またもやお久しぶりで……(土下座中
とりあえず、次回の布石回でございます。
次こそは早く書き切りたいものですが……(遠い目
とある日。
アクリ達RaDer’sの一味は、己が
張り詰めた空気を醸し出していた。
表情を引き締め、沈黙をしている女性――アクリの物々しい雰囲気に気圧されるかの様な他の二人で。
彼女は、重々しく口を開き……
「……とうとう、ここまで来たよ、ユミコ、リブラ」
「……とりあえずは、さ」
「何かな?」
――何でたった一つの料理でここまで深刻な空気になる訳?
そんな、身も蓋もない醒めた突っ込みがジト目のユミコから齎され。
だがしかし、そんな至極真っ当な台詞にも全く堪えず、アクリは更に言葉を重ねて。
「――だってさ。コレが上手く行ったら、ある意味ルビコン3の情勢が変わるよ?」
「――そんななの?」
「そらそうよ。だって……今から作るのは完全に逸失していた、
"ミールワーム"の、正規の調理法なんだから」
彼女のその言葉に、ごくり、と喉を鳴らす二人。
――先の、技研とは違うコーラル研究の組織。
その場にて手に入ったメカの方のあれこれは、
別口で見つけた、その場で生活していた研究者達の情報ログの方で興味深いデータが幾つか残っており。
それ――ミールワームの正規手順での調理法――があるのを見かけ、
喜び勇んでそのデータをコピーして懐にしまい込んでいたアクリなのである。
……確かに、丸っと煮たり焼いたりと、今はそれだけしかないミールワームに新たに下処理と調理法が追加されるのであれば、
ルビコン3星内の食の情勢は大きく変わるであろう。
因みに煮物ではアクとコーラルをしっかり取らないと、
エグ味がダイレクトに味覚をぶっ叩いて来て。
両方ともきっちり除去すると味がしない。
焼きでは、中まで火を通してコーラルを抜かないと確定でコーラルで酔う。
だが、完全にコーラルを除去するまで焼いたら確実に焼き焦げて炭となってしまう。
中々に面倒くさい食材なのだ。
今だ真剣な表情のままのアクリは、更に言葉を重ねる。
「……調理法が"アイビスの火"で逸失してから約半世紀。
まともに生きて行っていた人々も食と云うモノが、
完全に肉体を保持する為の栄養を採るだけの物に成り果ててた。
……コーラルで腹を満たしてたのも居るけど、それはのっぴきならない状況の人か、
様子のおかしい連中だからスルーするとして。
そんなボケは兎角。
やっとこの数年程で、その他の諸々に目を向ける余裕が出て来る様になったこの状況下。
一応、郷土料理って括りになるんだしさ。
ソウルフードたるアレを美味しく食べれる様になりたいじゃない」
「そこは同意するけどさー?」
美味しいごはんは心の栄養素。
心を満タンにしないと、悪い方にばかり目が行っちゃうと思うんだよ。
そんなどっかのエネルギー屋の謳い文句の様な事を交えて持論をほざきつつも、
精神的余裕が無いのは頂けないのは分かる。
そんなやり取りの中。唐突に通信機から一人の女性の声が流れて来て。
『――で、私のごはんもあるんだよね?』
「何奴ッ!?」
先のリブラのお義爺さんとの初交流の時の反応を全くそのままにボケ倒してみるアクリで。
まあ、こんな天丼な事をしているのは、その声が己の良く知る人物の声だったからこそ、
そんな阿呆な事をしてみた様であるが。
「……どしたん、ツィイー。こんな時こんな所に?」
『いやー、ちょっと用事でこっちに来てたんだけどさー。
なーんか見た事があるエンブレムが付いている大型輸送ヘリを見かけたからさー。
一声ぐらいかけたくなるじゃん?』
「まあそれは理解できるけどー」
『んで、通信回線を開いてみたら、なんか面白そうな話が聞こえて来たし。
これは参加せざるを得ないとね?』
「無銭飲食は自警団に連行で有罪判決、縛り首だよ?」
『なんかいきなり罪が重いッ!?』
「ま、まぁまあ。二人共、落ち着いて?」
そんな感じで漫談風味なやり取りをしている中、
ユミコからふとした疑問の言葉が投げ掛けられ。
「そいや、
『……なんか不穏な字にルビ振ってない?』
「はてなんのことやら」
『――それは後で問い詰める事にして。今日はアーシルとは別行動だよー。
……まぁ、七面倒くさいのは居るけど。今はそれは良いや。お邪魔しても良いよねー?』
「ほいほい。んじゃま、搬入口の方は開けとくから入っておいでー」
『りょかー』
わちゃわちゃとしたやり取りの内にそんな感じになったらしい。
アクリ達の指示の通りに己がACを乗り入れ、ハンガーに駐機するツィイー。
暫し見ぬ間に、彼女のACも中々に様変わりしている様で。
――以前のユエユー改は、頭はBASHOのダブルヘッド。
コア、脚とBASHOだったのだが。
その部位を
腕をMELANDER改弐("壁"メカニック達が死力を尽くしてC3相当にまで改造したらしい)と云うアセンのACとなっていた。
中々の強化である。……そして、タラップから降りて来たツィイーを迎える一行であり。
てててて……と小走りに気味に駆け寄って来るツィイーに、明るい笑みで待ち受けるアクリとユミコ。
そして、三人共に手を挙げると。
「「「しゃおぉぉーんッ!」」」
何か吼えたし。
相変わらず様子のおかしい姦し娘共である。
「相変わらずだね……。しかも、アクリさんとユミコさんは兎も角、
何でツィイーさんまで異口同音で反応できるの……?」
「「「そりゃ、マブダチだし?」」」
「再度ユニゾンッ!?」
本当にこいつ等は一体何なのか。それは多分誰にも分からない。
それは兎も角として、とりあえずは彼女のACの方へと視線をやりつつ口を開き。
「――ツィイーも弐式に更新したんだね?」
「ちょっと前に制式量産機が数機、BAWSから支援物資と一緒に送られてきてねー。
……あー、そうだ。アクリの弐式プロトの稼働データが私等の制式機にもフィードバックされてるみたいでさ。
多少無茶な機動掛けても、反応が付いて行ける感じになってるのは有難かったな。
定期的に稼働データをBAWSの開発部の方に送ってくれてるんだねぇ」
「まあこっち個人だから小回り利くしね。
データ送ればこっち側にも恩恵あるから、出来る限りは協力するよ」
「本当に助かる。……んで、話を戻すと、ダナムはタンクACに組み直した上で、
指揮車として諸々を改造・増設しているから除外して、
それ以外の残った実力者にも新型が回されて、ガリア多重ダムの方も"壁"の方も、
ある程度の戦力増強になったよ。
――それはそれとしてさ。色々と強化されてても、操作感が全く変わってないのは凄いよねぇ」
「それは私も思った。それでいて積載量もEN効率も大分上がってるみたいだから、
ジェネのEN回復力とか、ブースタ効率とか。機動力も大幅に改善してるし。
……あとは、使う事はほぼ無いだろうけども、レーザーやプラズマ兵装も問題なく運用が出来そうだよね」
「だねぇ。……でも、
「わかる。だからこそ、基本は中古も大量に出回っている、
ベイラムや大豊、BAWSの大量生産品な実弾兵器の方に偏りがちになるんだし」
「うむ」
操縦手としての見解をしみじみと語り合っている二人のAC乗りである。
そんな二人のやり取りに割り込んで突っ込みを入れるが如くに、
視線を入口方面に向けていたユミコが盛り上がっているらしきツィイーへと問いを掛けて。
「……盛り上がっている所、悪いんですがー。
そんな彼女の台詞に楽し気にしていたツィイーの表情はげんなりした風になり、その台詞を潰して来て。
もうそれは知り合いと公言している様なものなんよ。
思わずジト目にてそんな視線に乗せると、明後日の方向に視線を泳がせる。
「――ちょっと前、何かボッロボロになったACと共に行き倒れていた
ごはんとか、治療とかの世話をしたら懐かれて、ね?」
更に無言で凝視して来るアクリ達に根負けしたか。
ツィイーは渋々と云った感でそう返して来た。
「餌付けしちゃったかー。……うーん、じゃあ捨ててくれば?」
「流石にそこまでに非情にはなれないかなぁ?」
元居た場所に戻してきなさい! 的な母親風味な事をのたまうアクリに、
流石にそれは非道過ぎやしませんかね、とツィイー。
そらそうであろう。
「……まあ、とりあえず。……六文せーん、自己紹介ー」
『――委細承知ッ! 独立傭兵"六文銭"ッ!
それに報いるが為、出会いし高潔なるルビコン解放戦線の烈士達の為……。
轡を並べ、この星の明日の為に凡才ながらも身を投じておるッ!』
溜息一つを吐くと、ツィイーはそんな言葉をそのACへと投げ。
するとビルの物陰からこちらを窺っていたACが、
何とも独特な口上と共に、そう名乗り上げて。
いや早い早い。
しかも、その速度でありつつも駆動音を抑えているらしく、
見事なステルス機動で輸送ヘリの目前へと華麗に着地までした様である。
その動き、とても参考になります。
「まったすっげぇ濃いのが……。ちゃんと躾けないと駄目だよー?」
「云わないで。お願いだから。早く森に帰って欲しいんだけどなー」
『……拙者、小動物扱いッ!?』
……だが、あまりにもアレな状況に頬を軽く引きつらせつつ、
そんな言葉を呟き洩らすユミコに、
さもありなん、と云った感で同意するツィイーは更に毒を吐き出し。
その彼女の台詞に喚く一人の男。うーんカオス。
開け放たれたカーゴ内の搬入口から、
流石に先の動きのままに寄って来るのは危険だと思ったか。
ガッションガッションとこちらへと歩み寄って来ているそのACへと視線を移し。
――頭と腕、脚は
所々に大小さまざまな……見た目だけで云うと、機動に支障が出るのでは、と心配になる程の焼け爛れた痕や銃創、爆発痕が残っている状況で。
だが、その機体の動きを見るに問題が無いからそのままにしている様なのだが、
危険な放置な気がしないでもない。
そして、コアはアクリが見た事もないパーツ(こちらも爆発痕や何か固い物に擦られ……削られた? かような跡がある)であり。
兎角、そんなアセンブルのACで。
……ひょっとしたらこの珍しいコアパーツ、
解放戦線のメカニック達では手が負えない可能性もあるのか?
そんな事を思わず考えてしまったアクリではあるが。
――後に聞いたら、ただお金が無くて修理費をケチっていただけらしい。
なんともはた迷惑な。
まあそれはそれとして。
装備としては、右手に
肩にウェポンハンガーを使い、
……逆肩に以前グリッド087にて見かけた、スッラのACの肩に載っていたミサイル射出機が一つ。
(あの肩の連鎖爆破ミサイル、見た事無かったんだけど……既製品だったの?
左腕のアレも見た事無いしさ……)
訝し気にその肩武器をジロジロと見やるアクリで。
……この所、自分が知らないパーツをよく見かけるが、
勉強不足なのだろうか、と内心凹んでしまう。
まあしかし。
RaDの
自力でパーツそのものを開発してしまう野良のプロも居る事は居るのであるからして、
そこまで気に病む必要は無かろうが。
「……とりあえず、六文銭。アンタは永久に見張り」
「いやいや、流石にそれは可哀想でしょ。六文銭……いやマジか。
ルビコン3内では有名どころの独立傭兵じゃないコイツ。
何でそんなのが行き倒れるなんて事になってんのよ……?」
今更ながらに六文銭のアレソレを思い出したアクリが、そんな呆れの混じったボヤキを漏らし。
そんな彼女の言に、物凄い勢いで脱力したツィイーが応え。
「さぁ? ……まあ一つ云える事は……」
「事は?」
「兎にも角にも、暑っ苦しい」
「分かるけどねー。まぁとりあえずは、そっちの方もカーゴ内にどうぞー。……あと、リブラー?」
「はーい。ある程度は修理すると云う方向で準備しとくー」
そんな感じになったらしい。
「アーキバスの基地への襲撃ぃ?」
「――ん、もごご、もご、もごご」
「とりあえず、口の中のを飲み込んでから話しなさいな」
それから暫し。
アクリはと云うと、いつも通りに操縦室へと招いたツィイーと六文銭、そしてユミコとリブラに、
遺失していたレシピを元にミールワーム料理を作り、振舞っていた。
アクリが提出したその料理を食べた途端。
彼女へと提案していた話をそっちのけにして喰らうのに集中し始めたツィイーにジト目で突っ込みを入れ。
口の中の物を咀嚼し切り飲み込んだあと、真顔で問い掛けて来て。
「――んぐ。……これ、本当にミールワーム? すっごい美味しいんだけど?」
他方では、ツィイーと共にソレを口にしたらしきユミコとリブラはあまりの味の違いに絶句しているらしい。
そんな三方に微笑ましい表情を浮かべながらアクリはさもありなん、と頷きつつ口を開く。
「こっちも軽く味見して驚いたよ。
なんかレシピ読むに、ミールワームの
それをきっちりとした手順で調理すれば、劇的に味が変わるみたいでね。
……なんなら、これのレシピ提供するよ?」
「マジでッ!?」
「そりゃあね。私だって一応は郷土愛ぐらいはあるんだから。
そんなやり取りをしつつもいまだに信じられない、と云った感の三人から視線を移し、もう一方に視線を向けると――
「これが……あの、蟲料理……なのか? 甘く、とろける……ッ!?」
ミールワームの味を食レポするかのように驚きの呟きを漏らす、
浅黒い肌を持つ髭面ドレッドへア太マッチョと云う属性山盛りで、
ルビコン3ではごくありふれた民族衣装、と呼べる服を纏っている男。
……どうやらこいつが六文銭らしい。
先の発言や、六文銭と云うコードネームからして、ユミコのルーツの国に何かしら関係がありそうだが……
何か色々と間違っている気がしないでもない。そんな栓も無き事を考えてしまうアクリである。
んで、その後暫く、一同はミールワームの料理をうめっ、うめっ、等と発言して食し。
……調理失敗して、コーラルキマちゃったかな? 等と戦慄してしまうが、そんな話は無く。
和気藹々としつつも試食会と銘打っている様であるが、単なる隣の晩ごはんな時間は過ぎて行く。
「――んで、ツィイー。今回は何処に行くつもりだったの?
アーキバスの基地の襲撃なんて云う中々に穏やかじゃない発言してたけど」
とりあえずミールワーム料理を堪能した後の一息。
アクリから突っ込みと共に、食後の一杯であろう手渡された金属カップ。
それをツィイーは受け取り、くぴりと一飲み――中身は紅茶らしい――し。
……ルビコン3の今のご時世、ティーパックの紅茶ですら高級嗜好品になるハズなのだが。
普通に茶葉から抽出する方の紅茶を勧める辺り、相変わらず飲食関連は極まって行く方向らしい。
ミールワーム料理ではまだお腹に足り無さそうな何人かに、
追加でお茶請けとして出したアルミ製のレーション皿に載った小ぶりな鈴カステラもどきの様な代物も手作りの様だ。
つくづく傭兵としては間違った方向に突き進んでいる娘っ子である。
それは兎も角として。
ふぅ、と一息吐くとツィイーはあらましを話し始めると同時にお茶請けも口内に放り投げて。
「行くってか、帰りなんだけどね。
……説明はうん。師叔とのブリーフィングの記録が残ってるから、それを聞いて貰った方が早いかなー?
――ん、あまーい。おいしー」
「口に合って良かったよ。……でも、アンタ。
なし崩し的に
「ははなんのことやらー」
思い切りよくジト目で突っ込みを敢行するアクリに、
ツィイーは視線を逸らしつつ棒読みで言葉を返すと共に、
持ち込んで来たのであろうデータチップを勝手知ったる、
と云った感で操縦室の再生機へと突っ込むと再生を始め、
操縦室正面上部に設置されたモニタへと映し。
そのモニタに注視すると共に、差し出されたお茶請けを再度口へと放り込み舌鼓を打つ一行に、
何気に嬉し気な反応を返すアクリである。
そんなほのぼのとした空間はさて置いて。
詳細を搔い摘むと、こういった感じになる様だ。
――それは師叔――ミドル・フラットウェルからの提案であり、
ベイラムとアーキバスの縄張りの境界線……その最前線。
アーキバス側、境界線の最寄りにある、複数の生活物資の集積場の破壊が主な任務である。
重要と云う程では無いが戦闘糧食や嗜好品等の流れを堰き止め一部前線の士気を落とし、
更に戦力も出来うる限り削いでおきたいので、常駐している敵戦力の撃破も視野に入れて欲しい。
同時にベイラム側にも、同様の任務を与えた別部隊を動かす予定である。
特記事項として、それぞれに敵方も独立傭兵を擁している可能性があるので警戒しておく様に。
――そんな話らしい。
「ふむ……。で、指定された複数個所の内のどれかを選定して攻撃の為に参加、って感じか」
「そうだね。……因みに私と六文銭が選んだところは、倉庫地帯が広めで敵戦力が比較的少ないであろう所。
その下見の帰りに、
「やだよそんな闘争にまみれた運命。
で、ツィイー達が考えているのは、戦果よりも……物資をかっぱらうのを優先?」
ツィイーがもの云いたげな視線を投げると、アクリは直ぐ察せたのか。
一瞬だけ苦笑を漏らすと直ぐに邪悪な笑みに切り替え言葉を返し。
そんな彼女の笑みに釣られる様に同じような邪悪な笑みを浮かべると再度口を開く。
とりあえず、貴様等女子がしちゃあいけない笑みを浮かべるんじゃない。
「ざっつらいと。生活物資や嗜好品をメインに強奪しようかな、と。
んで、アクリ達には、撃破したACとかMTのスクラップの方を報酬として進呈するからさ。頼まれてくれない?」
「――とりあえず、ヴェスパーナンバーは居ないんだよね?」
そんな火事場泥棒を宣言するやべーAC乗り娘の依頼料の提案により、
少しは乗り気になったのか、アクリはやれやれと云った感でそう聞き返し。
「流石に、場末の物資集積拠点にそこまでのバケモノは居ないよ。
……ま、ナンバー入りしないまでも、実力者なAC乗りかMT乗りか、
師叔の懸念の通りに、そこそこ強い独立傭兵は居るかもだけど」
「ダメじゃん」
「でも、それぐらいの相手なら、アクリでも十分戦えるでしょ?」
「流石に六文銭レベルが居たら無理だと思うけどね」
「それもないでしょー、流石にさー」
そんな風に軽いやり取りをしているが、話し合っている事が殲滅完了後の死体漁りである。
結局強奪している時点であまり変わってはいないのだが、そこは見ない事にしておくとして。
……まぁ、星外企業は弱体してどうぞ、の心持ちである解放戦線側としては間違いでは無いのであろう。
あとなんか旗が立った効果音が聞こえた気がしないでもないが、その辺りはスルーすべきか否か。
「――姫様、あまりヤンチャはどうかと思うのだが」
「六文銭……。
BAWSからの支援物資も有限なんだから、ケチれれる所はケチらないと」
「うぬぅ」
流石に恐る恐ると云った体で窘めの言葉を掛けてくる六文銭であるが、
ツィイーの言葉に唸る事しか出来ず。
そんなやり取りをぶった切る様に割り込んで来るユミコであり。
「そう云えば。六文銭って……」
「如何致した、通信使殿?」
「うぅ、見た目と口調のギャップが……そ、それは兎も角。
頭痛が痛いです、的な反応をするしかないユミコであるが何とか頭痛を堪え、問いを掛けると、
少し不思議そうな表情で言葉を返して来た。
「拙者以外に六文銭と云う独立傭兵が
「……あー、はい。間違いなくいませんよねー……」
その難解……と云うか、地球の中世日本辺りのなかなか珍しい言語……。
そんなのを使うのが何人もいてたまるか、と内心で強めの突っ込みを入れてしまう。
「……ゴホン。ツィイー側の戦力に於いては心配しなくても良さそうなので、
そっちの方が効率は良さそうですし—」
そんな感じでどうでしょうー、とアクリとツィイーが話し合っている内に大まかな作戦内容を考えていたらしく。
その提案にふむ、と考え込みながら呟きを漏らすツィイーである。
「んー……。その集積場の双方端と端からの強襲から、中心点まで破壊活動を行って合流後に撤退。
巧く殲滅できたならば、お代わりが来るまでの制限時間内にて物資を強奪、って感じ?」
「そんな感じで—」
「――ふむ、承知した。姫様のご友人達と轡を並べて戦える事、光栄に思いますぞ」
「だから時代……まあ良いかー」
完全に匙を投げうっちゃってしまうユミコに疑問符を浮かべまくる六文銭に、
一応、己のルーツの
そんな彼の傍らでまあそうなるよね、な感が滲み出ているツィイーの表情が中々に趣深い。
サムライとニンジャを信奉するどっかの外国人的なヤツかな?
そんなユミコの疲れた思考は兎も角として、ツィイーの方も確認を終え、軽い調子で頷き。
「うん、了解。……更に余裕があるなら根こそぎ……。
いや、流石にそれは高望みし過ぎだよねうん」
そののちに強欲以外の何物でもない台詞を吐くが、
戦場跡漁りは自分等も当たり前にやっている事なので、何も云えないユミコ。
兎に角、僚機依頼を受ける事に決めたRaDer’sは、依頼の詳細をさらに詰めて行くのである。
とりあえず、ミールワームの云々かんぬんは、
相も変わらぬ捏造以外の何物でもないので、
こまけぇことは良いんだよ、という感じでひとつ(ぁぁ
そして、立ってしまった旗は機能するのかブラフなのか。
どうなる事やらー(超他人事である