「それが起きたのは、AC196年末……」
「バートン財団が極秘裏に、新型MSを開発」
「更に、隠してたらしいMSを使って、軍隊を組織……地球に対して、宣戦布告した」
この時三人は言わなかったが、ほぼ同時期に新興コロニーのX18999にて、クイーン・リリーナこと、リリーナ・ドーリアンが誘拐されていた
この誘拐を知ったヒイロは、デュオと共にそのコロニーに潜入
救出を試みていた
しかし、予想外の妨害により失敗
デュオと共に、コロニー内に残った
この妨害をしたのが、かつての仲間だった五飛とトロワだった
なおトロワは、最初はバートン財団が何をしようとしているのか調べるために少年兵として志願した
だが五飛に関しては、リリーナの思想に反目したからだった
そしてこの時、デュオとトロワ、カトルとヒイロの四人はガンダムが無かった
その理由が、《平和になったのなら、兵器たるMSのガンダムも要らないだろう》
ということで、廃棄された資源小惑星にガンダムを入れて、太陽に向けて飛ばしたのだ
そのカトルはガンダムを回収するために、家で保有していた長距離移動用シャトルで太陽の方に向かった
そして、この争乱
後に、バートンの反乱と呼ばれた戦いを引き起こしたのは、デキム・バートン
とてつもない野心家で、世界はバートン一族が支配するべきだと思っていた
そしてこのデキムこそが、先の戦い
オペレーション・メテオを立案した男だった
そして、このオペレーション・メテオという名前の由来
それは、地球へのコロニー落としだった
コロニー落としによって起きた混乱の隙を突いて、ガンダムを降下させて、地球を制圧する
それが、本来のオペレーション・メテオだったらしい
しかし、もしその作戦を行えば、地球は大打撃を受ける
試算では、最低でも10億人が死に、それに倍する数の動物も死ぬことが判明
それが気に入らなかった一部が、独断でオペレーション・メテオを開始
ガンダムを降下させたのである
そして、結果は知っての通りとなった
しかし、それが気に入らなかったデキムは行動を密かに開始
新型MSを開発し、戦力を集めて開始したのである
自分の望んだ世界の為に、オペレーション・メテオを
なおデキム自身は表に出ず、ある少女を表向きの代表にした
その少女の名前は、マリーメイア・クシュリナーダ
そう、トレーズの娘だった
マリーメイアはトレーズとバートン一族の女性の間に産まれた子供らしい
デキムはそのマリーメイアを裏から操り、世界を支配する目論見だったのだ
そして発動されたオペレーション・メテオ
コロニーX18999の回転を狂わせて、地球への落下軌道を取らせた
これを阻止したのが、コロニーに潜入していたヒイロとデュオ、トロワの三人だった
三人がコロニー落としを阻止したタイミングで、カトルもガンダムの回収に成功
資源小惑星毎、地球へと向かった
ヒイロは一早く地球に向かうために、宇宙でウィング・ゼロを受け取ることにした
そして、プリベンダーはバートン財団のMS部隊を止めるために、殆どの戦力を宇宙に上げて月方面に向かわせた
その戦力の中には、雇われたスピリッツも居た
しかし、そのMS部隊は囮だったのだ
そのMS部隊は殆どがMDだったのだ
本命は、地球の衛星軌道上の廃棄されていた資源小惑星の中に隠されていた新型MS
サーペントだった
そのサーペントの数は、数百に登る
それを地球に下ろし、戦力の無い地球を制圧する
二重三重に組まれた作戦だった
そして、そんな作戦に気付いた男が居た
その男の名前は、ゼクス・マーキスだった
最終決戦で死んだと思われていたゼクス・マーキス
彼は確かに、死んでいた
平和に馴染めず、人里離れた場所でひっそりと過ごしていたらしい
しかし、トレーズの娘たるマリーメイアが出てきた挙げ句、地球に対して宣戦布告
それを聞いて、動き出した
プリベンダー本部に居たレディ・アンに会いに行き、隠していたMS
このAC世界に於いて最初の機体
トールギス
その改修機体、トールギスⅢで現れたのである
そのゼクスの活躍により、幾らかは減らせた
しかし、デキムはコロニー落としをちらつかせて、ゼクスを脅迫
動きを止めさせて、残りの戦力の殆どを地球に下ろした
そして地球には、それを迎え撃てる戦力は残されていなかった
それにより、地球統一連合首都、ブリュッセルは占拠された
この時、月方面での戦闘は一応終結していた
しかし、MDとの戦闘でプリベンダーは主力の殆どを喪失
スピリッツは全機無事だったが、要請により三機しか地球に向かわせられなかった
それが志願した直哉達だった
直哉達の機体をカプセルに入れると、地球への軌道を取らせた
映像は殆ど暗かったが、警報音が鳴り響き
『高度4000! 装甲殻解放に備えろ!』
と直哉の声が聞こえた直後、爆発音が聞こえて、見えたのは市街地の上空だった
『おい、既に始まってるぞ!』
『だな』
『戦ってるのは……トールギスとトーラス……ゼクス・マーキスか!?』
と三人が驚いた時、三機の横に三機のガンダムが現れた
それは、サンドロック、ヘビーアームズ、デスサイズだった
ウィング・ゼロはどうしたのか
この時ウィング・ゼロは、衛星軌道にてアルトロンと交戦していたのだ
そして、直哉達は三機と一緒に着地
交戦を開始した
『どうにか間に合いましたね!』
『カトルか!?』
どうやら、カトルが助けたのは、ルクレツィア・ノインだったようだ
『地獄への道連れは、ここにある戦争と兵器だけにしようぜ!!』
デュオはそう言いながら、一機のサーペントの頭を斬り飛ばし
『敵の数は400機、一人頭50の計算だ。戦闘力を奪うだけなら、なんとかなるだろう』
トロワはそう言いながら、ガトリングを撃ちまくり、サーペントを次々と戦闘不能にしていた
『お二人共、流石ですね。これだけ戦って、一人も殺していないなんて』
そう
ノインとゼクスの二人は、誰一人として殺していなかったのである
そしてそれは、直哉達と三機も同じだった
パイロットを殺さず、機体のみを破壊する
言うのは簡単だが、実際にやるとなると難しい
コクピットを攻撃するのは勿論だが、下手な位置を攻撃したら機体が爆発する
だから、死なないように攻撃するしかない
何故殺さないのか
その理由は、《戦争は終わっているから》だった
相手にとっては、戦争かもしれない
しかし、彼等にとっては暴徒の鎮圧にしか過ぎない
だから、出す犠牲者は少なくした方がいいのだ
しかし、数の差は圧倒的だった
『チクショウ! 倒しても倒しても出てきやがる!』
『さよならは言いませんよ、ゼクス!』
『当然だ!』
『グウッ!? クソが!!』
八人は口々にそう言いながら、戦闘を継続していく
だが、数に押されて劣勢になっていく
その時
『もういい、ガンダムのパイロット! 我々を残して撤退しろ!』
とゼクスが言った
『撤退!?』
『今ここで逃げる位なら、最初から逃げてるぜ! だが、このまま戦うのはキツいけどな!』
『しかし! このままでは、無駄死にになる!』
デュオの言葉を聞いて、ノインはそう言った
しかし、カトルが
『殺すだけの戦闘なら、もっと早く終わってます! だけどそれだったら、僕達が来た意味が無いじゃないですか!』
と反論した
確かに、殺した方がもっと早く終わっていただろう
しかしそれでは、戦争と何ら変わらない
それでは、意味が無いのだ
そうこうしていく内に、機体は傷付き、武装も摩耗していく
サンドロックは持っていたショーテルが折れて、ヘビーアームズは弾が切れていく
『今度もまた、負ける戦いだな……!』
『行くぜぇ! せえの!!』
『お前ら! まだ生きてるか!?』
『当たり前だろ!』
『簡単に、死ねるかっての!』
八機は獅子奮迅の戦闘で、次々とサーペントを撃破していく
しかし、倒した直後にそれの倍近い数が集まってくる
そして気付けば、八機のエネルギーはギリギリになり、圧倒的数のサーペントに包囲されていた
『02、03、エネルギーは?』
『戦闘可能まで、最低でも300は必要だな』
『右に同じく』
直哉の問い掛けに、一夏と弾がそう答えた
恐らく、300というのは時間だろう
『もう何にも残ってねえ……自爆装置を使えば、半分は吹き飛ばせるだろうが……』
『自爆するなら、付き合うぜ?』
『俺達のも起爆すれば、殆どを道連れに出来るぞ?』
デュオの言葉に一夏と弾が続いた
スピリッツの機体には、例外無く自爆装置が付いているからだ
すると、トロワが
『自爆するなら、誰も巻き込むな! 死ぬのは、俺達だけで十分だ』
と否定した
それを聞いて、デュオが
『そうだな』
と言った
そして、止めを刺すためだろう
サーペント部隊が、武装を構えた
その時、センサーが上を示した
『なに!?』
『上!?』
『新手か!?』
八人は口々にそう言いながら、上を見上げた
上空に見えたのは、ボロボロだったが間違いなく、ウィング・ゼロだった
『ウィング・ゼロ!』
すると、シャルロットが
「ねえ、どうしてあんなにボロボロなの?」
と問い掛けた
「それはな、アルトロンと戦ったからだ。アルトロンは格闘戦闘能力なら、ウィング・ゼロを越えているからな」
と言ったのは、一夏だった
すると、直哉が
「教えてくれ、五飛。俺達は一体、後何人殺せばいい」
と言った
その言葉に、全員の視線が集まった
「俺は一体後何回、あの子供と子犬を殺せばいいんだ……ゼロは何も教えてくれない……教えてくれ、五飛」
「神埼君……その言葉は?」
真耶がそう問い掛けると、直哉は
「この争乱が終わった後に、五飛から聞いた言葉です。聞いた話ですが、ヒイロはガンダムに乗る前はOZに対する破壊工作に従事していたらしいので、その破壊工作の最中で子供と子犬を巻き込んでしまったのでしょう。そしてそれを何回も、夢に見たと思われます」
直哉が推測混じりにそう言うと、真耶は辛そうな表情を浮かべた
その時、ウィング・ゼロがツインバスターライフルを発射した
その狙いは、ブリュッセル大統領府にある地下シェルターだった
しかし、一撃で破壊出来るわけがなかった
何故ならば、地下シェルターにはシールドが張られていたからだ
だからヒイロは、二撃目を撃った
その二撃目により、シェルターシールドは大打撃を受けた
この時ヒイロは、0、22という誤差で同じ場所を撃ったのだ
それにより、シェルターシールドは出力が半分まで低下
もう一撃、同じ場所に受けたら破壊される
それを知ったデキムは、慌ててサーペント部隊を呼び戻して対空砲撃を開始させた
ヒイロはそれを無視して、三撃目を撃とうとした
この時、ヒイロの脳裏にリリーナと巻き込んでしまった子供と子犬が過った
だからヒイロは、狙いをずらして発射
それにより、シェルターシールドは吹き飛んだ
だがそれとほぼ同時に、ウィング・ゼロも大破
落下した
『ヒイロ!?』
『なっ!?』
その光景を見て、八人は息を飲んだ
ヒイロが無事とは思えなかったからだ
しかしヒイロは無事だった
機体から出ると、地下シェルターに潜入
弾が入ってない拳銃で、マリーメイアを撃ち、この戦いの首魁だった、マリーメイア・バートンは死んだことにした
そして、残っていたサーペント部隊は立ち上がった市民達により戦闘を停止
兵士達も武装を捨てて、投降
そして、デキムは一人の兵士に射殺された
これにより、AC世界での戦いは終結したのだった