ドラゴンボール超 ビールを飲んだおっさんがダラダラと全王様になった話   作:北村 貴之

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全王様と戦闘力5のおっさんとミスターサタンの酒の宴 昼間から飲みすぎた原因は自分にある!?

俺は全王様になってしまった男、善応寺冬彦。

俺は全王の側近たる大神官と共に、ある場所へと向かっていた。

鶏と駝鳥を合わせたような巨大な鳥、「キングドードー」の上に乗り、大自然の中を駆けていた。

俺たちを乗せたキングドードーは休むことなく大地を蹴り、颯爽と駆けている。

まるでチョコボに乗っているような感覚だった。

実際に俺はチョコボに乗ったことはないが、いざ乗ってみればこんな感覚なのだろうと思っていた。

キングドードーに乗っているのは俺と大神官だけではない。

俺たちの後ろに、キングドードーに跨ったおっさんがいた。

でっぷりと太った体型、無性髭、オールオーバー、麦わら帽子。

この姿を見てピンときた人はいるだろう。

そう、ラディッツにわずか数秒であの世送りにされた、戦闘力5のおっさんだ。

おっさんもキングドードーの上に乗って俺たちに付いて来ていた。

なぜこんなおっさんが俺たちに付いて来ているのかというと、俺が誘ったからだ。

俺はこの男にある誘いをかけた。

それは、「ミスターサタンに会わないか?」というものだった。

ミスターサタンは有名人だ。

原作では最弱だが、この世界では名のある格闘家として知られている人だ。

俺たちはミスターサタンのいる家を目指し、キングドードーで大地を駆けていたのだった。

 

「んぅー!いい走りっぷりだな」

俺はそんなキングドードーの走りに爽快感を感じていた。

「なぜこんな訳のわからん連中と行動を共にしなければならんのだ…」

後ろで太ったおっさんが不満げにそうに呟いていた。

しかしそんな呟きは聞こえなかった。

速度が速すぎるからか。

そんなおっさんに向かって俺は言った。

「おっさん大丈夫か!疲れていたら休憩しようか?」

「いや、今は気持ちだけ受け取っておく!早くミスターサタンの家まで行くべっ!」

「お!そうか。なら早く着くようにキングドードーの走りに期待しよう」

おっさんはミスターサタンと会いたいようだ。

同じおっさんなのか、それか…。

俺の隣にいた、キングドードーに跨った大神官はというと…。

何やら奇声を上げて気持ちよさそうな顔をしていたようだ。

「フォーッ!フォー、ホォー!」

このように大神官らしからぬ声を上げていた。

周りに人がいなかったのはある意味幸運だった。

問題はミスターサタンが家にいてるかだが…。

俺はあらかじめ、ミスターサタン本人に連絡をしていた。

連絡先は破壊神のビルスからだ。

彼はミスターサタンとも知り合いであり、連絡先を教えてもらうようお願いしたところ、ばっちりと連絡先の書かれた紙を持ってきてくれた。

気の利く紫色だ。

 

 

それから数時間後…。

俺たちは大きな豪邸の前にいた。

ここが、ミスターサタンが住むとされているお屋敷だ。

キングドードーを外で待機させ、俺と大神官と戦闘力5の親父は屋敷前の門の前にいた。

5のおっさんは目をパチパチさせて屋敷を見つめている。

大神官はじっと彼を見ていた。

俺は門の前にいる護衛に声をかけた。

「よお、俺だ。全王だ。旦那はいるかな」

「おお、ようこそお越しくださいました、全王様」

護衛が俺に敬礼する。

「旦那様なら仲にいらっしゃいます」

どうやらサタンは家にいるようだ。

「そうかい、ありがとう。ご苦労さん」

俺は護衛に労いの言葉を送った。

護衛は一礼する。

もう一人の護衛に屋敷の扉が開けてもらう。

この家にサタンはいる。

俺の直感がそう告げていた。

玄関にいた執事風の男が俺たちに一礼する。

俺達も礼する。

「お待ちしておりました全王様…。して、そちらの方々は?」

どうやら大神官と親父のことのようだ。

親父は冷や汗をかいていた。

「ああ。こっちのイケメンは俺の友達だ。そっちのきたない親父は俺の地球での仕事仲間だ」

とりあえず適度に紹介する。

俺の言葉を聞いた親父は何やら眉をひそめていた。

俺の「きたない親父」が気に食わなかったのだろうか。

「そうですか。旦那様のいる部屋へとご案内致します」

執事はそう言って、俺達を案内した。

俺達は執事の後に続き、屋敷内の廊下を歩いていた。

豪邸らしく、廊下は広々としていた。

初見でひとりで歩いたら確実に迷子になってしまいそうだ。

「この部屋になります」

そう言って執事は一つの扉の前で止まった。

ここが、ミスターサタンの部屋のようだ。

執事が扉を開ける。

彼の開けた扉の先にいたのは…。

「ようこそお越しくださいました、全王様…」

しっかりとミスターサタンがいた。

トレードマークのアフロが映えている。

「やあ、サタン」

俺は適当に挨拶して部屋に入った。

部屋の中にいたサタンは、バスローブを着ていた。

どうやら風呂あがりのようだ。

顔色はなぜか赤くなっていた。

風呂から上がったにしてはどこか赤すぎる気がする。

サタンの顔色が赤い理由が、俺にはすぐにわかった。

それはなぜかというと、サタンの手にはブランデーの瓶が握られていたからだ。

このおっさん、どうやら昼間に飲酒していたようだ…。

ビール好きのおっさんたる俺の目は鋭かったようだ。

「…サタンよ。お前さんは昼から酒飲んでるのか」

俺はサタンに問いかけた。

「ああ、全王様。これは失礼いたしました…。昼間から飲むのはよくないのですがね。待ちきれずについ」

サタンは酔っぱらって気が大きくなっているようで、謝罪しつつも悪びれる様子はなかった。

そんな彼の顔を見て、俺はあることをひらめいた。

「ほお。お前は昼に洋酒を飲むのが好きなのか」

俺はさらに聞いた。

「一番好きなのはブランデーにウイスキーでしてね」

サタンは答えた。しかも好きなお酒の種類も教えてくれた。

酔っていることもあるだろうが、どこか気持ちよさげにに見えるのは気のせいだろうか…。

酒の力恐るべし。

戦闘力5の親父はサタンの酔いどれた姿に唖然としている。

それもそうだろう。

普段のかっこよさからかなりかけ離れたそんな姿に、とまどわないわけがない。

「サタン…。そのひとり宴、俺たちも参加させてもらっていいかな?」

俺はサタンに、一緒に酒を飲もうと提案した。

俺が先程ひらめいたのはこれだ。

サタンはニヤリと笑い、ブランデーをクイッと一飲みし、答えた。

「ほほお〜、全王様とご一緒に酒を飲めるなんてなんという幸せ!いいでしょう、共に飲もうではありませんか!で、そちらの方々もご一緒で?」

サタンは凄く嬉しそうな顔をしていた。

まるでおもちゃを買ってもらった子供のように、ぱっと笑顔を浮かべている。

それをみた親父が目をパチパチさせている。

何が起こるか理解できていないらしい。

「おいおっさん!まさかこの酒の宴に参加しないって言わないよな?」

俺はおっさんの肩をパン、と叩いて確認した。

おっさんは無言で首を縦に振った。どうやら一緒に飲んでくれるらしい。

「さあ飲むぜ!サタン、ここにある酒全部持ってこい!あと、アテもだ!」

俺は高らかに宣言した。

こうして、おっさん3名とイケメン1名による真っ昼間からの飲み会が開催された。

 

 

 

サタンの部屋の中央で、俺たちは車座になって座っていた。

サタンは先程から上機嫌で、一人で楽しそうにしている。

さっきブランデーを飲んだばかりなのに、持ってきたストロングチューハイをグビグビと飲んでいる。

先程まで緊張していた戦闘力5の親父はワインやハイボールを3杯飲み、上機嫌になっていた。

俺はビールを2杯、焼酎を水割りで2杯飲んでいる。

大神官は洋酒とつまみを交互に飲んで、ワインやブランデーも飲んでいる。

最初の緊張はどこへ行ったのか、すっかり打ち解けているように見える。

酒の飲む時間ではないが悪くはない。

月曜から始まる仕事のことなどもう忘れてしまいたく気分になるほど俺は飲んでいた。

「親父!いい飲みっぷりじゃないか!」

俺が親父を褒め称えると、上機嫌になった5のおっさんはニカッと笑った。

「おうよ!このお酒も美味しいぜ!」

どうやら俺のあげたビールが気に入ったらしい。

あげたビールは黒ビールだ。

戦闘力5のおっさんはへべれけになり、テンションがかなり高くなっていた。

サタンは顔を赤くしながら天を仰いでワインをちょびちょびと飲んでいた。酒の力は恐ろしい。

大神官もかなりの数を飲んでいた。

奴の顔を確認したところ、何やらにやにやとしながら鼻歌を歌っている。

「突然人が変わった全王様と待ち合わせした覚えはないけどまあ悪くなーいか」

なんて言いながら美味そうに飲んでいた。

結構酔ってきている。

大神官がこんなにも酔っているのははじめて見た。

 

おっさんたちはさらに酒を注ぎ、酒を飲んでいた。

そんな時、サタンが親父に声をかけた。

「ほら、旦那もっと飲まんか!」

そういいながら親父に梅酒を渡す。

親父はそれを手にとり、グイッと飲み干した。

「ありがとうよサタン!うまいぜこの梅酒」

親父は上機嫌でサタンにお礼を言う。

それをみた俺はにこりと笑った。

そして、部屋にたまたまあったキーボードを見て、そちらへと千鳥足で向かい、キーボードを演奏すべく椅子に座った。

 

「おい、お前ら!歌うぞ!」

ベロベロになった俺は陽気にキーボードを演奏し、いきなり歌を歌い出した。

俺の姪っ子がどハマリしている「げんじぶ」の曲を演奏し、歌い出したのだ。

皆はそんな俺を見てニコニコしている。

顔は赤く、酔っていてかなりハイテンションのようだ。

俺の歌声に合わせて親父とサタンと大神官は歌ってくれた。

異世界のアイドルグループだと、いうのに、皆ノリがいい。

歌詞も曲も知らないのに、まるで知っているかのようにハズさずに歌っていた。

酒も飲みつつ、俺たちは屋敷内で楽しげに演奏し、歌った。

いい男4人の声が重なり、「げんじぶ」の曲を多数を歌っていた。

近所迷惑などなんのそのだった。

そんな賑やかな酒盛りは、夜まで続いていった…。u

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