京都に行く。それは僕にとって久しぶりなことだ。
ただ、もともと父上は行きたかっただろう。
申し訳ない。でもあの時の覚悟は守りたかった。
我儘というかただの見栄だ。
自分でそう思うのも嫌だけど。
12月31日の朝に電車で東京を出た。
せつなさんと伊歩さんは置いてきた。
ただせつなさんには前のことを反省しているかと怒られたけど、伊歩さんを1人にするのもね…。
「京都なんて何年ぶりだろう」
「余裕はあったけど帰ろうと思うほどの余裕じゃなかったからな、仕方ないさ」
隣で父上は音楽を聴くやつで音楽を肩耳だけ聞いている。
僕は普通にお弁当を食べている。
駅弁はやっぱりおいしい。
「おいしい?」
「おいしいよ」
列車は夕方ぐらいにつくはずだ。
良くも悪くも遅い特急を選んだからだ。
「いさな、いいことを教えておこう。戦士は寝れるときに寝て休めるときに休む」
「食べ終わったら寝ます」
朝は早かったし眠かったし。
食べ終わったし、おやすみ。
「もうそろそろだよ、ホームに唯依が来ているそうだよ」
唯依姉は14歳ぐらい、僕は11ぐらいだ。
もうそんなに成長したのかと思うと悲しい。
精神面はさておき。
「ほらもう着くぞ、覚悟決めろ!男…だろ。いさな!」
ドアが開くとそこには大人っぽくなった唯依姉と母上がいた。
「ただいまです、最後の京都」
僕は小さな声でそうつぶやいた。
京都は変わった。
そんな気がした。
そして今度は大きな声で
「ただいま!唯依姉、母上!」
「ただいま、唯依。そして」
黙りながらも母上に寄り添いに行った父上。
僕は唯依姉のほうに駆け寄っていった。
「ごめん、遅くなって」
「いいのよ、いさな」
そして僕は木箱を渡した。
東京から大事に持ってきたのだ。
鍛冶さんは東京の人じゃないけど。
「僕からの刀だよ。信義っていうんだ」
ここで開けてもいいかわからないけど、まぁ武家だし大丈夫でしょ!
箱を開けると重々しい黒い刃をした刀が出てきた。
僕の依姫も抜刀する。
少しだけ。
こっちは真っ白だ。
「お揃いだよ、篁家の刀もあるだろうけどね。でもいつか役に立ってくれるよ」
「そうだといいね」
「それとも二刀流になる?」
唯依姉は示現流。僕は我流。一応叢雲抜刀術とかなんやらかんやら名前はつけているが。
夕凪剣術もその1つ。
「いや、私は私の道を行くよ」
胸を張って答えていた。それにしても…胸…ね。
大人になったね。唯依姉。僕は身長が低いのに唯依姉のほうが断然高い。
はぁ
唯依姉は大人になったような感じがする。
そう思ったとしてもまわりはそういう人ばっかなので気にしない。
先生1に先生2.あとは副官、などなど。
駅を出て車に乗る。
道を覚えている。それがまず驚いた。
家に帰ると何も変わっていないその門に。玄関に、すべてが懐かしく感じられる。
「そういえば唯依姉、学校はどう?」
衛士になるための学校に行くはずだ。
ただその準備で結局衛士訓練学校に行っているようなものらしい。
「楽しいよ」
「友達もいるの?」
「それはもちろん!」
同年代の友達というのを持っていないのでうらやましい。
「うらやましいでしょ!」
「結構ね」
大人ばっかだからなぁ。まわりが。
「なら紹介しようか?」
「時間があるならね、そうだ!休みの時に東京に来てよ」
「わかった。行くよ!」
今まではどっちも行かなかった。
でも僕は京都に来たから今度は来てほしいな。
忙しくなる前に。
廊下を歩きながら話していると今に出てきた。
そこには
「恭子様!!来てたんだ!」
青い髪の麗しきおばさん。
若いけどね。
「いさな!どう?生活は」
「わからない、そっちは?」
「今試験機の衛士をやってるわ!」
つまり秋水ってことか。
「秋水だね」
「今は武御雷って呼ばれてるわ」
名前が変わったんだ。
それにしても元気でよかった。
「他のみんなは?」
すると恭子様は屈んで答えた。
「心配するのね、みんな元気よ」
頭をなでられながら安心した。
そしてこっちの事情を結構知っているということがわかった。
しばらくして夜ご飯になった。
「いさなから信義っていう刀をもらったのよ!」
「ふーん、おねーさんのは?」
依姫をあげるわけにもいかないなぁ。
くそ、恭子様め!
「おねーさんのがあるでしょ!」
唯依姉は一応だから!
それにしても母上の料理はおいしい。
母上のほうがなじみがあるからなぁ。
せつなさんに聞かれたら悲しまれそうだけど。
「そういえばあのせつなさんは?」
母上が聞いてきた。よく今まで気づかなかったな!
「
仕事ができているといいのだけど。
それんしても父上と母上は無口だ。
別に話していないわけではないのだけど。
きっと今もその安心感に浸っているのだろう。
それに比べて恭子様、唯依姉は少し元気だ。
唯依姉は年ごろってやつ?
恭子様は…きっと彼女も年ごろだろう。
食べ終わると少し屋敷の周りを歩くことにした。
唯依姉と2人で。
屋敷にいると呪いのように道場に入りそうだからだ。
「唯依姉」
「なぁに?」
歩幅は僕のほうが小さい。だから合わせてくれている。
そんな中でも僕は刀を背負っていた。
「戦う覚悟って何だろう」
ただ一緒にいるからすぐに構える状態にはせずに腕を頭の後ろに回しながら聞いた。
「無難だけど守りたいものを守るときに出てくる戦意じゃない?」
「まもりたいものがあるんだ、唯依姉」
「いさなとか、家族、友達。役に立ちたいの」
これが唯依姉、まっすぐな瞳、凛々しい態度。
「僕は、唯依姉みたいになりたい。だから守りたいものを探すよ」
「私のこともっと尊敬していいのよー?」
「もっとするよ、自慢の姉だよ」
久しぶりに会ってたった1日も過ごしてないけどそれでも僕はこの人を尊敬する。
せつなさんとか先生よりも。だって悪いところが見つからないもん。
せつなさんとか先生は…ね??
「いさなはそんなことを聞く弟になっちゃったか」
寂しそうに話す唯依姉は一姉としての顔をちゃんとしていた。
「仮にも斯衛に入っているからね」
「私も入る予定だ」
武御雷に乗ってほしいな、僕の仲間が作ったから。
きっと僕の部隊には来ないだろうけど。
404には。
「なぁ、いさな。手合わせしてくれないか?」
いきなりすぎぃ!!!
結局来てしまった。
道場に…。
「防具はつけないぞ!」
危なかったら誰か止めてほしいので恭子様を呼んできた。
木刀で服装は道着みたいなものを着ていた。
向かい合ってそのまま刀を構える。
距離は8メートル。
こっちは当てるだけ、傷つけない。
かわいいかわいい姉に傷つけられない。
でも手加減はしたくない。
そう考えている間にも叫びながら刀を振り下ろそうとしてくる唯依姉。
僕は刀を縦に構えてそのまま受け流そうとする。
ただ、力で押し切られる。
足技がいいならそのまま転ばせるけど、だめだと思う。
姿勢を低くして唯依姉の横をぎりぎりですり抜ける。
全力で逃げる。
少し距離をとったら反転、居合斬りの構えをとる。
さっきと同じように示現流できた。
僕は我流、でも今回は違う。
右足を前に出して左ひざが床をこするぐらいまで下げる。
そのまま木刀を片手で振り上げる。
「叢雲抜刀術、人斬り」
人斬り彦斎、あの人の抜刀術。
うまくできたかはわからない。
顔を上げると刀を持っていない
「僕の勝ち!」
「油断はだめ!」
そのまま姉は抱き着いてきた。そのせいで仰向けに倒れてしまった。
「ちょっと!唯依姉!」
「姉弟だけど私はいいと思うわ!じゃね」
恭子様は足早に去っていった。
「恭子様っ!!」
「いさなは強いね」
今日ずっとこの人寂しそうだなっ!!!
「父上、なんでしょう」
寝る前に部屋に入ってきた父上に聞いた。
「組み立てが長引きそうなんだ、結構な人が帰省したからな、それで2週間ぐらいの休暇にしてもいいかっていう提案と、いさなはそのまま唯依の士官学校に通え、だそうだ」
「そんなことしたら!」
「おい、いさな。お前がいなくても一応仕事はできる!電話だってあるし。何より」
「な、なに?」
「銃を撃ってばっかじゃん、それにせつな君なしでも生活できるようにしなければならない。せつな君のちょっとした依存癖も直すいい機会だ。少し勉強してこい!ちょっとでいいから、4か月ぐらい。あと父として、普通の子としての生活もさせたいし」
確かに訓練学校行ってないから正規の衛士じゃないのは分かるけど。
「1か月休ませるのもなぁ」
「2週間だぞ?」
「いや、1か月休ませる
「いさな。友達出来るといいな」
望影むずすぎ。
HDでSいけないんだけど。と思ってたらクリアしました。そしてINで絶望です。
IGALLTA INやってみたいのに…。
ところで僕のお気に入りの駅弁は前に食べたかしわめしです。
1998 1.1