恐ろしくお久しぶりになってしまいました(エクストリーム土下座慣行中
丸二か月、書いてる内にどんどこ伸びて行きまして……
やっぱバトルはどうも苦手なのです。書くのは好きなんですけど……
ツィイーの下見の情報を共有し、破壊任務を行う予定となっている、
アーキバス勢力圏にある物資集積場の一つへと空路を突き進む、
出撃予定となる場所へと近付いた一行は、己がACへと搭乗準備を行っており。
タラップに上がろうとしていたツィイーはふとアクリのACへと視線をやると、
おや、と云った感で、同じく己がACに乗り込もうとタラップを上がっていたアクリへと声を掛け。
「……さっきは良く見てなかったケド。アクリのAC、ゴッツい逆脚になってる。
それが、RaDの新規商品である作業AC用の重逆脚なの?」
「あぁ。うん、そだよ。RC-2000"SPRING CHICKEN"。
基本的に上下に高いグリッドの高所運搬の為に積載力とジャンプ機動にほぼ特化させてる脚だよ。
戦闘用とは云い難いけど、その重量からのキックは必殺と云っても過言じゃない威力は誇ってるね。
あと副次的なもので作業用だからすっげぇ頑丈だし、
故障もし辛くなってるし、メンテも容易に出来る。
他にも、元がジャンクからの製造品だから、へたった部品の交換も簡便だよ。
欠点は兎に角、重い所かなぁ……。
あ、因みに、私のACの
リブラが専用の魔改造を施している代物だから、
既製品には
そう云って二人の視線は揃ってアクリのACの足元へと向けられ。
……足裏部の中央辺りから踵までをくり抜き、そこにキャタピラを取り付けたのか。
踵部の端から履帯が一部がはみ出しているのが見られ。
更に踵から足首の部位に足首側に折り畳まれた、
横から見たら三角形型となるキャタピラがもう一つ、取り付けられていた。
少しだけツィイーは首を傾げると、一言。
「……鈍足対策?」
「そうなるかな。……ま、ホバー移動も出来ない事は無いんだけど、
重いから脚部ブースタを強めに吹かせないと、戦闘機動が出来なくて。
そうすると推進剤が、って話になるんだよね……。
リブラもブースタ推進剤の見直しとか、デッドウェイトになりうる部位の装甲の撤廃や、
基礎フレーム部の材質の変更とかで頑張ってくれているんだけど……」
「まだ重い、と」
「操縦次第でカバーは出来ない事も無いぐらいにはなってるんだよ?
でもリブラ自身が納得しきれなかったみたいでさ。
ならこれでどうだ、って感じでキャタピラ付きに改造したんだよ。
必要に応じて履帯を駆動させて、使用。
踵部の追加履帯は転倒防止用で、折り畳んでいた状況を開く様にして接地後に機動、って感じかな。
大体の場所は走破できる優れもの、なんだけど、どうしようもないレベルの荒れ地だと使えないけどさ」
「ま、そりゃあね。……んで、速度は?」
「ホバー移動時よりも1.2倍ぐらいは早くなってるかな?
で、消費を気にしなければキャタピラとブースタを同時使用で1.5倍ぐらいまでにはなったよ。
燃費もホバー連続使用時の8割ぐらいまでに抑えれてる」
「ぉー、中々に仕上がってるじゃない。
……あれ? でも、一番の売りであろう跳躍は?」
「ご心配なく。あの脚周り、削った重量と基礎フレーム部の素材変更分で、
履帯・補助履帯の重量分を相殺……よりかは軽く出来てるみたいで。
履帯駆動・停止の移行もコンマ秒以下で出来るから、跳躍の邪魔にはなり辛い様になってる。
あとは、いざと云う時の切り札の一枚である、水平跳躍も股関節周りの改良で、やり易くなってるかな」
「へー、ほー? 中々の魔改造してるじゃない。流石のリブラ」
そんなアクリの解説におぉー、と感心の声を上げるツィイーである。
……と、ふと思い出したか、疑問の言葉を投げて来て。
「……そいや、アクリってタンク系の機動ド下手だったじゃない」
「ド下手云うなし。……まあ間違ってないんだけどさぁ」
「凹まないでよ。――で、使いこなせるん?」
「まあ、機動補助程度でタンクそのものじゃあないしね。
先にも云った様に、転倒防止用の処置もしてあるし、何とかなる……じゃなく、何とかするよ」
タンクレースでの大失態を揶揄すると、苦い顔になりながらもそう返してくる。
何だかんだ云ってあの時のアレコレは彼女には中々にショックな出来事であったらしい。
ユミコにめっちゃ笑われたし(鉄拳制裁はしておいたが)。
それは兎も角、そんな恥の話はカーゴ内の片隅にでも置いときまして。
「――とりあえず量産化は完了したし、ツィイーも以前
今でもそうなんだったなら、
「……んー、とりあえず、出来るなら4つ早めに欲しいかな。
"壁"の守備隊のAC部隊員に渡したい」
「あぁ、あそこだったら普段使いしたいかー。……んじゃ、連絡しとくー。
一つ頭、約49万COAMなんだけど、お代は足りる?」
「……ぅ、流石にお高い。買えない事はないけど……ローン利くかな?」
「その辺りは取引元に聞いてー」
そんな風になんとも緩い感じで出撃準備を進めるのである。
「――思った以上に、抵抗が少ない……?」
《多少は手強い相手は居たが……》
それから、暫し。
準備を終えた一行は、さっさかと出撃し。
アクリとレティのRaDer’s組は、
解放戦線組(一応六文銭のACの外装部だけは超格安で補修した様である)と大体の合流地点を示し合わせたのちに一旦別れて。
開始から暫くはスキーニングミッションの如く、
バックスタブ(と云う体の撲殺)で死角からアーキバスの戦闘MTを破壊し、
出来たMTのスクラップを適当な物陰に隠しつつも、
順調に破壊任務(主に敵機動兵器撃破の方)を熟して行く。
通り魔かな?
――因みに、今回の二人のアセンブルはというと。
アクリ機の方は大方は変わらず、BASHO弐式の頭、コア。
腕がベイラムからの購入品のMELANDER C3に、
ソフト面からの調整した
BASHOの特性をも獲得し射撃性能も保ちつつも近接性能を高めたMELANDER改参。
代わりにC3の時よりも重量とEN消費が増大しているが、
その辺りは乗り手の立ち回りで何とか出来る話である。
アクリの戦い方ではBASHO弐式のマニピュレータでは、どうも具合が悪かったらしい。
まあ彼女の何時ものお供である鋲打ち機改造ニードルガンや、
頻繁に使っていたリボルバーパイルが使用出来ないのは致命的であろうから仕方ないね。
……しかし、この改参。
ここまで来るとほぼリブラが独自開発した新型のAC腕と定めても良い様な状態であるが。
当の本人はそんな事を全く考え付きもしないらしい。
相変わらずの機動兵器弄りが大好きなだけの男の子である。
話を戻し。
脚が先にツィイーと話していた、
そして武装は、右腕に
右肩に多目的ラックからの三段積みMTミサイルランチャー。
左肩に同じく多目的ラックからのクレーンアーム改。
そして腰裏の増設ラックにマシンガンのマガジン数本が入った小型の簡易コンテナを懸架している様だ。
完全に継戦能力に重点を置いているアセンの様である。
次にレティのACの方も、装備そのものはカーラ達との模擬戦の時とほぼ同じ構成である、
頭は
腕を
武装は前回と同じく、
……しかし、逆脚(しかも重量級)AC二機でバディを組むのはシナジーとしてはどうなのだろうか。
まあそれはそれとして。
やはりと云うかなんというか、アーキバスの縄張り内の施設だからか。
EN兵器を使用出来る様にジェネレータを改造されているらしい、
戦闘型MT(アーキバスカスタム)が、通常の戦闘型MTに混じり、辺りを巡回しており。
そいつらを何度か、先程の様にバックスタブ(撲殺)を成功させれば、
流石に曲者が居る事に気付かれるのは自明の理である。
本格的な遭遇戦が始まると、流石、企業の兵士だけあって練度は相応以上に高く。
質は今のアクリ達には敵わないが、数が揃えば脅威ではあるので、段々と戦闘時間は伸びて行き。
『――二方向からの襲撃だとッ?! 襲撃者は粗野なベイラムかッ!! それとも解放戦線の土人共かッ!?』
『北東側、西側、共に味方の信号が断続的に途絶中ッ! 救援をッ!! ……追加の傭兵も出せッ!!』
そうなって来ると、もうこちら動きは完全に補足されてしまった様で、
恐らくこの集積場の司令部であろう所から、慌ただしい通信が撒き散らされており。
それを傍受している訳でもないのにこんなに垂れ流されている辺り、混乱は中々に大きいようである。
(あー、やっぱ居るかぁ、独立傭兵……。
んで、追加って事は……こっちには来てなかったケド、
そんな事を内心考え、炸裂弾をばら撒いて敵MT隊へ攻撃しているレティの後姿を横目に見やりつつも、
警戒は怠る事無く、次の獲物へと視線を走らせ――
――そんな折、背に氷を差し込まれたかのような、悪寒!
「――レティ、散開ぃッ!」
《――ッ!?》
その悪寒を感じるとほぼ同時。
アクリは切羽詰まった声音で相方へと警告の言葉をがなり立て。
戦闘が激しくなってから、破壊の余波で出たらしい倉庫の壁の残骸をその辺りで拾い、
クレーンアームに装備させていたソレを正面に構えて盾にすると、クイックブーストを打つ!
レティの方も、彼女の勘の鋭さは承知しているので、聞き返す事もなくクイックブーストでその場から退避。
――その瞬間、二機が立っていたその中心地に、バズーカ弾の爆発らしき火の花が爆風と共に齎され。
アクリ達と相対していたアーキバスのMT小隊の方には爆風が回っていない辺り、
巧くその砲撃の着弾点を調節していたらしい。
『遅かったな、独立傭兵共ッ! こちらが体勢を立て直すまでの時間を稼げッ!
――高い
『――了、解』
回避は成功したか。アクリはクイックブーストにて掛かったGの負荷を逃がす様に大きく息を吐くと、
そんな敵側の通信会話をバックミュージックに、砲撃手が居るであろう方へとカメラアイを向けて。
「……マジ、かよぉ……」
モニタに映ったその姿を目にしたその途端に、
思い切りよく表情が引きつり、軽く絶望したかの様な小さな悲鳴を吐き出してしまう。
――頭とコアは、RaD探査フレーム。
腕と脚がMELANDERと云う、中量級のACなのだが……
ジャンクからのレストア品に見えるそのパーツは、相応以上の改造が施されているのが散見されて。
……と云うか、少し前までめっちゃ見た記憶がある手脚パーツなんですよこれ。
――ベイラムから買い取った正規品のMELANDER C3をリブラが解析し、
その解析データをレストアMELANDERへと反映させて完成したリブラ製のMELANDER改弐。その手脚なのだ。
前回のユエユー改にアセンブルされていた解放戦線製のソレとはモノが違うと云う、
中々に紛らわしいが、それぞれの所属が好き勝手に所持し、
それを改造・強化をしているからこそこんな名称被りは頻繁に起こるので、その辺りは気にしては駄目である。
更に云うと、この手脚の稼働データも前述しているアクリ機の改参の下地の一つとなっていたりもした。
――そして、そのフレーム部は血の様な赤。灰色に近しい白の装甲板でソレを覆った、一機のAC。
現実逃避気味に機体構成を流し見てしまったが、
ちゃんと現実と向き合わないと死ぬだろうから気を取り直しまして……。
『――ま、さか、こん、な所、で逢う、なん、て』
「……
『今、回の、襲撃、犯は、貴女、達?』
張り詰めた声音で、アクリはその相対する相手――独立傭兵"
そんな彼女の視線を他所にたどたどしくはあるが、底冷えするような、冷徹な声音の台詞が重ねられ。
(……これが、敵対した時の猟犬、って事か……ッ!)
平常時も語り口は平坦ではあったが、その感情は分かり易く目に見えていたが……
戦場で相対するとこうまで凍り付くのか、と戦慄が内心湧き上がる。
――と、ふと何か違和感を感じ。
――待て。先のアーキバスの上官らしき者は何を云っていた?
……独立傭兵、"共"?
そんな思考が頭を掠めたその時。
拙い、とその勘の赴くままに、両足の履帯を逆回転稼働を行い、地上を舐めるバックブーストに近しい機動を敢行。
その緊急回避を行ったアクリ機へと、散弾の
《左脚部、損傷軽微。継戦に問題無し》
散弾の直撃の大半は
COMからの警告を耳に請けながら舌打ちし、その散弾がの射撃元へとカメラアイを向けると。
ジャコン、と
リブラ印のパイプ式ショットガンのリロードをしている、別の一機のAC。
そちらのアセンはと云うと、頭と腕はフギン機と同じく、RaD探査。
コアと脚を、リペア品である
先のACと同じく血赤のフレーム部に、橙色に塗装されている装甲部。
こちらも、
『ぼくも、いるけどね』
「――ッ、"
硝煙を燻ぶらせたショットガンを左手に持ち、そう言葉を投げ掛けて来るは、独立傭兵"ムニン"。
台詞そのものは軽めなのだが、声音は平坦でものすごく怖い。
そんな状況下、緊急退避していたレティ機が牽制の為か、重機関砲と大豊マシンガンをそれぞれに浴びせるかの様に、
二人の独立傭兵へと撃ち込むと、その攻撃を嫌ったか回避機動を取り。
相手が避けたのを契機に、相対していたアクリ機を庇うかのように、割り込み立つレティ機である。
何かしらのリアクションを見逃すつもりは無い気で相手に注意を払いつつも、レティはアクリへと問いを掛け。
《――さて、アクリ。あの二人に勝てると思うか?》
「無理だろうね。今の状況下で瞬コロされてないだけまだ運が良いよ、マジで。
……多分、あの娘達にとってはこの場は全部守らなきゃダメなんだろうね。
周囲に被害が出やすい武装をおいそれとは使えないみたいだから、
そのお陰でこっち有利のハンデ戦になるけど……」
だが、先程はバズーカをブッパしていた姉(型番的に)が居たのだが。
……まあ、巧く攻撃箇所は調整していた様であるし、その辺りも織り込み済みだったのかも知れない。
あとで始末書を書かされかねない気がしないでもないが、
その辺りはまああの子の所為だし、なぞとか地味に酷い事を内心思いつつ、
モニタからの視線は油断せずに強化人間娘達から外さず、別口の通信を立ち上げるアクリである。
「――六文銭、聞こえる?」
『――アクリ殿? 姫様ではなく拙者にとは、一体何が……』
その相手は、何故かツィイーでもなく、普通に初めましての関係の六文銭である。
実際、彼は訝し気な声音で言葉を返して来るのであるが――
「とりあえず、今余裕が無いから一つだけ。
――こっちにやべーのが出て来たから、破壊任務はもう放棄して、ツィイーを連れて、逃げて。
あの子がゴネても、無理やりにでも抑え込めるぐらいにはアンタも腕はあるでしょ?」
『――何? お主……?』
「ゴメン、これ以上は厳しそうだから、通信切るね。――生きてたら、また」
有無を云わさぬ感で一方的に云い終えると共に通信を切り。
アクリは少々引きつり気味ではあるが獰猛……と云えなくもない笑みを浮かべると、軽く唇を舐め湿らせ操縦桿を握り。
「……この所負け戦ばかりだったから、変に慣れちゃったなぁ。ま、いっちょ時間稼ぎ、頑張るかなっと!」
せめて、
そんな事を口の中で転がしながら、アクリはフットペダルを踏み込む。
『――ぼくの、ほうに、くるっ!?』
――向かうは、近接射撃でエグい威力があるショットガンを二丁手にしている、ムニン機!
「そら、巧く調節しないと使えない爆発物がメインウェポンなフギンよりも小回りも利いて、
『なっとく』
少々の驚きの声を上げるムニンに、律儀に答えるアクリとその発言に納得しつつ、戦闘開始。
……何とも締まらない始まり方である。
だが、その締まらないやり取りとは裏腹に、ムニン機の先に使用した方ではないショットガンが火を噴き。
以前、連続使用すると壊れる可能性があると云う話をリブラから示唆されていたお陰か。
ムニンもある程度、冷却の余裕を持たせた上で両手に持つそれぞれを使い分けているらしい。
やり取りの割りには冷静な判断を下す娘っ子である。
「これぐらいの距離ならッ!」
――が、アクリも水平跳躍にて接近しつつ、
更にクレーンアームを小刻みに調節し、更に角度調整もしてほぼ全ての散弾を往なす。
G1:ミシガンが、以前にアクリに見せ付けていた技術を応用したらしい。
先日のレッドガンとの模擬戦は確実に彼女の血肉になっている様だ。
「レティッ、お代わりで来るであろうアーキ坊やのMT部隊の方、足止め宜しくッ!」
《相変わらずの無茶振りか。……まぁ、アクリでないとそっちの猟犬達との立ち回りは厳しいか。
了解した、何とかして見せよう。あとアーキ坊やはあの連中には居る訳ないだろう?》
「ボケにマジレス辞めてくれないかなぁッ!?」
そして、そんな状況にて相方に無茶振りをブン投げつつ、
小さく漫談もしているこいつ等は本当にアレな連中である。
『……それで、なんとか、できると、おもってるの?』
そんな二人の行動を意に介さず、両手のショットガンを両肩に懸架すると、
ソレの代わりとなるマシンガンとレーザーダガーを構える。
……武装の取り換えがウェポンハンガーのお陰か、とてもスムーズに行くのは戦闘状態では有り難いであろう。
基本自分はそれを使う事はないのだが……
それを使わざるを得ない時に武装切り替えがやり易いとなれば、次のOS強化はアレを狙うべきか。
……もうアリーナで戦っていないランカーの中で勝てる相手が居ない気がするんだけどね!
そんな益があるかどうかも分からない思考が頭を過ぎってしまう。
結構余裕あるなお前。
『こないなら、こっちから、いくよ?』
――と、そんな中、ムニンから更に言葉が発せられ。
……発言そのものはゆったりとしたものであるが……ACの動きは全く反するもので。
ブースタ機動と、逆脚ほどではないがそれに準じた機動が出来るナハト脚と云う特殊な脚。
更に加えて彼女の技量なのだろうか。爪先から全身へと力を流すかの様な踏み込みは、まさに疾風の如く。
アクリが気付いた時には、レーザーダガーの切っ先が目の前に――
「ッとぉッ!!」
『――やるね、アクリ』
驚きの言葉を漏らしつつも反射的に上半身の各部ブースタを吹かして、
側転の要領でその切っ先を回避し、その左腕を重逆脚の側面で打つ。
相変わらずの変態機動の上でカウンターまで打つとか色々狂っているアクリではあるのだが。
それをしても、多少グラついただけのムニン機の隙を突いて己が退避する程度しかできず。
軽量級の機体が重量級の逆脚で打ち据えられている筈であろうに、
殆ど体制が崩れていないのは、強化人間特有の神経接続からの人体に近い動きが可能な制御力のお陰か。
それは兎も角。先のレーザーダガーでの突きは、頭部を潰す為の攻撃だったようだが、
真正面からの……しかも、カメラアイに迫った突きであったので、
ある程度の予測は出来ていた。
……しかし、挙動の「入り」にも全く遅延が無い為か。
攻撃速度が尋常じゃないほど早くて、かなりギリギリの回避だったので肝が冷えまくったけどな!
そんな事をアクリは思うが、攻撃の初動が見えなかったその状況下ででも、
ほぼ無意識の回避を行った上にカウンターを仕掛けているのは、
もう野生の本能レベルを超えている気がしないでもない話であるが。
獣を越え人を越え、何かになるつもりであろうか?
まあそんな小ボケは兎も角として。
「つうか、何なのそのヌルっとした動きッ!? 強化人間ってどいつもこいつも機体制御能力半端なさ過ぎッ!!」
『どやぁ』
「なんか今無表情の癖に凄いムカつく表情浮かべてるよねアンタッ!?」
そんなやり取りをしつつも双方それぞれがマシンガンを肩や肘、腕や脚までも使って銃口をズラし、
ダガーを、メイスを両手にある獲物で往なし。そんな風にクロスレンジでの攻防は続き。
何故こいつ等は殺し合いの最中の割りにコント染みた会話をすると云う器用な事をしているのか。
『……ムニ、ン。ア、クリ……』
ソレに付属して近接格闘と射撃を繰り返している同輩と知人の動きに砲塔を揺らせ、狙いを付け様としているフギン。
だが、そもそもが今手にしている
攻めあぐねるのも仕方がない話である。
――これはスナイプし易い、リニアライフルを持ってくるべきだったか、と内心歯噛みしていたその時。
バズーカの砲口の先に小さい黒い影が放り込まれるのを確認して。
『――手榴、弾ッ!?』
小さく驚いた声を発した直後、爆発!
――が、その爆発は右腕に装備されていたブースタシールドのブースタを吹かせ、
ACの機体ごと半回転ののちにその盾を前面へと押し出す形でやり過ごし。
……練度がある強化人間であれば、見てから回避が出来るらしい。末恐ろしい話である。
《……流石にこの状況下で真正面にだけ集中すると云う油断をするほど甘い相手ではないか》
『レ、ティセ、ンス……ッ!?』
どうやら、レティがアーキバスのMT部隊の足止めをしながらも一瞬の隙を突いて、
フギン機へと昔リブラが造っていたAC用手榴弾をブン投げていたらしい。
当の本人は、そんな呟きとも取れる言葉を残すと直ぐ様に大きく跳躍し、
空中から増援として来たらしいアーキバスMT部隊に炸裂弾をばら撒き、近場の集積場の倉庫の屋根へと着地。
更に跳躍して再度炸裂弾をばら撒いて別の倉庫の屋根に着地、と云った戦い方をしだして、己に銃口を向け辛くさせている様だ。
やり口が中々に姑息な爆撃なんですがそれは。
しかし、あれだけ回避と爆撃だけに気を割いている状況のレティを捉えるのは中々に難しそうだ。
だが、このまま放っておいて被害が出続けるのも拙いので、
あの一撃離脱の機動をされたら当たる筈もないバズーカを一旦、腰裏のラックに懸架する。
――リブラの改造脚パーツには腰裏のラックは標準装備されているらしい。
中々便利なので重宝しているとは担い手たちの弁である。
それは兎も角として。
フギン機は右腕に装備されているブースタシールドに左手を添え、構えると――
『――止め、させ、て、貰う、ね?』
そう呟く様に云い放ち、機体のブースタとシールドのブースタを全点火する――!
場は戻り。
良い感じにクロスレンジで
先には腕脚をメインに使っていたが、更に丸みを帯びた弐式頭部すらレーザーダガーの展開前の差し込みに使い始め、
決定打になり得る攻撃を受けない様に立ち回っている様だ。
もうなんでもあり過ぎるだろうコイツ等。
「……っは。なん……とか、付いて、行けてる……?」
幾度目かのマシンガンの銃口の射線をメイスの柄部でカチ上げズラし。
深く集中し続けていた所為か。息があがっているらしきアクリは浅く呼吸を繰り返しながらも、そんな言葉を漏らす。
……格上相手に真正面から殴り合うとなれば、そうもなろうものではあるが。
『――ほんとうに、つよいね、アクリ。……じゃあ、ギアを、いっこ、あげるね?』
「……へッ?」
そして、彼女の呟きの言葉をしっかと聞いていたか。
感心するかのような軽いムニン台詞ののち、なんか聞き捨てならない言葉が返って来て。
思わず素っ頓狂な声を上げてしまうアクリである。
――と、発砲音に次いでゴガッ、と云う重々しい音と衝撃が、コックピットを襲い。
《コア部、小破。継戦に問題無し》
「――うっそでしょ!? なにしたの今ッ!?」
アクリは揺れるコックピット内で絶叫しつつも、モニタを睨み付け。
その視線の先の、ムニン機には、いつの間にやら右手に握られていた筈のマシンガンが、
『クイックドロウ、っていうんだよね?
ぼくたちが、マスターのもとに、かえるときに、アクリたちがくれた、
せんべつの、もろもろのなかにあった、どうがデータのうちに、
せいぶげき、ってえいぞうさくひんが、あったから』
「それを見て真似するにしても、ウェポンハンガーでは勝手が違い過ぎる筈なんだけどぉッ!?」
アクリのモニタ越しとは云え、その視線が今手に持っている火器に向けられているのが分かったのか。
あっけらかんとした感でムニンが解説の言葉を投げて来る。
『ためしに、やってみたら、できた。かんたん、だったよ?』
「ああもうこの才能の塊共だきゃあッ!!」
そげにあっさりと高等技術を……しかも元ネタで扱う筈の
何故か訛っている悪態を吐くアクリである。関西人かな?
「チィッ!」
『このじょうきょうで、すぐさま、こうどうに、うつせるのは、つよみだけど……』
そんなやり取りをしつつも、今の状況で近接射撃戦をするのは拙いと思ったか。
ショットガンの射程範囲を抜けようと
逆脚でのバックブーストも含めたジャンプを敢行するが。
『あまい、よ?』
その回避にムニン機はクイックブーストを数度打つと、アクリ機に追いつき追い越し。
以前、
ほぼ背面を取ると――咆哮ッ!
《背面部、中破。右肩ラック被弾。撤退を推奨》
「かはッ……! んぎ……ッ、こ、COM、右肩装備をパージッ! 今すぐッ!!」
《了解。右肩ミサイルランチャーを廃棄します》
散弾が集中的に中った背中側とその肩側に取り付けられていたミサイルランチャーにも被弾した様で、
激しい振動と衝撃を受けた中であれ、誘爆の危険性があると考えたらしきアクリは、
衝撃の余波にて咳き込みながらもCOMに指示を出すと、それに応えて火花が散りだしているランチャーを強制排除。
排除用の炸薬が引火し弾け上がるその物体を前に、両足の履帯部をそれぞれに正回転と逆回転で稼働。
それにより、疑似的なクイックターンを行ったアクリ機は、
その回転の遠心力のエネルギーを含め、己が持つメイスにてそのミサイルランチャーを打つ!
巧く中てたのかそれは今だ爆発せず、ミサイルをしこたま内蔵する鉄塊がムニン機へと突っ込んで行くのを尻目に叫んだ。
「ランチャーホムーランッ!!」
『ネーミングは、ともかく。そのカウンターも、そうていがい』
突っ込み所が満載なその台詞に、呆れと驚きを滲ませながらムニンは言葉を返し。
……が、苦し紛れでしかないのはその通りであったのであっさりと――。
いや、ムニン機が回避を行おうとしたその時。
その鉄塊から閃光と爆発が花開き、彼女のACが巻き込まれて。
「――ッべーッ!? もう数瞬遅かったら、メイスのインパクトの時点で爆発に巻き込まれてたッ!?」
思わず一瞬だけポカンとしてしまってから、そんなひっでぇ台詞を吐き出すアクリである。
まあこんなもん、狙えるわけは無いので運が良かっただけなのだが、
その場のノリで考え無しな事ばかりやるのはいかがなものか。
『――ねらってたんじゃ、ないんだ?』
「ッ!?」
――と、彼女の台詞に問いを掛けて来る言葉が重なり。
兎に角、相手の姿の確認をする為にモニタと計器に視線を張り巡らせ――アラート!
《左脚部、中破。撤退を要請》
「ちょッ!?」
『ひだりあし、とったよ?』
アクリ顔負けの超低空水平跳躍で爆発と云うか暴発を辛くもの回避と接近をしていたらしく。
少しばかり装甲が煤けた感があるムニン機がスピードが乗ったままに、
左逆脚の太腿に当たる部位の装甲と装甲の隙間にレーザーダガーを差し込んで数度突き斬り、
慣性に従ったままアクリ機の攻撃圏内から離脱した様である。
アサルトブーストレベルの加速中に、そこまで精密な攻撃を行える技量の高さに戦慄を覚えざるを得ない。
彼女のACの機動に数瞬遅れる様に伝送系や動力ラインをズタズタにされた左脚がくず折れ、
フットペダルを踏み込んでも反応が弱い。これでは変態機動をする事も難しいか。
そんな事を考えつつも何とか足掻く気で操縦桿を動かそうとするのだが。
――そんな彼女のACの後背から、コックピットブロックのある位置へとレーザーの切っ先が突き付けられたらしく、
耳に障るアラート音がコックピット内に響き渡っているのだが、下手に動けば殺られるのが確定しているので、動く訳にはいかず。
レーダーや計器での状況を見るに、ムニンはアクリ機を刻みながらすり抜けたのち、
アクリが機体を立て直そうとしている間にムニン機は前方宙返りと捻りの要領で半回転すると、
彼女の機動線上にあった倉庫の壁を蹴って跳ね返る様にアクリ機の後背へと戻って来たらしく。
先の水平跳躍の鋭さと云い、自ら名乗った訳では無いが"軽業師"の二つ名を返上しないといけないのかも知れない。
まあそれはそれとして。
「やっべ……詰んだ?」
『かもね。――ほら、あっちも、けっちゃく、ついたみたいだよ?』
アクリはその切っ先を後背カメラにてモニタに捉え、一筋の汗を垂らしながらぼやくと、ムニンはそんな言葉を返し。
――それから数瞬。ゴガンゴガン、と激しくも鈍い大音声を奏でつつ、
大きな塊が二人のACの脇を通り抜け、倉庫一つの壁にぶち当たった。
その衝撃の所為か、小さめの部品が辺りに弾け飛んでおり。
その大きな塊――ブースタシールドの切っ先をレティ機に突き込み、
己が機体と倉庫の壁とでサンドイッチにした状態のフギン機。
「――レティッ!?」
《逃げ、ロ、アク、り……》
『……撃、破』
悲鳴染みたアクリの台詞に壊れ掛けの音声でそんな言葉を返すレティ機は、右腕を抉り取られており、
更に突き込まれている切っ先が腹部を貫通しているらしく、シュナイダーコアの薄めのボディが大破していた。
それに付随するかの様に、フギンが言葉少なに呟き洩らす。
そんな姿に悲鳴染みた声を上げるアクリである。
「アンタ大丈夫なのッ!?」
《……オ、れの事はイイ。おレは、カーらや兄者、の考エとは違イ、
足止メ程度ナら今ノオレでもどうトでもナるカ、らな……》
「阿呆ッ!! それをしたら今現在のアンタの記憶がなくなっちゃうでしょうが! そんなん私が嫌だよッ!」
自己犠牲でアクリを逃がそうと云うレティの台詞に強い拒否の言葉を返し。
『――ぼくとしては、アクリとのせんとう、たのしかったから、これでかいさんでも、いいんだけど……いらいしゃが、ね』
「なんか私との戦いがアトラクションにされてるッ!?」
そんな二人のやり取りを聞き、本音をポロリと零して来るムニンである。
アクリとしては中々に聞き捨てならない話なので、先とは違い、今度は抗議の言葉を口にして。
妙に緩んだ空気になった結果として、知り合い内で人死にが無く収まったのは幸い……とは云い難いか。
『――よくやった、独立傭兵共ッ! まさか撃破するだけでなく、生け捕りの状況にまで持って行くとは……。
この土人共の情報如何によっては、追加報酬もくれてやらんでもないッ! 』
そんな折、レティが足止めと撃破を行っていたアーキバスのMT部隊の再編が終わったらしく。
先にフギンやムニンを呼び出していた隊長格らしき戦闘MTカスタムタイプが、
レーザーガン二丁を構えつつそんな言葉を吐きつつ仰々しく現れた。
幾らレティに邪魔をされていたとは云え、あまりにも行動が鈍かった気がしないでもないが。
……ひょっとしたら独立傭兵に金を払うのを厭うて、
彼女達が撃破されて(出来るかはそれとして)から介入する気だったのかも知れない。
そんな邪推は兎も角。
こいつに捕らえられたら死ぬ未来しかないのは確定している様だ。
ならば、どうにか逃げる算段を付けねば。
そんな事を考えている内に、その隊長格は卑下た声音でアクリへと言葉を掛けて来て。
『……しかし。我等が集積基地を襲撃するとは。ベイラムか解放戦線か知らんが……。
見せしめ代わりだ。貴様の
『――それは、流石にさせる訳にはいかぬな?』
心底愉しそうにやべー発言をしているその隊長に待ったを掛ける声が被さり。
ここで全く聞き覚えのない第三者の発言に、
その隊長と集結していたその配下の10機程のMT部隊は辺りを警戒する。
『何奴ッ!?』
その曲者に向けて言葉を発す隊長と警戒を続けていたその部隊に、
一つのミサイルが特殊な機動を描き通り過ぎて行き。
『ミサイルッ? 一同、警戒ッ!!
……? なんだ……? 不発―――』
何をするでもないその飛翔物に疑問の言葉を吐き出したその直後。
ミサイルの軌跡をなぞる様に連続して小爆発が巻き起こる!
その爆発に見事に巻き込まれて行くMT部隊の一行で。
『なん……だとッ?! 一瞬で我が部隊が半壊だとッ!! なんだ、あの武装はッ!?』
その爆発が収まったあと。己が部隊の大半が行動不能に陥った事に動揺する隊長へと更に攻撃が加えられ。
『ぐおッ!? な、なんだ……何だこれはぁぁぁぁぁッ?!』
レーザーで出来たワイヤーの如きモノが、カスタムMTに巻き付くと、おおきく振り回され。
機体内は相当に揺れているのであろう、隊長の絶叫が辺りにこだます。
それが最後の断末魔となったか。
MTの装甲が、巻き付いているレーザー線に耐え切れなくなった様で、
その部分から真っ二つとなり――爆発!
「マジか……一瞬で、あの数のMTをほぼ全損させる……ッ!?」
もう何度目の驚きか数えるのも億劫になる程に驚きを重ねたアクリは、
自分をヤバい事に"使おう"としていたらしき隊長があっという間に爆発四散した辺りを見やりながらもそんな言葉を漏らして。
『あ、斬り捨て、御めぇ~んッ!! 独ぉ~くりつッ! 傭~兵、"ろぉ~く、文ッ銭"ッ!!
あ、
MT部隊の残骸が大量に転がるその爆炎の中。
まだ人類が地球にのみ生活圏があった頃のとある島国で行われていた、
ある劇の様な仰々しい口上をあげながら、その煙の中から現れる一機のAC。
レーザーの鞭の様なモノで焼き斬っていたので、斬り捨てている訳では無い筈なのだがそれはそれとして。
「……六文銭?」
『――姫様から、大人しく
「突然の温度差ッ!? 危ない所だったから、有難いけど……その左腕武器、鞭だったの?」
――
感謝の言葉と突っ込みはそこそこに、六文銭が扱っていたソレを目の当たりにしてそんな事を内心で考えてしまう。
まあ、先のステルス機の様にワイヤーにレーザーを這わせているのではなく、
レーザーそのものを鞭状にしている辺り、その技術は上がっている様ではあるが。
『――む? この武装は……いや、今はそれは良いであろう。
……して。その二人の独立傭兵が、貴殿の云っていた危険な相手か。
――確かに、相当出来るのを肌で感じれるな』
「実際強いよ。私もレティもあの二人に少しだけ本気になられた途端にベッコベコにされたし」
彼女の問い掛けに、軽くはぐらかされるが確かに今聞くべきことでは無いのは間違いないので、
話を戻し、今相対している相手――強化人間娘達の話題となり。
「ゴメン、援軍に来てくれて感謝だけど、今の状況の上でレティも助けないとだから、撤退を最優先でお願い」
『アクリ殿やレティ殿の機体状況を鑑みるにそれが最良か。委細承知』
……と、そんな二人のやり取りを傍受していたらしき強化人間娘は言葉を挟んで来て。
『逃げ、れると、思っ、ている、の?』
そう云って来るは、レティを串刺しにして捕らえたままのフギンであるが。
それに待ったを掛ける強化人間も一人。
『……フギン。もう、いいんじゃないかな?
この、じょうきょうでは、だいぶ、ほうしゅうを、げんがくされる、だろうし。
アクリたち、みのがしても、ほうしゅうじたいは、そうかわらない、きがするよ?』
『撃、破報酬、もある、よ?』
『ておいの、アクリたち、たおすための、ろうりょくと、げきはほうしゅう、つりあうかな?
……たたかうとなれば、ぜんりょくで、ていこうしてくる、だろうし』
『……む、ぅ』
ムニンのそんな言葉に唸ってしまうフギン。
まあ、それでもこの一行に十中八九、勝てるであろうが……
それなりに仲良くなった相手の命を奪うと云うのも気が引けるのも、本心ではある。
あと、こっちの方が問題になりそうである、リブラが完全敵対するのも頂けないし。
それなりに稼げるようになっても、まだまだ物資やパーツが足りないのは分かり切っているので、
安くて質のいいリペアパーツ類を売ってくれるRaDer’sを今堕とすのは得策ではないか。
『……あと、そのあたりの、けっていをくだす、れんちゅうを、
そっちの、えんぐんのひとが、せんめつしたから、だれもアクリたちのこと、はあく、できないだろうし』
ぼくたちないだけで、おくちチャックすれば、このあたりは、ごまかせるんじゃ、ないかな?
追加でそんな事をのたまうムニンに更に思考を巡らすフギンである。
この僕っ娘、中々にイイ性格をしていた。
……この件の諸々で
『……わかっ、た。此処、にあ、る物資、を何、も取らず、その、まま撤退する、と云、うのな、ら追わ、ない』
「……良いの?」
『でも、変心し、て、襲って来、る様な、ら容赦、なく叩、き潰す』
『それはまあ、しかたないよね』
アクリ達としては、フギンとムニンと云う激ヤバな相手に追撃されるよりも安全であるこの提案は物凄く有難い。
(……まあ、すっげぇでかい借り作っちゃった気がしないでもないけれど)
内心苦笑を漏らしながら、そんな事を考えるアクリは、六文銭に声を掛け。
「……って云う事になりそうだから、レティの回収お願い。
こっちはこっちで何とか撤収するから」
『少し不完全燃焼な感じがするが。まあ、姫様の願いが成就されるのであれば、それに勝る報酬はなかろう』
そんな感じになって、裏取引を成立させたらしいRaDer’sと独立傭兵共は、
それぞれに撤退準備を始めるのである。
その後。
どうにか逃げ帰ったアクリ達は、大破寸前の二機のACと救援依頼。
あとは何も成果が無く、弾薬修理費を差っ引くと大赤字確定となり、
ユミコから大目玉を喰らった事はまあある意味当然のオチなのであった。
この話は、
以前、ぼくらのいれぎゅらーが勝手にポップしたのでお蔵入りになった
お話の焼き直しとなっております。
いれぎゅらーの代わりに準イレギュラーとの対戦とか
なにかんがえてるんだばかやろうな気がしないでもないですけれど……
ま、まあその辺りはその場のノリで、と云う事にして下s(ry
更に言うと、文字数も過去最大に……
もっと精進しないといけないですよねこれ………(吐血