【完結】 種(CE)世界に00(西暦)要素をぶち込んで、死亡フラグを圧し折りながらイージーモードにしてみた 作:種再燃祭
このエピソードから新章スタートとなります。
言ってしまえば、本格的に宇宙ステージに入る前の準備章、アスランはそろそろモラトリアムを終わらせるみたいですよ?
第99話 AA(魔改造途上)とドミニオン、そしてそろそろ現実を直視することにしたアスランとジト目(?)のキラ
さて、大西洋連邦の物資や装備が次々とカグヤ島のマスドライバーや軌道エレベーター”アメノミハシラ”から宇宙へ上げられているのに紛れさせる形で、オーブも着々と宇宙ステージへの準備を重ねていた。
具体的に言うなら、”アマギ級宇宙戦艦(戦闘航宙母艦とする資料もある)”の2番艦”アカギ”が無事に就役し、3番艦の”カツラギ”が公試運転に入った。4番艦の”カサギ”は未だ竣工しておらず、今次大戦には就役が間に合わないかもしれない。
ちなみにいつの間にかオーブに譲渡されていたアガメムノン級戦艦”オルテュギア(かつてのカナードたちの母艦)”は、モビルアーマー用の装備をモビルスーツ用の装備に一新されると同時にモビルスーツ用リニアカタパルトが追加され、また下面にも2基4門のゴットフリートを増設し、動力炉を最新の高出力の物に交換すると同時に艦船用モノフェーズ光波防御帯を搭載するなどの大改装を受け、PMC”カタロン”の宇宙母艦として生まれ変わったようだ。
ちなみにアークエンジェルにもモノフェーズ光波防御帯を搭載する計画もあったようだが、どこぞの(技術)バカ師弟が手を入れ過ぎた為に余剰電力不足が露呈し搭載を断念したらしい。
ちなみに当事者に言わせれば……
『まあ、ラミネート装甲にトランスフェイズ装甲をヴァイタルパートのインナーアーマーに採用したんだ。ザフトの火力程度じゃ早々に沈まんだろう』
『あとあと、GNコンデンサを空きスペースに詰め込んでブリッジの周辺だけ緊急展開用GNバリア・フィールドを手動・自動で張れるようにしたのでばっちりなのですよ♪ それより火力こそ正義なのです!』
コイツら!?
いや、ホントに何をやらかしてんだよ……
ちなみに大西洋連邦で建造された2番艦”ドミニオン”には、『艦隊旗艦が簡単に沈んでは困る』という理由から武装強化はそこそこ(例えばゴットフリートは垂直方向へ指向できるアークエンジェルと同じ改良型に換装されただけで3番砲塔の採用は見送られ、火力強化はアークエンジェル準拠の防空火器の増設に留められた。当然、陽電子砲関連の逝かれた魔改造はされていない)にガッツリ”モノフェーズ光波防御帯”が搭載されていた。
一応、しっかりとアークエンジェルの改良データは、カガリとアズラエルの密約通りにフィードバックされているようだ。
もっともこれでも大満足な仕上がりらしく、投射質量増強改修工事を無事に果たしたカグヤ島のマスドライバーから宇宙へ送られた、この”ドミニオン”を受領した第8艦隊のハルバートン提督に言わせると、
「なんというか……隔世の感があるな」
とのことだ。
☆☆☆
さて、一方オーブ某所のメイドハーレム御殿……間違えた。アスラン・ザラのネストでは、
「キラ、悪いな。忙しいのに呼び出してしまって」
「いや、いいよ。アスランから呼び出すなんて珍しいなと思っただけだし」
そして、キラは真剣な顔で、
「メイドさんが服を着てて、”ご奉仕”もしてないってことは……もしかして真面目な話?」
普段、アスランがどういう日常を過ごしてるか如実に表す言い回しだが、
「ああ」
当のアスランは、特に思うところはない。だって本当にそういう日常だったし。
「キラ、今のプラントとザフトをどう思う?」
するとキラは少し考えて、
「アスランのお父さんがクーデター起こした軍事独裁政権、ザフトは宇宙テロ組織じゃないかな?」
ドストレートに言い切った。
だが、アスランは特に感情を荒げる様子もなく、”ふぅ”と溜息を突いて……
「やはり、そうなるか……」
「うん。少なくとも国際認識ではそうなってるよ?」
するとアスランは、一瞬躊躇したような顔で、
「キラ、ザフトは問うまい。だけど、プラントは政体としてこの戦争の後も生き残れると思うか?」
「普通に無理じゃないかな」
即答であった。
「詳しく」
「詳しくも何も……アスランには悪いけど、パトリック・ザラは今やテロ組織ザフトの首魁で、武力でプラントを乗っ取ったんだよ? そんなの誰も容認できるわけないじゃない」
「ザフトがテロ組織というのは、覆らないのか?」
「パナマの報道、見てた? あの戦闘員を選抜して送り込んだのザフトの上層部、あるいはパトリック・ザラ本人だよね?」
「うっ……」
言葉を詰まらせるアスランに、
「ヘリオポリスの一件もだけど、他にも、奪還したヴィクトリア宇宙基地周辺から、大量の”無抵抗な状態で射殺された死体”が掘り起こされてるんだけど……これでテロ組織じゃないの?」
「しかし、父をああしてしまったのは”血のバレンタイン”で……」
「……アスラン」
キラは怒りではなく憐みの目で、
「”エイプリルフール・クライシス”で死んだ億単位の人間の遺族と、パナマやアフリカでの虐殺された人の遺族にそれ、言える?」
「……」
ついに押し黙ってしまうアスランに、
「正直、僕はプラント全域に全面核攻撃がいつあってもおかしくないって思ってるよ」
「なっ!?」
「そのぐらい、君たちは殺したし、地球の人は怒ってる。ナチュラル、コーディネーター問わずにね」
「地球のコーディネーターも、か?」
「当然じゃない。むしろ一番怒ってるのは、地球のコーディネーターなんじゃないかな? 自分達もザフトの被害者なのに、とばっちりで迫害されたり故郷を追われたりしてるし。少なくてもオーブではそうだよ?」
「いや、だが、元々コーディネーターは迫害されて……」
今度はキラが溜息を突き、
「それ、どこ情報?」
「常識だろっ!? いや、オーブのような例外があるのは知ってるが……」
「あのね、アスラン……”エイプリルフール・クライシス”が起きるまでは、ここまでコーディネーターの迫害も排斥も酷くなかったって知ってる?」
事実である。
確かにブルーコスモス、特に過激派による行動は顕著だったが、少なくともブルーコスモスの思想にかぶれていない、思想的にニュートラル一般市民たるサイレントマジョリティーまでがコーディネーター排斥を言いだすような事態にはなってなかったのだ。
「なん、だと……?」
「オーブに大量のコーディネーター移民が押し寄せたのは、間違いなく”エイプリルフール・クライシス”の後だよ。だからこそ、”終わらない雨事変”の時、オーブのコーディネーターがプラントからの亡命希望者達が『勝手が過ぎる。虫が良すぎる。自分たちがやったこと考えろ』って怒ったんじゃないか」
「いや、しかし……」
「僕はオーブのコーディネーターしか知らないけど、その気持ちはわかるよ。だってプラントもザフトも、地球に住むコーディネーターのこと、全然考えてなかったよね? だって開戦から、そういう発言は一切なかったし。ねぇ、アスラン……”ヘリオポリス”を襲撃したとき、コーディネーターがそこにも住んでるって一瞬でも考えた? ナチュラルとコーディネーターが共存共栄しているオーブのコロニーなんだから、コーディネーターが居ても当たり前の筈だよね? 実際、僕は居たんだし」
「それは……」
「結局、プラントもザフトも、”プラントに住むコーディネーター”以外はコーディネーターじゃないって思ってない? それが透けて見えるから、地球のコーディネーターは、プラントやザフトに強い怒りと嫌悪感を持ってるんだよ。そして、ザフトはヘリオポリスじゃ飽き足らず、安住の地として世界中からコーディネーターが集まっているオーブ本土まで攻めた。攻めてしまったんだ。その意味、ちゃんとわかってる?」
キラの言う事は、その本質において間違っていない。
現実にオーブにおいて「プラント殲滅」を最も声高に主張してるのは、「他国から
彼らにとり、プラントやザフトこそが「コーディネーターのネガティブキャンペーン」をやってる張本人であり、それなりに幸せに暮らしていた自分達の日常を奪った元凶なのだ。
「正直言うとね、アスラン……」
キラは温度の消えた瞳で、
「僕ですら、ザフトの人間に”コーディネーターの同胞”って言われたら、生理的嫌悪を感じるんだよ。自分達がしでかしたことを棚に上げて何を言ってるんだって。虫唾が走るんだよ」
二隻の戦艦の原作との強化差異
ドミニオン(New)
垂直方向へも指向できる改良型ゴットフリート+アークエンジェル準拠の防空火器の強化、艦船用モノフェーズ光波防御帯の搭載(後の大西洋連邦艦の陽電子リフレクター搭載ツリー)
アークエンジェル
魔改造陽電子砲(V.S.P.Aや陽電子サブチェンバーの搭載など)、改良型ゴットフリートの連装1基の艦底部への追加、GNコンデンサーの搭載とブリッジ周辺へのGNフィールド緊急展開機能の追加←New
共通装備
トランスフェイズ装甲材のヴァイタルパートへの導入による物理的耐弾性の向上
ちなみにシェリリンがわざわざ「バリア・フィールド」と呼んでいるのは、もう一つのGNフィールド、ネーナの愛機の得意技「GNジャミング・フィールド」を知っているからです。
さてさて、新章の途端にアスランは現実を直視し始めたのは良いのですが……本当に珍しいことに普段はどれほど爛れた性活(笑)を送っていても友愛と親愛に満ちた視線を崩すことのなかったキラが辛辣です。
まあ、でも現状を考えれば……ねぇ?
キラはこんだけザフト(そして暗にプラントも)嫌いなのに、「アスランは別枠」として接するあたり、キラは優しいのではないかと。
さて、色々と最終決戦に向けた準備ステージになりそうなこの章ですが、どうかかよろしくお願いいたします。