蘇りし神皇帝竜―ゴッドカイザー―   作:衛置竜人

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後編『リンケージオブゴッドカイザー』

 

 

 

時はギュンター・プロイツェンが自身が今は亡きゼネバス帝国皇帝の遺児である事の告白とネオゼネバス帝国建国を宣言する前に遡る。

 

外では雷雨が降り注ぐ中、プロイツェンが自身の野望を実現する為の準備を進めていた時、落雷が原因なのか彼がいた部屋を筆頭に施設内が停電したのだ。

単なる停電なら直ぐに復旧するかと思われていた時、彼の目の前で信じられない事が起きた。

目の前の空間が歪んで裂け目が出現し、その裂け目の中から金属のか外殻で覆われているかの様なタコの様な形をした人間よりも大きめの宇宙人が姿を現したのだ。

「何者だ?」

プロイツェンは取り乱すことなく警戒しながらその存在に問う。

「我が名はメイクス。この宇宙とは異なる宇宙から来た者だ、ギュンター・プロイツェンよ」

「名前を知っているとは」

「事前にリサーチしたからな。我はお主と取引を行いたい」

「取引だと?」

「我からお主へ進呈したいのは技術だ。複数の金属生命体の遺伝子情報を組み合わせて新たな生物を作り出すキメラ技術。この星では失われた技術なのだろ?」

そこまで知っているのか、とプロイツェンは驚いた。確かにこの惑星Ziでも複数のゾイドの遺伝子情報を組み合わせる技術は存在していた。現にこの技術を元に共和国は馬型ゾイドと竜型ゾイドを組み合わせたオルディオスやライオン型ゾイドとワシ型ゾイドを組み合わせたバトルクーガーを開発・運用していた。

しかしこの技術はグランドカタストロフの最中で失われてしまっており、再現は不可能だ…尤もあの時期の機体群はそれぞれが諸々の理由で再生産出来ないのだが…。プロイツェンにとってもそんな失われた技術が手に入るのは悪い話じゃない。

「確かにそうだ。だが、取引という事は何かを差し出せという事なのだろ?」

「その通り。我が求めるのはこの惑星のゾイドの開発設計図と元となる野生体の遺伝子情報だ。コアを抜き取った後の肉体でも僅かな断片でも構わない」

プロイツェンは思考を巡らせた末に

「良いだろう」

と取引に応じる事にした。彼とてメイクスを信用している訳ではない。突然現れた得体の知れぬ存在など信用出来る訳がない。しかし使えそうな物は使いたい。今のプロイツェンには戦力が必要だ。少しでも多くへリック共和国にもガイロス帝国にも勝る戦力が…

 

 

プロイツェンは秘密裏にブロックスゾイドの試作機を開発中だった東方大陸のZOITECに対しメイクスからもたらされたキメラ技術を組み合わせたキメラブロックスの開発も強要した。

元々ブロックスの技術は合成生物(キメラ)を生み出す一歩手前まで来ていた。そこへメイクスの技術が加わった事でその容易ではない一歩を越えたのだ。

これに魅了されたねのか否かZOITECからネオゼネバス派の者達が独立してZi-ARMSを立ち上げ、ZOITECはへリック共和国へブロックスゾイドの提供を行うようになった。

 

 

一方のメイクスは提供されたダークスパイナー及びライガーゼロの遺伝子情報とそれぞれの設計図とイクスの設計図を元にとある怪獣によって文明が滅ぼされた惑星にいたところを捕獲したアデプトテレイターを使ってダークスパイナーイフリートとライガーゼロイクスグリフィンという2機のゾイックアデプトテレイターを、そしてゾイドが生息するある地球で捕獲したライジングライガーを使用したライジングライガーパンツァーというゾイックアデプトテレイターを完成させた。これらのゾイックアデプトテレイターが生み出されるまでに多くの犠牲があったのは言うまでもない

 

 

そんなメイクスにとってダークスパイナーイフリートをただのゾイドとパイロットが打ち破った事は想定外だった。

いくら不完全な第一世代ゾイックアデプトテレイターとはいえダークスパイナーイフリートの想定上のスペックは個体差でばらつきが出るとされるジャミングウェーブ以外は通常のダークスパイナーを上回っている筈だからだ。それを1体のゾイドと1人のパイロットが単独で撃破した。

同機が撃破後に回収された事はメイクスにとって問題ではない。どうせ解析してもあの惑星の連中の技術力ではゾイックアデプトテレイターを生み出す事はおろか完全に解析する事すら不可能だと考えているからだ。

むしろこの一件でメイクスは良いサンプルが見つかった程度にしか思っていなかった。人騎一体をなし得た人間とゾイドというサンプルを。

第一世代ゾイックアデプトテレイターの性能試験で得たデータや生成ノウハウ、殺害した上で捕獲しゾイックアデプトテレイターへと改造したリラ/ゴッドカイザーリバースの研究データを元にして変身持続可能時間が大幅に改善され、より量産性に優れた第二世代量産型ゾイックアデプトテレイターと第二世代ワンオフ型ゾイックアデプトテレイターが開発され、第一世代のゾイックアデプトテレイターもアップデートを施してたのだった。

 

メイクスにとってリラ/ゴッドカイザーリバースは単なる実験体の1つでしかなく、データを取り尽くした後は敵対勢力を排除する為の使い捨ての捨て駒に過ぎない。時期を見て廃棄処分する予定だ。

しかしリラからしてみればメイクスは両親や仲間を殺した真の黒幕である。そんな奴に好き勝手に身体を弄られた挙げ句に望まぬ戦闘・殺戮を強要され、自由などは一切ない。

ただでさえ両親を目の前で喪ったばかりかその両親の仇もメイクスの被害者であるという事実を知ってしまった事で精神的に大きなダメージを受けていたところへ追い討ちをかけるかの如く何年間にも渡って行われたメイクスの所業によってリラの心は磨り減っていき、完全に壊れる寸前にまで追い込まれたばかりか何時しか自分の名前すら忘れてしまい、今度は自分がダークスパイナーイフリートがした事をする側となってしまっていた。

 

 

 

 

とある惑星のある場所にメイクスは部下を通してリラだった者を解き放った。目的は現地の敵対勢力の拠点を制圧し、そこからその惑星にいるゾイドを捕獲する為の拠点にする為である。

後付けされた首輪の装置を作動させられた彼女は激しい痛みで反射的に悲鳴を上げながら光の繭に包まれる。光の繭を覆うように生えながら形成されていく外殻はゴッドカイザーリバースへと変化を遂げた。

装置から発せられる激しい痛みでコアとなった彼女は本能的に怒って凶暴化し、凶暴化した代わりにコアそのものが活性化した事によってゴッドカイザーリバースの戦闘力・敏捷性・回復力などは向上した…代わりに装置を強制停止するまで制御は不可能ではあるのだが…

ゴッドカイザーリバースは大きく咆哮し、視界に入る動く物全てを攻撃する。尻尾で叩き飛ばし、メタルZiクローで切り裂き、各部の銃火器で撃ち抜いては焼き払っていく。

一方的な蹂躙劇が繰り広げられる中、そこへ向かって1台のセミトレーラートラックが爆走してきた。セミトレーラートラックはゴッドカイザーリバースの攻撃をものともせずに直進するとブレーキをかけてドリフト走行を決行、ドリフトしてきたトレーラーにゴッドカイザーリバースは回避しきれず激突されバランスを崩して転倒するが、すぐさま立ち上がってそのセミトレーラートラックに対し威嚇するかの様に咆哮する。

一方のトラックは形を変えていく。各部が展開しては格納していった末にトラックは頭長高8メートル程の鋼鉄の巨人へと姿を変えた。赤と黒を基調に白と銀の差し色が入ったそのカラーリングはまるでゴッドカイザーリバースとは正反対だ。

ゴッドカイザーリバースは得意な接近戦に持ち込むべく2連装ブーストディスチャージャーと各部のスラスターを噴射させて距離を狭めようとする。

それに対し巨人は避けたり距離を取ったりはせずその場に立って静かに構えており、ゴッドカイザーリバースがメタルZiクローで切り裂くべく右腕を振るうと巨人はその右腕と首を掴んで投げ飛ばした。

ゴッドカイザーリバースは直ぐに体勢を立て直そうとするが、巨人は両肩のアーマーの二連装砲を展開させて小型ミサイルを発射する。

牽制用の武装であるが故にゴッドカイザーリバースへのダメージも微々たるものではあるが、ゴッドカイザーリバースは視界を奪われてしまい、着弾によって生じた煙が収まった後には巨人を見失ってしまった。

一方の巨人は背面のスラスターを噴射させてゴッドカイザーリバースの背後に回っており、手に装備した剣でメタルZiテイルブレードの基部を切断しようとするが、気配を感じたゴッドカイザーリバースは2連装ブーストディスチャージャーと3連ビームキャノン砲のの照準を巨人に向ける。

巨人は発射直前にバックパックのスラスターを噴射させて距離を取ると何処からか出してきたブラスターを構えてすぐさま両肩の二連装砲と共に発砲した。二連装砲からのエネルギー弾が二連装ブーストディスチャージャーからの砲撃を、ショットガンで3連ビームキャノン砲からの砲撃をそれぞれ相殺、巨人はトラックへと変形してゴッドカイザーリバースの正面へと回り込む。

目の前に来た相手に対しゴッドカイザーリバースはメタルZiクローで切り裂こうとするが巨人は光に包まれ人間の姿へと変わり、メタルZiクローを回避してゴッドカイザーリバースの真下へ潜り込むと

「プリテンダー!」

と叫んで再び巨人へと姿を変えて下からゴッドカイザーリバースを殴り倒し、その僅かな隙を突くかの様に剣の刃をゴッドカイザーリバースの胸部装甲の僅かな隙間に突き刺した。

刃はコアの外殻を抉りはしたものの、真の本体(コア)たるリラ自身を貫いたりはしなかった。巨人がその気になればリラ自身を貫いてゴッドカイザーリバースを完全に活動停止(殺害)させる…つまり死なせる事も出来た。いやその方が簡単だっただろう。だが、巨人はそうはしなかった。

ゴッドカイザーリバースは激しい痛みで苦しみながらも巨人を放そうともがくが巨人は両肩のアーマーの二連装砲を顔に浴びせると剣にエネルギーを蓄えながら振り上げる。ゴッドカイザーリバースの左肩はダランと垂れ下がり、その隙に巨人はゴッドカイザーリバースの首を大剣で横向きに振りながら蓄えたエネルギーを解き放った。

エネルギーでコーティングされた刃によってゴッドカイザーリバースは首を斬り落とされた後に崩れ落ち、切断された頭部やメタルZiテイルブレードも含めて光の繭に包まれてリラの姿へ戻った。

いくら欠損しなければ再生できる程の再生能力を持つゾイックアデプトテレイターであっても短時間で深刻なダメージを受ければ体内機能のリソースを生命維持と回復に割かなければならない為、ゾイド態の維持が出来なくなり強制的にアデプトテレイター態へと戻されるのだ。

巨人は再び光に包まれて人間の姿となり、意識を失って倒れている彼女に近付く。一糸纏わぬリラの姿に動じる事なく人間の姿となった巨人は彼女の首に付けられた首輪に目を向ける。

巨人だった者は目に備わっているカメラスキャナーで首輪を簡易的ながらも解析、壊しても生命活動には直結しないと判断したのか巨人だった者は彼女に付けられた首輪を引きちぎって破壊すると何処からか出してきた布で彼女を包むと右腋に抱えつつ周囲への警戒を続けた。

 

それから暫くして巨人だった者の前に2体のゾイド…いやゾイックアデプトテレイターが寄ってきた。

1体は旧ゼネバス帝国が開発し、バリエーション機がガイロス帝国やへリック共和国でも運用されたレッドホーンをベースとした機体で、もう1体はライジングライガーと同じくゾイドが生息する地球で捕獲されたプテラノドン種のゾイドであるスナイプテラをベースとした機体である。

2体は巨人だった者の前で静止すると光の繭に包まれてアデプトテレイター態へと姿を変えた。

「状況はどうだ?」

巨人だった者は二人に問う。

「もう少しかかるみたい」

そう答えたのはスナイプテラをベースとしたゾイックアデプトテレイターだ。

「そうか…それまで何とか持ちこたえないとな」

と巨人だった者は呟く。

「あの宇宙大群獣め…アイツらが此処をぶっ壊さなければ…」

レッドホーンをベースとしたゾイックアデプトテレイターの呟きに巨人だった者はこう返した。

「文句を言いたくなるのは分かるが仕方ない。アイツらは我々とは意思疏通不可かつ電磁波を発する物を自分達とは異なる意思疏通を行う敵としてな排除しようとする存在だったからな。だからこそ"コア"があるこの地にも引き寄せられた」

巨人だった者が言うようにこの惑星ではつい最近にとある宇宙大群獣(レギオン)と命名された宇宙怪獣が繁殖の為に襲来、しかしその繁殖方法がこの星の生態系を壊滅しかねないものだった為、この星の防衛組織と原生怪獣はレギオンの排除へと乗り出した。

レギオンの中でも小型の個体…ソルジャーレギオンはこの地にある"コア"に対しても電磁波から敵と見なして引き寄せられ、防衛組織がレギオンへの対処へ追われていた隙に"コア"を防衛している基地を破壊されてしまい、その隙をついてメイクス一派が今以上にゾイックアデプトテレイターをより量産するために"コア"を奪おうと攻撃を仕掛けてきたのだ。

そこで巨人だった者達が所属する部隊は防衛基地な再建されるまでの警護を防衛組織の総監からの直々の指令を受けて今こうして此処にいるという訳である。

「それで"隊長"、さっきから抱えているのは…?それからゾイックアデプトテレイター(同族)の気配を感じるんですけど…?」

とレッドホーンをベースとしたゾイックアデプトテレイターは"隊長"と呼ばれた巨人だった者に問う。

「もしかしなくてもお前らの同族(ゾイックアデプトテレイター)だ。俺が交戦し、無力化した。擬似OS(オーガノイドシステム)ユニットを着けていた」

と"隊長"は答えた。

擬似OSユニットはゾイックアデプトテレイターを強制的に凶暴化させて無理矢理暴れさせる装置であり、その名の通りジェノザウラーやブレードライガー、ストームソーダーなどに用いられたオーガノイドシステムをゾイックアデプトテレイター用として応用した外付けユニットである。外付けにしてあるのは万が一破損してしまっても回収後に簡単に交換出来るようにするためである。

擬似OSユニット、という言葉に2人は顔をしかめる。彼女達もまたあのユニットに苦しめられていたからだ。

「このゾイドに見覚えはあるか?データベースにはなかった」

と"隊長"は二人に問いながら自身と交戦したゴッドカイザーリバースの映像を見せる。

「ゴッドカイザーに似てますけど…いやまさかこのゾイドは…!?」

「どうやら心当たりがあるみたいだな」

"隊長"の言葉にレッドホーンをベースとしたゾイックアデプトテレイターは頷いた後にこう続けた。

「ゴッドカイザーリバース…へリック共和国とZOITEC、ガイロス帝国が共同開発したティラノサウルス型ゾイド。ただ、私も存在するって話を噂程度で聞いた事があるだけで実物は見たことはないですね」

レッドホーンをベースとしたゾイックアデプトテレイタは元々ゴッドカイザーリバースが存在した惑星Ziの出身である。尤もそのゴッドカイザーリバースの初号機のパイロットであるリラとは一切の関わりがなかったので彼女の事を知らないのも無理はない。

「隊長、この子はどうするの?」

スナイプテラをベースとしたゾイックアデプトテレイターは"隊長"に問う。

「最終的な判断は"総監"に仰ぐとして…俺としては迎い入れても良いだろうとは思っている」

"隊長"がそう答えた時、リラだった彼女が意識を取り戻して目を覚ました。

「どうやらお目覚めのようだ」

"隊長"は暴れる彼女を離し、彼女は"隊長"達に警戒心を向ける。

「まぁさっきまで"隊長"と殺し合いをしてましたからねぇ…」

とレッドホーンをベースとしたゾイックアデプトテレイターは呑気に呟く。

「私をどうするつもりなの…!?殺す気なのかしら?」

とリラだった彼女は"隊長"に問う。

「殺す気なら最初からそうしている」

と"隊長"はそう答える。

「首を確かめてみろ」

"隊長"の一言を受けてリラだった彼女は手で首を確認し、擬似OSユニットが外されている事に気付いた。

「擬似OSユニットは外しておいた。それがついたままだとメイクスの手によってまた暴れさせられるからな」

「外してくれた事には感謝してる。けど、どうするつもりなのかまだ聞いてないわ」

「それはお前がどうしたいかによるな」

「どういう意味かしら?」

「メイクスに報復したくないか?」

「それは…!」

「俺はメイクスに怨みがあってな。コイツらだってメイクスによって望まずに今の姿にされ酷い扱いをされてきて恨んでいる。だからこそ奴に一泡吹かせたい、報復したいと思っている。お前はどうだ?」

「私は…」

「メイクスに反旗を翻すのなら一緒にやらないか?奴に味方し我々と敵対するなら容赦せず始末する」

と"隊長"がリラだった者にそう告げた時だった。目の前の空間が歪んで裂け目が出現し、その裂け目の中から全高約21メートル程の巨大なティラノサウルス型ゾイドが出現した。勿論それもまたメイクスが生み出したゾイックアデプトテレイターだ。

「ゴジュラス…最強時代を築いた事もあるへリック共和国が生み出したティラノサウルス型ゾイド…」

レッドホーンをベースとしたゾイックアデプトテレイターはその姿を見て呟く。一方のゾイックアデプトテレイター化したゴジュラスは4人が視界に入ると威嚇するかの様に大きく咆哮した。

「しかも我々の前にいるのはそのゾイックアデプトテレイター化個体だ。一筋縄ではいかないが、"他"が動けない今、こいつは我々が相手をするしかない。"フラム"は空から援護を、"ミラ"は奴の動きを封じろ。奴の動きを封じろ。俺は地上から牽制しつつコアを狙う」

「「了解!」」

"隊長"の言葉に"フラム"と呼ばれたスナイプテラをベースとしたゾイックアデプトテレイターと"ミラ"と呼ばれたレッドホーンをベースとしたゾイックアデプトテレイターは返答し

「ゾイドオン!スナイプテラストライカー!」

「ゾイドオン!レッドホーンボーン!」

2人は光の繭に包まれた後、それぞれ"スナイプテラストライカー"と"レッドホーンボーン"へと姿を変えて咆哮し、スナイプテラストライカーは飛翔して両翼のフォースバレルガトリングで空からの射撃を、レッドホーンボーンは対ゾイド3連装リニアキャノンをゴジュラスに浴びせた。

 

"隊長"はリラだった者を連れてゴジュラスから離れた場所に退避すると彼女の右腕に注射器を彼女の腕に刺して中の液体を注射した。

「これは?」

「ゾイックアデプトテレイター用の応急回復薬だ。本来なら変身可能になるまで回復するのに時間がかかるところだが、これを投与すれば変身可能になるまですぐ回復できる。だがあくまでも緊急時に於ける自衛と離脱の為の応急処置だ。完全に回復は出来ていない」

"隊長"はリラだった者にそう言うと視線をゴジュラスに向けると

「プリテンダー!ターゲットコンボイ、トランスフォーム!」

と叫び、鋼鉄の巨人"ターゲットコンボイ"へと姿を変えた。ターゲットコンボイは即座にトラックへと変形(トランスフォーム)すると普段は素粒子コントロール装置で極限にまで小さくしているトレーラーを顕現させると即座にコンテナ部を顕現、内蔵されている砲台からエネルギー弾を発射するが、相手は頑強な装甲に被われ強固な防御力を有したゴジュラスだ。有効的な決定打にはならなかったが、それはターゲットコンボイも承知の上の事、あくまでも牽制攻撃である。

ターゲットコンボイの牽制とスナイプテラストライカーのドラム式ミサイルランチャーによってゴジュラスの気を引き付けている隙にレッドホーンボーンはビームガトリングガンとビームランチャーを発砲しながら全天候型ハイパワーブースターと足裏のスラスターを噴射させてゴジュラスの左側面に移動し、左側面に到着した瞬間に左側のブースターの噴射を止めて身体を左に90度向かせ、再度全ブースターとスラスターを噴射させてクラッシャーホーンを使った突進を行う。スラスターによる浮遊とブースターの全速力で時速200キロに達する突進によるクラッシャーホーンはゴジュラスの左脚に突き刺さるものの、ゴジュラス自身はよろめきはしたが右脚と尻尾のスタビライザーで踏ん張って転倒を防いだばかりか左手でレッドホーンボーンの尻尾を掴んで引き抜いては放り投げ、尻尾で叩き飛ばした。

宙を舞うレッドホーンボーンをスナイプテラストライカーは両足で掴むと口を大きく開いて咥内のA-Zスナイパーライフルを展開、キャノピー目掛けて発砲しようとするが、ゴジュラスは背中に装備した二門のロングレンジバスターキャノンの照準をスナイプテラストライカーとレッドホーンボーンに向ける。

「ターゲットコンボイ、トランスフォーム!」

そこへ鋼鉄の巨人(ロボットモード)へと変形したターゲットコンボイがバックパックのスラスターを噴射させて左側のバスターキャノンに掴まり、背中に飛び乗ると左側のバスターキャノンの照準を二体から逸らした。

左側のバスターキャノンの砲弾は二体に命中することなく地面に当たって爆煙を撒き散らし、右側のバスターキャノンから放たれた砲弾もスナイプテラストライカーが機体を90度傾けた事で回避されてしまった。

ターゲットコンボイは剣の刃を左側のバスターキャノンの基部に突き刺した後に蹴り飛ばして切除する。右側のバスターキャノンも切除しようとするターゲットコンボイをゴジュラスは左手で掴もうとするが、それを察知したターゲットコンボイはブラスターを左腕に装備して発砲して抗う。

ゴジュラスは右側のバスターキャノンのロケットブースターを噴射させて左側面に転がり、ターゲットコンボイは下敷きになって潰されるのを回避するために飛び降りて待避した。

起き上がり体勢を立て直したゴジュラスは3体に向けて連射可能な各部の重火器を発砲して牽制しつつバスターキャノンを再度発砲しようとした。しかしバスターキャノンの発砲は"荷電粒子砲"の直撃によって防がれたばかりかバスターキャノン自体が破壊されてしまった。

ターゲットコンボイが荷電粒子砲が発射された方角に目を向けると其処には荷電粒子砲発射体勢を解いたばかりのゴッドカイザーリバースの姿があった。

 

 

時は少し遡る。

リラだった者はゴジュラスに対し果敢に立ち向かうターゲットコンボイ達の戦いをその目に焼き付けながらターゲットコンボイが言っていた言葉を思い返していた。

『奴に一泡吹かせたい、報復したいと思っている。お前はどうだ?』

『メイクスに反旗を翻すのなら一緒にやらないか?』

彼女とて自分から全てを奪ったメイクスが憎い。例え名前など自分の記憶の一部が欠落してしまっていてもその思いは残っている。

それにターゲットコンボイは自分を殺す事も出来たがそうはせず自分を縛っていた擬似OSユニットを破壊し、メイクスの呪縛から解放してくれた。少なくともその恩義は返すべきではないかと考えていた。

今彼らが戦っているのはロングレンジバスターキャノンを装備したゴジュラスだ。格闘戦では最強格であり、距離を取ってくる相手には小型~中型ゾイドなら部隊ごと壊滅させ、大型ゾイドに対しても致命傷を与える事も出来るバスターキャノンで対処してくる。

一体の"コンボイタイプのトランスフォーマー"と二体のゾイックアデプトテレイターであっても苦戦は強いられるだろう。

だからこそ彼女は加勢して恩義を返す事を選んだ。

「ゾイドオン!ゴッドカイザーリバース!」

彼女は光の繭に包まれた後、ゴッドカイザーリバースへと姿を変える。しかしターゲットコンボイが言ってたように回復しきれておらず、ターゲットコンボイに付けられた傷…特に胸部装甲の傷はまだ塞がっていなかった。

すぐさま首から尻尾を真っ直ぐ伸ばしつつ装甲を展開して荷電粒子砲発射体勢を取ると荷電粒子をチャージし、チャージ完了と共にバスターキャノン目掛けて発射した。

ダメージが残っている状態である事も影響しているのか威力は全快の時と比べて落ちてはいるものの、バスターキャノンを破壊するには充分な威力であり、バスターキャノンが破壊されると同時にゴッドカイザーリバースは荷電粒子砲発射体勢を解いて2連装ブーストディスチャージャーとスラスターを噴射させてゴジュラスとの距離を一気に詰めた。

ゴジュラスは尻尾でゴッドカイザーリバースを叩こうとするがゴッドカイザーリバースは姿勢を低くとってそのまま直進、オリジナルのゴッドカイザーを彷彿とさせるその姿勢によって背面の3連ビームキャノン砲は破壊されたものの直進は防いだゴッドカイザーリバースはメタルZiヘッドソードでゴジュラスの腹部装甲を切り裂く。ゴジュラスのコアユニットは腹部にある…つまりコアとなるゾイックアデプトテレイター本体もそこに繋がれている。

ゴジュラスはゴッドカイザーリバースの首を右手で掴んで持ち上げようとするものの、スナイプテラストライカーが放つA-Zスナイパーライフルによる絶対狙撃(アブソルートショット)によって右肘を貫かれてしまった事とレッドホーンボーンのクラッシャーホーンを利用した突進を今度は右脚に受けてしまった事で離してしまった。ゴッドカイザーリバースはその隙を突いてメタルZiテイルブレードでゴジュラスの腹部装甲の亀裂をより大きくし、更にターゲットコンボイがエネルギーをチャージした剣"レザニウムソード"をゴジュラスの腹部装甲の亀裂に目掛けて突き刺した。レザニウムソードの刃はゴジュラスのコアを掠り、解き放たれたエネルギーによってコアにダメージを受けたゴジュラスは激しい痛みに襲われて動けなくなり

「首を狙え!そうすれば生かしたまま無力化出来る!」

その隙にゴッドカイザーリバースはターゲットコンボイの言葉を受けてエネルギーを纏わせたメタルZiクローをゴジュラスの首に突き刺すと左右に切り裂いた。

コアと首に深刻なダメージを受けたゴジュラスはターゲットコンボイと交戦したゴッドカイザーリバースと同様に崩れ落ちた末に光の繭に包まれてゾイックアデプトテレイターへと姿を変えた。

それはこの四体がゴジュラスを無力化したという事である。

 

ゴジュラスとの戦いを終えた四体の元へ一体の始祖鳥(アーケオプテリクス)種のゾイド"ソニックバード"を元にしたゾイックアデプトテレイター化個体…ソニックバードレウスが飛来してきた。ゴッドカイザーリバースは警戒するが、ターゲットコンボイは彼女を制止させるかの様に左腕を挙げる。

「我々の仲間だ」

ターゲットコンボイがそう言うとゴッドカイザーリバースも警戒を解く。

「状況は?」

「防衛基地の再建は完了、アンチスペースブリッジフィールドも問題なく発動して各地に出現した敵対勢力もほぼ破壊もしくは無力化に成功したよ」

とソニックバードレウスは返答した。

「了解。ご苦労だった。しかし残存勢力が残っている可能性も残っている。暫くは引き続き警戒を続けてくれ」

ターゲットコンボイの言葉にソニックバードレウスは頷くと飛び去っていった。

「彼女は別動隊に所属しているゾイックアデプトテレイターだ」

ターゲットコンボイはゴッドカイザーリバースにそう説明するとトラックな変形し

「見せたい物がある」

といって自身が牽引するトレーラーに乗るよう促した。

レッドホーンボーンとスナイプテラストライカーもそれぞれミラとフラム(アデプトテレイター態)へと戻るとアデプトテレイター態となって意識を失って倒れているゴジュラスだった者をトレーラーに乗せ、今度は一緒に行こうと言わんばかりにゴッドカイザーリバースに手を差し伸べた。ゴッドカイザーリバースもアデプトテレイター態へと姿を変えて2人と共にトレーラーに乗り、ターゲットコンボイは目的地に向かって走り出した。

目的地に着くまで無言の時間が続いた…というよりは長話をする間もなかった。言うべきだろう。防衛基地に入るやターゲットコンボイは停止してトレーラーの扉を開く。ミラとフラムはその場で待機していた医療班にゴジュラスだったゾイックアデプトテレイターを引き渡す。

ミラとフラムが再びトレーラーに乗るとターゲットコンボイは再び走り出す。道中ではこの防衛基地を再建した功労者でもある建設車両に変形するトランスフォーマー達と蠍型ゾイドのガイサックをベースとしたゾイックアデプトテレイターの姿もあり、ターゲットコンボイは彼らに労いの言葉を投げ掛けたりしつつ目的地へ到着するとトレーラーの扉を開いて3人を降ろし、自身は光に包まれて人間の姿へと変わった。

「これは…!?」

ゴッドカイザーリバース(リラ)だった者は目の前にある物に驚いていた。何せ其処にあったのは巨大なゾイドコアらしき物だった。

「此処にはその昔に素偉渡(そいと)神社という神社があった。祭神不明、造営年数不祥の謎の多い神社だったが、其処から未知のエネルギー反応が検知された事を切欠に調査が行われた。

その結果、朽ち果てた社殿の地下からこの"コア"が発見され、研究施設へ輸送する筈が"コア"は激烈な反応を示し周囲にある観測機器をすべて使用不能にした。移送は無理だと判断された事、そしてその"コア"からゾイドが生まれた事を受けて我々の組織は"コア"の移送を断念してこのゾイド特別地区に研究施設を兼ねた防衛基地が建造された」

よく見ると周囲には骨格状のフレームを持つ小型ゾイドの姿が複数見られた。

「だけどほんの少し前に宇宙から飛来した宇宙怪獣がこの基地を破壊しちゃったんですよ」

「宇宙…怪獣…?」

ミラの言葉にリラだった者は首を傾げる

「この星にはゾイドの様にこの星の通常の生態系から外れた生物や突然変異で生まれてしまった生物、宇宙から飛来した生物が昔から現れてたの。そんな生物を引っくるめて怪獣と呼んでるんだよ」

フラムはそう説明すると端末を使って様々な怪獣の映像を彼女に見せる。其処には巨大なビルに登って戦闘機に威嚇するゴリラの用な怪獣や2本の前脚で大勢の人がいる川岸を疾走する魚の用な怪獣、シロアリの用な怪獣と戦う長い手足と大きな背鰭を持つ恐竜の用な怪獣、エリマキがついた恐竜型怪獣と戦う二足歩行を行える亀型の怪獣、水没した街中を遊泳する鮫、そして大きな背鰭を持つ恐竜型怪獣と二足歩行を行える亀型怪獣が巨大レギオン(マザーレギオン)と戦う映像などだ。

「共存可能と判断された怪獣に対してはその道を探り、共存不可能と判断された怪獣は駆除し、怪獣が引き起こしてしまった災害への対処・後始末の支援を行う。更に宇宙人による犯罪・テロ・侵略行為への対処・対策も担うのが我々の組織だ」

そう説明するとターゲットコンボイはリラだった者に顔を向ける。

その後、四人は夜景が見える休憩室に移動した。

「俺はターゲットコンボイ。この惑星…"第83太陽系の地球"の外宇宙にあるセイバートロン星を発祥の地とする金属生命体"トランスフォーマー"の中でもプリテンダーと呼ばれるビークルだけでなく人間への変身能力を持つ者だ」

「私はフラム!貴女と同じメイクスによって生み出され隊長に救われたスナイプテラストライカーのゾイックアデプトテレイターだよ!」

「私はミラって言います。レッドホーンボーンのゾイックアデプトテレイターです」

と3人は自己紹介を行う。

「お前の名は?」

ターゲットコンボイの言葉にリラだった者は名前を忘れてしまったが故にどう答えたら良いか困っていた。

「その様子だと記憶が欠落しているようだな」

「どうしてそれを…!?」

「ゾイックアデプトテレイターによくある事だ。一から生まれてそもそも記憶すらない者もいれば改造されて擬似OSユニットなどによる負荷で記憶が欠落してしまう事もある」

リラだった者の状況はまさしく後者だった。

「でも、名前がないと不便だよね」

「ゴッドカイザーリバースはあくまでも機体名ですからね」

フラムとミラがそう言っている間、ターゲットコンボイは思考を巡らせていた。リラだった者の新たな名前を考えていたのだ。考えつつふと空を見上げると夜空にある一等星が輝いているのが見えた。こと座で最も明るい恒星にして夏の大三角の一つである織姫星(ベガ)である。

「織姫…ベガ…ヴェガ…ヴェーガ…ヴェーガはどうだ?」

とターゲットコンボイはリラだった者に向かってそう提案する。

「ヴェーガ…?」

「あの一等星のある言語での呼び名だ」

とターゲットコンボイは説明する。

リラだった者は暫く考えた末に

「えっと…宜しくお願いします…?」

と返す。そのタイミングでターゲットコンボイの元へ通信が入った。ターゲットコンボイはそれに応答し、やり取りを終えた後に3人に告げる。

「総監からの帰還指示だ。彼女も連れてな」

自身の事を指してると気づいたリラだった者は困惑するが

「総監はお前含め今回交戦し無力化したゾイックアデプトテレイターを保護し迎え入れるとの事だ。コイツらの時と同じ様にな」

「それって管理下に置くって意味じゃないかしら…!?」

「そうとも言える…だが、お前達の意思は尊重するというのが総監や俺の考えだ。監視はつくが穏やかな生活を送るか、元の身体に戻る事は不可能であるが故に安楽死を選ぶか、俺達と共に戦うかだ」

ターゲットコンボイの言葉に対する彼女の答えは決まっていた。

「私は一度は死んだ身…行く宛もない。それに状況はどうあれ私が犯した罪は消えないしメイクスへの報復は終わっていないわ。だからこそけじめを付けたい。だからこそ戦う」

そう答えた彼女にターゲットコンボイは覚悟を受け止め

「歓迎しよう。ようこそ我等が怪獣(Monster)災害(disaster)(&)異星人(Alien)犯罪( crime)専門特務機関…"モディアック"へ」

彼女に手を指し伸ばし、彼女はその手を握り返した。

こうしてリラ改めヴェーガはモディアックの総監直轄の部隊…ターゲットコンボイが率いる部隊のメンバーとなった。それは言い換えれば新たな居場所を、変えるべき場所を得たという事でもある。

 

 

 

ヴェーガはターゲットコンボイ達に返しきれない恩を感じている。だからこそ仮に自分がメイクスとの因縁に決着を付けた後も彼らと一緒にいて共に戦う事を決めたのだ。

 

 

 

 

The end

 

 

 

 

 

 

 






・ターゲットコンボイ
種族:トランスフォーマー/プリテンダー
所属:モディアック総監直轄特務部隊
役割:部隊司令官
変化:セミトレーラートラック/人間
スペック(10段階表記)
体力:10
地位:8
知力:10
勇気:10
速度:7
火力:10
耐久力:10
技能:10

背景
機械惑星セイバートロンを発祥の地とする金属生命体トランスフォーマーの中でもビークルモードだけでなく環境に応じて自らの身体を現地の生物に擬態させることが可能なプリテンダーと呼ばれる種族。400万年前のセイバートロン星での大戦で星を脱出する者達の護衛として同行する形で脱出した。
その過程でクインテッサ星人メイクスに同胞を殺された事で因縁を持ち、半ば自暴自棄になりながらメイクスを追っていた。そんな中、宇宙船が破損して辿り着いたゾイドが生息するとある地球にて政府に目をつけられないよう人助けと宇宙船の修理をしながら穏やかな生活を送っていたものの、メイクスの一派によるゾイド及びアデプトテレイターを生み出すための金属細胞適合者のサンプル捕獲を目的とする侵略行為が開始。
ターゲットコンボイは交戦したが敗北し拘束され、彼の目の前で自分の正体を知りながらも誰にも正体を明かす事なく親しくしてくれた人間の子供もゾイックアデプトテレイターへと改造されてしまった。
彼はこの地球の政府…"共和国"と"帝国"がメイクスの一派への報復攻撃が始まった際に隙を突いて拘束を逃れ、脱出を試みる中でゾイックアデプトテレイターと化した親しかった子供と交戦する事になってしまう。まだ未調整だった擬似OSユニットによって苦しむ彼女は彼に対し介錯を願い、彼はそれを受け入れて彼女がそう望んだとはいえ手に掛けて(殺して)しまった。これが彼が始めてゾイックアデプトテレイターと交戦した時である。
この一件で彼は彼女を助けられず自分は生き残ってしまった事に罪悪感を抱くほど心に深い傷を負うと共に共和国と帝国に存在が知られてしまった事、そして宇宙船の確保に成功した事で自らの意思でこの地球から去っていった。
再び旅に出た彼は各地で数々のゾイックアデプトテレイターと交戦してその多くを殺してしまいながらも遂に殺す事なく無力化する方法に偶然ながらも行き着く事が出来た。
それこそコアと化したアデプトテレイター本体(特に頭部)を潰したり貫いたりせずコアの外殻(より性格にはアデプトテレイター本体を覆う部分)に深刻なダメージを与えた直後に首にも深刻なダメージを与える事で体内機能のリソースを生命維持と回復に割かさせてゾイド態の維持が出来なくさせて強制的にアデプトテレイター態へと戻し、意識を失っている間に擬似OSユニットを破壊するというというプロセスである。
この方法によってレッドホーンボーンやスナイプテラストライカーを筆頭とするゾイックアデプトテレイター達を殺さずに無力化する事に成功、多くのゾイックアデプトテレイター達を保護していった中で複数存在する太陽系の中でも第83太陽系の地球に辿り着き、其処で怪獣災害や宇宙人犯罪・テロへの対処を行う政府機関であるモディアックの総監と出会う。
互いの利害が一致した事、ゾイックアデプトテレイター達の保護によって宇宙船も手狭になってきた事、バックアップもなしで新しい宇宙船を確保する事が困難な中で今まで通りのひたすら宇宙各地を回っていくというやり方にも限界があり、一つの拠点を持った方が良いと考え始めていた彼は保護したゾイックアデプトテレイター達と共にモディアックに入り、新設された総監直轄特務部隊のリーダーとなった。
この部隊は状況に応じて幾つかの班に別けられるのだが、彼が直接率いている班には始めて殺さずに無力化出来たゾイックアデプトテレイターであるミラ/レッドホーンボーンとフラム/スナイプテラストライカー固定メンバーとして配属され、状況に応じて他の班から応援を呼ぶ形をとっといたが、今回のゾイド特区防衛戦以降は新たにヴェーガ/ゴッドカイザーリバースが固定メンバーとして配属される事になった。彼女を固定メンバーとして迎い入れた理由に関して彼本人は名言していないが、彼の経歴を知りヴェーガが覚えている範囲内の経歴を記した自己報告書に目を通した者達は(彼女の経歴を聞き)生き残ってしまった事に罪悪感を抱く者同士だからこそ何かしら思うところがあるのではないかと推察している。

能力・装備
ロボットモード時は背面にあるスラスターによって短時間の飛行が可能である。
肩アーマーの二連装砲は実弾とエネルギー弾を発射可能であり、それを展開させることで内蔵式ミサイルランチャーが使用可能となるがこれはあくまでも牽制用である。
手持ち武器は状況に応じて変更しているが、実体型両刃剣であるレザニウムソードは常備している。レザニウムソードはエネルギーを纏わせる事で切れ味を上げたり対象に突き刺した状態からエネルギーを解き放つ事でダメージを与える事も可能である。
胸部にはエネルゴンマトリクスが内蔵されており、これが彼のエネルギーの源となっている。
トレーラーは素粒子コントロール装置によってロボットモード時や人間時には基本的に体内に収納されており、必要に応じて本来のサイズに戻して運用している。トレーラーの内部には作業アームと砲台が付いており、更にエアコンも完備している事で移動中は快適に過ごす事が可能である。
彼の人間態は一番最初に交戦し殺してしまったゾイックアデプトテレイターを(彼女と初めて出会った時に)スキャンして得た姿である。



・ミラ/レッドホーンボーン
スペック(レッドホーンボーン時)
全長:20.8m
全高:7.6m
重量:115t
最高速度:200km/h
装備:全天候3Dレーダーアンテナ×4
   複合センサーユニット
   赤外線レーザーサーチャー
   全天候型ハイパワーブースター×2
   スラスター(足裏に装備)×4
武装:クラッシャーホーン
   バイトファング
   地対地ミサイルポッド
   対ゾイド3連装リニアキャノン
   高圧濃硫酸噴射砲
   80mm地対空2連装ビーム砲
   TEZ20mmリニアレーザーガン×2
   AEZ20mmビームガン×2
   ビームガトリングガン
   ビームランチャー
(これらはデフォルトで装備・武装されているもの)

ゼネバス帝国が開発し、ガイロス帝国やへリック共和国でもバリエーション機が運用されていた名機レッドホーンをベースとしたゾイックアデプトテレイター。
ボーンの名の通りに骨格を彷彿とさせるカラーリングが特徴であり、目の色もグリーンホーンと同じく橙色となっている。
レッドホーンGC及びレッドホーンBGに準ずる武装としつつ、追加された全天候型ハイパワーブースターと足裏に内蔵されたスラスターの噴射によって地面から僅かに浮かせるという形をとることで重量は僅かに増えた程度でありながらセイバータイガーの原型となるサーベルタイガー並みの最高速度を出すことが可能となった。
この状態から必要に応じて追加で武装する事もある。また、尻尾と背中の偵察用ポッドには搭乗スペースが残されているが、偵察用ポッドはともかく尻尾は揺れや衝撃が激しい為、誰も乗りたがらない。そもそも現時点で尻尾の座席に乗った事があるのは試乗したターゲットコンボイとフラムだけである。
ミラ自身は西方大陸出身であり、元となったレッドホーンもガイロス帝国で運用されていたが打ち捨てられていたところを彼女の父親が発見し、修理した物であった。父親の死後は彼女が形見として引き継いだもののであり、リラ…現在のヴェーガと大差ない年でありながらレジスタンスとしてネオゼネバス帝国との戦争にも参加していたもののメイクスに捕らわれてゾイックアデプトテレイターへと改造させられた。ヴェーガとはアデプトテレイター態で1度すれ違ってはいるが本人達は覚えていない。
また、人間だった頃に湖で溺れて死にかけた経験がある事とカナヅチであるから風呂はまだしも海や湖、プールなどに入る事を極端に嫌っている。




・フラム/スナイプテラストライカー
スペック(スナイプテラストライカー時)
全長:約18m(テイルスラッシュエッジは含まず)
全高:約8m
重量:約50t
最高速度:M3.2
装備:イオンジェットエンジン
   センシングビジョン
   スコープクレスト
   複合センサーバイザー
武装:A-Zスナイパーライフル
   フォースバレルガトリング×2
   ドラム式ミサイルランチャー×2
   スマートボム×2
   カッターウイング×2
   エグゼニスウイング×2
   テイルスラッシュエッジ
   パンツァーファウスト×2
   パワーライフル×2
(これらはデフォルトで装備・武装されているもの)

ゾイドクライシスと命名された大災害が発生して文明が一度滅んだとある地球に生息していたプテラノドン種のゾイドと複数存在している内(マルチバース)の惑星Ziの一つから移民者の子孫(地球環境に適応した第二世代)を元としたゾイックアデプトテレイター。
この惑星Ziは最期の時をを迎え、人類は第二の故郷として(彼らの記録にあった)荒廃した地球を目指し、ゾイド及びリジェネレーションキューブを利用したテラフォーミングであるZiフォーミングを行おうとしたものの、叛乱者の造反とZiフォーミング用のゾイド因子の暴走が重なり、移民船は本来目指していた地球とは異なる地球に辿り着き、その影響でゾイドが大量に出現するばかりかZiフォーミングの失敗によって凶暴化、ゾイド達による大破壊から度重なる地殻変動によってこの地球の文明は一度滅んでゾイド達も環境に適応できず眠りについてしまった。
共和国と帝国はゾイドクライシスが発生したこの地球に到達後、ゾイドの発掘・配備と領土の確保などを進めていた。ゾイドクライシスから100年後も緊張状態が続いた両国だったが、スピノサウルス種のゾイドであるジェノスピノを巡る一件を機に合同軍を結成した。
その地球に於いてフラムは帝国領内のとある集落にて戦いとは無縁の生活を送っていたものの、合同軍と原始ゾイドと区分されたゾイドとの地球の命運をかけた戦いが終わった後のどさくさの中でメイクスによって捕らわれ、ゾイックアデプトテレイターへと改造させられた。ターゲットコンボイもこの時に捕らわれているが彼女とはこの時はすれ違ってすらいない為、面識が出来たのはこの地球を出た後である。
フラムが変身する個体は骨格状のフレーム部(ボーン)がライトサンドを基調とするカラーリングで、装甲はジャーマングレイを基調とするカラーリングとなっている。








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