「まあ、なんだかんだでネオ・ジャパンは生き残って、機体をシャイニングガンダムからゴッドガンダムに変更」
「ガンダムファイト決勝戦の地、ネオ・香港に来た」
「そこで、ガンダムファイトの覇者が決まる」
ガンダムファイト決勝戦の地
ネオ・香港
そこでは、激しいバトルロワイヤルが繰り広げられた
全員が己の技を出して、強者に挑み、倒していく
もちろんだが、スピリッツは手出ししない
この戦いは競技であり、正々堂々の勝負だ
それに介入する程、スピリッツは暇でもないし愚かでもない
「この時は表向き、ガンダムファイト開催委員会から観客に被害が出ないように雇われてた」
「だが実際は、デビルガンダムが出た時の戦力だ」
「まあ、こういう競技を見るのも中々楽しかったけどな」
三人がそう言ってる間にも、スピリッツは飛来してきたパーツや装甲を次々と破砕していた
それすらも楽しいのか、観客達は喚声を上げている
『ったく、ノンキなもんだな』
『危険な場所だってのにな』
『愚痴を言うのはいいが、ミスるなよ?』
一夏と弾は愚痴を言いながら、直哉は黙々と破砕していた
実際、観客達はかなり近い場所でも観戦していた
その場所は危険区域に指定されていて、見るなら自己責任とされている
そこはトライアド隊とジェミニ隊を含めて、七機が展開していた
格闘兵装は使わず、射撃兵装で破砕していた
格闘兵装を使うと、弾幕網に隙間が出来てしまうからだ
一応後方には他の機体も展開しているが、それは本当に緊急事態にのみ動くことになっている
これもまた、ガンダムファイト開催委員会からの注文だった
《主役はガンダムファイト参加機体であって、貴様らではない。あまり目立つことはするな》
と
別に目立つつもり等、毛頭無い
だが、そう言われたら対応する必要がある
だから格闘兵装は使わず、射撃兵装を使っていた
しかも、固定砲台のように
あまり動かず、目立たず
かなりやりづらい依頼だった
MSは機動兵器であり、固定砲台ではない
本来は動き回って撃つほうが向いている
しかし、依頼されたら仕方ない
移動するのは、困難な位置にパーツが飛来した場合に限定
格闘兵装や格闘攻撃も、射撃兵装を使ったら街や観客に被害が出そうになった場合に限定
そういった制限下で、スピリッツは観客達を守っていた
その甲斐あり、観客への被害は皆無だった
そして、決勝戦予選たるバトルロワイヤルは無事に終結したのだった
決勝戦は厳正なくじ引きの末に、トーナメント形式へと移行
一部波乱が起きたものの、順調に進んでいった
そして、参加機体が九機まで減った時、決勝戦が始まった
場所は、ランタオ島
そこで、最後の一機になるまで戦うのだ
決勝まで進んできた九機と、前大会の優勝者のマスター・アジア
その十機により、決勝戦は幕を開けた
だが、この決勝戦はある意味仕組まれたものだった
この決勝戦に進んだ機体の内の六機は、新シャッフル同盟とシュバルツ・ブルーダー
そして、三機のパイロット
一人目、ジェントル・チャップマンは、途中で死んだはずの男だった
二人目
ミケロ・チャリオットは、途中で敗北したはずの男だった
三人目は何より、マスター・アジアだ
他に、大会で唯一の女性
アレンビー・ビアズリーが居た
彼女の機体、ノーベルガンダムは曰く付きの機体だが、彼女自身は正々堂々と戦うファイターだ
問題は無かったはずだった
だが、その決勝戦の最中にそれは起きた
ランタオ島の地中から、巨大なガンダム
デビルガンダムが出現
さらに、ジェントル・チャップマン、ミケロ・チャリオット、アレンビー・ビアズリーの機体が変異したのだ
グランドガンダム、ヘブンズソードガンダム、ウォルターガンダムへと
そう
ノーベルガンダムは開催国、ネオ・香港の代表
ウォン・ユンファの手により、DG細胞に感染させられていたのだ
ノーベルガンダムだけではない
死んだジェントル・チャップマンも、死体と共にDG細胞に感染させられていた
一機でも多く、デビルガンダムの手駒を増やすために
更に、デビルガンダムの出現により、デスアーミーとガンダムヘッドも出現した
それを見て、スピリッツは動き出した
最初はウォン・ユンファが制止したが、他の開催委員会メンバーによって許可された
せめて、近くの観戦客を避難させる時間が欲しいと
実際問題、デスアーミーの中には空戦型や水中戦闘型も存在した
それらから観戦客達を守るために、スピリッツは出動した
水中の敵には、水中戦闘用の装備に換装したアストレイBF2ndLが向かった
一機だけだが、パイロット
ラナロウはプロだ
どんな機体だろうが、乗りこなしていた
「凄い……不慣れな筈の水中戦闘を軽くこなしてる……」
「正しく、プロの傭兵だな」
と感嘆していたのは、鈴とラウラだった
彼女達もISではないが、水中戦闘の難しさを知っている
水中では何時もの動きは水の抵抗により、出来ない
特に、踏ん張りが効かないので、格闘戦闘は上手くいかないのだ
「この水中戦闘装備は、スケイルモーターを使っていて、水中でも高速でも動けるって装備だな」
「だけど、それでも操縦は難しいな」
と言ったのは、一夏と弾だ
特に、アストレイシリーズは装甲の面でも水中戦闘には不向きだ
アストレイシリーズに採用されている、発泡金属
これは発泡スチロールと同じように気泡が多い金属で、金属の中では軽い金属なのだ
それにより、アストレイシリーズは量産型機の中では高い機動性を確保している
パイロット次第では、ワンオフ機体にも勝てる格闘性を確保した
しかしその反面、防御力は低いのだ
それはつまり、耐久性が低いということだ
それにより、水中に入ったら高い確率で機体が圧壊してしまうのだ
だから、深海での戦闘は不可能
出来るとしたら、浅い深さのみだ
だが、その浅い深さでラナロウは次々と敵を海の藻屑にしている
そして敵は、深海へと消えていった
こうして、ランタオ島での戦いは始まった