結局あの後お母さんとお父さんはずっと何かを
していたようで用意してくれたケーキを急いで
食べてお父さんはまた仕事に行っちゃった。
昔話をしてくれるって約束だったのに……
ま、ケーキが美味しかったからいっか。
「お母さんもそろそろケーキ食べたら?」
「うへへ///うへへへぇ///」
何をされたらこんな幸せオーラを出して悶える
事が出来るんだろうってくらいお母さんは悶絶
してる。こうなると暫くは治らないから数切れ
だけ残しておこっかな。
「じゃあお母さん、そろそろ学校行くね」
「うへー///」
あー多分聞こえてないねこれ。じゃあいっか。
……って朝からケーキ食べるのもどうなんだろ?
美味しいからって食べちゃったけどお腹周りが
大変な事になってたりしないかな?
「カロリーを消費する為に走ろうかな……」
「ん、ダメ。ツキノは私と電車に乗るの」
「あっアオバおはよう」
「ん、おはよう。今日は部活体験の日だね」
「そうだね。アオバはやっぱり百合園部に
するの? 昨日あれだけ力説してたし……」
「ツキノが居るところに入りたい」
そっかこの子百合じゃなくて私が目的なんだ。
いつか本当に襲われるんじゃないかな……
「大丈夫、触りはするけど手前で止めるから」
「何の話? とにかく電車に乗るなら急いだ方が
いいよ? 私は走っていくから」
「走ってイク……!?」
私は何かを連想しているであろうアオバを置いて
一人走って登校する事にした。アビドス自治区は
人が少ない田舎のような場所だから広々とした
道路を走れて気持ち良い。……砂塗れだけど。
「……あれ、思っていたよりも距離がある……
このままだと遅刻しちゃう!?」
初日もこんな感じだったような気がする!!
やばいよ!!
「……ま、走ればいっか! なんか青春っぽさ
あるし! 大体のアニメとかのopだって途中
謎に走るシーンとかあるもんね!」
「ん、そういう事。一緒に走ろう」
「追いついてくるの早くない? ……ってシロコ
さんの方だった。文字だけだとアオバとの分別
がつかないね」
「私が言うのも何だけどメタ発言はあんまり
多用しない方がいい。第三の壁に干渉出来る
のはメインヒロインである私だけだから」
「そうなんですね。じゃあ控えます」
「ん、ツキノはいい子だね。アオバをよろしく」
「友達としては歓迎しますよ。ただ百合を強要
してくるなら縁を結びたくないです」
「ん、後で教育しとく」
この人教育とか出来るのかな……まあいっか。
とか話してたら何だかんだで学園に着いたよ。
時間ギリギリだけどね。
「ん、それじゃあ私は感想欄に行く。学園生活
楽しんでね」
「あ、はい。ありがとうございます?」
カンソウラン……? 乾燥ラン……いや、多分
いつものような意味のない言葉なんだろうね。
とにかく砂狼親子に振り回されつつも私は学園に
到着する事が出来たよ! 皆おはよう! からの
朝の会話をしていよいよ授業の始まり……
「今日の授業は『部活体験をしよう!』です☆」
全然授業が始まらない件。朝から部活体験する学園
なんて聞いた事がないんだけど……まあいっか。
結構な数があるし回るなら時間が多い方が助かる
のは事実だし。
「……ねえツキノ、この学園大丈夫なのかしら……
三日目なのに授業しないってどうなの……?」
「ま、まあ。多分部活に力を入れてるからだと
思うよ。……でも授業がないのはおかしいけど」
「そうよね……」
「でもせっかくだから部活体験しに行こっか。
何処から行く?」
「リストの上からやっていかない?」
「あっそれ良いね。最初は……『アイドル研究会』
だね。伝説のアイドルが居る部活」
「……とりあえず行きましょう」
「まさか二人もアイドル研究会を体験しに訪れて
くださるとは……感謝致します」
「は、はあ。ご丁寧にどうも……」
この人……マイク持たないと普通の人なんだけど
なんでアイドルやってたんだろう……
「お二人にはまずキヴォトスにおけるメジャーな
アイドルグループを紹介致します。そちらの壁に
飾ってある写真ですが……」
「おっ……!? ゲホッ!?」
「アヤカ!?」
「ご、ごめんなさい。ちょっと見慣れた顔が
その写真に写っていたので……」
「大丈夫ですか?」
「あっはい。大丈夫です」
そこまで動揺する事なのかな……確かに見知った
顔……もといノノミさんが写ってるけどさ……
あれ、なんかその隣の女性とアヤカって似てる?
流石に考えすぎかな……
「では説明を続けます。これは伝説のアイドル
ユニット『イタズラ☆ストレート』の方々です。
ソロ活動していた私とは違いとても輝いていた
まさに理想のアイドル像です」
「そうなんですね……ちなみにサクラコさんが
アイドルになったきっかけとかって何かあるん
ですか?」
「きっかけですか? そうですね……強いて
言うのであれば20年前に読んだこちらの書物
でしょうか」
そう言って目の前に差し出された年季のある
本を受け取ってページをめくってタイトルを
見てみた。……WAPPY? なにこれ? え?
「私はそれを『古代書物W.A.P.P.Y』と呼んで
おります。思えばそこから私のアイドルとして
の人生が始まったのです。今となっては感慨深い
思いで詰まっていますね……ふふっ」
……あ、これ違う。中身と表紙のカバーが別物で
中身はただの恋愛漫画だ。なんかアイドルっぽい
人が奇声上げてる。恋愛漫画なのこれ?
これでときめく20年前の感性狂ってない?
「……そろそろ座学にも飽きてきた頃でしょう。
今から私が歌いますのでそれを観て楽しんで
貰えたらと思います」
えっまさかこんなところで伝説のアイドルこと
サクラコのライブが始まるの? いいの?
「ほらツキノ、ペンライト持って」
「あっありがとう」
なんか教室内が急に暗くなってきたんだけど。
何この展開。部活体験って何? ……あれ?
なんか観客が増えてるんだけど……
『わっぴ〜☆ 今日はアイドル研究会の部活体験に
来てくれてありがと〜! サクラコのライブを
観てアイドルに興味を持ってくれたら嬉しいな☆』
さっきまでとキャラが違いすぎる……アイドルの
表と裏を見た背徳感があるよ……
『それじゃあまずは一曲目、聴いてください♪
きゅぴーん☆アイド……』
「それ違うサクラコ!!」
誰にも伝わらないツッコミを挟んだ後のライブは
それはそれで楽しめたよ。手を伸ばせば目の前に
アイドルが居る距離感で観たライブはなんだか
特別な感じがして例えるならVRライブ……
これ以上はやめとこう。とにかく私とアヤカは
謎の余韻に浸りながらアイドル研究会の部室を
出て次の部活に向かう事にしたよ。
「ねえツキノ」
「どしたのアヤカ」
「結局わっぴ〜って何なの?」
「私に聞かれても……」
「そうよね……」
「……それよりも次の部活体験は何処にする?」
「ああ、次はそこにある……」
「……にしようと思うわ」
「そこはかとなく懐かしさを感じる看板だね……
確か顧問は天童……」
「アリスですよ!! ようこそ二代目勇者達!」
「うわっ!?」
「よくぞ参られた! どうぞお入り下さい!」
扉から勢いよく出てきた天童先生に腕を掴まれた
かと思いきや物凄い力で私とアヤカは部室の中に
連れ込まれたよ。そうして入ったゲーム開発部は
なんていうか……
「ちょっと汚い部屋だね……」
「ふふん! 当時の部室を再現しています!」
「確かに懐かしさを感じるものが多いような
気はするわね……あれ、誰かの忘れ物かしら?
『モモイ』って書いてある携帯ゲーム機が
床に置いてあるけど……」
「あ、それはアリスの友達のものです!
『一日中一緒には居られないけどこれがあれば
アリスも寂しくないよね!』ってプレゼントして
くれた大切な携帯ゲーム機です!」
「そんな大切なものを床に放置して大丈夫ですか?
もっと丁寧に扱った方が……」
「それはいつもその場所に置いてあったのです。
つまり定位置です! なので問題ないです!」
大丈夫なのかな……踏まれちゃいそうだけど……
あとロッカーが気になる……なんか赤い毛が
はみ出てるんだけど何あれ?
「ところでお二人とも、ゲームは好きですか?」
「あ……はい。結構好きです」
「私もそこそこ」
「!! それなら是非ゲーム開発部に入って
青春を満喫してください! 此処は夢も魔法も
何でも自由自在に生み出せる場所です!」
凄い力説してくれるけど……大袈裟すぎな気も
するよ。でも確かに夢はありそう。
「ゲームを遊ぶのは勿論、作る事も出来ます!
是非! 是非入部を!!」
「えっと……ごめんなさい。まだ他の部も見て
ないので今すぐに決める事は出来ないです」
「……そうでした! 今日は部活体験の日で
入部を強制させる日ではないですね!」
この人今しれっとやばい事言わなかった?
強制入部制度があるの? こわ……
「となるとゲームを遊んで時間を潰させるのは
申し訳ないので今日は此処までにしましょう。
二代目勇者達、また来てください! 気軽に
遊びに来てアリスとゲームをしましょう!」
「は、はい。ありがとうございます」
「失礼しました」
……なんかあっさりしてたな。アイドル研究会
みたいに座学も始まらなかったし。……でも
天童先生、なんだか寂しそうだったなぁ……
「そういえばさ……天童先生も確かアイドルの
イタズラ☆ストレートのメンバーじゃなかった?
……この学園有名人多くない?」
「20年前ってどうなってるのかしら……
そっちに興味が湧いてきたわ」
「その辺りは歴史の授業で語られるかもね。
じゃあ次の部活に行こっか」
「そうね」
まだまだ部活体験は始まったばかり。この先
どんな狂気が待ち受けているのか……
今はまだツキノ達は知らない。……ただし
百合園部を除いて。
この作品の深淵、もといえっち方面を考えてみたんですよ。
大体ツキノちゃんが襲われて百合堕ちする
バッドエンドしかないんですよね。
一応アンケート置いておきますので一定数見たい人が
いるのであればいつか書きます
この作品のR-18の需要性確認用です
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あったら嬉しい
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なくてもいい
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百合を許すな