昔々、ある所に一人の少女がいた。頭の良かった彼女は両親と共に異国の地に渡り、その仕事の手伝いをしていた…しかし、その日々は唐突に終焉を迎えた。
ある日の休日、彼女達は強盗達に襲われた。父親は無惨に殺され、彼女と母親はその身を
彼女は全てを奪った強盗と何も出来なかった自分への怒りと憎しみ、怨みを糧に意思を保ち続けて強盗へ復習するチャンスを伺い続けた。そしてチャンスが来るや直ぐに決行し、強盗達への復讐を始めた。酒で酔って寝ていた隙を突いて手首を縛っていたロープをナイフで切ると生きたまま目玉を潰し、手足と生殖器を切り落とし、ある者は水攻めにし、ある者は火炙りで殺した。
どす黒い感情に支配された彼女は暫く死体蹴りを続け、暫くして冷静さを取り戻した時に自分がやった事に気付いた。幾ら両親の仇だったとはいえ自分は相手を殺す事、その死体を愚弄する事に対し少なからず快感を感じていた。自分のでは仇の血で染まってしまっていた。
しかし、彼女も無事では済まなかった…彼女は強盗の抵抗によってナイフで腹部を刺されており、ここまで生きていられたのも強い復讐心があったからだ。報復が終わった今、もう自身も長くはない…そしてあの世という物があれば自分は地獄行きだろうと察したのだった。
しかし、そうにはならなかった…意識を取り戻した彼女は人ならざる存在となっていた。漆黒のボディに包まれた
彼女はやがて嘗ての幼馴染み達と再会を果たし、成り行きで幼馴染み達が通う高校を廃校の危機から救う手伝いをする事になった。彼女とて最初は断った。"仕事"の事もあるがそれ以上に純潔を失い血塗られた手を持つ自分は眩し過ぎる幼馴染み達と一緒にいる資格などないと考えて…だから彼女は廃校を阻止し、その時に発生した幼馴染み達のトラブルを解決した後、彼女達から離れる事を選んだ。そんな彼女を幼馴染み達…いや友人達は追い掛け、彼女の過去を受け入れる事を選んだ。あの日から止まっていた彼女の時は漸く動き出したのだ。
その後も彼女は仕事をしつつ友人達の手伝いを続ける事になった。やがて友人達は大いなる偉業を成し遂げる事となり、その世界で伝説の存在となった。
そんな彼女達が住まう世界に"厄災"の下僕が現れた。
彼女の仕事は"厄災"の下僕を始末する事…その親玉が現れたのだ。
彼女は友人達の住まう世界を守るために戦いに挑んだ。下僕を同僚に任せて自身は
だが、彼女にある問題に直面する事になる…それは寿命だ。
人ならざる存在となった彼女は寿命がなく老いる事はない。しかし、友人達はあくまでも人間であるため必ず老いる。彼女は老いていく友人達を見守り続け、その最期を看取った。
更に追い討ちをかけるかの様により巨大な"厄災"の襲来と自然環境の激変で彼女の故郷は崩壊の危機に瀕する事となる。彼女は一人でも多く救う為に戦い続け、遂には根本的な現況たる"厄災"の親玉との戦いに挑んだものの、その末に発生した
意識を取り戻した時、彼女は故郷とは異なる惑星にいた。宇宙船を手に入れ、宇宙をさすらう彼女はある惑星で一人の少女と出会った。自身と同じく故郷を失った
第56太陽系の地球。碧羽の故郷たるこの惑星の支配者は人間ではない。
しかし人類による環境破壊の結果、彼らは再び地上世界に現れるようになった。
怪獣の存在にいち早く気付いていたイフリティア財団は事前の備えをしており、
その数年後に
だが、
残された人類は怪獣の脅威に怯え、
ゴジラからの粛正に加えホロウアースから
そんな事は露知らず碧羽は怜と共に故郷への帰路についていた。
「碧羽はどうするんだ?」
「そうですね…まずは自宅に帰ってゆっくりしたいですね」
「ご両親に会いに行くのはどうする?」
「…それはまだ考え中ですね…両親との仲は良くもなければ悪くもなくでしたので」
「そうか…私は君の意思を尊重しよう」
「ありがとうございます。あっ、そろそろ見えて来るみたいですね」
2人を乗せた宇宙船は第56太陽系の地球を目視出来る位置まで近付いており、2人は窓を覗くのだが…
「えっ、待って…日本がない…?日本は何処…?」
碧羽の出身国である日本列島が消滅していたのだ。2人はその理由を知らないが、この100年に渡る怪獣災害や地殻変動によって地震大国だった日本はとある小説・映画の様に沈没してしまったのである。
「ひとまず着陸出来そうな場所を探そう」
怜の言葉に取り乱していた碧羽はひとまず冷静さを取り戻して頷く。
2人を乗せた宇宙船が着陸地点を探す中、その様子を見張る存在がいた。レーダーに引っ掛からないステルス戦闘機の姿をしたそのトランスフォーマーはある人物に向けてメッセージを送る。
『宇宙船はイフリティア財団保有の物、艦船の形状、機体側面の識別番号から艦名は"アルゴ"と断定』
第56太陽系の地球の某所にあるコリンズという都市は様々な怪獣災害から逃れてきた人々が建造した要塞都市であり、同時に人類最後の都市である。当然ながら人間は絶滅したため住んでおらず廃墟となっている筈なのだが…
『了解、引き続きを監視を続行するように』
現在、この地には数名のアデプトテレイターとトランスフォーマー達が暮らしていた。暮らしていたというよりはビットストップといった所だろう。宇宙にいたトランスフォーマーからメッセージを受け取り返信したのは見た目は10代後半か20代前半位に見えるアデプトテレイターの女性である。彼女の名は頼尽
灯火はあるゾイックアデプトテレイターの膝枕になりつつその睡眠中の少女の頭を撫でている。彼女は灯火がこの世界で最初に出会ったゾイックアデプトテレイターなのだ。
睡眠中だった彼女だが、何か気配を感じたのか目を覚ます。
「…
状況把握した彼女は起き上がる。変身コードを口にしようとした時、一瞬だけ彼女の頭上に歪な形ではあるが天使の輪の様な物が浮かび上がり
「ゾイドオン…ジェノブレイカー」
変身コードを言い終えると彼女は金属の外殻に包まれ、外殻は巨大化するとジェノブレイカーへと姿を変え、気配を感じた方角へ飛んで行った。
その様子を見送った灯火もトランステクターを召喚し、ジェノブレイカーを追い掛けていったのだった。
一方、碧羽と怜を乗せた宇宙船は地表から高度400メートル程まで入った所だったのだが…
「ゴジラがワイバーンみたいな怪獣と乱闘してる…」
アオバが言うように宇宙船の窓の向こう側ではゴジラとジーオスの群れが交戦中だった。120メートル近くあるゴジラに対しジーオス達…第46太陽系の地球ではジェネラル級という区分の個体は15メートル程とゴジラの10分の1程度の大きさではあるがその分を数で補っている。それにゴジラと戦っているのはジェネラル級だけでない。全高11メートル全長53.5メートルの
しかしこの地球の生態系の頂点に君臨するゴジラの敵ではなく、ジェネラル級達はゴジラに握り潰され、ジーオスタンク達はゴジラが投げてきたジェネラル級の残骸の直撃で怯んだ一瞬の隙に踏み潰されてしまう。
この地球の守護神であるゴジラに対してジーオス達は無力に近いのだ。
宇宙船はステルス機能を発動しており、目視で見つけるのは難しい。
しかしジェネラル級は何か気配を感じたのか一部の個体が標的をゴジラから宇宙船に変更、更に隠れていたのか何処からか他の個体も次々と宇宙船を追っている。
「どうやら見つかったようだ」
怜は宇宙船に搭載されている機銃を発砲しつつジーオス達から距離を取っているが、まるでゴキブリの様なしぶとさと数を誇るジーオス達は撃墜しても次から次へと現れ、コアが無事だった個体は再生した後に再び追撃を開始、当然ジーオス達もただ追い掛けるだけでなく口からエネルギー弾を放って応戦してくる。
下手な鉄砲も数撃ちゃ当たると言わんばかりに大量のジーオス達による砲撃はステルス機能を使って目視出来ない状態にはなっている宇宙船であっても被弾は免れず、遂にはステルス機能を維持できなくなってしまった。
機銃からの砲撃を逃れたジェネラル級ジーオス達は宇宙船に取り付いて機銃を破壊、更に地上からはジーオスタンクによる対空砲撃が待ち構えており、対空砲撃は船体どころかメインスラスターの一つにも被弾してしまう。
「このままだと墜落ですよぉ!」
と慌てふためく碧羽。
「不時着と同時に外に出て応戦するぞ!」
操縦桿を握る怜は宇宙船を不時着させ、2人は宇宙船を出ると宇宙船を宝物庫の中に収納させ
「アデプタイズ!オプティマスプライム、トランスフォーム!」
「ゾイドオン!ゴッドカイザーBR!」
それぞれ変身し、ジーオスとの戦闘を開始した。
ゴッドカイザーBRはその身軽さを思う存分発揮するかの様に素早く接近してはストライクレーザークローやサンダーソードによる斬撃と各種火器による砲撃で次々とジーオス達を討ち取っていくが、コアを破壊しなかったからかジーオスは討ち取られても再生してしまう。人間と同じ位か僅かに大きい位のソルジャー級などの例外を除きジーオスは基本的にコアを破壊しない限り再生して活動を再開するのである。
ジーオスの砲撃をパワーライズキャノンをよる銃撃で相殺しつつ再生する様を見ていたオプティマスはジーオスの特性…コアを破壊しない限り再生する事を見抜いたらしく、交戦していた個体の内の1体のコアが攻撃によって露出すると再生するよりも早くコンバットソードで切り裂いて破壊、その個体は再生する事なく各所の発光体も輝きを失ってその場に崩れ落ちた。
「やはりか…コアを狙うんだ!」
「は、はい!」
オプティマスの言葉にゴッドカイザーBRは近くにいたジェネラル級ジーオスに飛び付くと胸部装甲をストライクレーザークローを破壊、コアを見つけるとAZハンドガンの連射で破壊する。コアを破壊されて再起不能となったのをその目で確認したゴッドカイザーBRは他の個体も同じ様にコアまでしっかり破壊する。
「対処法が分かってもこれじゃキリがないですよぉ!」
「確かにそうだな…!此処は一旦―」
オプティマスが逃げるかと続けようとしたその時、木々をなぎ払いながらジェネラル級ジーオスに噛み付いていたジェノブレイカーが飛び出して来た。
ジェノブレイカーはオプティマスとゴッドカイザーBRの事など気にしていないのか目もくれずジーオス達に襲い掛かる。
まず噛み付いていた個体を投げ飛ばすとウェポンバインダーからの発砲で蜂の巣状態にし、ある個体はフリーラウンドシールドに装備したエクスブレイカーで挟むとコアもろとも真っ二つに切り裂き、またある個体に対しては閉じて剣の様な形状となったエクスブレイカーをコアを狙って突き刺す。
暴れ馬の様に達振る舞うジェノブレイカーを脅威と見なしたジーオス達は空からジェノブレイカーに向けて一斉にエネルギー弾による砲撃の雨を浴びせるが、ジェノブレイカーは背中に歪な形の天使の輪の様な物を浮かばせた後、フリーラウンドシールドに内蔵されたEシールドで防ぎつつ尻尾の先端から順番に放熱板を展開させていく。
荷電粒子コンバーターを輝かせつつ尻尾と首を一直線に伸ばして口を開き、滞空したまま咥内にある荷電粒子砲をジーオス達をなぎ払うかの様に機体をゆっくり旋回させつつ発射し、命中したジーオス達は次々と蒸発していった。
同時刻には海上にいた
標的を失ったジェノブレイカーは紫色に輝いていた目を点滅しながら静止していたのだが、目の色が赤になるとオプティマスとゴッドカイザーBRの方へ向き、威嚇するかの様に咆哮した。
「あの~、これ…ひょっとしてマズイパターンじゃ…」
ゴッドカイザーBRの嫌な予感が的中したかの様にジェノブレイカーはオプティマスとゴッドカイザーBRに向けて脚部のウェポンバインダーを発砲した。
オプティマスとゴッドカイザーBRはそれぞれの砲撃でこれを相殺すると
「チェンジマイズ!コンビネーション・アミガー!」
ゴッドカイザーBRはボディをバラバラに分割させ幾つかのパーツとなって再構築し
「アームズアップ!」
オプティマスの
「「カイゼルアーマーオプティマス!」」
ジェノブレイカーの強さを目の当たりにしたオプティマスとゴッドカイザーBRは合体しなければ相手をするのは厳しいと判断してカイゼルアーマーオプティマスへと合体したのだ。
ジェノブレイカーからの攻撃を回避しつつ攻撃の機会を窺っていたオプティマスだったが、彼らとジェノブレイカーの間に空から一つの影が降り立ち、着地と同時に土や噴煙、岩等が勢いよく舞い上がった。
オプティマスはおろかジェノブレイカーをも凌ぐサイズの黒いボディに青い目を輝かせる乱入者…その正体は頼尽灯里がトランステクターと一体化した姿、スーパーコンボイである。
To be continue…