いきなり文字数が跳ね上がっております(吐血
……バトル描写って苦手な方なので回りくどくなるんですよねぇ。
この辺りは精進しないと。
グリッド086からほど近い、砂漠に埋もれかけた上に汚染されている廃墟の街。
その上空に、RaDのロゴをカーゴ部分に印刷した大型の輸送ヘリが一機、飛行している。
「——とりま、本日のお仕事はリブラのお願いが主目的のジャンク漁りに決まりましたー、ぱちぱち」
「ぱちぱち~」
「ぱ、ぱちぱちー?」
ノリが良い二人の女子と困惑気味の一人の男子。
そんな明るい声が、ある程度ゆとりがある操縦室の一角にて発され。
因みに、今はヘリの操縦は自動操縦に任せているようだ。
まあ、無名の独立傭兵+αである彼女等は企業からの名声を加味しない様なばら撒き依頼か、
勝手知ったる古巣からの依頼でもない限り、暇を持て余すのは当然と云えば当然な話ではあるので、
とりあえず手近に出来る仕事をやっていくのは間違いではない。
そんな一角の壁部分に、ホワイトボード……? ボード? 的な四角に切り抜かれた金属の切れ端らしきものに、
わら半紙のような色褪せた紙に書き記された簡易的なマップらしきものがマグネットで止められていて。
そのボードを一度パン、と平手で叩きつつ、アクリは新たに口を開き。
「——とりあえず、基本は色々抑えとこう。データログ捜索とかアイビスの火以前の未走破の工場跡とかの宝探しミッションもあり得ない話ではないと思うし、
今回やろうとしているゴミ拾いも、ヘリとかの長い足を使わなくても済む範囲ぐらいでなら、私も以前からMTでやってたけども、初心に帰る気持ちで」
「この辺りのジャンクや破壊されたMTとかからデータログぶっこ抜いて、機体とかパーツとかそのものも状態が良さげなモノか、リブラの琴線に触れるのがあればそのまま懐に、だねー?
で、中破だろうが大破だろうがACが堕ちてれば、なお良し。その辺りの修理整備の塩梅はリブラに全部お任せと云う方向で。
……まあ今回はRaDのご近所さんだし、状態が良いのはもう何も残ってはいないだろうけど、わたしも一人オペレートに慣れる練習、練習」
「あれからCOMも直せたから、データログ収集も問題なく可能になってると思う。
アクリさん、乗り手の視点から気付く問題があったら帰還後教えてくれないかな。後で調整するよ。
後、ニードルガンの方もやっつけだけど照準器も付けたし、
レーザーブレード……もう良いやレーザーダガーで。
まあそれも多少は出力上がってるよ。
使い勝手、大分マシになったんじゃないかな。
……で、AC本体の方も更に調整してるから、
スペック上では現行品のBASHOフレームと遜色ないぐらいには仕上がってるハズだよ。
後はコア部の肩武器稼働に影響がなさそうな所と頭部の二カ所に追加で索敵用のソナーを外付け増設もしてるから、索敵範囲と速度もそこそこ伸びてると思う。
とりあえず、BASHO頭って頭頂部が平べったいから色々と増設し易いよね?」
それぞれがそれぞれの今回の仕事を口に出し、全体図の把握に努める一同。
最後に発言したリブラの言葉に、他の二人は「おぉー」と感嘆の声を上げる。
「あの大破寄りの中破だったスクラップを、そこまで……」
「やっぱリブラは凄いよ。ボロボロのBASHO一式を、
一週間程度でここまで仕上げた上に改造までするんだから」
「……仕事だし。頼まれたし。——でも、ありがと」
凄い凄い、と褒め称えて来る二人にそっぽ向いてボソボソと言葉を返すリブラ。
顔は背けているが耳が真っ赤な辺り、照れているのは一目瞭然である。
そんな初々しい反応に、ニヨニヨと生暖かい笑顔を交わし合う女子二人。
「——何? 何か嫌な雰囲気感じたんだけど」
「「いやべつになんでもないようん」」
背けていた顔を戻しつつジト目になるリブラの言葉に、何時の間にやら表情を元に戻して息の合った返しを繰り出す幼馴染ーズである。
何でそんなに無駄に連携が良いのか。幼馴染だからか。
「んじゃま、兎に角行ってくるから、サポートお願いね、ユミコ?」
「了解~。ご武運をお祈りー」
「ちょっとアクリさん? ユミコさんも……本当にもぅ」
彼の抗議の視線を知ったものかとばかりに、ミーティングは終わった、とばかりにひらひらと手を振って操縦室から退出するアクリ。
それをゆるーい感じで見送るユミコに暫くジト目のままだったが、溜息を吐きつつも気を取り直そうと頭を軽く振るリブラで。
とまあそんな風にわちゃわちゃしつつ、RaDer’sとしては初めてのジャンク拾いミッションが始まるのである。
「そんじゃ、行きましょうか。——COM、索敵モード」
《メインシステム、索敵モード起動》
さっさかと少年のジト目と抗議の声から逃げ出したアクリはと云うと、
己がACを地上へと降り立たせると共にCOMに戦闘力機動力を最低限にして索敵を主に置く指示を出す。
障害物足り得る建物その他を軽くブースタを吹かせつつジャンプし迂回し、レーダーに目を向けても敵正反応も無し。
じゃあ、とばかりに出力を絞って徒歩に移行する事とする。燃料大事。超大事。
「とりあえずユミコ、目標は……」
『はいはいー。そこそこ大きめの金属反応に近場から順次マーキングしていってるよー』
「——ん、とりま近場に3カ所か……じゃあ一番近い所から、だね。
おお、何か見える情報距離が伸びてる。さすがのリブラ様々ッ!」
ガションガションと大型の機械が歩く事で脚回りが軋む音をバックミュージックに、ゆっくりと索敵しつつ移動。
索敵範囲が広くなったのに感動しつつ、一つ目のマーキング位置に辿り着く。
「うわぁ。絶賛ぼっこぼこの正規品に見えないMT……。これレストアするにはちょーっと厳しいよね? 鋳潰しとく?」
『それでも良いけど、鋳潰した金属の塊にした所で二束三文にしかならないし。とりあえず収集はパスで。後、無駄だろうけどデータも吸い出してみて』
「はーい。じゃあCOM、データ吸い出しお願い」
《アクセス——データは見つけられませんでした》
「早ッ!?」
『あ、COMにRaD特製の特殊ハックプログラム入れてるから、そこそこのセキュリティでもかなり早く破れる筈だよ』
「リブラってば本当に有能ッ! 帰ったら抱きしめてナデナデしてあげるからッ!」
『 ——や、止めて欲しいかな?』
『一瞬葛藤してるリブラきゅんに草』
『何それ意味わかんないんだけどッ!?』
「だから痴話喧嘩しないの、ユミコ、リブラ」
そんな感じで和気藹々と一カ所目の確認を終え、次のマーカーポイントへ。
と云うか、つくづく良い意味で緊張感が欠如している一行である。
「しっかし、アイビスの火でこの星ほぼ燃えたってのに、何で普通にここらの建物多少壊れはしてても傾きもせず、燃え尽きる事もせず残ってるんだろうね?」
『頑丈すぎてヤバい程に不思議だよねぇ。それによくドーザーとか底辺独立傭兵とかが喧嘩してて銃弾とか砲弾とかミサイルとか飛び交ってたりもするのに』
毎度ながらの風景でも色々と気にしながら歩き回ってるお陰か、ちょっと気になった事を呟くアクリにユミコが相槌を打つ。
たまーに遠くから銃声だか爆発音だか聞こえたりもするが、まあ何時も通りの終末世界的日常風景であるからして、
流れ弾がこちらに来るのを警戒する以外には全く気にも留めていない。
「っと、見つけた。今度のは……ACの片脚? しかも逆脚っぽく見えて更にものっそいほっそい。シュナイダーのかなこれ。
何でこんな所に吹っ飛んでるの? コア周りとか上半身は?」
『近場に金属反応はそこにあるやつだけだねー』
「……大外れ、かなぁ。まあでもACの脚だし、持って帰るかー」
『ん。解析修理、準備しとくね。最悪売れなくても電送系は引っこ抜いて整備用のパーツにするし。
アーキバス系統なら確か電送コード、かなり質が良いモノだったハズだし。……まあ純正品なら、って但し書きがつくけど』
「整備とかで代替のコードとか使ったりしてる可能性はうん、ありえそう」
とりあえずAC装備は前回のドーザー掃討戦と全く同じなので、左肩は空いているからそっちにワイヤーで括りつけておく。
物凄く猟奇的に見える気がしないでもないが、機械の逆脚っぽい脚(片方)なので問題はない、多分きっと。
「……ひょっとしたら、大物が手に入った時、持ち運びできる何かがあった方が良い? 背負子とかランドセルみたいなのとか」
『ああ、確かにあった方が良いかも……と、思ったけど、ヘリそっちに回した方が早いかな? と云うか、らんどせるって何?』
「ああ、何か相当昔の地球産の電子漫画で見た記憶が……ってそれはどうでもいい話だよねうん。
まあそれは兎も角、こんな安全区域なんてそうそう無いだろうし、物騒な地域だったら何かあった時が怖いよ? ヘリの方が襲撃受けるとかさ」
『うーん。ヘリ護衛の為に無人MTでも一機都合する? AC一式に比べれば安いもんだろうし』
「とは云ってもパーツ一個分とか武装に比べると割高だよ、MT」
そんな幼馴染ーズの会話に割り込む様に、もう一人から提案が。
『じゃあ、何か適当なMTのスクラップパーツとかででっち上げようか? ちょっと時間は要るけど』
「うーん……。リブラの提案は魅力的だけど、第一それしたらゴミ拾いに来たのにゴミを使い切っちゃって、
収入がー、ってオチになり兼ねないんだよねぇ、今の収集状況だと」
『ああ、世知辛い。……とりあえず、次のマーカーに行っちゃおうか、気が滅入ってきそうだし』
「りょーかい。今のところ全く生産性無いもんねこの話」
一同が微妙な空気の中、次のマーキングポイントへとガッションガッション。
何もかんも貧乏が悪い。それが真理なのである。嗚呼、本当に世知辛い。
——そんな感じで多少(?)ふざけつつも、複数のマーキングポイントを周り、あまり収穫がないままに残りが1、2カ所となった所。
先ほどまでスルーしていた銃撃の音と爆発音のしている方角に近づいて来ていて。
「……ユミコ?」
『あっちゃ、ダメか。複数機のMT同士が、ガンガン行こうぜしてるみたい。
他の所回ってる内に終わってくれないかなー、と淡い希望を持ってたんだけども』
「結局長引いちゃってると」
『そだね。で、データスキャンとソナー探知してる限り、
まともな稼働状況じゃないMTばかりみたいだからほぼ確であいつ等ドーザーだね、所属は知らないけど。
間違いなくわたし達と同じでゴミ拾いをしてて、そこそこのお宝見つけて奪い合いになったって所みたいだねー』
「とりまRaDのドーザーじゃない様だったら潰しとこう。スクラップも手に入るし。
——いや待てよ? いい感じに倒せたらキズが少ない状態でMTパーツが手に入る……?」
『その思考、完全に強盗殺人のそれなんよー』
何を今更。基本的にわるいドーザーには慈悲はない。それが例え食いつめた者の末路だったとしても、である。
(そんならコーラルで酔っ払っててでも良いから働けって話なんだよね。実際問題ラミーは荒事専門としてRaDに飼われてるし、
あそこの開発者陣営とかもコーラル酔いのままに笑えるおバカ兵器とか開発してるんだしね)
RaDの某コーラル酔っぱらい共の例を内心で呟きつつ建物の陰に隠れ、戦闘確認。
しばし、カメラアイがカシャカシャ動き、センサーがチカチカと反応をしている状況で索敵を続けると——確認完了。
「おーおー、ハコアシMT5程、正規品とは思えないジャンクってる人型MTが3機かな? ……ハコアシは要らないか。本気で二束三文だし。
後、中破大破で散らばってるMTそこそこ以上の数。まあ他のゴミ拾いで暫くスルーしてたんだから、戦闘は佳境に入っててもおかしくないよねぇ」
『じゃあハコアシの方を何機か僕の方で貰うね? まともに売れないし壊れても懐が痛まないなら、修理と改造に多少時間取るだけだし』
「さっきの無人護衛機の話? まあ、スクラップ置き場と修理兼改造スペースを確保するために手に入れた大型の輸送ヘリだったんだし、多少手狭になるぐらい良いか。
うん、分かった。出来る限り良い状態でのスクラップMTの確保、頑張ってみるよ」
『お願いするね、アクリさん』
『——ん、スキャニング完了。大丈夫、RaD系じゃないのは確定だよー』
と云ったやり取りの内に小競り合いを繰り広げている連中の特定も済ましたようだ。
それが耳に入ったと同時。軽く息を吸って吐き出すと、意識を切り替える。
「了解。それじゃ……COM、戦闘モード。さってー。漁夫の利、漁夫の利」
《メインシステム、戦闘モード起動》
『うん、声音だけでも分かる。アクリ、ものっそく悪い顔してる』
「うっさいユミコ」
そんな漫談を続けつつも、アクリはまだ小競り合いをしているドーザー共の真っただ中へとアサルトブーストで一気に肉薄し、
直前でブースト解除し慣性に押されたまま、すれ違いざまに背中を見せていたMTにレーザーダガー一閃。
頭頂部にミサイルポッドを取り付けただけの箱で脚がついているだけのMTの一機が半分に分かたれ、動きを止める。
突然の斬殺劇に、小競り合っていたドーザー共も動きを止めた。
当たり前の話だが、そんな状況下で動きを止めるなぞ、愚の骨頂であり——
『なに……うぎゃあぁぁッ!?』
「遅ぇ」
その止まった時間の内に、至近距離にいた次の獲物であるジャンクMTに至近距離でのニードルガン一斉射。
中心分に当たった先の尖った複数の鋲は、コックピット辺りに集中していて。もう一機沈黙。
『て、テメェなにm「知るか」ッ——!?』
やっと解凍したかのように、啖呵を切ろうとしたもう一つの人型のジャンクMTのパイロットの言葉を無視し、
軽くブーストを掛け懐に飛び込むとコックピット部をレーザーダガーで一刺し。これで三つ。
『ACだとッ!? な、何で傭兵がオレらなんぞに——』
『キェヒャハハハハハハッ! ヤッテやるずぇえぇぇ』
「ッ!?」
もう一機、とばかりに次のMTへと襲い掛かろうとするアクリであるが、
突然の混乱の状況に耐えれなくなったか、半狂乱の絶叫のままに、敵味方関係が無い形振り構わないミサイルの乱射を始める箱型のMTの一機。
叫び声も前後不明な状況であるからに、思いっきりコーラル酔いをしている馬鹿野郎が中に居たようだ。
アラーム音をその耳に受けつつ、操縦桿を下げてスロットルをキックし、バックブーストするアクリ。
Gの圧迫感を背中に感じつつ、声を上げる。
「ッ、左腕アラートッ!? COM、状況確認! 以降ダメ判定出たら連絡ッ! ちっ、油断した気はなかったんだけどッ!」
《左腕損害微小、レーザーダガー小破、使用可能。継戦に問題なし》
『アクリ、右手前方のドーザー連中も攻撃態勢! 回避をッ!』
「……んぎッ!!」
そのドーザーの攻撃に触発されたのか、他の残ったジャンクMT達も手に持ったバズーカやら機銃やらミサイルを撃ち出し始め。
悪態を吐きつつも、アラート音が更に増えた状況下でモニタ画面への目線を目まぐるしく変えつつ、横方向へに軽くブースタを吹かすと同時、ニードルガンで迎撃できないかと斉射。
それにより大多数の攻撃は回避・運よく数発は迎撃出来たようではあるが……何発か貰ってしまった様で。
《右腕損害微小。ニードルガン中破、使用不能》
「ッ、チィッ! ……でも、流石のBASHO腕、やっぱ頑強ッ!」
武器とは違い、そこそこの攻撃を受けたにもかかわらず、小破すらしていないBASHOに絶賛の言葉を吐きつつブースト!
一斉攻撃を掛けて来てはいるが、照準がまともに合っていないであろう精度が低い砲撃をほぼまっすぐ突っ切りドーザー共へと機動すると、
一機のMTに壊れたニードルガンで殴った。これで4つ目!
あっさりと半壊した箱型MTを脇目に、次の獲物へと襲い掛かっていくアクリ。
更に云うと、先の一斉攻撃で、不意打ちをしてきたコーラル酔いのドーザーは巻き込まれ、吹き飛んでいる。棚ぼたの5つ目。
原型がなくなったニードルガンを投げ捨て、拳で一殴り。こんな原始的な攻撃ですら箱型はあっさりとぶっ飛んで建物にぶつかり大破。
同時に軽くブースタを吹かせ少々上昇した後位置を調整し、残りの箱型MTを両脚で踏みつぶす。MTの小爆発に巻き込まれているが、
COMの反応がない辺り脚の方は全く問題がない様である。本当にBASHOはどこもかしこも頑丈が過ぎる。
『く、来るなぁっ! くr「——しッ!」——ッ?!』
最後に残っていた人型MTに乗っているドーザーの喚き声を無視し、レーザーダガーをコックピットへと一刺し。
これで殲滅完了である。少々の間の後、ユミコからの言葉が耳朶を打ち。
『——ん、軽くスキャンした感じ、敵正反応無し。殲滅完了だよ。お疲れ様、アクリ』
「……しッ、勝利―ッ! 最後の方相当ヒヤッとする場面がなんぼかあったけど、何とかなったーッ」
一応ユミコからの言葉が届くまでは、レーダー計器モニタを睨みつけ警戒していたアクリはふへー、
と云った風で息を吐きながらシートにもたれ掛かると、気が抜けていく声を上げて。
そんな彼女へと労りの言葉を掛けるユミコ。
『でも本当に相変わらず戦闘になると口悪くなるよね、アンタ』
「やかましいわ。労われ。もっと私を労われ」
『おつかれ~。おつかれぇ~」
「よし、帰ったら一発全力で殴るからそのつもりで」
『ゴメンて』
訂正。突っ込みの言葉を掛けるユミコである。
そして何時ものように漫談が始まり、空気が弛緩したのを見計らってからリブラからも労りの声が。
『アクリさん……。まあ、使用不能になってる武器を使うならそれが一番早いんだけどさ。射撃武器で撲殺って蛮族過ぎないかな?』
「リブラにすらダメだしされたッ!? あ、でもゴメンね、折角作ってもらったのに」
再度訂正。またもや突っ込まれるアクリ。
もうこれは天丼なのか。天丼なのか? まあそれは兎も角として。
彼の作った武装を己からぶっ壊すやり口に謝罪の言葉を述べると、何でもない感じで言葉が返って来て。
『それに関しては気にしないで。アクリさんの助けになるなら幾らでも壊して構わないから。
壊れたら直すし、新しいのを作っても良いんだし。武器なんて敵を倒して使い潰して壊してなんぼだと思うんだ』
「ああもぅ、何でこんなにリブラって良い子なのッ! ハグとナデナデに追加してチューもしちゃうッ!」
『だ、だからやめてお願い』
『セクハラで訴えれば良いから。とりあえずカーラに訴えたら無事有罪になると思うから安心して』
「よ~し。ユミコにも全力パンチの追加で全力キックのプレゼントしちゃうッ! よ ろ こ べ 」
『ヒッ』
とりあえずこいつ等は漫才をしないと気が済まないのか。
——とまあそんな感じでわちゃわちゃしつつ、倒した連中のスクラップの確保や、その原因であろうお宝探しである。
やってる事は火事場泥棒以外の何物でもないのだが、気にしていては今のルビコンを生き抜けない。
『それはそれとして。そこ、かなり大型の金属反応が出てるからしっかり調べてねー』
「了解。んー、ついでだ。こっちにヘリ持ってきてくれない? 多分残敵もここに集まってた奴らだけだろうし」
『ん、りょか。いちおー警戒体制維持しつつそっちに乗り入れるよー』
「お願い。……さてと。楽しい楽しいお宝探しだよ~っと」
とりあえず先に倒したドーザー達のMTのスクラップを状態の良さそうなのと悪そうなのに軽く仕分けて。
ヘリのローター音が段々と近づいて来ているのをセンサーが拾うのを感じつつも、本命の大きな金属反応のある所へと歩みを進める。
そして、珍しく半壊している建物の内部にそのお宝はあったようで。
アクリはその物体をモニタ越しに見ていて思わず呆けた声を上げた。
「——マジかー。ほんっきでお宝じゃないかー。そりゃ、命掛けて争うわこれ」
『何があったの、アクリさん?』
リブラの好奇心がありありと浮かんだ問い掛けの台詞に少々苦笑を漏らしつつ答え。
「大破してるBAWS製の四脚MTと、多分さっきの片脚の持ち主であろうAC……の、頭部とコア部と片腕しかないのがもつれ合って堕ちてる。相打ちかなこれ。
しかも、四脚MTの方はコックピットブロック部以外は、見える所は大きな損傷なし。後、地味にこのACの頭も見た事無い型だ。大豊のイカしたアレよりもっと平べったい?」
『『ッ?!』』
一部でも生きている部分があれば大収穫の代物である。
下手を打てばベイラムやアーキバスの正規品の量産コア部ぐらいならば手に入るかも知れないレベルで。
息を呑んでしまったのは仕方ない事であろう。
『リブラッ!?』
『一気に加速するよ、しっかりシートベルト締めててねッ!!』
『はいなっ!』
俄然慌ただしくなった音をヘッドセットが拾うと、まあそうなるよね、と悟った風に思うアクリである。
そんなこんなで、第一回目のゴミ拾いは予想以上の大成功に終わったのであった。