あんまり成長というか変化は感じてないのが本音
ただほんのちょっとだけだからね
「ユウヤ、どうだった?そうでしょそうでしょ!手になじむ感覚があったでしょ!うんうん!!」
「早口イサナは嫌いだよ。何が言いたいんだよ」
僕はある刀を取り出した。
「この子は依姫、日本刀だよ。受け取るといいよ。貸すだけだけど」
それを受け取りながら目を白黒させていたユウヤを見て捕捉する。
「ヴィンセントか唯依姉から聞いたかわからないけど日本の戦術機は人馬一体という言葉が合う」
「それでなぜカタナを?」
確かに遠回りかもしれない。
ユウヤの持つ疑問はもっともだ。
「でも僕はこうも感じる人刃一体とも。長刀が、日本刀が身に着けばさらにわかると思うよ」
日本の戦術機の姿勢制御はちょっと複雑だ。
重心移動とかも結構かかわってくる。
だからこそうってつけなのだ。
「あとは唯依姉に聞きな。ひとにおしえるの苦手デース」
そういって僕は手を振りながら去っていった。
ポケっとしている顔はあとでライブラリから見せてもらおう。
さて、天津風だ。
別に天津風にとってはこんな戦闘は朝飯前でも何でもない。
でもいつものルーチンだ。
僕は天津風に乗り込み診断結果をモニターに表示していた。
跳躍ユニットや各部部品の損耗率は意外にも低かった。
無理な機動をしなかったからだろう。
しかしせつなさんには少し怒られてしまった。
やりすぎだって少し怒っていた。
あとでアルゴスの3人にはお詫びと埋め合わせを約束した。
そんな日も過ぎ?今度は水着を買いに行っている。
ユーコンに水着屋さんがあるなんて驚きだが訓練用だったりただただ休息用のプールがあったり
するのでそのためだそうで。
「おい、これ女用じゃないか!せつなさん!!」
「いいのいさな君はこれが似合う」
変なグルグル目をしながらこっちに近寄ってくるせつなさんを尻目に唯依姉は水着を選んでいた。
「唯依姉!!助けて!こんなスカートが長くてふりふりした水着なんて着れないよっ!!」
そうやって声を上げるとやっとこっちに向かってきた。
そして僕を見ると一言囁いた。
「でも私は似合うと思うぞ。きっとその宝石も思っているはずだ。ほら着てきなよ」
「他人事だってぇ!?ならこれ着たら唯依姉も僕が選んだやつ着てよ!」
なんでこんなことになったかといえば後方のためになんか海に行くらしい。
あんまり政治のこともワカリマセーン
そんなことよりもどうするべきか
試着室に放り込まれた水着たち。
「一番ましな奴にしたいけど、あのさ」
大体がビキニとかなんだけど。
こちとら男の子ヨ。
せめて下はスカートがいい。
あとはズボン。
普通のがいいです。
ノーマルなものを
ふむん…
このあと僕はまぁまぁ2人に遊ばれました。
ある島にやってきた
名前は忘れたというか覚えようとしなかった。
聞けばもともとがリゾート地でBETAが来てから客が遠のき国連軍が基地にした。
ホテルなどの施設も休息地として利用している。
というなんとも悲しいようなでものびのびしている場所だった。
天津風は今は木更津に送り返しアップグレード中
変りも何もなかった。
うちの部隊は全部木更津に送り返していた。
なにかあっても逃げられない。
なにかあったら強奪するけどね。
ここでは広報用の写真とかをとるみたいだ。
そりゃ後方も大切だしあとは若い人が-とかでタリサとかも注目されるだろう。
しかしながら僕はなるべく映りたくない。
さながら亡霊とかとしてさらっと逃げておこう。
いつも休んでいるけどちゃんとした場所で休むのは久しぶりだ。
計画の人も休みたい人は来ている。
何せ技術屋だから大体の人はまだ天津風とかあとは不知火弐型とかの手伝いとかしてるでしょ。
だからほとんどの人が来ていない。
来ている人は来ている人でせっかくということでほかの国の戦術機をしれっと見にいっている。
さすがうちの計画の人たち
海を見ると思うところがある。
横浜の時、海のほうへ逃げそして…思い出すだけでどうかなりそうだね
まぁ父上を間一髪で救えたのが唯一の救いだね
「海に水着で入るの初めて」
「水着以外で入ったのか?」
隣にいるユウヤにつぶやきを聞かれていた。
今はとりあえず泊まる部屋まで荷物を運んでいる。
「ん、いやね強化装備ならあるんよね」
「なるほどな、訓練あるもんな」
衛士になる試験の時とかその前とかに結構やるらしい。
でもな違うんだよユウヤと思いつつもそういうことにしとこうとする。
「まね、溺れはしないよ。泳げるもん」
「あとで勝負するか??」
「体格差があるよーってことでVGとやってくれ」
VGに振っておこ。
いきなり名前を呼ばれこっちに振り向いてくる。
「いやおれはな?」
「VG?勝ったら唯依姉になんか水着をお願いしよう」
「まじ!?やるわ」
すると隣を歩いていたユウヤが少しだけむすっとしながら
「あいつの恥ずかしい姿ならみんなにみせびらかしてやりてぇな」
こいつ絶対にわざと負ける気だな。
仕方ないここはもう1人。
「なぁヴィンセント!ユウヤが勝ったらせつなさんだ。せつなさんにお願いする!!」
こんどは食いつくようにヴィンセントがこちらを見てくる。
そんなに見たいんかせつなさんの水着
さすがイタリアンといったところだね
「ユウヤ、負けたらただじゃおかねえ。何なら俺もやってやるよ俺が勝ったらにしてくれ」
ヴィンセントもなかなか本気ですなー
でもそしたらユウヤがやらない理由になるし
「ユウヤが負けたら僕のビキニってことで」
ユウヤ、そんなきょとんとした顔をしないで。
ユウヤが僕をすっごく不思議というか意味が分からない以上者としてみてきている。
「部屋で着替えたら集合ね1」
そういって部屋まで運んだ。
みんなすっごい意気込んでる。
水泳対決をやった結果がユウヤの勝ちだった。
もう泣きついたよありがとーーってね。
あと2人はすっごい落ち込んでいた。
いやヴィンセントは少し、いや結構喜んでいた。
なんで!?
そんなところに唯依姉が来た。
なんかのびのびしていて安心した僕を見つけて近寄ってくる。
「唯依姉!泳ぐ?」
「いさなが泳ぐならな」
そういいながら背伸びをする唯依姉。
「こんなに仕事しなくていいの?」
「まぁ我々からしたら先の者達を考えるが無理をしてでも休まないと。命令だ」
「了解ですよー」
そういってラッシュガードを着た僕はみんなが入っている海に入った。
みんなで海でワイワイしているのは楽しい。
こんな時間が長く続けばいいのにと思う
「あれ?そういえばヴィンセントは戦術機の整備とかしなきゃじゃない?」
「休憩中だよ少年。働く者には適度な休憩が必須さ」
そうかよヴィンセント
なら僕はずっと休むぞ。
そんな気持ちを海で発散する。
気持ちがいい。
そんな時間も終わり一旦普通の服といってもここは熱帯。
軍服ではなくトロピカルアーマーとかいうやつだ。
薄着だから楽だねみんな。
僕もTシャツに薄めの長ズボン。
そしてバッグとカタナでいつもより楽だよ。
さて何をしよう。
何分こんな自由なことは初めてだ。
せつなさんはなんかどっかにいってるし唯依姉はきっと忙しいのだろう。
だれにも縛られないのはわかるけどここまで暇なのは初めてだ。
とりあえずアルゴスのみんなに会うか。
ユウヤんとこ
ユウヤのところに向かう僕はなんか橋みたいな迷路を地図を思い出しながら歩いていた。
すると女子3人組にあった。
確か彼女らアルゴスのCPだったっけ。
「やぁ、ユウヤ見なかった?」
「さっきなんか慌ててどこかに行かれましたよ」
ちょっと肌黒の人が答えてくれた。
「サンキュ!」
そういって茶髪の子が今度は指差ししてくれたのでそちらには早歩きを始める。
割とすぐに追いついたがステラと話していた。
「ユウヤ!何の話してるの?」
「ん?イサナには早い話だ。俺は言ったからな。ステラも気を付けろよ」
ステラはその何かを教えてもらったのだろう。
「ありがとう」
なんかステラを見ていると母上を思い出す。
いや母上よりママしてるぞこの人。
危ない人だ。
「ユウヤ、今更だけどさ。ごめんね?」
「なんのことだ?」
ユウヤは歩きながら首をかしげてくる。
そんなふうに反応されると拍子抜けしちゃうんだけど。
「前の唯依姉との長刀の勝負、言い訳するとあれでなんかつかんでくれるって思ったからで」
「あの事ならいいんだ。俺も何かをつかめた気がする」
「お詫びとしてさこれをあげるよ」
わざわざ部品とかのなかにいれて日本から持ってきたんだ。
きっとユウヤにも使ってもらえる。
そう。
木刀を持ってきた。
さすがに目立っていたから気づいていたはずだけどまさか自分へのプレゼントとは思うまい。
木刀を手渡しするとユウヤが驚いた顔をしながら聞いてきた。
「いいのか!?こんなものもらって」
「大事にしなよ?いい奴にしといたから。唯依姉にでも稽古をつけてもらうといいよ」
唯依姉と最近ぎくしゃくしてるの弟の僕はわかってるからな。
これで仲直りしてもらえると嬉しい。
「ありがとうな。いさな」
「もっと笑えよユウヤ。かっこいいぞ?」
そういうと頭をなでながら苦笑するユウヤを僕は見上げてそして付け足す。
「とりあえず不知火を乗り回すんだね。しばらくうちの疾風計画も一緒に試験を受けるよ
本国から認可というかそうしてくれって言われてるしね。あとは不知火改なんて試験機だからそれとの比較もできるし。早く慣れてね?」
そういって僕は腰に回していた矢矧を握りしめ少しだけ抜く。
「いつか真剣も渡したいし、唯依姉ならきっと教えてくれる。とりあえずここにいる間はー」
「今日からかよ。素振りでもすんのか?」
ユウヤは木刀を振り回しながら聞いてくる。
「遊ぶんだよ。別に素振りしてもいいけど変なフォームしてたらせつなさんにも唯依姉にも殴られるから気を付けるように。そうだね。唯依姉がまだって感じならうちのせつなさんとか山城さんとかに聞いても構わないから。僕に聞いても意味はないよ?」
心地いいこの感じ。波の音。木の板を踏む音。
落ち着く。ユウヤにおんぶしてもらって寝たい。
でも我慢はしておこう。
ユウヤはなぜか僕に安心感を与えてくれる。
父上みたいだ。
こうやって相手の人を見上げる。
この景色は誰にも渡したくなかったな。
「ユウヤ、絶対に不知火を作り上げて。それはみんなの願い。僕がもともといた帝国技研だって
疾風だって父上だって巌谷さんだって願ってる。横浜みたいなことを起こしたくない
奪い返したいっていう思いはつながってるから」
そういえばヴィンセントだけだったか。横浜の戦闘ログの記録見たのは。
ユウヤにも今度見せよう。
そうやって僕は未来に思いをはせながらこのじめじめとした基地を歩いて行った。
なんかこの雰囲気京都の山百合の衛士学校を思い出す
でも一つあの時と違うのはみんな軍人、プロとしてのスイッチは存在するところかな
その日の夜はバーベキューだった。
そこでみた唯依姉の戸惑った感じ
僕は少し唯依姉の気持ちがわかった。
というか僕も感じた
仲間が戦ったそして散った
今もどこかで戦っている。
そんななかでこんな茶番みたいなことをできるのかって
そして僕も多分あのころ少しそういう風に見られていたのかもって
だから今日との出撃前に学校の時と違った対応を…
考えても仕方ない。
とりあえずは楽しんでおこう。
いつかこういう嫌な気持ちを発散できて思い知らせることができるはずだ。
あそこで笑っている他国のテストパイロットに地獄を見せれる口実ぐらいにはなるさ。
僕はそんな冷たい目でみていたが近づいてきた人によってその輪に入ることになった。
僕を輪に連れ込んでくれたのはせつなさんだった
「なにするの!!」
「そんなかっこつけてないで楽しみましょう。ほら、最年少さんはもっと子供ぶっててください」
せつなさんだって苦手なはず。
それは決めつけじゃなくて今までの性格から。
自分からなら行くけどもう人がいてはいる間もないなら入らない主義だからね。
そう会話しているとステラからお肉の入ったお皿をもらう。
唯依姉の姿はない。
山城さんがその代わりになぜかいる。
日本の整備兵とかと一緒に話している。
「ありがとうね、ステラ。おいしそうだね」
そんな僕を尻目にちょっと味気なさそうに食べるユウヤ。
「そっかアメリカって食料自給率高いもんね」
ユウヤを向きながら寂しそうという哀れみの視線を送るステラが隣にいる僕はフォロー気味に言っておく。
「料理はね。ひと手間を加えるだけでおいしくなるのよ。人のぬくもりも感じられないなんて寂しいわね」
とステラがやれやれという顔で言い放つ。
新たな一面が見れるという意味ではこういう親睦会も捨てたもんじゃないなと考えていると今度は離れたところで口喧嘩を始めた人たちがいるようだった。
目線をそちらに向けるとタリサがいた。
VGが嘆くように文句を垂れ流し始めたので僕はそっちのほうへ向かう。
お相手さんはソ連の衛士みたい。
声は小っちゃくて何言ってるかわからない。
とりあえず近づいていくとタリサの顔が真っ赤ってことだけがわかった。
それにしてもソ連の衛士もちっちゃいな。背丈。
「おっす、タリサ落ち着いて」
「イサナ!!だってこいつが!!」
どうやら悪いのは相手みたい。
「こんばんは、名前は?」
僕は小さいソ連の女の子に名前を聞いてみる。
「イーニァ」
「そっかイーニァっていうんだ。僕は――」
「イサナでしょ?」
サンダークが教えたのかな?
やっぱソ連の情報網って怖いね!
「そうそう。ナギクモイサナ」
「嘘ついてる…」
初対面の人にこうも言われるのは腹が立っちゃったけど事実なので無視!!
「どうかしたの?ごめんね、タリサはちょっと気が強い子で」
「それは違う。あんなに大きな声を出すのは弱いからで」
「ダメダメダメ!!それ以上はだめ!」
そう話していたらこちら側のメンツがそろってしまった。
おっと。相手もお迎えだ。
「ありゃま、背ぇ高いからサンダークかと思ったけど全然お姉さんだ」
「おい!これはどういうことだ!!」
喧嘩腰で来るお姉さん。
やっぱり大きい。
見上げるしかない。
「とりあえず名前は?」
「そんな簡単に教えるか!!これは何かの罠か??」
「違う!!そんなことない!僕は仲良くしたいだけ!みんなとね」
後を少し見るとステラが嫌な顔をしているしタリサは殴りかかりそう。
VGはわからないけどユウヤはなぜか腑に落ちた顔をしている。
「そうそう!!サンダークにさ。あとでお茶でもって言っといてー」
面倒ごとは嫌いだ。
あとはユウヤに任せよ。
ほんと我ながらひどいけど。
「少佐、これは?」
逃げる前にドゥール中尉が来ていた。
「知らない。とりあえずタリサを頼みました。イーニァと?お姉さんもここは引いてね」
するとドゥール中尉はこちら側のアルゴスのみんなをみて怒鳴った。
「貴様ら!!命令違反はしてないよな?」