美津子の碁   作:としより

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初投稿です、続くかもしれないし続かないかもしれない
というか需要無いでしょうね


第1局 『美津子、教えを乞う』

息子が急に碁を覚えた。

 

お義父さんの影響かと思って最初は気にしていなかったが、碁の塾に通い始めてからあれよあれよという間に息子はプロになってしまった。

 

(そんなに面白いものなのかしら……?息子の仕事の事だし、覚えてもいいかもしれないわね……)

 

私はそう思い、1度息子に問うてみることにした。

 

「ねぇ、ヒカル。そんなに囲碁って面白いの?母さんにも教えてくれないかしら?」

「つまんなかったらプロになんねーって!かーさんに囲碁は無理無理、俺が出来るからって簡単だと思ったんだろ?」

「そ、そんな事ないわよ?」

「どーだか」

 

にべもない。

しかしもう少しだけ食い下がってみよう。

 

「で、でもプロのお仕事の中にシドーゴ?とかいう人に教えるお仕事もあるんでしょう?なら母さんにも教えられるんじゃないの?」

「指導碁はアマチュアの囲碁出来る人に教えるんだよ!全くのドシロートに教えるものじゃないの!だから無理!」

「ヒ、ヒカル……」

 

どうやら息子は私に囲碁を教える気がないらしい。会話を早々に切り上げて自室へと向かってしまった。

もっとも、この子に人に教えるような事は出来ないだろう。

だってそうでしょう?息子が解説するというテレビ番組も見てみたけれど、こそあど言葉が多すぎて何がどうなってるのか分からないし、途中で『俺ならここに打つんだけどなー、でその後は相手がそこにツケてくるからブツブツ……』などととても解説役とは思えないレベルの解説をしていたからだ。

私が囲碁を知らないから分からないのかと思ったが、インターネットでも息子の解説は非難轟々だった。

息子の解説についてまとめているサイトのコメントは、明らかに息子を馬鹿にしたような内容のものばかりで、私はすぐに見るのを諦めてしまった。

 

とはいえ息子の言い分もわからなくは無い。毎日夜遅くまで部屋で碁を打っている姿を見れば、とても無知識な私に教えている時間などないだろう。

それにしたって言い方というものがあるだろうに。

とりあえず、自分でどこかに勉強しに行くしかないという事はわかった。

専業主婦のため時間は沢山あるし、息子も基本的にお仕事で不在だから私が碁の勉強を始めたってきっと気付かれることもないだろう。

とはいえどこに行けば良いのかわからない。

まずは近場の施設を調べてみようかしら、そう思いながら毎日の主婦業を片付けて居るうちに夜も更けていく。

 

(とりあえず、駅近くにあるみたいだから次回開催のタイミングで行ってみましょう)




次回、ついに美津子が……!
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