれば、宙域を離れる判断をしている以上、ヘリオポリスへの脅威はすでにない。

 ならば、ヘリオポリスに危害を加えられるのは、

 

「全艦、残存の敵ローラシア級2隻に攻撃を集中せよっ!!」

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

(あの馬鹿)

 

 モビルスーツ隊を先行させるべく出撃させたマネキンは、軽く頭痛を覚えた。

 宇宙戦パッケージで出撃したイナクトの1機が”アマギ”ブリッジの横で航空機形態から人型に変形し、敬礼を決めてから再び航空機形態になり敵艦に向かうというモーションを見せてから飛んで行ったのだ。

 

(アイツ、絶対に子供の頃にあのアニメ見ただろう)

 

 初代の超時空要塞の劇場版、そのラストを飾る要塞突入シーン的なアレだ。

 どうやら作られた年代が違うのか、それとも再構築戦争後にリメイクされたのか、この世界線でもどうやらあの作品は存在しているらしい。

 少なくともオーブではメジャーなようだ。

 

(まあ、私も嫌いではないがな)

 

「懲罰は勘弁してやるか」

 

 少しノスタルジックな気分を味わえたマネキン……早速、ちょっとデレたような気がしないでもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヴェサリウスは追わせんっ! 追わせはせんぞぉっ!! あの船にはザフトの未来が! 希望が詰まっているのだっ!!」

 

 国際チャンネルを全開にして吠えるツィーグラーの艦長に、

 

『盗人猛々しいわっ!! モビルスーツ盗んでイキってんじゃねぇよっ! さっさと沈めぇっ!!』

 

 コーラサワーの操るイナクト、そこから放たれた高出力単射モードのリニアガンの一撃でブリッジを乗員ごと潰された先行していたツィーグラーは、最後はイナクト4機を中心とするオーブ製モビルスーツ部隊の集中攻撃を浴びて最後は機関爆発を起こし轟沈する。

 

「見事だ」

 

 そう呟くのは、ガモフの艦長であるぜルマンだった。

 だが、彼も座乗するローラシア級ガモフも既に満身創痍だった。

 

「全艦、火線を残る1隻に集中させよっ!!」

 

 マネキンの命令一下、過剰ともいえる火力がローラシア級1隻に集中し、ガモフは5分も経たずにツィーグラーの後を追うことになる。

 そしてこれが、後に”第一次ヘリオポリス防衛戦”と呼ばれることになる戦いの、ザフトが最後に受けたダメージとなった。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 すでに感知できる範囲に敵影は無く、あっさりと戦闘が終わった宙域に漂っているのは回収が無意味な残骸と遺体だけだった。

 ザフトの要救助者、いや生存者は驚くほど少なかったことを書き留めておく。

 

 

 

『マネキン大佐、陽電子砲(ローエングリン)は使わなくて良かったので?』

 

 そう通信で質問したのは、ネルソン級の”アオバ”に座乗する、本来のヘリオポリス駐留宇宙艦艇部隊の指揮官であるトダカ中佐であった。

 

「ローエングリンは、威力も射程もありますが、固定砲で動きの速い艦艇相手には不向きなんですよ。あれはむしろ要塞などのある程度の大きさと強度を持った固定目標に使うべき兵装です」

 

 階級は下でも、年齢でも経験でも勝るトダカにマネキンは丁寧な言葉遣いで返す。

 この如才の無さこそが、実は彼女の立身出世の秘密なのかもしれない。

 

「それにわざわざザフトに、比較的新しい兵器の情報を献上する必要はないでしょう?」

 

『なるほど』

 

 そう楽し気な微笑みを浮かべるトダカ。

 彼にとり、優秀な若い人材が順調に育っている事は実に喜ばしい事だった。

 年齢的に自分が祖国へ奉仕できる時間は、そう長い物ではない事を自覚しているがゆえの喜びだ。

 トダカは、既に「自分が前に立つ」ことよりも「後に続く者へ繋ぐ」事を考えはじめる世代だった。

 

「ところでトダカ中佐、コーラサワー少尉がわざわざ敵の通信とも言えない絶叫に返したのはなぜでしょう? 国際チャンネルでの発信から考えて、少しでもこちらの戦意を削ぐ方策に見受けられましたが?」

 

 するとトダカは優しい表情で、

 

『若いとはそういう事だよ。マネキン大佐、君もいつか自分が歳をとったと感じれば分かるようになるさ』

 

「そういう物でしょうか?」

 

『そういう物さ。彼はきっと、性根の良い若者だ。いずれエースとしても漢としても、大きく成長するだろう』

 

「今は腕は立ちますが問題児ですけど」

 

『繰り返すが、まだ若いのさ。多少の無頼は青さの証明みたいなものだよ』

 

「つまり、今はまだ未熟ということですか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この時、トダカがなんと返答したかは残念ながら記録に残っていない。

 だが、将来彼がとある結婚の報告を受けた時、

 

「何となく、こうなる予感はしていたよ」

 

 そして懐かしいという表情で、

 

「口うるさいが面倒見の良い姉と、ヤンチャで手のかかる弟のような二人だったからね」

 

 そんな話をしていたという。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




きっとコーラサワーの脳内では、”愛・おぼえていますか”がフルボリュームで響き渡っていたに違いない(確信

どうやら、この世界線では超時空な宇宙戦争同梱三角関係大作アニメが存在しているようですよ?

というか、オーブに可変機が多かったり、ブシロードな人が空中での変形にこだわった理由ってもしかしてw



それにしても、艦隊としてのクルーゼ隊は壊滅。
当分、AAの追撃とかは無理でしょうね~。


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