とあるルビコンのジャンカートリオ   作:清狼光牙

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 遅くなってます(吐血

……この話が書き終わる前に、TRPGは出るわ(使う事はない癖に購入済み)、
PSの初代三部作が出るわ(プレミアム加入してから普通に購入できるのを知って凹む)、
久々のアプデが来るわ(プレミアムに加入したから潜ってはいますがCが限界っぽい)、
中々にAC界隈は激動であります(ぁぁ
書く時間が削れるぅぅぅ……(吐血

そ、それは兎も角として、また文字数が増えております。
もうちょっと話をスリムにしないと……。
精進、なのです。





32話

 

 

 「……何でこんな事になったかなぁ……?」 

 

 とある基地内の演習場のひとつ。簡易的な壁の様なモノや建物らしき遮蔽物がまばらに設置されており。

その中央寄りの一角にてアクリはそんなボヤキを漏らすと、大きく溜息を吐く。

 

 己が乗機、BASHOⅡ(新型)コアのコクピットブロック内にて、深くシートに座り込みつつ操縦桿を握り。

視線を軽く回すと、以前と見た目と使用感はほぼ変わってはいないのだが、

その内装全てがBAWS製での最新型となっている。

……やっとアーキバスやベイラムに比してもやっと五分……は、流石に云い過ぎか。

しかし、着実に星外機との性能差は縮まっているであろうと思えた。

 

 ――そんな彼女のACは、頭をFINDER EYE改弐(片短耳RaD探査頭)

コアをBASHOⅡ(新型)、腕をグリッド135近郊汚染都市で使用したBASHO&MELANDERの混合腕(キメラ)

脚をSPRING CHICKEN改(重逆脚)

 武装は左手にBOKU-SATHU(メイス)、右手にLUDLOW(マシンガン)

そして、両肩共にREN-DAN(ガトリング砲)が背中側に砲身を下にした状態で折り畳まれていて。

起動した時に展開して正面に向く様に作られているらしい。

グリッド内等で稀にある狭い通路等で引っかからない為の仕様の様だ。

……等と云った風に構成されている様で。

出来うる限りのBAWSの新型情報は、奴さん側には隠したかったのであるが、

準備もあまり出来ないままに、頭と腕をリブラ謹製改造品に取り換えた時点で時間切れ。

後はどうにでもなーれ、的な感じである。

 

 『――そこな役立たずッ! 俺の目の前で意識を逸らすとは良い度胸だなッ!!』

 「うわうるさ」

 

 彼女の全力の現実逃避をぶち壊すが如く、がなり声がその演習場内に響き渡る。

ものすごーくいやーな表情を浮かべ、その声の発された先にカメラアイを向けると、

ベイラムの量産機である、総MELANDERフレームのACが2機、居た。

双方ともに、右手にマシンガン、左手にCURTIS(リニアライフル)

右肩にP20MLT-04(4連ミサイル)、左肩にSI-24:SU-Q5(パルスシールド)を装備している様だ。

 

 その二機の内、片方のACから、再度激しいがなり声が発せられて。

 

 『――では良いか、役立たず共ッ! これから、愉快な愉快なお遊戯(演習)の時間を始めるッ!』

 「いや良くないですけど……ってか、今演習って言葉に何か変な風味が感じられたんですがッ?!」

 『中々に察しが良いなG12ッ! その察しの良さに免じて、俺が直々に指導をしてやろうッ!!』

 「意味分からん上に、人の話を聞けよッ!?」

 

 アクリの突っ込みを完全に無視して己が事を押し通して来るその相手――レッドガンのトップとなる、G1:ミシガン。

心底うんざりした表情で今一度の突っ込みを敢行するのだが、まったく堪える様子もなく。

……そんな彼女の傍らで、同じくうんざりした声音で悪態を吐いて来る奴が一人。

 

 『――で、何で俺がテメェなんぞとツーマンセルを組む事になってんだ?』

 

 視線をそちらへと切り返すと、相対している二機と全く同じなアセンブルのACが一機いて。

そのパイロットへと言葉を返すアクリである。

 

 「うっさいよ、G5。私だって何でこうなったのか全く分からないんだから、訊かれても答えられないよ」

 

 彼のその言葉にカメラアイを向け、思いっきりモニタを睨み付けつつそんな言葉を返すアクリである。

そんな二人の喧嘩腰一歩手前のやり取りに割り込む様に、ゆるーい口調の通信が一つ。

 

 『まー、きばれやー。イグアス、G12(仮)ー』

 『――ヴォルタ、それで何でお前は呑気に観戦なんぞしてんだオイッ!?』

 「私レッドガンじゃないんだけどッ?! ……いや何でか知らんけどG1に無理くりナンバー貸与されたけどさッ?!」

 『だって俺タンク乗りだし。あとG12(笑)、それはウチの大将が決めた事だ、諦めなー』

 『理由になってねぇ上になんか適当じゃねぇか手前ェッ!?』

 「いや諦めたら試合終了とかって云う格言っぽい言葉もあるんだし抗議するよッ!?

ってかそっちのG4、いちいちカッコカリとかカッコワラとか云って……アンタ喧嘩売ってんのッ!?」

 『……仲良く交流するのは結構だが、今の状況を忘れるな、役立たず共ッ!!』

 『……チッ』『ス、スンマセン』「サーイエスサー!」

 

 ミシガンの一喝に、三者三様の反応を返す悪ガキどもである。

……小学生低学年かな?

 

 そんなお父さんと子供達(笑)のアットホーム(注:レッドガン主観)なやり取りを遮り、

別の男の声が通信に乗って来て。

 

 『全く……。もう少し、落ち着いたらどうなんですか、貴方がたは。

ま、とりあえずは、です。今回のミシガン総長の思い付きかつ、独立傭兵RaDer’s:アクリ嬢への諸々の返礼として、

久々のレッドガン大演習イベントを開催します。……胴元はこの私、G3:五花海(ウーファハイ)が引き受けました。

部隊の皆々様にはこぞってCOAM(お金)を落として頂ければ幸いです』

 「あの人普通に胴元って名乗ってるし、賭け事やってるッ!?」

 

 聞くからに怪しい声音でそんな事をのたまうその人――G3(五花海)に、

アクリは激しい突っ込みを掛けるのだが、ご本人は全く意を介さずスルー。

そんな彼の反応に溜息を吐きつつ、ヴォルタが通信越しにて疲れた声音で突っ込み元へと返答して。

 

 『……あの人、たまーにミシガン(クソ親父)に許可貰って隊内のガス抜きの為の公認賭博を始める事があってなぁ。

――まあ、色々口うるさいG2のナイルさん(お目付け役)が不在の時にだけなんだが』

 「それで良いのかレッドガンッ?!」

 

 何と云うかG4(コイツ)も大概苦労人気質である。

しかし、企業が闇賭博に手を出すのは大丈夫なのだろうか?

いやさ、一部隊内なら問題が無いとしておこう、うん。

 

 気にしていてもロクな事にはならないので、スルーする事として。

 

 『――胸を借ります、G5ッ!』

 『んで、クソ親父のバディはG6(レッド)かよ……。うぜぇ』

 『そ、そんな……。俺では力不足ですかッ!?』

 『ンな事を云ってる訳じゃねェよッ!!』

 

 ミシガン機の傍らに居るもう一機のMELANDERパイロットは、G6:レッドの様で。

力強い口調である割りになんとも弱気な台詞に、突っ込みの言葉を返すイグアス。

しかしその発言は暗にレッドの実力を認めている、と云う事を物語っているのに気が付いているのであろうか。

ツンデレ乙、と内心思うアクリである。

 

 『――因みに、ですが。今現在のオッズはG1&6が1.4倍。G5&12が4倍となっております』

 『あ、俺は総長チームに5000COAMで』

 『ヴォルタッ、テメェッ!?』

 『ごちゃごちゃ云わず、そろそろ始めるぞ、役立たず共ッ!!』

 

 中々に非情ではあるが堅実な賭け方をするヴォルタの台詞を皮切りに、

他の戦闘員やメカニック連中からも賭け金の掛け声が喧々囂々。

それを怒鳴り散らかすG4(イグアス)と、そのG4を更に怒鳴るG1(ミシガン)と云う、

喧嘩腰な漫才風味のやり取りが続くその演習場の中。

アクリはあー、本気でなんでこんな事になったんかなー、と再び大きく溜息を吐くのである。

 

 

 

 

 時は少し遡る。

 

 RaDer’s、大型輸送ヘリ(自宅)は、灰色の空を切り裂き、急かす様に移動をしていた。

その内部、操縦室。一角にあるオペレート席。

その前にて、ユミコがその席に座り、その傍らにアクリが居る状況にて。

 

 「ん、繋がったよ!」

 『――レッドガン、傭兵担当、G6:レッドだ! 発信者は、独立傭兵"RaDer’s"……。

我がレッドガンに何用かッ!?』

 

 ユミコから目的の場所への通信可能の言が取れたとほぼ同時、

大音声の台詞がその通信機から飛び出し、二人の耳朶を激しく打つ。

 

 「うわうるさッ。……とりあえず緊急なんだけど、人員のアレコレを担当している上役に話を繋げれない?」

 『貴様等の様な木っ端傭兵に会わせれると思っているのか!?』

 

 アクリのその台詞に、不信感がありありと残っている声音の言葉が返って来る。

まあ、やっとこ傭兵業界内では名が売れ出し(リブラ込みであればもっと前から名は売れているがそれはそれ)、

下っ端から脱却したかどうか程度の独立傭兵風情が、

己よりも更に上役に話を持って行こうとしているのだから、警戒して然りではあるのだが。

今は緊急なので食い下がってみる。

 

 「そりゃそうなんだけどさ。本気で緊急なんだって! そっちに行く予定だったらしい大豊のテスターACの件なのッ」

 『名も覚えられて居ない様な独立傭兵を信じれる訳が無いだろう!』

 「あー、もぅッ。G6(コイツ)の云う通り名声が無いから仕方ないとは云え、まどろっこしいッ!」

 

 にべもなさすぎるレッドの反応に、小さく悪態を吐いてしまう。

そんな中、少々苛立たし気に言葉を掛けて来るユミコであり。

 

 「――アクリ、どうする?」

 「……これは話が通ってない可能性が高いから、使いたくなかったんだけどなぁ」

 「アクリ?」

 

 大きく溜息を吐きながら心底嫌そうに呟くアクリの姿に眉根を寄せて聞いてみるユミコ。

……が、そんな二人の状態を彼は知る筈もなく。話を打ち切ろうと更に言葉を重ねて来る。

 

 『そんな戯言で上を煩わせる訳にはいかんのでな、これで話は終わ「G6、ベイ親父は元気にしてる?」

 

 彼の打ち切りの言葉に被せる様にアクリからそんな意味が分からない台詞が飛び出して。

その言葉に不審感を露わにして問い質そうとしたその時。

 

 『――貴様、一体何を『安いオマケの癖に心底遅かったな!

あまりに間が空きすぎて、KIAになったかと気を揉んだぞッ!!』……そ、総長ッ!?』

 「うわうるさ。って私まだ戦死してないんですけどッ!?」

 

 彼の問い掛けを遮り、大音声のがなり声がその通信へと割り込ん来た。

 

 どうやら、ベイ親父――もとい、G1ミシガンは、

かの親父の単語が出てきたら反応する様、わざわざ通信システムに仕込みをしていたらしい。

と云うか今も昔も、彼に取っては木っ端独立傭兵程度の相手でしかない、

RaDer’s(こっち)の事を律儀に覚えていてくれたのは驚きではあるのだが。

つうか"まだ"戦死してない、で良いのかアクリ。

 

 まあそれはそれとして。

突然の己が上司の登場に絶句をするレッドに彼は労いの言葉を掛ける。

 

 『ご苦労だったな、G6ッ! 後のこいつの相手は俺がやる。通常業務へと戻れば良いぞッ!』

 『――ハッ、了解いたしました、G1ッ!!』

 『――それで、一体何の用だ! 展示会()の件での礼も兼ねて一度限りなら聞いてやらん事も無いッ!』

 

 そんな感じで話をちゃんと聞いてくれそうな雰囲気なので安心しつつ、

良かった、でも用事は用事だけど、そっち側での話になると思うから、と前置きして。

 

 「とりあえず一足飛びに用件だけ。

――そっちの予定にあるであろう、レッドガンに大豊ACを届けに来る予定だったハズなAC乗りとその機体。

とある場所でそれが大破して擱座してるのを見つけてね。

ジャンク品としてRaDer’s(ウチ)が拾おうとしたら中身が生きてたみたいで。

生きてたなら、そのまま死なれるのも寝覚めが悪いし、コックピットから引っ張り出したんだけど、

その時には今にも、って位の火傷や大怪我をしてるにも関わらずにレッドガンにACを届けないと、ってうわ言を云ってたりしてさ。

ACの方も粗方調べて生き残っていたデータログを手に入れて、そっちの関係者と確認できたんだけどね。

一応、ウチの手持ちの医療ポッドには突っ込んでここまで来た訳だけど……。

先に云ってたACのデータログと、彼から無断で拝借したドックタグのIDナンバーのデータをそっちに送るから、

確認して貰ってこの話が証明が出来そうだったら……なんとかして欲しいかな?」

 『――それは、本当か?』

 

 がなり散らしていた先の姿は消え去り、冷静で思慮深い色を含んだ言葉を返して来るミシガンである。

あまりの変わり身に面食らいつつも、アクリは話を続けて。

 

 「え、えぇ。だからさっさとデータ送るけど、大丈夫で?」

 『ウィルスを仕込んでいても直ぐに潰せるから気にせず送ってくれば良い』

 「わざわざこんな状況下で仕込まんわッ!?」

 

 そんな感じで漫談を挟みつつもミシガンへとコンタクトが取れたRaDer’sは、

レッドガン(あちら)の方で大豊テスターの照合し。

証明されると直ぐにそのまま基地内へと誘導され、招き入れられる事となったのである。

 

 

 

 

 

 「お会いできて光栄です、G1:ミシガン」

 「世辞はいらん。だが、感謝しよう、ベイ太――もとい、RaDer’s」

 

 レッドガンの格納庫前(流石に内部に入れるのは拙いとの判断であろう。当然である)。

輸送ヘリの発着場も兼ねているのであろうその格納庫前の広場の端に大型輸送ヘリを着地させており。

医療ポッドに入れられた大豊ACのテスターパイロットが、

ベイラム側のポッドへと載せ替えられて医務室へと移送されていく様を横目に、

傷だらけの精悍な顔つきをしている老人と云っても差し支えない人物が、アクリへと軽く頭を下げた。

因みに、ユミコはこっちの医療ポッド回収後直ぐに大型輸送ヘリ(自宅)に取って返し。

リブラは最初から自宅待機である。無いとは思いたいが、人質に取られる可能性もあり得ない話ではないし。

 

 そんな最悪の想定は兎も角として。

彼が、G1:ミシガンである様だ。

 

 多少興味を持って特定の傭兵を調べれば分かる話だから、

こっちの素性はバレちゃってるか、と内心思いつつも礼の言葉を受け取りつつも肩を竦める。

 

 「……単に偶然、あのパイロットが撃墜された時に通り掛かれたから、ってだけなんで。

更に偶然は重なるもので、そのパイロットは大豊の依頼で顔を会わせた事もがある人でしたし。

そんな人が目の前で死なれたら寝覚めが悪すぎますからね。

……しかし、救助優先の思考が過ぎて頭から抜け落ちてて今更な話なんですが、

マッチポンプの可能性を考えなかったので?」

 「貴様が大豊のヒヨッコを撃墜してから拾ったとかそんな話か?

わざわざそんな回りくどい事をしても貴様の得になるものも無いだろう。

……それに、貴様の様な己が矜持に忠実そうな奴がそんなふざけた事をするとは思えんがな」 

 

 アクリは相変わらず己を悪し様に嘯くが、何云ってんだコイツ、とばかりにあっさりとぶった切られ。

そんな彼の反応にこりゃ勝てないわ、と愛想笑いを浮かべる。

 

 (……しかし。全然殺気みたいなのが出てる訳でもないのに、この圧……。

怪異爺(スッラ)並にやべー人なんじゃ、この人?)

 

 内心そんな事を考えつつも、そのとてもやべーひと(ミシガン)の後方で、

彼の護衛として控えているらしき二人の男に視線を向けると、軽く笑い掛けるアクリ。

彼女の反応に酷く狼狽する野郎共である。

 

 彼女的には、その二人の顔は某所のダムが沢山ある所で見た記憶があるし、

なんなら軽く会話したり煽られたりもしていたのだが、驚き慄くなんて下手な反応をしないで欲しい。

 

 双方共にバレたら色々と拙いのだが、だんまりを決め込む事も出来ない状況下ではあるので、

とりあえずはそちらにも挨拶を交わす事にする。

 

 「"初めまして"、そっちのお二方。

こちら、ジャンカー兼独立傭兵、"RaDer’s"、AC乗りのアクリです」

 「テメェ、一体何云――ぐへッ!?」

 

 そんな事をいけしゃあしゃあと云い放ったアクリへと嚙み付く様にその男が何事か云い放とうとしたのだが、

もう片方がその口を閉じさせるかの様に脇腹に少々強めに肘を打ち込んで。

 

 「あぁ。"初めまして"だ、RaDer’s。オレはレッドガン、G4をやってるヴォルタ、ってんだ。

……で、こっちの呻いてるバカがG5のイグアス」

 

 こっちは初対面だと云う体で通そうとしているのだから、ちゃんと乗って来てもらわないと困るのだが。

アクリの内心を代弁するかの如く、不用意な言を漏らそうとしていた男――G5(イグアス)に、

傍らの大男――G4(ヴォルタ)が先の通りに肉体言語で黙らせてくれて。

何またクソボケた事云おうとしてんだテメェ、と云った感情を視線に乗せて睨みつけた。

脇腹に感じた痛みにて膝を付いたイグアスに、ヴォルタは更に追撃で軽く拳骨を落とす。

色んな所に感じる痛みによりちょっとばかり悶えているイグアスを一瞬だけ見下ろすと、

視線を切って会話を再開する二人で。

 

 「G4とG5の噂はかねがね」

 「ま、手前ェ等には景気の悪りぃ噂でしかないんだろうがな」

 「それはまあはい」

 

 一瞬だけ垣間見えた二人からの冷え切った視線に、ガリア多重ダム(以前)で云われた事を思い出したのか。

イグアスは苦虫を嚙み潰したかの様な表情を浮かべ、チッ、と小さく舌打ちをしながらダンマリを決め込む事にしたらしい。

 

 何でわざわざバレちゃ拙い筈の人の目の前で知り合いだと云う予測が出来そうな行動を起こすのか。

思わず遠い目になり掛けつつも、ものっそい白々しいのやり取りを続け。

G1に知られたら面倒な話になるので、これ以上の身バレは自重。

 

 ――いや、彼がG4と5(コイツ等)を護衛として連れて来ている時点で、

彼にはひょっとしたらタンクレース参加(バイト)の件、バレてるのかも?

そんな栓も無い事が頭をよぎってしまうのだが、その時はコイツ等は見捨てる事として(非情)。

もう一つ、レッドガン(彼等)への用事がある事を思い出すと、アクリは口を開く。

 

 「――あぁ、そうでした。レッドガンに何かしらの用事が出来て、

運良く上位ナンバーに会えたら、一つ渡そうと思っていたモノがあったんですよ。

……まさか、首領と邂逅するとは予想だにしませんでしたが」

 

 アクリはそう云うと、己が着ているフライトジャケットの胸ポケットをまさぐって、

一つのデータチップを取り出すと、ミシガン達に見せながら更に言葉を重ねた。

 

 「……G7:ハークラーのACのブラックボックスに記録されていた、

データログを入れたデータチップ、です」

 『な、なにィッ!?』

 

 アクリのそんな何気ない台詞に驚きの声を上げるヴォルタとイグアス。

そんな中、静かに問いを掛けて来るミシガンで。

 

 「貴様が、ハークラーを看取った……いや、見つけてくれたのか」

 「戦場となった汚染都市内で、ジャンク漁りをしていたらG7AC(それ)の残骸を見つけて手に入れただけですけどね。

……先程の大豊テスターの件と同じく、ジャンカーですから、死体漁りは何時もの事です。

その結果偶然で手に入った代物がたった一戦だけしかやり合わなかったとは云え、

多少は知っている相手の乗機でしたし。

なら、ちゃんとした所で供養ぐらいはしたいじゃないですか。

まあ、先にある程度の情報は複製させて貰ってますし、機体ジャンクはこちらの物にしていますが、

その辺りは先に拾った私達の権利と云う事で」

 「それに関しては仕方あるまい。機密云々も、あれから半月程経っているのに何だかんだと口煩く情けない事は喚けん。

……そして、G7(バカ者)を帰還させてくれた。重ね重ね、礼を云わせてくれ」

 「まあ、帰れるべき場所にそれを帰さないのは私等としても、座りが悪いですからねぇ」

 

 再度の礼の言葉に肩を竦め、そう返答する娘っ子である。

それじゃこれを、とデータチップを手渡そうとしようとしたが、ふと考え込み。

 

 「――あー。流石に直接手渡しは防衛上拙いですよね」

 「……レッドガン(俺達)にはあまり気を遣わんでも良いとは思うが、確かにそうか。……ヴォルタ、頼む」

 「了ー解」

 

 そう命じられ、軽い足取りでヴォルタがアクリへと歩み寄り。

 

 「――真正面から殺り合ったってのに、悪感情も無くアイツの魂を持って来てくれて、俺からも礼を云わせて貰う」

 「善人悪人老若男女、死んだら総て屍でしかないからねー。

死人に一々恨み辛み持ってたら独立傭兵なんてロクデナシやってないって」

 「ハハッ、ちげぇねぇわ」

 

 他の人間に聞かれない為か、ヴォルタと小さく呟く様にそんなやり取りをして直ぐに踵を返すと、

とりあえず何かしらの細工が無いかを確認し終えた後に己が上司へと手渡した。

 

 それを受け取ったミシガンは、一瞬だけ瞑目し沈黙。黙祷でも捧げているのであろうか?

アクリはそんな事を内心思っていると、次にはしっかとこちらを見据え、彼は口を開く。

 

 「――流石にここまでされたら、礼の一つ程度では借りは返せんか。

俺……G1が出来うる範囲であれば聞いてやる」

 

 そんな事をミシガンは提案をするのだが、アクリは難しい顔になり。

 

 「別に礼が欲しくてやった訳じゃなくて、自分の座りが悪いからやっただけなんですが……

でも、ここで遠慮してたらあなたの顔に泥塗っちゃう、か。

んー……。あ、そうだ。じゃあベイラム(そっち)系統のACパーツや装備を買える様にしてくれませんかね?

こっちが木っ端傭兵だからか、傭兵支援プログラムの購買ではマシンガンやリニアライフル類以外は制限が掛かっていまして」

 「……フム。その程度であれば構わんが……」

 

 では、その辺りのオモチャ(パーツ)を使い熟せるかどうかのテストはせんといかんな?

ミシガンは物騒な笑みを浮かべ、アクリへとそう云い放ったのである。

 

 

 

 

 

 

 「――礼の話が、何故か闘争になったていたでござるの巻」

 

 軽く思い返してみても、何でこうなったのかが全く分からない。ニンニン。

まあ確かに武器やパーツを十全に使い熟す腕がないのであれば、

それを扱う資格は無い、と云う方針も分からんでもないのだが……

 

 (スパルタすぎやしないですかねぇ?)

 

 アクリはそんな事を内心毒づく。

 

 『……本当に何やってんのさアンタ』

 『アクリさん、頑張ってッ!』

 「ユミコにリブラ? そっちこそ何やってんの!?」

 

 そんな中、撤収していたらしいユミコから通信が入り。

どうやら、いつまで経っても帰って来ないのにしびれを切らした様である。

リブラも一緒にいるみたいだし、本当に安全面は大丈夫なのかオイ。

 

 そんな内心の突っ込みを察したか。

ミシガンが通信越しにて物騒な笑みを浮かべている雰囲気が伝わって来る声音で言葉を発し。

 

 『――G12のテストに時間が掛かるであろうから、俺が招いた。

あの二人に何かをしようとする不届き者が居たら、俺自らがその阿呆を即刻すり潰す。安心しろ』

 「安心できる要素が全くない!?」

 

 ってか、何をすり潰すの!? と更に喚いてみるが、

通信機越しに今一度笑みを浮かべたかの様な雰囲気が伝わってきただけでそれ以上の言葉は無かった。

いやとっても怖いんですが!?

 

 『……まあ、心配してくれるのは嬉しいけどさ。

レッドガンの首領が太鼓判押してくれるなら大丈夫かな、と。

――あ、わたしはG1と6組に100万COAMでお願いします―』

 『な、中々に剛毅な賭け方しますねぇ貴女。――ゴホン。それでは、模擬戦。開始して下さい』

 「――ったく、何で本当にこんな事してるんかねぇッ!

こういう時は、シミュレーター訓練で良いんじゃないのッ!?

ついでにユミコは後でコローすッ!!」

 『偶には実機を使って戦わねぇと、勘が鈍る、ってあのクソミシガンの云い分だッ!

あと手前ェ、同僚にすら見捨てられてねぇか!?』

 「効率重視しやがるからアイツ――G5、散開ッ!!!」

 『―――ッ!!?』

 

 そんな感じでイグアスと口喧嘩をしつつも、逆脚の特性を生かした大跳躍!

彼女のACがジャンプしたそれとほぼ同時、リニアライフルの弾丸が爪先部を掠め。

イグアスの方は、パルスシールドを展開しつつ回避行動も起こしてやり過ごす。

 

 そののちに、上空に移動していたアクリ機はその脚を折り畳み、

少しだけ脚の角度を変えて再び開くと云った形でブースタを吹かせずに空中で位置を変えると、

その最小限の動きで別方向から撃たれたらしい弾丸を回避せしめ。

 

 『――そんな屈伸運動だけで回避するッ!?』

 『変態染みた機動をするとは話で聞いていたが……ッ!』

 「おっ返し―ッ!」

 『うおッ!? だが、この程度ッ!!』

 

 逆にやり返す様に右手のマシンガンをレッド機に掃射。

――が、彼もイグアスと同じようにパルスシールドを展開しつつ回避行動を行って。

 

 「やっぱ対応して来るよねぇッ……っとぉッ!!」

 《コア部、損傷軽微判定》

 

 そう毒づくが、ガィンガィンと模擬弾がコア部を叩き、損傷判定を受けて。

 

 『余所見をしていていいのかG12ッ! G6ッ、貴様はG5をとれッ!』

 『了解ですG1ッ!』

 「この変則的な機動してても中てて来る……ッ! やっぱG1てば怪異爺レベルかッ?!」

 

 戦慄しつつも気を取り直すと、ちょっとばかり節約したブースタを吹かし、

ライフルの衝撃にて崩れた体勢を立て直すと、

反撃、とばかりに背中側に折り畳んでいた両肩のガトリング砲を展開、そして起動。

 

 『――軽ガトリングキャノン(小微)ッ!?』

 

 アクリが肩武器を起動したのを見ると、その威容に狼狽した声音でレッドが言葉を発し。

 

 『目をかっぽじって良く見ろ馬鹿者ぉッ! アレはBAWSの武装だ! 見間違えるなッ!!

BAWSの重四脚が使っている、ベイラム系(こちら側)の新型の一つであるSHAO-WEI……

いや、HU-BEN(ガトリングガン)よりも更に大型のガトリングガンで、

総弾数も多く、焼き付きにくい材質で砲身が形作られているので弾幕を張り易くなっているッ!

しっかとその足りない脳みそに叩き込んでおけG6ッ!!』

 『す、すいません総長ッ!』

 

 そんな彼の動揺を一喝し、一見で肩武器の出自を看破した傍らに解説をもするミシガンの目の良さと記憶力に舌を巻く。

実はこれ実戦授業なのかな? そんな事を考えつつ両肩のガトリングでミシガン機へと撃ち込むアクリである。

 

 ――が、その弾幕は、ミシガン機の小刻みな機動とパルスシールドにてほぼ往なされて。

あと、微妙にパルスシールドを緩やかに傾けて、真正面から弾幕を受けない様に工夫すら出来る余裕があるらしい。

真正面から受けるよりもパルスシールドの機関が焼き付く時間が多少なりとも伸びる形になるので厄介この上ない。

アクリもそれを気付いているのか更に負荷を掛ける為、真正面から中てれる様に逐次、

弾幕の中てれる方向を修正をしているのだが、それも巧く捌かれてしまう。

 

 『――BAWS製肩ガトリング砲(そいつ)は、小微(こちら)と同じくまだ数が出回っていない最新型だろう!

そんな代物を一介の独立傭兵が融通して貰える……。

それを見るからに、解放戦線の肩武装が色々と面倒な形になったのは、貴様等が関与しているなッ?』

 「今ここで話す事じゃない気がするんですがッ!?」

 

 巧みな防御を熟しながらミシガンはそう問いを掛けて来て。

それに思わずそんな突っ込みを返してしまうアクリであるが。

 

 『――やはり、貴様等の手管だったか』

 「あ、ずっこい! このおじさま、カマかけやがった!?」

 

 そんな台詞をほざいたからには関係していると云ってる様なもんである。

騙された、的な感でミシガンに向かって半ギレ気味にそんな言葉を返しながらも頭は冷静なのであろう。

両肩のガトリングの焼き付きを防ぐ為か一旦射撃を止めた上で次の攻勢、とばかりに

背中のブースタと逆脚の前側関節部にあるブースタを同時に強めに吹かせ、

その反動で縦に一回転すると、その勢いのままにかかと落としを仕掛けるのだが、

流石に大質量の脚部での叩き落としは受けたくないか、大きく回避され。

逆脚でする攻撃ではないが、気にしない方が良いのであろう。

 

 『――何と云う無茶苦茶ッ?!』

 『レッド、余所見ばっかしてんじゃねぇッ!』

 『ッ!?』

 

 アクリの変態機動の連続に目が離せなくなっているらしきレッドのその目を覚まさせる様に、

横合いからぶん殴るかのようなイグアスの射撃。確かに彼女の機動にばかり目を奪われていては拙いだろう。

頭部とコア部に複数度被弾していた様であるが、どうにか慌てて回避をした様で。

……これはあとになってキツい指導が入りそうだが、

よくよく観察してみればイグアス自身も近接~中距離射撃能力が想像以上に高い。

レッド(G6)や、……ハークラー(G7)よりも上位のナンバーだと云うのは伊達では無いのであろう。

 

 そんな今必要では無い情報はさっさか記憶容量へとぶち込んで、先に戦闘の事を考えるべきで。

今一度先と同じようにブースタを吹かせて体勢を立て直……

いや、その崩れた体制のままに、全身のブースタを器用に使いスピンしながらミシガン機へと今一度吶喊し、

その勢いで左手に握られたメイスを叩きつけ様として。

 

 『――安いオマケの割りに鋭いッ! ……が、甘いぞ、G12ッ!!』

 「……マジかッ!?」

 

 だがそのメイスの攻撃は、G1の一瞬の判断からの踏み込みにて懐にまで近接を許してしまい、

更に持ち手の内側にリニアライフルの砲身を差し込まれて回転攻撃の動きに制限が掛けられたその上で、衝撃!

 

 《左脚部、小破判定》

 「―――ッだあッ!! ああもうクソッ!」

 

 またもや毒づくアクリ。

……殆ど力も掛けずにアクリ機の動きを制限しつつも引き金を絞り、左脚への射撃を敢行。

大回転するメイスの攻撃を恐れず見極め、更に懐目前へと踏み出して遠心力を殺し、その上に反撃をする。

恐ろしく肝が据わっているやり口である。流石は歩く地獄なぞとか云われる英雄か!

 

 その衝撃を受けバランスを崩すが、逆脚の跳躍とバックブーストにより立て直し、少々後方へと着地。

……が、その退避した場所はあまり宜しい位置取りでは無かったらしく。

 

 『邪魔してんじゃねぇクソがッ!』

 

 耳に届くのは、イグアスの怒鳴り声。

――どうやら彼とレッドとの銃撃戦の状況にて、彼らの射線の上に逃げてしまったらしい。

ガィンガィン、と銃撃を何発か貰いつつ、更に後方へジャンプする。

 

 「ゴメンッ!」

 『ゴメンで済んでたら警備隊はいらねぇッ!』

 「まあそうなんだけどさッ」

 

 短く謝罪の言葉を投げると、イラついた声音で言葉を返して来るイグアスである。

組んだ事も無い相手で連携出来る訳ないだろ、と内心毒づく訳ではあるが。

だがしかし、今現在はバディであるのだから頑張らないと拙い気がしないでもない。

どうせこの成果いかんでパーツ類の買える種類が決まるのは分かり切った事であるし!

 

 『仲が良いのは結構だが、減らず口を叩く前に手を動かせ役立たず共!』

 「あ、やべ」

 

 彼のそのがなり声に逃げる様に今一度の散開。

アクリは、その散開中にさらっとイグアスに一言。

 

 「今度はそっちがG1ね!」

 『なんだとッ!?』

 

 そう云い捨てると共に、前のめりの姿でジャンプを敢行しつつレッド機へと吶喊。

後ろで何か喚いている声が聞こえるが、それに被せてミシガンの怒鳴り声と、

それに反応したイグアスのキレ声が重なる。うん、後はあいつに任せた。

 

 まさに外道である。

 

 『――低いッ!?』 

 

 それはそれとして。向かう先――レッドの驚きの声を他所に、アクリは機動を続け。

――下手を打てばコア部や脚の前部が演習場の地に擦れるかも知れない、と云えるほどに超低位の逆脚でのジャンプとブースタ機動である。

銃撃も予想以上にやり辛い位置合いにて攻めあぐねている所に、足を払う様にメイスの一撃!

 

 だが、その攻撃はジャンプされて回避される。

――が、そのメイスの一撃の勢いとブースタの起動にて低空状態で半回転捻りと云う荒業を行って、

無理くりに逆脚をしっかと地に嚙ませて立ち上がると同時、レッド機が飛び上がった方向へと同様にジャンプし。

一瞬だけアサルトブーストを掛けると、流れる様にレッド機の後背にブーストキックをお見舞いする。

 

 『あの不安定な体勢から、こちらの動きに付いて来るッ!?』

 「――嘘、浅い!?」

 

 驚きの声を上げてはいるが、アクリが繰り出したその攻撃(カエルキック)を、

攻撃を僅かながらに読んだレッドは、更にブースタを吹かせると巧く衝撃を逃がした様だ。

彼女の方も同じく、不意打ちに近しい今の攻撃を直撃出来なかった事に驚きの声を上げて。

 

 (どいつもこいつも……! 流石、レッドガンのナンバー付きだって事かッ!)

 

 こんなやべー連中に、戦場で出会いたくないわッ、と更に思いつつ。

キック自体は浅いながらも当たっているので、その反動でレッド機から離れ、

中空で一回転して体勢を立て直し地へと降り立つアクリ。

脚周りが相当重くなっている筈なのだが、相変わらずの猿の様な身軽さである。

 

 その直後。

 

 『このクソ猿がぁッ! 何クソ親父を押し付けて来やがる!? 手前ェ、殺すぞ!?』

 

 どうやらアクリの着地した近所に退避していたらしいイグアスが、ミシガンを押し付けた事への抗議の声を上げる。

物凄く不機嫌が過ぎて、完全に喧嘩腰である。まあ仕方ないね?

 

 「やかまし、鳥頭ァッ! アンタの方が私より強いでしょうが!

なら、強い方が強いのに当たるのは間違ってないでしょ!?

 『ンだとコラッ!? 誰が鳥頭だッ?! やっぱ手前ェは後で殺すッ!!』

 「凄んでもアンタ風情の威勢なんぞ効くと思ってんの!? せめてドチンピラな口調を改めろやッ!!」

 『云ったなテメェッ?! っつか、テメェだって口悪くなってるじゃねぇかッ!!』

 

 やいのやいのとまたもや口喧嘩を始める悪ガキどもである。

そんな中、うんざりしたかの様な口調で、ヴォルタからの通信が。

 

 『イグアスもG12(笑)も、もうちっとなぁ……

ん? ――ハークラーとRaDer’sがやり合ってた時も、

こんな感じで口喧嘩しながら殴り合ってた? そ、そうかぁ……』

 

 通信の後ろでアクリとハークラーがやり合った時にガリア多重ダムの抗争に参加していたらしき戦闘員が、

G7とアクリの言葉の応酬の罵り合いの件を話しているらしい。

それを聞き、疲れ切った声音が漏れ聞こえて来る。ご苦労様です。

 

 『……本当に、呆れ返るぐらい阿呆だな、役立たず共!

何度も何度も云ってやるが、ここは貴様等のお遊戯場では無い!

いい加減学べ! でなければ荷物を纏めろッ!!』

 『うぜぇ……』「ヒィ、荷物を纏めさせていただきますッ」

 『聞こえているぞ、G5ッ! 貴様は後で体育館裏だッ!!

それとG12! これ幸いとばかりに逃げようとするなッ!

テストを終えん限りは、武装パーツ類の融通は少なくなると思えッ!!』

 『どこだそこッ?!』

 「あぁん、イグえもーん、G1が虐めるよー。たーすーけーてー」

 『手前ェも何訳わからん事云い出すんだゴラァ?!

ってかなんだその最後の気の抜ける台詞はッ!?』

 『G12、貴様は居残り授業がお好みの様だな!

……良いだろう、時間が許す限り付き合ってやる!』

 「きゃー、G1のあっつい補習授業(指導)で私萌えちゃうーッ!?」

 

 アクリ達の相変わらずの口喧嘩に再びのミシガンからの説教が被さり。

いったい何度こいつ等は怒られないと気が済まないのか。

流れる様にトリオ漫才に移行するのは中々である。

実際賭けに参加しているレッドガンの部隊員には好評の様で、笑い声が通信越しからも漏れ聞こえて来ている。

 

 微妙にレッド君が置き去りではあるが、彼はどっちかってと生真面目君であるから、

話に入って来れないであろう。そのままの君で居て。

 

 そんな感じでグダグダな状況のままに、賭け演習は続いて行くのである。

――因みに、これ以降は話の種になる物はなく、ほぼほぼ封殺され、アクリ&イグアス組がぼっこぼこにされて終わった様だ。

五花海とユミコがホクホクしたお顔をしていたのがとても味わい深かった。

 

 

 それからコンビを変更し、G4(結局総長命令で付き合わされる羽目になったらしい)とG12との組み合わせに回ったその時。

合☆体、とばかりに上半身を180度回転させたキャノンヘッドのタンク天板部にアクリ機を載せた状況下にて、

キャタキャタピラピラと疾走しつつアサルトライフル+重ショットガン+マシンガン+肩ガトリングガン×2の模擬弾幕を高笑いしながらブッパして回り、

対戦相手をとことん蹂躙して行った様だ。相変わらず仲良しさんか。……で、その蹂躙後。

ミシガンにしこたま怒られ、演習場の整備を云い付けられたのは全くの余談である。

 

 

 

 

 更に蛇足として。

そんな中で余程ミシガンに気に入られたのか。

大豊製品の武装・パーツ類総てとベイラムのMELANDERフレーム一式と、

手脚のカスタムパーツの購入権と共に先に貸与されたG12のコールサインも、

貴様がKIAになるまで貸し続けてやる、とご本人から宣言され、

彼女のACの腰部の一角にひっそりとマーキングされ続ける事となるのであった。







 レッドガンとはこんな感じなノリで交流し続ける事でしょう。
……うん、書くキャラは多かったですが、なんか楽しかったです(小並感

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