たまにあるんですよね
体が動かない。
まるで、海に叩きつけられたみたいに体が痺れる。
息だってしづらい。
それでも呼吸をする。
ポケットに何か入っているのを確認してそれを見てみる。
それは注射器だった。
名前は見えなかった白い注射器。
それを腕に刺す。
「うぐっ!がはっ」
自分の身なりを見る。
ベルトには短刀。
さらにはマガジン用のポケットとホルスター。
そしてホルスターにはUSPがささっている。
まだまだ、出れないな。
目の前に現れたのは盾を持った人と剣を持った人。
どちらも女性だ。
俺はUSPを抜く。
そして胸より少し前で構える。
相手は2人がかりだ。
剣を持っているほうを先に狙う。
一瞬顔の前にUSPを持っていき撃つ。
きちんと照準を合わせたつもりだがそれが裏目に出た。
剣ではじかれた。
だがそれでも3発目に足に当たる。
それをカバーするように盾持ちが前に出る。
そのタックルを躱しながら撃つ。
盾を持っている手を片腕でつかみそのまま倒れこもうとする。
それを嫌がり振り払おうとするが倒れこむ姿勢から相手の足に引っ掛けて少し飛び跳ねる。
姿勢を崩したものの腕に銃弾が当たる。
だがこっちも根性かどうかわからないが盾で吹っ飛ばされる。
うまく着地したもののさっきの剣持ちがやってくる
短刀を抜く。
そしてそれを右手に持つ。
左で連射しながら剣で弾かせる。
そして隙が出た首に短刀を押し込む。
USPはスライドが後ろにあるので弾なしと判定
ホルスターに戻す。
そして盾持ちの敵と対峙する。
盾で突進してきたからそのまま上に飛んで短刀を頭に突き刺す。
次は長刀が目の前に置かれた。
いや、でてきた。
これは矢矧だ。
「今までの剣術はでたらめです。もっとちゃんと肩を持ってもらわないと」
前に歩いてきた小柄な男
女のようだが男だ。
「君の今までのでたらめで思い付きの技をすべて変えるぞ。さぁ、指南の始まりだ」
「あなたは?」
「俺か?夕凪是助じゃ」
その人は武士のような恰好
腰には脇差と太刀を差していた。
太刀を抜いてこちらに対峙する。
ただ立っている姿はまるで今にも倒れそうなぐらいふわふわしている感じだ。
だけど不思議だ。
なんかふらふら歩いているようにみえて隙が無い。
それと似たような感触を感じる。
こちらも矢矧を腰に差し抜刀。
「夕凪剣術の本当のやり方だ。見とけよ」
「奥義とかって?」
「秘剣?あるけどあれじゃねえよ」
「ん?」
なんか相手はすごくいら立っているように見える。
多分、自分の作った剣術を中途半端に覚えたのうえに我流にしかけたからね。
「あんな力任せな技、秘剣なわけないだろう!」
「結局、力任せになっちゃったのか」
「俺の弟子が完璧に教えないから、行くぞ綿月!」
といわれても、ね
全力で立ち向かえばいいってことでしょ
とりま
「傘凪」
真横に一直線に刀を振る。
「違う、本来は」
斜めに切り上げられた後に今度はまた逆から斬られる。
腕と手首の使い方が、うますぎる。
「夕霧」
剣筋が読めない。
なんか、見えない。
「こっちだ!」
声がしたので右側に振り向くともうそこまで刃が来ていた。
「お前に相手を生かす余裕なんてない」
左手で咄嗟に脇差を抜いて止める。
それでも勢いを殺せずに刃がないほうの脇差が腹に食い込む。
「おら!かかってこいや!」
その脇差ごと腹を蹴られる。
吹っ飛んでいく僕を追撃せずに煽ってくる。
刀を床にトントンと少し叩いている。
舐めやがって
「二刀流、燕返」
両手で持ち直した矢矧で突き気味に振り下ろしてから逆袈裟をしようとするがそれも
持ち手に近いところを払って距離をとられる。
「白露」
上から圧迫するような突き!
突き技を躱す技…
「そこは村雨で横から払え!」
もっと進化しなきゃ。
「うるさい!陽炎」
わざと姿勢を崩して相手の脇から回り込むように後ろに回る。
膝をつくぐらいまで姿勢を低く、バレエのように
「そうだ、その刀の声を聴け」
「刀を見たければ刀の目が―――」
そんなことをつぶやくまもなく次が来る。
今回は純粋な打合い。
しかし力が弱いこちらのほうが不利。
「もっと高みへ行け」
「夏風!」
真正面に振り上げて力いっぱい振り下ろす。
「五月雨」
それを高速連撃で抑えられる。
でもそこだよ
「十六夜」
シンプルな袈裟斬
でも、相手は守れない。
速すぎるから
「!?それもそういえば夕凪剣術だねっ!」
柄の部分で競り合いになる。
両手で競り合っているはずがいつのまにか相手は片手だけになっていた。
相手は鞘を取り出して僕のお腹に当ててそして後ろに下がった瞬間に鞘を蹴った。
「なんでっ!!足癖が悪いんだよ、くそ!」
次で決める。
「記憶をたどれ、秘剣はまだかもしれないが奥義ならできるはずだ」
また海に落ちる感覚になる。
まだ、まだ落ちない。
「海さえも、踏み越えれるなら」
「やってみろ、綿月の血を見せてみろ!!」
矢矧を握る力が自然と強くなる。
抜刀術の構え
「固めてやろう、黒霙」
大きく踏み出した一歩を力に、そして矢矧を抜いてあとは相手の首をはねるだけ。
「霞」
相手だって技を使う。
霞、それはカウンター系の技、だったはず。
でも僕たちはアレンジ…いや我流に引き込んでいる。
それが本家の人だとしても
相手は逆から腕を切り落とすつもりだと達する直前で気づいた。
でも、遅い!
そのまま矢矧は相手の首をかすめた。
そして僕たちは交差する。
「まだ奥義じゃないでしょ、ししょーのししょー」
「いや、うん…まぁそうといえばそう。でもいつかできるさ」
後ろから気づかぬ間に近づかれて頭を撫でられる。
わしゃわしゃとなでる伊歩姐と違いしっかりゆっくりとなでてくれる。
少し静かだがそれでも優しさは感じる。
「さぁ!起きな。そして姉ときみの愛する人の…とにかくその2人でも守りに行けよ」
頭をなでられたまま僕は今度は空へと上がっていく。
「状況を教えてくれ」
今は2人とも何もしていない。
休憩中のようだった。
「やっと起きましたか。斯衛が来てくれてさっきの部隊たちは補給のために下がりました」
「我々は?」
「京都駅近くの補給所で補給中です。最初は私たちで次はいさな君です」
セシルがすらすらと答えてくれる。
「バッテリーは生きてるけど推進剤はほぼないね。これでよく持ったもんだ」
「最後はオートパイロットでしたから節約気味に飛んだのでしょう」
天津風が自動で判断してくれたか。
すごい助かったな。
「京都駅までどれくらい?」
天津風が地図をスクリーンに開く。
いさなはそれをシートに設置されているパネルに呼びパネルを立ち上げた。
椅子の下から展開式のタッチパネルが出てくる。
そして左右からキーボードが出てくる。
それをいさなは押しのけてしまってから固定を解除しタッチパネルに手を伸ばす。
現在位置を確認して天津風に指令を飛ばす。
「天津風、僕を投げて。ここに」
タッチパネルに目的地を表示させる。
そして天津風に操縦剣を渡す。
手がコックピッド前に迎えに来ているのを見てから脇からバッグと矢矧を取り出す。
そして矢矧を腰につける。
手に飛び移りそして思い出したように話しておく。
「2人は周辺警戒、戻って来るまでで待機。天津風は拡張ユニット装備」
「なにをするき?いさな」
「ちょっとお姉さんを助けてくる」
その2人は見えた。
天津風のメッセージが部隊用の無線に入ったからだ。
そこには
Trust me___
そしてすぐ後にもう1つ出てきた。
Good luck ___
手に乗ったいさなは投げ飛ばされた。
それをカメラから追う2人は幸運を祈りだけだった。
「着地なんてね!!こうすればいい!」
空中で抜刀の構えをする。
「時雨、行くよ」
髪飾りを少しだけ触れてその技を出す。
「紫電」
着地と同時に抜刀して少し地面を滑りながら上に振り上げる。
そして最後は地面にたたきつける。
靴を特注しただけあったぜ!!
少し痛い程度だ。
何も問題はない。
着地した場所は京都駅、入り口。
そこから慎重に中に入っていく。
記憶をたどるなら、あのホームだな。
最後なんだ。最後なら最後の始まりの地でも見に行こうじゃないか。
USPを構えながらそう思う。
だれもいない京都駅は僕の足音だけが響く。
途中までは
不気味に感じていた自分の音の足音は官能的な音によってかき消され始めた。
戦術機の跳躍ユニットのアイドリング音。
誰かが不時着したのか?
とりあえず向かうことにした。
しかし走りはしない。
ゆっくりと歩く。
他の音…BETAとかの音を聞き逃さないように
僕は階段を上がっていく、ホームに出た。
ここは、唯依姉と別れた場所。
何年ぶりなのだろうか、ここに来たのは。
最近使ったかと思ったがそれでも寂しい思いがした。
そしてもう一回階段を下りる。
大体どこに戦術機がいるのかがわかった。
なので急いで下りそちらへ早足で行くことにした。
ただ途中から走るようになった。
さっきよりも大きな足音が響く。
だがそれよりも大きな音が聞こえたから走り始めた。
階段をもう一回駆け上がる。
USPのセーフティは外し臨戦態勢になる。
腕時計を確認しながらセシルと伊歩姐の補給がいつになったら終わるかと考える。
だが間に合わないことが分かった。
階段の先には瑞鳳と
戦車級がいた。
そして山城さんがいた。
ステータスを確認するが到底動けるような状態ではない。
ただ生きている。
「どうすればいいんだよ、これ」
流石に思考が止まった。
今まで突っ走るだけだったから。
なにをすればいいかわからない。
そして僕を見て止まるBETA達
この空間は時が止まっているように見えた。
BETA達のすべてがこちらを向き何も動かない。
彼らも混乱しているのだろうか、人間の真似をするな
深呼吸をする。
幾分落ち着いた。
「山城さんだよね?どうすればいいと思う?」
「私を!殺してくれ!BETAに食べられる前に!!」
声を荒げて言ってきた。
でもそんなことしたら傷が深まるかもしれない。
やっぱり聞くべきじゃないし、助けるべきだ。
止まっているBETAどもを尻目に戦術機に近寄っていく。
バッグからあるものを取り出す。
そして戦術機を上っていく。
それでもBETA達は手を出してこない。
なんなんだ?
罠か!?
山城さんに近づき持っていたものを突き刺す。
そして
「静かにしててください。安静にね」
そう会話していると後ろから声が聞こえる。
「いさな!!なにをしているの!!」
そこにいたのは唯依姉だった。
黄色い強化装備を纏った唯依姉。
するとBETAどもがまっすぐ唯依姉に向かい始めた。
時がまた動き出したかのように。
やめてくれ、ころさないでくれ
唯依姉を
髪飾りをふいに触ってしまう。
「貫通術式」
USPを戦車級に1発撃つ。
それだけで風穴があいた。
そしてほかのにも撃つ。
僕は唯依姉の方に進みながらそこら中にいるBETAに発砲した。
そしてついに唯依姉の元にたどり着いた。
USPをリロードする。
その間に詰めてきたBETAを切り裂く。
瞬時に左手に出した黒桜で
USPをしまってリボルバーを出す。
ジャッジメントとパニッシュメントだ。
合わせて12発。
狙いを定めて引き金を引く。
狙いが大きいから当たる。
反動なんて知らない。
二挺持ちでも反動なんて抑えればいい。
リボルバーが弾切れした。
バッグに即座にしまいまたUSPを出す。
余裕があるうちにUSPは保っておきたい。
ヴェレスクは連射力がありすぎて向かない。
ミョルニルでも持ってくればよかったと一瞬思ったが持ち運べないことに気づく。
「唯依姉は下がってて」
唯依姉もどこかけがしているかもしれない。
でも命があればどうにかなる。
最悪、僕がどうにかする。
でも…今は無理みたい。
だんだん、足元がおぼつかなくなってきた。
ふらふらする。
矢矧を抜刀する。
でも矢矧を構えることさえできない。
地面に突き刺して杖のようにしながら撃っててもどんどん力が入らなくなる。
なんか、すっごいふらふらする。
だめだ、立っていられない。
尻もちをつく感じに倒れこんでしまう。
そしてその先には座り込んでいる唯依姉がいる。
「唯依姉、まだ…守らなきゃ」
「いさな…私だって」
唯依姉は床に突き刺さる矢矧を抜こうとするが抜けない。
「なんでっ!!なんで守らせてくれないのよ!家族を失いたくはないの!!」
その言葉を聞いたかのように矢矧は答えてくれる。
「時雨さんっ!?これもあなたがきっと…やりますよ!」
BETAに向かって突進する唯依姉を僕は止めたかった。
でも、声さえ出なかった。
願ったのか唯依姉は止まった。
空を見ている。
なにかいるのだろうか。
そう思い上を見る。
戦術機の跳躍ユニットの音がする。
気づかなかったけど。
そして思えばさっきより楽になった。
いつの間にか注射してくれたのだろう。
さっきよりくっきり見える。
睨み目、カーボンエッジ装甲、青い機体
そして本来、一般衛士は見ることのないもの。
美しすぎるその青い剣は
「武御雷、助かったよ」
自分のデータが役に立った機体、そして青い機体ということは…
「乗っているのは恭子様だ。ははは、本当に誰が差し向けたのやら」
武御雷なんてものを前線に、しかもテスト中
実戦テストにしてはでかすぎる初戦だね。
そして武御雷がきたということは多分、潮時だ。
もうそろそろ京都から撤退かな。
だって武御雷をつぶすわけにはいかないから。
このタイミングならね。
武御雷は僕たちがいることを気にしてか長刀をもちBETAを切り裂いていった。
もはや蹂躙。
すぐに片付いた。
そして足音がたくさん聞こえてくる。
救出部隊か。
「恭子様!ちょっと乗せてってくれない?」
僕の声が聞こえたのか手を伸ばしてきてくれた。
僕はそれに乗った。
「唯依姉、またあとで会おうね」
武御雷が僕を連れ去った。
そして天津風の元に届けてくれた。
「ここに帝国の新鋭機集まる!」
僕は大声で言った。
武御雷は他に2機いた。
黄色と白。
こちらは天津風に不知火改2機。
全員完全武装だった。
「僕は天津風に乗るから」
そういうと天津風に手渡してくれた。
そしてハッチを開けてコックピッドへと入る。
「ただいま、相棒」
kkkkkこんにちは、パイロット
とりあえずリンクしましょう!?