【完結】 種(CE)世界に00(西暦)要素をぶち込んで、死亡フラグを圧し折りながらイージーモードにしてみた   作:種再燃祭

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()る気満々のオーブ陣営ブリーフィング in アークエンジェルの一幕です。




第92話 船中ブリーフィング? 道中ブリーフィング? どちらにせよ、カガリは平常運転です

 

 

 

「ほう? なんだか随分と興味深いことになってるじゃないか?」

 

 それは、”アークエンジェル”が大気圏を抜けて弾道飛行の安定高度、地球低軌道に乗ったあたりの事である。

 

「ザフトが同士討ち……じゃないな。味方の愚行を止めようとしているって解釈でいいのか?」

 

 ここはアークエンジェルのブリーフィングルーム。現在は降下するパイロットたちの最終打ち合わせに入っていた。

 当然、この場に居るパイロット全員が、ヘルメットを抱えてパイロットスーツ着用済みだ。

 流動的な状況を把握しておくために、パナマのリアルタイム配信がずっと投影されている。

 入ってきた最新の動画は、グゥルに乗る増加装甲をまとった”デュエル”と”バスター”が、ザフトの降下部隊のシグーやジンを破壊している情景を映していた。

 

「あれはもしかしなくても……イザークとディアッカ?」

 

「ニコル君、知ってるの?」

 

 他意なく聞くキラに、

 

「えっとその……」

 

 ちょっと言いにくそうなニコル。

 だが、カガリは事もなげに、

 

「ヘリオポリスを襲撃してきて、GAT-Xシリーズを強奪したザフトに残ってる二名だよ。イザーク・ジュールとディアッカ・エルスマンだったか? パトリック・ザラの副官ポジの重鎮、強硬派のエザリア・ジュールと強硬派から中立派に転身したタッド・エルスマンの息子だよ」

 

 カガリ的にはどちらかと言えば、詳しいのは親の方だ。

 

「えっと……元の同僚です。はい」

 

 と申し訳なさそうなニコルに、

 

「そんなに気にしなくてもいいよ? 僕も気にしてないし」

 

「そういや、ニコルの元居た部隊、”クルーゼ隊”は解散になったみたいだが、デュエルとバスターのパイロットが変更されたって話は聞いてないな」

 

 するとブリッジから、

 

『代表~。なんかザフトの指揮官同士の通信が何故か国際オープンチャンネルで暗号化もせずに垂れ流しになってるみたいで、傍受できちゃってるっぽいんですけど?』

 

 とアニュー。

 

「良いだろう。録音しながら、こっちにも流してくれ」

 

『あいまむ!』

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 そして、流れる内容は、

 

『バルトフェルド隊長、どういうつもりだっ!? 貴様の麾下の機体が我が軍を攻撃してるのだがっ!?』

『攻撃? 冗談じゃない。ただ、”戦争犯罪”を止めさせているだけですよ ”投降してきた無抵抗の降伏者に対する虐殺”は、この上ないほどの戦争犯罪ですよ? 知りませんでしたか?』

『なぜ、我々が下賤なナチュラルが作ったルールに縛られねばならんっ!! ただちに友軍の、いや同胞への攻撃を止めさせろっ!!』

『じゃあ、その前に降伏者を意味もなく殺すのを止めさせてくださいよ。そうすれば、こっちも撃つ必要がなくなる』

 

『だが、作戦から君の部隊を外す権限はある。バルトフェルド隊長! 今すぐ味方撃ちをしている部下を引き連れ、本作戦よりの離脱を勧告する!!』

『作戦先任指揮官殿の()()()()()、”バルトフェルド隊”は可能な限り早急にパナマより撤収いたします』

 

 

 

「あー、なるほどな。こりゃ”砂漠の虎”はかなりの”切れ者”だな」

 

 カガリは頭を搔きながら、

 

「もう気が付いてると思うが、あの通信は露骨に大西洋連邦、そしてオーブに聞かせる意図だ。どうやら衛星軌道より虐殺生中継しているのを把握しているらしい」

 

 そして腕を組み、

 

「理由はまあ、”アリバイ作り”か? 『ザフト全員があそこまで阿呆(テロリスト)じゃない』ってアピール、そして『俺たちは虐殺を止めた』って実績作り。そしてわざわざ先任指揮官煽って撤退命令出させているから、本国ザフトへのアリバイ工作もかねてるか?」

 

「……まあ、そうだろうな」

 

 とはモビルスーツ隊を預かるムウだ。

 

「優秀なやつを相手どるのは面倒なんだが……今回は、その優秀さゆえに素直に引いてくれるから良しとしとくか」

 

「カガリ、もしかしてバルトフェルドさん、だっけ? 僕たちが突入することを……」

 

 キラの言葉にカガリは小さく頷き、

 

「読んでるだろうな。確実に」

 

 アークエンジェルの出撃その物は、実は未だにネットにはアップされていない。

 ザフトがネット監視している場合を考え、「あえて時間差をつけた情報発信」を行うようにネットワークに細工をしてある。

 急速上昇するアークエンジェルは隠しようがないのだから、情報の元栓を締めた方が手っ取り早い。

 

 他のザフト基地からは「何かがオーブから打ち上がる」のは確認できたかもしれないが、あらゆる手段で通信妨害をかけているので早々伝わることは無いだろう。

 現にパナマに居座るザフト降下部隊指揮官は何も把握しないまま、部下たちの虐殺風景を暢気に観戦していた。

 だが、「()()()()()()」であれば事前情報を精査してさえいれば、推測自体は可能だろう。

 つまり、それができたのがバルトフェルドという訳だ。

 

 そして、カガリはブリッジとも映像回線を繋ぎ

 

「大気圏再突入からのシーケンスを再確認するが、迎え角40度で腹を下に向け減速しつつの降下は、まあ、通常の大気圏再突入だな。だが、高度25,000m近辺で計算上は減速が十分となり、艦の姿勢制御が可能……で合ってるな? トダカ艦長」

 

『ええ。相違ありません』

 

「結構。ではその時点で”アークエンジェル”は艦首を下方へ向け、緩降下しつつ高度20,000mで長射程高威力の”ゴットフリート”と”ヴァリアント”などを展開し、砲撃戦準備に入る。”カラミティ”を除く飛行能力持ちのモビルスーツは高度15,000m付近で発艦開始だ」

 

 万能艦とモビルスーツだけに展開高度は輸送機やパラトルーパーに比べて高いが、カガリが言ってること自体は降下作戦のシーケンスから大きく外れるものではない。

 特筆すべきは、母艦であるアークエンジェルは空挺降下仕様のC-130と地上掃射機(ガンシップ)のAC-130双方の性質を、拡大した上で兼ね備えていることだ。

 しかも表面のラミネート装甲に加え内部装甲材にトランスフェイズ素材まで仕込んだ戦艦に相応しい堅牢さをの持ち、この時代のモビルスーツの火力では撃沈困難というのは大きなアドバンテージだろう。

 

「カガリの事だから、開幕陽電子砲広角射撃とかやると思った」

 

 素で言うキラに、カガリを気を悪くした様子もなく、

 

「その方が手っ取り早いし、そうしたいのは山々なんだがな……攻撃開始時点で”現地の地球連合の将兵”が生きている可能性がある以上、纏めて吹っ飛ばす訳にはいかんのさ。今回の目的が”テロリスト討伐”である以上、ある程度はお行儀よくやらねばならん」

 

 何しろ、今回は「プロパガンダとしての戦闘」、違う言い方をすればオーブの正義やら大義やらを見せるつけるための戦闘だ。

 そして、ちょっと溜息を突いて、

 

「ユーラシア連邦や東アジア共和国相手の戦争だって言うのなら、何の遠慮もいらんが……まあ、今回は意図して”()()()()()()()”を殺すわけにはいかん。何しろ、地球連合の一員として献身的に大西洋連邦管轄地パナマを守備しているのだからな」

 

 しかしフンスと胸を張り、

 

「だが、戦闘に巻き込まれて死ぬのは構わん」

 

「カガリ、言い方……」

 

 ちょっと呆れるキラに、

 

「そうだろ? 優先すべきは大義名分の”悪逆非道なテロリストの殲滅”であり、今回の任務に人命救助は含まれてはいない。むしろそれは、後続してくるだろう大西洋連邦の救援部隊仕事だ。我々が恩を売る、いや、恩を返すのは大西洋連邦であり、大西洋連邦が恩を売るのが同じ地球連合のユーラシア連邦や東アジア共和国……シンプルに言えば、今回はそう言う図式だ」

 

 コンパクトに国際情勢を要約したカガリは、

 

「オルガ、アークエンジェルのブリッジ前にちょっとしたスペース、そこで踏ん張って支援砲撃ってできそうか?」

 

「まあ、やってはみるけどよぉ」

 

 振り落とされるかどうかという感じだろうか?

 まあ、アークエンジェルが近接砲撃支援を行う高度なら、落下したところでスラスター噴射で着地はできるだろう。

 だが、現状でオルガ達三人の機体……というより、キラの”ジャスティス”とカガリの”フリーダム”以外に核動力機はなく、出来れば強力な火力を誇る”カラミティ”は、強力な火力を活かすために船上で電源ケーブルを有線接続しながら思う存分、支援砲撃に徹してもらいたいとカガリは考えていた。

 

「あっ、それなんだけどオルガ、作戦案を聞いてから、ちょっとアプリを構築してみたんだけど……ぶっつけ本番になるけど、試してもらっていいかな?」

 

「アプリ? どんなだ?」

 

「アークエンジェルの運動にカラミティのオートバランサーやスラスターを同調させて姿勢制御するやつだよ。これなら理論上は、船から落ちないはずなんだ」

 

 何気に「直接戦闘ではない分野」の方がキラはスーパーコーディネーターっぷりを発揮してるような気がするのは気のせいだろうか?

 

「サンキュー、キラ。ありがたく使わせてもらうぜ!」

 

 とりあえず、どうやら問題は一先ず解決したようで、

 

「優先して撃破するのは小うるさいハエ、”ディン”だ。制空権が確保でき次第、地上掃討に入る。タイミングは各自に任せる」

 

 作戦自体は、既に詳細に伝えてあり、今行っているのは最終確認。

 

「そして、まずは問答無用で半数くらいまで間引きする。残った半数に私が宣言を行う。ここまでで何か質問あるか?」

 

 故に特に質問が出ることはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




キラ、最近、薩摩式ベルセルク無双のパイロットよりも、モビルスーツ・エンジニア(ややマッド気味だけど)としての方にスーパーコーディネーターの能力を使ってるような?(挨拶

皆様の予想通り、ニコル君はホッとしている様子。
まあ、かつての同僚が外道に堕ちていたり、あるいはその”処断”をせずに済んで一安心でしょう。
ちなみにイザークとディアッカに再び幸運カード、「頼れる上司の的確な判断」をドローして命運を繋いだ模様w
大真面目にキラ&ニコルコンビに本気で「駆逐してやる……!」されたら、生き残る確率ほぼ0ですから。

そして、カガリ……その言い方だと、政治的配慮が必要なければ、盛大に開幕ローエングリン(広角射)をぶちかましてたと聞こえるんだけど?

カガリ:「その通りだが? 大気汚染? 環境汚染? 我が国の領土ではないし、テロの殲滅こそが最優先課題じゃないのか?」

流石、「不可抗力でユーラシア連邦や東アジア共和国の将兵が死ぬのは構わん」と言い切る女、面構えが違うw
やっぱコイツ、生粋のマキャベリストだわ。

さて、次回はいよいよ戦闘開始です♪

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☆☆☆



C.E.75を書くならやってみたいネタ(8)

オルドリン自治区にて……
やっぱキラもカガリの双子の弟だわ……という話

キラ:『こちら隊長のキラ・ヤマト。”コンパス”モビルスーツ隊各員に告げる。えっと、なるべく殺さないように。特に民間人。モビルスーツに乗ってるのは、勢力問わずに死んじゃったらしょうがない精神で』

シン:「キラ先輩、言い方ェ……」

キラ:『でもね、シン……ブルーコスモスの過激派もザフトも、どっちもオーブの敵って意味では同じだし、大義名分があって削れるうちに削っておきたいなって』

シン:「本音がダダ洩れっすよ……」

キラ:『大丈夫。クォンタム・サイコフレームを通した指向性脳量子波の秘匿回線だから』

シン:「いや、そういう問題じゃなくて」

キラ、4年後でもブルーコスモス過激派は当然としても、相変わらずザフトが嫌いな様子w
そして、シンの方が温厚かつ穏健という衝撃の事実がw

シンはとっても優しい子に育ったみたいっすね?

マユ:「自慢のお兄ちゃんですから♡ (そしてお目目からハイライト・オフ)これで戦場で変な()拾ってくる悪癖がなければ……」

4年後、アスカ家は賑やかみたいですね?(白目










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