とある地球、暗く静寂に包まれた海底の世界。"彼"は人知れず平穏な生活を送っていた…あの日、人類が愚行を犯すまでは。
突如現れた光がすべてを呑み込んでいった。魚も、貝も、甲殻類も、そして海藻などもその光に焼かれて消えた。そしてそれは彼とて例外ではなかった。しかし、人類が発祥するより太古の昔から生きてきた事による桁外れの強靭な生命力によって彼は生き延びた…いや、死ぬ事を許されず生き残ってしまった。"息子"とはぐれてしまった彼はこの惨劇を引き起こした
海面で光を出している存在人類は敵だ、敵は殺せ、殺してしまえ!我らが味わった苦しみを思い知れ!
地上へと上がった彼が目にしたのはちっぽけな
彼は鉄道や建物を破壊し、人や街を焼いた…愚行を犯した人類への報復にして天罰である。だが、それと同時に彼は愚行に加担していない罪なき命までも奪っていた…彼は自分がされた事を自分がする側になってしまった。
気付けば辺りは炎に包まれ、辺りには炎で焼かれる者や瓦礫の下敷きになった者、そして親を失って言葉にならない悲しみの声をあげる子供達の姿があった。
これではあの愚者共と同類ではないか…その事実は彼にとってショックな事であり、彼は逃げるように再び海へと帰った。
憎しみからの復讐による負の連鎖は誰かが止めない限り止まる事はない。彼の復讐は終わった…だが、人類側はそうではなかった。人類にとって脅威となる存在は排除しなければ気が済まない…再び襲って来ないとは限らないからだ。
人類は更なる業を重ねた…彼らを焼いた光以上の兵器…あらゆる生命体を死滅させる兵器を使用し、彼はその兵器によって溶かされて骨へと変わり果てた…この兵器を作ってしまった科学者がこの兵器の悪用を防ぐべく彼と心中した事など一切知らずに…
再び目覚めた時、彼の身体は機械に覆われ、曾ての記憶は失われたばかりか兵器へと作り替えられてしまった…そう、この地球の人類は次々に現れる"怪獣"の脅威に立ち向かう為とはいえまた過ちを犯してしまったのだ。
記憶をなくし意のままに操られる兵器と化した彼が最初に戦った怪獣…それは生前の彼の息子だった。息子を追い詰めていく彼だったが、息子の声で記憶を取り戻した。
俺の息子を殺させようとしたのかこの愚かな連中が!
彼は生前の様にエネルギーが尽きるまで暴れまわった。
再び人間に怒りを抱いた彼だったが…
「この子もちゃんと生きているのよ…?どうして仲間の■■■と闘わなければならないのかって、きっと思ってる!
■■で■■■を産んで、今度は■■■のサイボーグ!一番悪いのは人間よ!
大人は命の大切さをみんな言うけど、本当はそうじゃない!誰もこの子の事を可哀そうと思わないでしょ!」
そんな自分に同情して大人達に怒る幼き娘がいる事を知った。
「そうね、確かに■■は生きてるわ。あいつも私と同類、求められない命…生まれてきたことさえ疎まれて、本当は生きてちゃいけない命…」
「■■を残して日本を離れるのは残念…■■■とはまだ決着はついていない。
もしかすると■■はもう戦いたくないのかもしれない…このまま修復されずにいる方が幸せなのかも…」
身内を失くし孤独な身となりながらも必死に生きようとし、
「ごめんな…■■」
「■■は■■■と共に海に沈むつもりなんです!」
そして何時も自分に声を掛けて息子との最後の戦いの時にも現地へ駆けつけて修理・整備してくれたばかりか最後まで自分に付き合おうとしてくれたあの整備士。あの整備士がいたからこれからは息子と共に海の底で再び眠りに就ける。だからこそ彼は仲間が迎えにきた整備士に敬意と感謝を示すべく別れの言葉を送ったのだ。
漸くだ…漸くまた眠りに就ける…今度ははぐれてしまった息子と共に…
「…懐かしい"記憶"を見たものだ」
現在、彼は人間態へと姿を変えていた…というのもロボットモードは勿論、ビークルモードですらこの惑星では目立ってしまう。
そして人間態への変身をやった時、当然ながらソウレイとジェノザウラーは驚いていたが、数日も経てば慣れてきたようだ。
ソウレイは寝袋に包まれて睡眠をとっており、ジェノザウラーは見張りとして辺りを警戒している。
「…彼女とは長いのか?」
ゼロはジェノザウラーに問う。ジェノザウラーは言葉を発する事は出来ない代わりに質問に頷いて答える。どうやらそれなりに長いみたいだ。
ゼロにはある疑問があった…それはこの年端もいかぬ少女が何故傭兵として各地を旅して回っているのかという事だ。この年の子供は本来なら親の元で暮らしている筈だというのはゼロも理解していた。
「…以前から聞こうとは思っていたが、彼女の親はどうしたんだ?」
ゼロはジェノザウラーに訊ねる。ソウレイ本人に訊かないのは下手すると触れられたくない過去かもしれないという可能性を考慮してだ。本人が話そうとしない限り追及するつもりなどゼロにはなかった。
ゼロの質問にジェノザウラーは首を横に振る。いない、という答えを返したのだ。
「そうか、悪かったな…」
ゼロはジェノザウラーに謝罪すると夜空を見上げ 「子というのに思うところがあって、な…」
とポツリ呟く。その呟きをジェノザウラーは黙って受け止め、目が覚めてしてしまい会話を聴いてしまったソウレイも寝たふりをしたままではあるが何処か悲しげな表情を浮かべていた。
ある日の事、ソウレイ達は荒野の中を進んでいた。1ヶ月間も同じ場所にいてもメイクス一派にすぐに居場所を掴まれてしまうのとせっかくなら色んな場所を見て回ろうというソウレイの配慮で出来る限りの範囲で惑星Ziを案内しているのだ。彼らの進路上には古代遺跡の一つが眠っているようだ。ソウレイはジェノザウラーのコックピットに座り、ゼロはジェノザウラーの背中に背負われたコンテナの上に座って景色を眺めている。
漸く進んでいるとジェノザウラーのセンサーが正面方向から接近してくる機影を捉えた。万が一、敵襲だった場合に備えて警戒し、ゼロはコンテナの中に入って隠れる。
前方から迫ってきた機影の正体は深紅の装甲に身に纏ったジェノザウラーの派生機体たるジェノブレイカーである。
共和国のブレードライガーを打倒する為に開発されたジェノブレイカーはジェノザウラー以上に操縦性が悪化している事もあってかその生産数は1桁か十数機程度と希少な機体である。
本来、ジェノブレイカーのフリーラウンドシールドには鋏状の格闘戦用装備たるエクスブレイカーが装備されているものの、このジェノブレイカーの左側のフリーラウンドシールドにはブレードライガーのレーザーブレードが装備されているのだ。
この機体のパイロットが誰かを察してソウレイは警戒を解くが、人間嫌いの節があるゼロはコンテナに隠れたまま様子を伺っている。
『近付いてくるのは誰かと思いましたが貴方でしたか、リッツ中尉』
『それは此方の台詞だ。何処の機体かと思って近付いてみれば見覚えしかないカラーリングのジェノザウラーじゃないか、とな。旅の最中か?』
ジェノブレイカーのパイロット…リッツ・ルンシュテッド。曾てジェノザウラーのテストパイロットを努め、現在はその時のジェノザウラーを改造したジェノブレイカーのパイロットであるガイロス帝国の若き軍人。
西方大陸戦争にてブレードライガーABとの戦闘中にデススティンガーの巣に迷い込み、そのブレードライガーABのパイロットと共闘してその脅威を排除して以降は陣営問わずOS搭載機を潰し回った末にガイロス帝国軍に拘束されるもOSの廃止を決意したルドルフ皇帝の温情とシュヴァルツ中佐が彼のパイロットを1人も殺すことなく機体だけ破壊し続けたその類まれなる腕を買った事により不問となったばかりか、OS機を作り続けたネオゼネバス帝国に対抗する特務中尉に任命されたのだ。
『そんな所です。中尉は任務の最中ですか?』
『あぁ、そんな所だ。最近は物騒だからな…パイロットの頭がない遺体のみが発見されてゾイドだけが消えた神隠しも起きている』
話を盗み聞いていたゼロには心当たりがあった…この神隠しの犯人はメイクス一派だと。
『頭がない遺体の被害者は大半が女性パイロットらしいから気を付けた方が良い』
『ありがとうございます、気を付けます』
ソウレイが例を言った後、リッツとジェノブレイカーはソウレイ達が進んできた方角へと去っていった。
ジェノブレイカーの姿が完全に見えなくなった後、ゼロがコンテナの中から出てきた。
「知り合いなのか?」
『そんな所です。初めて会った時はこの子を殺されかけましたが…』
通信機越しにソウレイは応えると更に続けた。
『あの人は元々ジェノザウラーのテストパイロットだったんです。あのジェノブレイカーもその時のジェノザウラーを改造した個体ですし。
西方大陸戦争でブレードライガーと戦っていた時に暴走して人の手から離れたデススティンガーの巣に迷い込んで、その巣と親個体のデススティンガーを破壊した時にOSの危険性とジェノブレイカーの心を知ったらしいんです。
OSで意図的に心を歪まされて強制的に凶暴化させられ、システムへの憎悪で更に効力が増大させられる悪循環…負の連鎖による悲しみ…それを知ってしまったんです。僕の祖父と同じ様に。
この子は元々西方大陸戦争の時に共和国の兵士が鹵獲した初期生産型の個体なんです。OSが未調整だったからこの子の悲しい心が祖父にも流れ込んできて…強化の為とはいえ無理矢理心を歪まされる事を憐れんだ祖父は何とかOSを外せないかと思ったそうなんです』
「だが、簡単には外せないのだろ?外してもスペックが低下する筈だ」
『祖父は技術者でもあったのでOSなしでも性能を発揮出来るよう調整を施したんです。色もその時に祖父が第一次大戦間戦争で乗っていたゴッドカイザーのカラーリングに合わせて塗り直したそうです。結果としてこの子の自我が強く出て、この子が認めた人間しか操縦はおろかコックピットに乗ることすら出来なくなってしまいましたが…
ただ、見た目ではOSが除去されているかどうか分からないので…』
「OS搭載機を潰し回っていたあのジェノブレイカーとパイロットに潰されかけた、という事か」
『そうです。何とか理解して貰えましたが、肝が冷えました。いくらパイロットは殺さず機体だけを殺るとはいえ僕にとってこの子は唯一の家族ですから』
「家族、か…」
家族という単語でゼロの脳裏に共に海の其処へ沈んだ息子の顔が浮かんできた。
ゼロが体内の小型スペースブリッジを使用可能となるまで残り1日となった日。ソウレイとジェノザウラーは西方大陸各地をゼロと共に巡ってきた。本当は他の大陸も巡りたかったと思うソウレイだが、ゆっくり廻るには時間が足りなかった。
そして彼らが最後に訪れたのがとある崩落した遺跡だった。
「すみません、僕の我が儘に付き合ってもらってしまって」
「いや、構わない。今日まで襲撃もなく過ごせたからな。我が儘の一つや二つなど些細な事だ」
この地を訪れたのはソウレイがどうしてもこの日に行きたかったからだ。
遺跡の麓には石碑の様な物が立っており、ソウレイは其処に花を供えると手を合わせて静かに拝んだ。ジェノザウラーも石碑に頭を俯かせる。
「…此処は両親が死んだ場所で今日は命日なんです」
ポツリとソウレイはそう口にした。
「僕の両親は研究者で、共和国の依頼でこういった古代遺跡の調査・研究を行っていました。僕はその付き添いで同行してました。そんなある日…この遺跡に野良ゾイドが襲ってきたんです…この場所にいたゾイド達のゾイドコアを捕食する為に」
「ゾイドコアの捕食…デススティンガーか?」
ゼロの言葉にソウレイは頷く。
「両親は僕に逃げろ、デススティンガーから離れろと言いました…でも、僕は…恐怖で動けなかったんです…」
そう語るソウレイは震えていた。
「怖くて動けなかった僕を庇って両親はデススティンガーに殺されました…」
「お前の祖父とジェノザウラーはその時、どうしていたんだ?」
「祖父とジェノザウラーは別の任務の最中でしたのでその場にはいなかったんです。祖父とジェノザウラーが知らせを受けて到着した時にはデススティンガーは既に去っていて…僕は両親が突き飛ばした後、瓦礫の中に埋もれていたので助かりました…そして僕だけがこの場で唯一の生存者となってしまいました。
その時のデススティンガーは後にリッツ中尉とジェノブレイカーがブレードライガーのパイロットと共に討伐した、とリッツ中尉本人から聞きました。
両親は優秀な人材でした…両親だけではありません…あの場にいた他の研究者も優秀な人材だったんです…なのに彼らは死んで僕だけが生き残ってしまった」
それはソウレイの懺悔だった。彼女の懺悔をゼロは黙って聞いている。
「犠牲の上で生き残ってしまった以上、僕は容易に死ぬ事など許されない…何より自分自身が許せない…誰かの為に尽くさなければならない…でも、その誰かと一緒にいる事が本当は怖いんです…また同じ事が起きてしまったら、と…
だから祖父に鍛えて欲しいと弟子入りしました。ゾイド乗りとしてのイロハも、整備についても食糧の調達やサバイバル術もすべて叩き込んでもらいました。
ジェノザウラーに認められた後、祖父はこの子の改修の為に訪れた東方大陸の地で天寿を全うしました。そして僕はジェノザウラーと共に傭兵として旅を始めたんです」
泣くのを堪えながらも震えを抑えられず語るソウレイの姿を前にゼロは察した。この少女は
自分を助けた事も踏まえて考えてみるにおそらくこの少女は誰かの為に命を捧げる
無理もない…西方大陸戦争でデススティンガーがロールアウトしたのは今から約9年前であり、ソウレイの年齢も1桁代の事だ。そんな少女がその様な出来事に遭えばそうなってしまうのも無理はない。
それに大元が巨大兵器であり人と話して深く関わる事が出来なかったゼロにとってこれ程長く密接に関わった人間は初めてであった事もあり何時しか彼女とジェノザウラーに情が移ってしまっていたのだ。
ゼロはソウレイの頭を優しく撫でる…まるで子をあやすかの様に。
「ゼ…ロ…?」
「泣きたければ泣けば良い。まだ子供だろうに無理するな」
ゼロの言葉にソウレイは両親が目の前で死んだあの日から今まで溜めていたものを吐き出すかの様に泣き叫んだ。
漸くして落ち付きを取り戻したソウレイは涙を拭う。
「すみません、お見苦しい所を…」
「問題ない、それに全然見苦しくもない…寧ろお前は立派だと思うがな」
「ゼロ…」
「お前が自分の胸の内を語ったのならこちらも語らねば筋が通らないな…」
ゼロの呟きにソウレイは首を傾げる。
「Gチャンバーは複数存在する地球の1つに生息していたとある巨大生物を元に人間共が作った兵器が元になったと話したのは覚えているな?」
ゼロの問いにソウレイは頷く。
「Gチャンバーを搭載され起動した俺に宿ったその兵器…そしてその元となった生物の記憶。
俺のオリジナルは暗い海底世界で同胞と、そして息子と静かに平穏に暮らしていた」
「では、ゼロはお父さんだったのですか…?」
「あくまでも俺のオリジナルの事だ。話を戻す。その平穏な日々はある日、突然終わりを告げた。突然発せられた光がすべてを呑み込んだ」
「光…?」
「兵器にされてから知ったが、その光の正体は人類が生み出した強大な威力を発揮し生物の身体を蝕む放射能を含んだ爆弾だ。その爆弾で一帯の生物達は死滅した…俺達の種族以外は。俺達は強靭な肉体と再生能力で人類が発生するより前から行き続けてきた。そんな俺達はこの爆弾と放射能に耐えた…耐えてしまった。
気付けば息子とはぐれて住む場所も失ってしまった。だから俺はあの爆弾ですべてを消し去り奪い去った連中が憎くて仕方なかった。その爆弾を使用したのが人類だと知った俺は人間共への復讐を決めた。潰し、破壊し、焼き払った。人間共へ復讐したことに後悔はない…だが、焼け野原と化した街と泣き叫ぶ子供の姿を見た俺は気付いてしまった。これでは俺の故郷を焼いた連中と同じじゃないかとな。俺の復讐はこれで終わり…だが、人類は自分達にとって脅威となる存在は排除しなければ気が済まない。
水中の酸素を一瞬にして破壊し尽くし全生物を窒息死させ液化させてしまう兵器によって俺の身体は溶かされ骨へと化した。
それから月日を経て自分は自分達の前に現れた
兵器として完成され、生前の記憶をなくした俺が最初に戦った相手は俺の息子だった。息子は兵器となった俺を取り戻す事とすべてを奪い去った人類への復讐を目的としていた。戦っている最中で聞いた息子の声で俺は生前の記憶を取り戻した直後は自分の死を愚弄した事に怒ったが、エネルギー切れとなって冷静さを取り戻してから改めて息子と向き合って戦う事を選んだ」「どうしてなんですか?酷い事をされたのに…人間への怒りや憎しみはまだ抱いていたんじゃないんですか…?」
「確かに人間共への怒りと憎しみは忘れてはいない。だが、そんな人間共の中に俺の事を思って大人共へ怒る子供がいる事を知った。孤独の中で必死に抗い共に戦い、俺の意思を汲んだ戦士と出会った。そして何時も俺に声をかけ、俺が戦地で動けなくなった時には命の危険も省みずに駆け付けて修理し、戦士と同じように俺の意思を汲んだ整備士がいた。
人間共の中にもマシな奴らがいる事を知ったのもあるが、それと同時に俺と同じ道を歩もうとしている息子を止めたかった。人間共や蛾の姿をした怪獣との協力の末に息子を止める事が出来た俺は息子と共に
「だって…だってですよ…」
ゼロの話に何時しかソウレイは泣いていたしジェノザウラーも泣いているかの様に唸っていたのだ。そんな彼女らにゼロはどうすれば良いか分からず落ちつくまで待った。
「落ちついたか?」
「はい、度々すみません…」
ソウレイとジェノザウラーに対しゼロはやれやれと言わんばかりだ。
彼女達は自分と別れた後も大丈夫なのかと不安になったゼロ。尤もすぐに出会う前に戻るだけかと不安を払拭したのだが…
漸くの沈黙の後、ゼロは口を開いた。
「―そろそろスペースブリッジも使用可能になる」
そう、ゼロの体内に装備された小型スペースブリッジはあと数分で使用可能となる。
「そうですね…名残惜しいです」
と言うソウレイだが、その表情は寂しそうだった…それはジェノザウラーも同じ様だ。
ゼロは人間態からロボットモードへと姿を変えると右膝を着くとソウレイに問う。
「それで、これからどうするんだ?」
「えっと…?」
ゼロの言葉にソウレイが返答しようとしたその時、ジェノザウラーは何か気配を感じ取ったのかある方角を向いて威嚇する。
「ジェノザウラー…?」
どうしたのか訊ねようとするソウレイだったが、その瞬間に何処からかエネルギー弾による砲撃が飛来し、それをゼロは二連装ショルダーランチャーから発砲したエネルギー弾で相殺、その間にソウレイはジェノザウラーのコックピットに乗り込む。
「やはりこのタイミングを狙ってきたか…」
ゼロは立ち上がると砲撃が飛んできた方角を睨み付ける。
「流石の反応速度だな、MFS-3」
空から飛来してきたジェット機は変形し、ダークスコルポノックへと姿を変える。
「ダークスコルポノック…まさかお前が自ら出向いて来るとはな」
「お前の中にあるGチャンバーを確実に回収するためだ。お前をスクラップにしてでもな」
ダークスコルポノックは尻尾の砲塔を展開させて臨戦態勢を取ると視線をジェノザウラーに向ける。
「ついでにそこのジェノザウラーと小娘もゾイックアデプトテレイターにして我々の道具になって貰おうか」
その言葉にゼロは怒りを抱く。
「ふざけるな…!そんな事はさせてたまるか!」
ゼロは右手に片手剣のメーサーソードを、左手にメーサーシールドアックスを装備する。ゼロはこのまま押し問答を続けた上でスペースブリッジが使用可能となると同時に作動させて逃げる事も出来た…だが、ダークスコルポノックがソウレイとジェノザウラーも狙っていると知るやその選択肢はなくなった。
「ソウレイ、ジェノザウラー。此処は俺が食い止める。だからお前らは―」
「言った筈です!僕達は貴方を護ると!」
彼女らが逃げる気など一切ないというのはゼロもこの1ヶ月も一緒に過ごしてわかってはいた…その上で逃げる様に言ったのだ。そして予想通りの彼女の言葉を受けたゼロは
「わかった。いくぞ!ソウレイ!ジェノザウラー!」
とソウレイとジェノザウラーに呼び掛ける。
「はい!」
ソウレイが返事をした後、ジェノザウラーもゼロに応えるかの様に咆哮する。
かくしてゼロとソウレイが駆るジェノザウラー対ダークスコルポノックによる最終決戦が始まるのだった。
To be continue…