先制攻撃を仕掛けたのはジェノザウラーだ。背中のロングレンジパルスレーサーライフルをダークスコルポノックに向けて発砲して動きを牽制し、その隙にゼロはダークスコルポノックの肩関節を狙うべく背後に回ってメーサーソードを突き刺そうとするが、ダークスコルポノックはそれを察したのかジェノザウラーからの砲撃を尻尾と左腕に内蔵された砲門で相殺しつつ脚部のキャタピラを使って素早く方向転換するとメーサーソードを握った腕を右手で掴んでジェノザウラー目掛けて投げ飛ばす。
ゼロはジェノザウラーとの衝突を防ぐべくバックパックのスラスターを噴射し、ジェノザウラーは足裏のスラスターを噴射させて衝突を防ぐ。ジェノザウラーはその勢いのままダークスコルポノックの左腕に噛みついて引き抜こうとするが、逆に尻尾を掴まれて投げ飛ばされる。
その瞬間に入れ替わるかの様にゼロがメーサーシールドアックスを振り下ろして光の刃をダークスコルポノックに向けて放つ。しかし堅牢な装甲を持つダークスコルポノックには大きな効果はなく、逆に光の刃を破壊されてしまった。
ダークスコルポノックは蠍型のビーストモードへ変形するとゼロとの距離を一気に狭め、バゲットの様な鋏で掴むものの直ぐ様ジェノザウラーが脚部のストライクレーザークローで蹴った際に生じた衝撃で放してしまう。
ゼロとジェノザウラーの2体にダークスコルポノックは互角の勝負をしていた。片方を仕留めようとすればもう片方が妨害して来る…ダークスコルポノックは決定打に欠けていた…しかしダークスコルポノックもまた単独ではない。彼自身は言うなれば囮だ…決定打になろう存在は射程圏内ギリギリでダークスコルポノックの指示を待って待機している。
ソウレイもゼロも相手がダークスコルポノックのみという点に疑問を抱いていており、戦いながら周囲に敵機がいないか警戒していた。
互角の勝負を繰り広げている中、ダークスコルポノックは待機していた機体に砲撃を指示した。
ファング弾はジェノザウラーに向けて放たれるが、それに気付いたゼロがわざと射線上に入った事でジェノザウラーへの直撃は免れた…その代わりにゼロ自身の左肩が破壊されてしまったのだ。
『ゼロ…どうして…』
「お前らを…死なせたくない…あの時の光景を繰り返したくなかった…それだけの話だ」
ゼロの左肩は奇跡でも起きない限り完治しないだろうというレベルで原型を留めていなかった。
「余所見していて良いのか?」
ダークスコルポノックはジェノザウラーとソウレイに向けて言い放つ。
ソウレイとジェノザウラーは怒りに震えており、ダークスコルポノックに向けて両手のストライクレーザークローで切り刻もうとしていた…だがそれもダークスコルポノックは予測していた。
右腕を大きく振り上げ、足裏のスラスターを噴射させて跳び上がったジェノザウラーだったが、何かによって貫かれて真下へ落下した。
激しい痛みに襲われたソウレイが見下ろすが…
「えっ…」
彼女の腰から下は消滅していた。倒れたジェノザウラーの機体は胸下辺りが抉れている…その傷はコアの下部にも達していた。
「ソウレイ!ジェノザウラー!」
ゼロは呼びかけながら彼女達の元へ駆け寄る。しかし、瀕死の重傷を負ったソウレイは何が起きたのか理解出来ずに意識を失い、コアが損傷したジェノザウラーも目が点滅した後に光を失い、その機体の色を失いつつあった。
ソウレイとジェノザウラーを襲ったのはコマンドウルフLGCのファング弾による狙撃だ。しかし、その一発目はゼロが防いだ上に再度砲撃するには時間を要する筈である。
「まさか…もう1体…」
「その通りだ。お前らを仕留める為にLGC個体は2機用意した」
ダークスコルポノックはゼロの右肩を掴むと握り潰して破壊し、地面に落ちたゼロの左足を思いっきり踏みつける。
「これでゲームセット、お前らの負けだ」
ダークスコルポノックは右手のブレードでゼロの胸部を削り取り、露出したGチャンバーを目の当たりしてこれで終わりだとある意味慢心していた。しかし、手に掛けようとしたその時、ゼロの身体は眩い光の繭に包まれた。
「…此処は何処だ?」
光に包まれ意識を失った筈のゼロの視界に広がっているのか自分の姿だけがハッキリと見えて周りは暗闇に包まれた空間だった。
「―此処は生と死の狭間にある次元世界―」
自身の疑問に答えた声がする方角を振り向くと其処には銀色のトランスフォーマーの姿があった。その顔はゼロと同じ様に口にあたる箇所はマスクで覆われている。
「何者だ!?」
突然現れた存在にゼロは警戒心を向ける。
「高次元空間の守護者、とでも名乗っておこう」
「俺に何のようだ?」
「トランスフォーマーとは異なる存在の因子を有する人造トランスフォーマーである君を我々はこの世界から監視していた。そして君の行動を見た創造神と我々は
「守護者?悪いがそんなの柄じゃない。俺は復讐心を持ってこの手で多くの人間を殺した怪獣だ」
「それは君の
「確かにその通り、人間が憎いという気持ちはある。あの光で俺から多くを奪い去ったのだからな。だが、俺も無関係の命も奪ってしまった…そして俺は知った…人間の中にも俺の事を思ってくれた奴もいる事を、そしてこの姿になってアイツらと出会った。
アイツらと一緒にいるのは悪くない…だからこそ俺のせいでアイツらが死ぬのは許せない、それだけだ。だが、俺はアイツらを守れなかった…」
「君なら彼女達を救う事が出来る」
「どういう意味だ?」
「言葉通りの意味だ。君に出来る彼女の命を救う方法が1つ存在する。だが、彼女の命は救える代わりに人ならざる者と化してしまう。彼女を介錯して楽にするか、人ならざる者となってでも生かすか…後者を選んだ場合、その責任を取れるか?」
高次元空間の守護者はまるでゼロを試しているかの様だった。
「…責任がどうとか正直に言えばそんなの知った事じゃない。そんなのとは無縁の生活を送っていたからな。だが、アイツらの面倒は見てやる…それだけの事だ」
ゼロの言葉に高次元空間の守護者は聞きたかった答えが帰って来たからか満足げに頷く。
「君の持つGチャンバーを"Gマトリクス"へと変化させる。その力で彼女を救え」
「言われなくてもそうする。感謝する」
「さぁ、行け!"ゼロコンボイ"!」
ゼロの視界は再び光に包まれた。
「何が起きている…!」
Gチャンバーを奪取しようとしたダークスコルポノックだったが、手を掛けようとした瞬間にGチャンバーから発せられた光の繭によって阻まれてしまい触れる事すら出来なかった。
やがて光は収まり、ゼロ改めてゼロコンボイはその姿を現した。
破損箇所はすべて修復され、足には竜を彷彿とさせる下駄を、腰には尻尾らしき物を、背中にはトレーラーが変化したジェットウイングらしき物が装備されている。ゼロコンボイの強化形態たるアブソリュートフォームである。ゼロコンボイは天高く咆哮すると両肩の二連装ショルダーランチャーを展開してミサイルをダークスコルポノックに向けて放つと同時にソウレイとジェノザウラーの元へ寄ると胸部を開く。
「すまない…だが、蘇ってくれ…!」
ゼロコンボイはただ一言そう言うとGマトリクスを輝かせながら触手状の物を伸ばして先端をソウレイとジェノザウラーのゾイドコアに当てると針を突き刺した。Gマトリクスから発せられたエネルギーとゼロコンボイの金属細胞がソウレイとジェノザウラーに流れ込むと彼女達の身体は再生を始めた。失われたソウレイの下半身は再生し、抉れたジェノザウラーのコアも元の形を取り戻していくのだった。
「…あれ、確か僕は…」
意識を取り戻したソウレイがいたのは暗闇で支配された空間だった。
「あれ!?足がある!あの時になくなった筈なのに…」
ソウレイの下半身はコマンドウルフLGCのファング弾によって失われた筈だ。しかし、それが失われていないどころか問題なく動く。その事に疑問を感じていた彼女だったが、ふと誰かに呼ばれた様な感覚に襲われて振り向く。
「お父様…お母様…お祖父様…そうか、僕は…」
其処には死んだ筈の両親と祖父の姿があった。3人の姿を見たソウレイは此処が死後の世界で自分は死んだのだと察した。
3人の元へ歩み寄ろうと一歩、また一歩と踏み出したソウレイだったが、何歩か進むと自身の歩みを妨害するかの様に後ろから服を引っ張られ、彼女は後ろを振り向いた。
「ジェノザウラー…!?でも…小さいですよ…?」
其処には愛機たるジェノザウラーの姿があったのだが、その大きさはソウレイと同じくらいまで縮んでいた。
『すまない…だが、蘇ってくれ…!』
そして響き渡るゼロコンボイの声でソウレイは歩みを完全に止めた。ソウレイの脳裏に浮かぶジェノザウラーとの旅と戦いの日々、そしてゼロコンボイとの旅の日々。祖父の死後、ジェノザウラーを除けばこれ程長く濃厚な日々を過ごしたのはゼロコンボイのみだ。この約1ヶ月も一緒に過ごした結果、彼がそうだった様にソウレイにとっても彼は別れたくないと思う程にかけがえのない存在となっていたのだ。
「お父様…お母様…お祖父様…僕は、逝けません…」
涙を流しながらソウレイはハッキリと言い放った。
「あの日からずっと思っていました…どうして僕だけが生き残ってしまったのか、替えの利かない優秀な人々が死んで僕だけが、と…
犠牲の末に生き残った以上、何か大義を成し遂げなければならないと思って傭兵としての旅を始めました…ですが、誰かと一緒にいる事が怖かったんです…また繰り返してしまうのではないかと…
自分でもよく分からなくなった時…ゼロと出会って…彼と一緒にいるのは不思議と心地好かったんです…だから別れの時が近付くと胸が締め付けられる様な気がして…それで気付いたんです…彼と一緒にいたい、一緒に生きたいって!だから、僕は、僕達は!」
涙声で必死に思いを吐露するソウレイに対し彼女の両親と祖父は歩み寄ると優しく頭を撫でてジェノザウラーと共に抱き締めた。
彼らが暫く抱擁を交わした後、一筋の光が輝き出す。
「もしかして…」
ソウレイが推測通りその光はこの生と死の狭間の世界から脱する出口である。
ソウレイの両親と祖父は言葉を発することなく彼女達に頷く。行け、と言わんばかりに。
彼らの姿にソウレイは涙を拭い
「お父様、お母様、お祖父様、行ってきます!」
と一言告げる。ジェノザウラーも行ってきますと言わんばかりに短く吼える。
ソウレイとジェノザウラーは光の方角へ振り向くと走り出した。
「此処は…」
光に到達し、意識を一瞬失ったソウレイが目覚めたのはジェノザウラーの外だった。
「すまない、ソウレイ」
声がした方を振り向くとゼロコンボイが彼女とジェノザウラーを見下ろしていた。
「お前の身体は下半身が失われて出血多量という状態だった。この状況でお前を生かすにはアデプトテレイターにするしかなかった」
申し訳なさそうに告げるゼロコンボイに対しソウレイは優しく微笑む。
「良いんですよ。貴方の声、聴こえていましたから」
ソウレイが意識を取り戻した後、コアが修復されたジェノザウラーも意識を取り戻したのか目に光が戻り顔を上げる。
「ジェノザウラー!良かったです!」
ジェノザウラーの頭を優しく撫でるソウレイ。それを受けたジェノザウラーはゼロコンボイを見上げ何かを訴える様に短く吼える。
「そうか…」
ゼロコンボイはジェノザウラーの意思をまるで理解しているかの様な素振りだった。
「確かに出来ない事はない…が、成功する保証もないぞ」
ゼロコンボイの言葉にジェノザウラーはそれでもと言わんばかりに頷く。
そしてジェノザウラーの意思はソウレイにも伝わっていた。
「ゼロ、僕からもお願いします!」
ソウレイは頭を下げる。
「分かった、お前らの意思を尊重する」
ゼロコンボイはあるデータをジェノザウラーのメモリーバンクに転送させるとダークスコルポノックとの戦闘を開始、ジェノザウラーは転送されたデータを読み込むと自身とソウレイに合わせて最適化を行う。
一方のダークスコルポノックはゼロコンボイ達がやり取りをしている間に20機のコマンドウルフLCの量産型ゾイックアデプトテレイター化個体をゼロコンボイ達を囲むかの様に配置させていた。
ロングレンジライフルは威力こそファング弾を使用したレールガンより劣るもの直撃すればそれでも大型ゾイドの装甲を撃ち抜く程の威力を有している上に何度も撃てるというメリットがある。この数ならゼロコンボイとジェノザウラーでも蜂の巣になるだろうと踏んだのだ。
ダークスコルポノックに対しゼロコンボイは飛翔して背後に回り込むと蹴りを左足に命中させる。ダークスコルポノックは転倒するが直ぐにビーストモードへ変形し、ゼロコンボイの足を掴もうとするが、ゼロコンボイはバックステップでこれを回避、二連装ショルダーランチャーによる連射を浴びせた。爆煙に包まれたダークスコルポノックはその中でビークルモードのジェット機へと変形し、ゼロコンボイの腹部に向けて機首から体当たりするもののゼロコンボイは寸前で回避して上に乗ると右足で踏みつける。衝撃によって墜落しかけたダークスコルポノックはロボットモードへ変形して着地し、ゼロコンボイも土埃を上げながら降り立つするのだった。
そして最適化が完了したジェノザウラーは外装の修復が完了していないものの立ち上がり、ソウレイに向かって頷く。ソウレイは頷き返すとジェノザウラーを背に正面を向きその"コード"を口にした。
「ゾイドオン!―」
その瞬間にコマンドウルフLCによる集中砲火が放たれ、ソウレイとジェノザウラーは爆煙に包まれる。
「やったか…!?」
爆煙に包まれるソウレイとジェノザウラーを横目にダークスコルポノックは呟く。しかし、ダークスコルポノックの呟きはあるこの状況に於いてある意味言ってはならない台詞である。
爆煙の中から飛び出した機影がコマンドウルフLCの一機の身体を貫いた。
「何だと…有り得ない…何なんだその姿は!?」
機影を目にしたダークスコルポノックは想定外の事態に初めて動揺していた。
現れた機影はジェノザウラーであってジェノザウラーではなかった。
ゴッドカイザーカラーのボディまと頭部の形状は確かにソウレイのジェノザウラーそのものだが、そのサイズは本来のジェノザウラーより一回り小さく、背面にはロングレンジパルスレーザーライフルに加えドラグーンマグネッサーウイングバーニアを追加、バーニアの上部には巨大な電磁ブレードと電磁シールド発生装置で構成されるドラグーンシュタールがフレキシブルアームを介して装備され、大腿のアーマーはキャップの代わりにバーニアを内蔵した脚部マグネッサーウイングが付いている。
その装備にダークスコルポノックも覚えがあった。コマンドウルフLGCのルーツたる
レーザーチャージングブレードとヘッドアーマーがなく2本のレーザーセンサーとビームガンのままかつバックパックの形状が異なるものの左右のバーニアと脚部マグネッサーウイング、ドラグーンシュタールは紛れもなくジェノリッターのものだ。
『いきますよ!』
バックパックに付いているガンポッド状のコックピット内にいるソウレイの言葉にジェノザウラーは咆哮して答える。コマンドウルフLC達はジェノザウラーに向けて砲撃を浴びせるが、ジェノザウラーはドラグーンシュタールを前後に構えると電磁シールドを展開して砲撃を無力化しつつ脚部マグネッサーウイングを展開、跳躍して包囲網から脱出すると今度は電磁ブレードで一気に斬り裂いてLCを全滅させると今度はLGCがいるであろう場所へと向かう。
量産型ゾイックアデプトテレイター化個体であるが故に何発でも撃てるが、それでも次発が発射可能になるまで時間はかかってしまう。
弾道からの推測とレーザーセンサーによる探索でLGCの居場所を突き止めたジェノザウラーはまずロングレンジパルスレーザーライフルで動きを牽制して電磁ブレードで一機を縦に真っ二つにする。その隙にもう一機はレールガンが発射可能になり、接近してくるジェノザウラーに照準を合わせて発砲するが、ジェノザウラーは電磁シールドを張りながら足裏のスラスターとバーニアを左側に向けて噴射しつつ左側の電磁ブレードを展開してファング弾を上下真っ二つに切り裂き、右側の電磁ブレードをもう一機のLGCに突き刺してトドメを刺すとすぐさまゼロコンボイの元へ加勢すべく飛翔する。
『コマンドウルフ達は殲滅しました!あとは貴方だけです!』
ソウレイの言葉に合わせてジェノザウラーは右側の電磁ブレードの先端をダークスコルポノックに向ける。
「二人がかりでも倒せなかった癖に姿が変わった程度で倒せるのか!?」
と啖呵を切るダークスコルポノックだが、内心では焦っていた…このままでは負けると感じていたのだ。
「ソウレイ、ジェノザウラー。時間を稼げるか?」
ゼロコンボイは顔だけジェノザウラーに向けて訊ねる。
『任せてください!』
ソウレイがそう答えるとジェノザウラーは咆哮と共に駆け出し、ドラグーンシュタールをダークスコルポノックに向けて振るう。ダークスコルポノックは腕部のブレードとバケット状の鋏で受け止めては弾き返す事で直撃を防いでいる。
その間、ゼロコンボイは胸部を展開させると砲門を出現させ、其処へGマトリクスのエネルギーを冷気へと変換させつつ集中させる。チャージが終わると
「ソウレイ!ジェノザウラー!」
と呼び掛け、ジェノザウラーがやれと言わんばかりに頷くとゼロコンボイも頷き返し
「
全てを凍てつかせる冷凍光線を解き放った。ダークスコルポノックに確実に命中させるべくジェノザウラーはギリギリまで引き付けて光線が着弾する寸前にスラスターを噴射して回避、光線はダークスコルポノックに命中し、ダークスコルポノックは言葉を発する事が出来ないまま氷漬けとなった。
ジェノザウラーはゼロコンボイの隣に着地すると直ぐに両踵のアンカーを展開して脚部を地面に固定、頭部から尻尾までを一直線にし、尻尾の先端から首までの上下の装甲を順に展開させて咥内の砲身を伸ばす。
尻尾の放熱フィンと各部のスリットから排熱しつつ砲身の先に取り込んだ荷電粒子を球状に集中させる。
『荷電粒子砲、発射!』
そしてソウレイの言葉と共に発射された荷電粒子砲による一撃は氷漬けで動く事が出来ないダークスコルポノックを跡形もなく消滅させたのだった。
ダークスコルポノックの消滅を確認したジェノザウラーは荷電粒子砲発射態勢を解くと光の繭に包まれ、収まった後に姿を見せたジェノザウラーはドラグーンシュタールやマグネッサーウイングバーニア、脚部マグネッサーウイングバーニアは装備しておらず、背中にはガンポッド状のコックピットブロックにロングレンジパルスレーザーライフルが付いているという状態だ。
ガンポッド状コックピットハッチが開くと中からソウレイが姿を現した。
「戻っちゃいました…コックピットの位置が変わってますが…」
「おそらくあの姿は"変身コード"を口にしたソウレイとジェノザウラーが一体化したことで一定時間だけ構成できる俺にとってのアブソリュートフォームに該当する強化形態という事だろう」
元のロボットモードへ戻ったゼロコンボイの言葉にソウレイはなるほどと呟く。
「ジェノザウラーもアデプトテレイターとなったソウレイに合わせて進化した。どうやらその過程で俺の体内にある素粒子コントロール装置もコピーして取り込んだみたいだな。コックピットの位置が変わったのは能力を追加した事で体内にコックピットを収められなくなったからだろう」
ゼロコンボイがジェノザウラーをスキャンすると本来のコックピットたる胸部には素粒子コントロール装置なども取り込んで変質したゾイドコアが収まっており、人が乗れるスペースはなくなっていたのだ。
暫くの沈黙の後、ソウレイはゼロコンボイを見上げて口を開いた。
「ゼロ、我が儘を言っても良いですか?」
「何だ?」
「一緒についていっても…良いですか…?」
ソウレイの言葉にゼロコンボイはこう返した。
「お前達を作り替えてしまった以上、面倒はみるつもりだ」
「それってつまり…」
「俺もお前らの事は気に入っている…だからついて来い」
ゼロコンボイの言葉にソウレイは嬉し涙を浮かべながら
「はい!末永く宜しくお願いします!」
と答えるのだった。
この日を境に一人の少女とその愛機たるジェノザウラーはこの惑星Ziでは誰も行方を知るものはいなくなった。彼女達と面識があった者達は例の神隠しに遭ったのではないかと推測している。
一方、宇宙各地ではこんな噂が囁かれるようになった。
各地と旅している2本の大剣を背負った白蒼の
The end