「この後、情勢は一気に変わった」
「コロニーは、ガンダム達は無関係と表明」
「それと同時に、スピリッツとの契約も破棄……俺達が別の国に雇われたのは、それから少しした後だった」
場所は変わり、映ったのは大量のMSの侵攻を受けている国だった
その国の名前は、サンク・キングダム
完全平和主義を掲げ、地球圏統一国家より離脱した国だ
その国に対して、OZの技術仕官
ツバロフが、開発した無人機
圧倒的武力で、サンク・キングダムを制圧しようとしていた
その数は優に、百を超えている
それに立ち向かうのが、スピリッツとガンダム達だった
MDはプラネイトディフェンサーという防御機構を有していて、それにより射撃の悉くを無力化していた
それに気付くと、スピリッツは近接戦闘を開始した
プラネイトディフェンサーでは格闘攻撃は無力化出来ないらしく、MDは次々と爆散していく
しかし、それを上回る量が侵攻してきていた
『こりゃ、キリがねえぞ!』
『隊長!』
『乱戦に移行する! 上手く行けば、誤射も狙えるはずだ!』
『了解!』
マークの指示に従い、スピリッツは乱戦に突入
もちろんだが、IFFは切っている
そして、どれほど戦っていただろうか
MDは無人機故に、バッテリーが続くかぎり戦える
しかし、スピリッツやガンダム達はそうはいかない
長時間の戦闘で、誰もが疲れてきていた
その時
『隊長! 高速接近する機体確認!』
とナナが言った
『数は?』
『数は1! だけど……速い!!』
マークの問い掛けにナナが答えた直後、赤い機体が現れた
格闘兵裝しか持たないガンダム
エピオンだった
『エピオン……だと?』
『パイロットは誰だ?』
と一夏と弾が困惑気味に言った
その直後、エピオンが動いた
その動きは凄まじく、相手の動きを読んでいるかのようだった
「なに、あの動きは!?」
「まるで、未来予知してるみたい……」
と言ったのは、鈴とセツコである
常軌を逸した動きに驚いているようだ
「この動きの正体は、エピオンシステム」
「パイロットの頭の中に、戦場の動きの全てを見せるんだ」
「自分の動きも含めてな」
三人がそう言うと全員が驚いた表情を浮かべた
そしてエピオンの介入により、戦闘は優勢に変わった
それで指揮官は不利を悟ったのか、残存MDは全て撤退していった
すると、カトル機がエピオンに近寄り
『ヒイロですね? 今の動き方は、ヒイロですね?』
と声を掛けた
どうやら、パイロットはヒイロ・ユイらしい
それに安堵し、スピリッツも武装を下ろした
次の瞬間
『敵は……殲滅する!』
とエピオンがカトル機に攻撃した
『ヒイロ!?』
『システムに乗っ取られたか!?』
それを見たスピリッツは、武装を構えた
すると、カトルが
『待ってください! 手を出さないでください!』
と制止した
『だが、今のヒイロはシステムに乗っ取られているぞ?』
『分かっています! ですから、僕が助けます!』
カトルはそう言うと、エピオンと交戦を開始した
すると、千冬が
「システムに乗っ取られるとは、どういうことだ?」
と問い掛けた
「エピオンシステムが戦場の予知をするのは、教えたよな?」
「しかしその中には自機の自爆も含まれて、民間への被害は含まれないんだ」
「その中から、パイロットが最適な答えを選んで行動する。しかし、その選択肢を見せられて精神が負ければ、システムにパイロットが乗っ取られて、機体を動かす部品になる」
三人のその説明を聞いて、全員絶句した
何故、そんな危険なシステムを搭載したのかと
「この機体を開発させた人物、トレーズ・クシュリナーダは扱える自信があったかららしいがね」
「けど、ヒイロは適性が無かったからなのか、システムに乗っ取られそうになったんだ」
「で、カトルと戦っている内に我に帰って、何とか機体から降りたんだ」
三人が語り終わるのと同時に、エピオンのコクピットからヒイロが出てきた
だが足元がおぼつかず、倒れた
それをカトルが回収
エピオンはスピリッツが回収した
そこで映像が変わり、場所は変わらず
しかし、相手の数が増えていた
しかも、今も次々と上陸している
『ちい! 本当にキリがねえぞ!』
『どうにかしないと……数に押されるっ!』
『あの母艦が指揮してるんだろうが……クソッ! 弾幕が厚過ぎる!』
苦戦しながらも、スピリッツは奮闘していた
その時
『リリーナ・ピースクラフトより、部隊の指揮官に申し入れます。サンク・キングダムは降伏します』
と通信が聞こえた
『クイーン・リリーナ! なぜ!?』
『これ以上、貴殿方が傷付くのは見たくないのです……』
ゼノンの問い掛けに、リリーナ・ピースクラフトはそう答えた
彼女生来の優しさが、降伏に踏み切らせたらしい
だが、戦っていたメンバーは捕まる前に脱出に成功
各々、各自のルートで宇宙に上がった
この時、OZでは内乱が発生
MDを開発したツバロフ技師長を頂点にした、ツバロフ派
そして、トレーズ・クシュリナーダを頂点にしたトレーズ派
この二つに分かたれた
そこへ更に、OZに対して武装蜂起した武装勢力
ホワイトファング
この三つの勢力による三竦み状態に発展
AC世界に於ける戦闘は、最終局面に入った