とあるルビコンのジャンカートリオ   作:清狼光牙

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 ヤバい、そろそろ手持ちが尽きそうです(吐血
投稿始めた時には10話まで書いてたのですが、今は12話……。
うん、ダメダメですねぇ。

 と云う訳で、そろそろ不定期更新になります。

 頑張ろう、うん。


7話

 

 

 

 

 

 

 

 ツィイーを解放戦線の拠点の一つに送り届けてから三週間程。

ちょっとばかりヘヴィだった前ミッションだったが為、

暫しのお休みを取っていたアクリ達は本格的に活動を再開する事にして。

 

 「あ、今回はBAWS絡みなんだ?」

 「そだね、ばら撒きの輸送護衛依頼。

頭おかしいドーザー以外は喧嘩売って来る事はほぼ無いから、

まず間違いなく楽な部類だよー。

……まあ、そん代わり依頼料はやっすいんだけどね?

今回はBAWSとの顔繫ぎがメインかな」

 「今回は一応ユミコさんと僕も輸送ヘリで同道する事になってるから。

RaDer’s(ウチ)が大型ヘリ持ってるって先方さんも知ってたみたいで、

ウチのACハンガー付きのカーゴ外して会社に預けて、

BAWSの輸送物資専用カーゴ借りて取り付けて、それ運ぶ事になってるんだ。

輸送補助でも依頼料出るからお得だってユミコさんが」

 「依頼料やっすいんだから、貰える所で貰わないとねー?」

 

 ……その間に、己が乗機をオーバーホールも兼ねた修理の手伝いをしたりして修復を完了させたり、

全く慣れないがユミコの補助で書類仕事を何とか頑張ってみたり。

他には、アリーナランクがFになったとオールマインドからメッセージがあり、

腕を鈍らせぬ為にと戦闘技能検証シミュレーター……通称アリーナへと遊びに行き。

ランク最下層である独立傭兵らしいレイヴンってのとインビンシブル・ラミー、

インデックス・ダナムをさっさか粉砕してみていた。

相手が本人を模したAIだったとは云え、

対人戦が気軽に出来ると云うのは良い訓練になりそう。

今後もちょくちょく顔を出そうかと思う。

 

 ……でも一番最初にシミュレーター対戦設定したレイヴンっての、

アリーナ登録はしてるみたいだけど一度も戦ってすらいないって何をしてるんだろうと首を傾げたり。

戦闘データすら入れていない様子で、完全に案山子だった。

これだったらジャンクMTに乗ってるドーザーの方がまだ歯ごたえがある。

何のために登録しているのかが本当に意味が分からない。

で、気を取り直してその次へ行ったら顔見知りで、

その次も先日ほんのちょっとだけやり取りがあった知り合いある。

何だか気まずい。

それ以降は全く歯が立たなかったので後は保留とする。

案山子は兎も角として、ドーザーの中では一応上澄みであろうアレからいきなり解放戦線の幹部。

更に次はレッドガンのナンバー7とか一気にインフレが過ぎるのは気のせいではないと思いたい。

 

 後確認してみたら、何でランクF内に独立傭兵は兎も角、

レッドガンの6と7、ヴェスパーのⅥとⅦが混在してるんですか、魔境ですか。

と云うか、この魔境でありながらFって事はそれ以上は…………いやよそう。

この感じじゃ自分じゃEランクまで上がれる気がしないし。

とりあえず見なかった事にして、ランクF:32となってOSの強化用チップを幾つか入手したので、何に使おうかと真剣に悩んでいる最中である。

 

 とりま、荒事専門の癖に私にほぼ瞬殺って何やってんのラミー。今度RaDに帰ったら鍛え直さないと。

私を仮想敵にして不意打ち気味に侵入ミッション(演習)しようとカーラに提案してみようかな。そう考えてみるアクリだ。

 

 「――でさ、聞いてるー?」

 「一応」

 「もぅ。運び先は解放戦線の重要拠点の一つである、"壁"。

アンタも何度か行ったことあるでしょ?」

 「勿論。あれはあれで見学に事欠かさないし」

 「見学かよ」

 「だってあんな所に攻撃なんぞしたく無いし。確実に死ぬし。

遠目から見学してるだけで十分でしょ?

ドッカンドッカンやり合ってるの見るだけだったら中々愉しいし。

軽めのコーラルキメながら観戦もありかなーとか思ったり思わなかったり。

実際一緒に見学に行ったRaDのドーザー連中も酒盛り……コーラル盛り? 始めてたし」

 「何か大昔のドラマの動画で見た事ある観戦おっさん風ッ!? と云うか宴会すんなッ?!」

 

 誰がビールかッ食らいつつ野球観戦してるおやぢだ。

私、せかいさいきょーの乙女だごるぁ!

そんな阿呆な事を吼えるアクリにはいはいさいきょー乙女乙女と雑に返すユミコである。

相も変わらぬ流れる様な脱線事故である。と云うか、こいつ等コーラルキメた事あるのか。

 

 「……と、とりあえずさ、話進めよ、アクリさん、ユミコさん」

 「まあリブラに云われちゃ仕方ないね。後で覚えとけよきさん」

 「そっちこそ覚えとけよワレ」

 「今度は不良ッ!? いや本当にやめようよッ! ねッ!」

 「「サーセン」」

 

 中々に良い突っ込みが出来る様になったリブラも順調に染まっている。

これが成長か。ものすごく間違った方向な気がしないでもないが。

と云うか、何でリブラは不良とか相当大昔の地球の隅っこの島国の話を知っている。

 

 「ま、まあ兎に角。アクリは護衛の方、お願いね?

一応わたしはオペレーターをするし、

そんな状況だからヘリ操縦も自動ではなくリブラがやる事になってるし」

 「久しぶりだよ、メインでヘリ操縦するの。

よっぽど緊急か繊細な移動が必要な時以外は自動操縦で済ませてたし」

 「だよねぇ。わたしもオペレートの業務がなければサブパイロットで付くんだけど」

 

 実はそんな感じなのだ。中々に器用な一行である。

まあそうではないと少人数のチームで色々と回すのは厳しいのであろうが。

 

 「とりま、BAWSの第一工廠へしゅっぱーつ、ってな感じで?」

 「感じで」

 「行っちゃおうー」

 

 こいつらつくづくノリノリである。

 

 

 

 

 

 『取り付け、よーし。護衛、よーし』

 『無人MTの随伴機、多少はアップデート出来てるから、

支援は任せて貰って大丈夫だよ、アクリさん』

 「アリガト、リブラ」

 

 何だかんだとブリーフィング等を終えた後、

BAWSの第一工廠の一角にて貨物を積み込んだカーゴに取り換え出発を始めるRaDer’sの一同。

今回のアクリの武装は、右手に手数用のベイラムのマシンガン、

左腕には何時ものレーザーダガー。右肩に垂直4連ミサ。

 

 「……そう云えば左肩のコレ。概要は聞いたけど、

どれぐらいの重量までなら保持出来るの?」

 『ああ、クレーンアーム? 大体そのACの半分ぐらいの重さなら耐えれるスペックはあるケド、

絶対にバランス崩すからやめてね?』

 「了解。今保持してる装甲板でも問題なく取り回せるみたいだからどこまで行けるのかと思ったから聞いてみただけ」

 

 ――そして左肩には、ACの上半身程度なら隠せれる装甲板が、

ペンチ型クレーンアームに挟み込まれて背側に向いていると云った風体の装備。

先のMT用ミサイルランチャーのAC変換器兼用の肩武装ラックを流用し、

そこのラックから作業用のクレーンを取り付け、

そこらに落ちてる大型の板的な建材や装甲板、鉄板類を拾って実体盾にすればエコじゃね?

使わなくなったら捨てれば良いんだし? 的な発想で導入された代物である。

非戦闘時には、通常のクレーンとしても使えるのでジャンク拾いの時にも中々に重宝しそうな装備だ。

因みに今挟み込んでいる装甲板も拾い物だったり。

 

 後、随伴機になる予定の二機の無人MT――箱にMTの腕っぽいの(そのまま左手が機銃、右手がショットガンの様な銃器になっている)と脚をくっ付けたかのようなちょっと愛嬌がある姿である――を一機従え、アクリはACの歩みを進める。

因みに、もう一機(こちらは手脚は同様だが、箱の上部に一基のMT用ガトリング砲を取り付けているようだ)はヘリの周りで警戒態勢と対ヘリ攻撃の迎撃らしい。

 

 『今回は宜しく頼む』

 「独立傭兵"RaDer’s"、貴社の護衛に就かせて頂きますねー」

 『……そこまで堅くならなくても大丈夫だぞ?』

 「お仕事ですし、最低限の礼儀は必要かと思いまして」

 『他の独立傭兵に聞かせてやりたいぐらいだな、本当に』

 

 そんな感じで同道する輸送部隊の隊長であろう人物からの通信に畏まった口調で返すアクリに、

珍しい物を見たかのような声音が返って来る。

そうボヤキが出てくるぐらいには、他の独立傭兵の言動や行動は眉を顰めるレベルなのだろう。

 

 まあ、基本独立傭兵なぞ荒くれ者の集まりであろうし、仕方ない話ではあるのだが。

 

 『しかし、ブリーフィングの時も思ったが、

嬢ちゃんみたいなのが独立傭兵とはなぁ……』

 「まあこんなご時世ですしねぇ。手に職があるのは悪い事では無いですし」

 『その手に職、ってのがACなのがちょっと考えさせられるんだが』

 「あ、あはは……」

 

 それはそう。

年頃の女子がこんな無骨過ぎる手に職はあまり聞かないから余計にである。

まあそれでも「あまり聞かない」と云うだけで、ありふれてはいるのが末法世界である。世知辛い。

後、この隊長さんのちょっとばかり悲痛な音色の声を漏らしている所からして、

アクリと同世代ぐらいの子供がいるのかも知れない。

 

 そんな事をつらつら考えつつも、輸送用の大型トレーラーを十台からなる輸送部隊に、

RaDer’sの大型輸送ヘリが追加されている状況で輸送隊は先へと進んで行き。

 

 『とりま、今の所はレーダーに反応なし―』

 『ソナーの方も感、なし―』 

 

 暫しの後、何度目かのレーダー索敵を完了し、何も無い事が確認できたら再度空気は弛緩を始め。

通信を繋ぎっぱなししていたか、ユミコとリブラの確認の言葉の後、隊長さんが軽くため息を吐くと一言呟く。

 

 『ふう。平和なのは良い事だな』

 「そですねぇ。まあでもそこそこ頭のいい山賊なら気を緩めた時に……って事もあり得ない話じゃないですけど」

 『怖い事を云わんでくれ』

 「まあそれ以前の話、ドーザーがそこまで頭回せるか、って突っ込みが入るんですけどね。基本酔っぱらいだし」

 『回せんだろうな。だからこそドーザーなんぞをしてるんだろう』

 

 辛辣である。

だがしかし。何も考えずに突撃、襲撃する可能性はあるので完全に安心する事は出来ないのだが。

 

 『とりあえずは、何も無いとは思いますが、一応の警戒は緩めずにお願いしますー』

 「はいなー」

 

 そんな感じで警戒は維持しつつ数日の間、とっとことっとこと更に先に進む訳なのだが。

"壁"から後半日と云った所で間が悪いのか狙っていたのかは定かではないが、ユミコから心底嫌そうな声で輸送部隊全体に報告があり。

 

 『……レーダーに感、あり。何でこんな所で居るのかなー……寄りにもよって"壁"の近所だよ全く』

 『同じく、ソナーにも感、あり。振れ幅からして、相当好き勝手に動いてるね。……コーラル酔いしてる可能性もそこそこ高いかな?』

 

 そんな二人の発言にほぼ間違いなくドーザーなんだろうなぁ、とうんざりした空気が流れ。

とりあえずどうする? と云った風でアクリは隊長さんへと問いを掛け。

 

 「どうします? 先行して潰しときましょうか?」

 『しかし、解放戦線の目と鼻の先で戦闘を始めるのもどうかと思うが……』

 『じゃあ、先に壁の方へ連絡して、話を通すなり援軍を要求するなりしてはどうですー?』

 

 悩む隊長さんにユミコからの提案が届き。

それが一番良いか、と溜息を吐きながら連絡を取ろうとしたその時。

 

 『――ッ! レーダーに多数の機影ッ! 無作為に突っ込んで来ます! 数は――30プラスマイナス5ッ!!』

 「奴さん、待ちきれなかったかッ!」

 

 ヒャッハァァァァッ! なぞと外部スピーカーから絶叫を喚き散らかしているジャンクMTの群れがガッションガッションと走りこんで来た。

……が、まともな整備が出来ていない所為か、動きが想像以上に悪く、良い的であり。

 

 『戦力差は3倍近いが……ッ! 防衛MT、一斉に撃ち方始めッ!

――済まん、独立傭兵"RaDer’s"、出番だッ!』

 「はいな、任されましたッ。

――リブラ、こっちのMTの方も二機共に支援攻撃をッ!

COM、戦闘モード! でもってダメ報告もお願いッ!!」

 《メインシステム、戦闘モード起動》『うん、任せてッ! ヘリ(こっち)はちょっと戦場から下げるねッ!』

 「うん、まずは安全第一ッ!」

 

 そんなやり取りの直後に左肩の装甲板を前面に回し、押し出しながら右肩に装備された垂直4連ミサを起動。

同時に牽制のマシンガンの弾幕を張りつつ、こまめに動きロックした辺りにドーザー連中を釘漬けにして。

……暫しの後、足止めをされたドーザーの群れの頭上にミサイルが降って来て、爆発。

阿鼻叫喚の声を辺りに響かせつつ一気に数が減るジャンクMT部隊である。

 

 (――やっぱ、大豊の正規兵と比べると練度もMTの機体精度も雲泥過ぎる……ッ!!)

 

 そんな事を口の中で転がしながらも、銃撃をばら撒きながら進んで来るドーザー達の攻撃を装甲壁と機体制御で往なす。

流石に攻撃を後ろに逸らすのだけはやっちゃあいけない。護衛対象群に当たる。

そんな事を考えながら最小限の動きで立ち回りつつも更に獲物を探す様にモニタを睨み付ける。

――先の戦場を生き残った彼女の精神と練度は、以前とは全く違うレベルにまで叩き上げられているようで、今の戦況でも全く危なげが無い。

以前でもドーザーのジャンク風情でも負けは無かったが、もう歯牙にも掛けない様子である。

まあだからと云って油断している訳でもないのだが。

 

 最小限の動きで防御をしながら、お返しのマシンガンで順調に戦力を削っていくアクリにユミコからの報告が飛んで来て。

 

 『……逆手からもジャンクMT群ッ! 数は……10プラスマイナス3ッ!!』

 「ぇ、伏兵ッ!? 酔っぱらいがッ!?」

 『逆手はBAWS(こちら)の手勢で守るッ! RaDer’sは先に来た連中を!』

 『こっちもヘリの護衛MTの方の支援砲撃でなんとかするからッ!』

 「了ー解ッ! まずは、数を減らすッ!」

 

 傍らに居る随伴機に支援攻撃を命じつつ、

自分は今ふと思いついた事を実行してみようとマシンガンを腰のラックに掛けると、

前面に押し出していた装甲板を両手に掴み。

 

 「――どぉぉぉぉっ、せぇぇぇぇぇいッ!!」

 

 女性が上げて良い台詞でない言葉を吐きながら、ワイヤーの張りを限界まで緩めつつ、装甲板を思い切りよくブン投げる!

そんな無茶苦茶な行動に思わずフリーズするドーザー共に狙い違わず命中ッ!

どんがらがっしゃんこ、とド派手な大音響を響かせつつ幾つかの小爆発が巻き起こり、土煙が舞う。

 

 「行けたかッ!? あ、ウィンチで巻き直しとこ……」

 

 何か変なフラグを踏みそうな台詞を吐きつつ、キュリキュリ云わせてウィンチで巻き取られていくワイヤー。

どうやら、装甲板を挟み込んだままのクレーンの突先もそのままにブン投げた様である。

巻き取りが終わると、ボロボロになった装甲板も戻って来ていて。うぅん、エコロジィ。

 

 相手の被害は悲惨なものではあるが、やっつけでこれなら良しであろう。

そして、ドーザー以上に唖然としている味方一同。

 

 『……アクリ、何考えてんのアンタ』

 「いやあ、ちょっと思いついてつい……」

 

 つい、でそんな無茶苦茶をして良いものなのだろうか。

クレーンの限界強度、引き上げないと、とか呟いている男の子も居たりするが、

そんな言葉は聞こえやしない。

 

 それは兎も角として。そんな普通の頭なら考えもしないド阿呆な攻撃にて大半のジャンクMTは沈黙しており、残った数は一桁にまで減っていて。

どんだけ纏まって行動していたんだお前ら。

更に動揺が広がり続けている様で、逃げ腰になってるドーザーが大半である。

 

 とりあえず殲滅、と云った感で先のブン投げ装甲板を再度実体盾として前面に押し出しつつブースタを吹かせ、緩く突っ込むアクリ。

後に待っているのは蹂躙だけであり。逃げようとする連中の背中を撃つだけの簡単なお仕事です。

 

 さほど時間を掛けずに殲滅を終えたので、伏兵への援軍に参りましょうか、と振り返ったその時。

伏兵だったドーザー連中のど真ん中に大きな爆発が巻き起こり。

 

 『――騎兵隊、参っ上!』

 

 横合いから伏兵だったドーザー共へと左手に持ったバズーカの弾をぶち込んだらしきダブルの頭パーツを載せたACがそんな声を上げる。

ダブルヘッドのBASHOを扱っているAC乗りは数が少ない上に、

あのカラーリングはアクリ達もよく知る人物であり、その声で確信を持たせた。

 

 「あ、ツィイーおひさし」

 『――お、今回の護衛アクリ達だったんだ、三週間ぐらい? ぶりー……って! あーッ! またなんか面白そうな装備使ってるー! 私にも寄越せーッ!』

 『それじゃあ『いやリブラ。流石に何度も何度も商機を潰されるのは困るから止めてね?』……だ、そうだよ?』

 『ユミコ、狭量過ぎるよッ!? ――で、お幾ら万円でございますか?』

 『変わり身ッ!? ……商談は壁に行った後で、なんですよー』

 『ちッ』

 

 そして濁流の如き速さで脱線をする一同。

……どうやら、連絡を受けたらしい解放戦線から、足の速いACの数機が救援に来たようだ。

まあ自分達の補給物資なのだし、出て来ない理由は無いよねとは思うが。

これで依頼料減らされたらどうしよう、等と小市民的な思考を空回りさせるアクリである。

 

 その後、至極簡単に掃討は終わり。

と云うか、ACが複数機に無人とは云えMTが十以上いる上で残党が10を切ってる時点でお察しではあるのだが。

 

 流れる様にゴミ回収をしようとしたら、解放戦線の面々に(と云うか、自分らも欲しいからと)止められ、

仕方なく戦後処理を任せ(不満はあるがあっちのお膝元で諍いを起こしたくはない)、

奔走している解放戦線の面々を横目に先に進む事に決め。

ついでに、とばかりにツィイーも同道する事となり、ガッションガッションと歩みを進める一行。

んで、ツィイーとリブラのダブルヘッドの使用感に関してのやり取りをしているのを横に聞きつつ元気だなー、

なぞとか思っていると、ちょっと云い辛そうに言葉を掛けて来る隊長さんで。

 

 『――あーっと。済まんが、あの二重頭のBASHOは一体……?』

 「……そう云えばBAWSってBASHOの製造元じゃない!

……いやそのコレはですね……少しでもBASHO頭の性能高めたいと、ウチのメカニックが、現地改造を施しまして……」

 

 言い訳染みた言葉でしどろもどろに言の葉を紡ぐアクリ。

そんな彼女の反応に苦笑が漏れ聞こえ、訂正の言葉を返して来る。

 

 『いやいや、現地改修機に文句を言うつもりは無い。ただ、珍しいカスタマイズをしているんだな、と思っただけだ』

 『――そうかな? 大本のBASHOってコア理論の最初期モデルだから近接用のカメラやセンサー類は絶大な性能だけど、そこ以外は性能が一気にガタ落ちするから、

それを補うための中距離以降のセンサー類を積んだもう一つの頭だったんだけど……』

 「あ、リブラ」

 

 ――と、ツィイーとの一通りのやり取りを済ませたらしいリブラが割り込んだ台詞に隊長さんは反応をして。

 

 『む、キミがあれを作ったのかね? 見るに上段に中距離センサーを集約しているようだが――』

 『うん、そうだよ。そもそもBASHOは頑丈だし、回路もシンプルだから少々の無茶な改造でも受け入れれる器があるから――』

 『ふむ、なればこう云うのは――』

 『あ、それ面白そう――』

 

 すると二人は専門的な話をし始めて。どうやら隊長さんは技術畑の人だったらしい。

意気投合したのか、楽しそうに色々な改造案を通信越しに乗せてやり取りし始めた二人にお咎め無しの上に有耶無耶になったからまあ良っか、と投げやりになってみて。

 

 まあ顔繫ぎは十分に熟せれたと思うし、まあまあの成功だったんじゃないかなーとか思いつつも輸送部隊は目と鼻の先の目的地へと歩みを進めるのである。

 

 

 

 

 この件において、RaDer’sそのものではなく、リブラの知名度(フリーに近い超有能なメカニック)の方が先に高まってしまい、

のちに色々と面倒事が起こってしまうのだが、それはまだ先の話である。

 

 

 

 

 

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