ISGジェネレーション   作:京勇樹

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第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦2

ヤキンに突入した一堂は、中の兵隊と交戦しながら進んでいた

時々手榴弾で敵兵を吹き飛ばし、あるエレベーターに入った

アスラン曰く、指令室間近に通ずるエレベーターらしい

エレベーターから降りると、アスランの案内で指令室の前まで来た

その時、銃声が聞こえて一堂はドアの両側に隠れた

銃声は、三回聞こえた

銃声が収まった後、一堂はドアを開けた

そして見えたのは、宙を浮く二人の男性

一人は、ユウキ・アマルフィ

そしてもう一人は、パトリック・ザラ

アスランの父親だった

そして総司令官たるパトリック・ザラがそうなったからか、指令室は騒然となっていた

そして、一人が席を立つと一人、また一人と席を立ち始めた

脱出するのだろう

一堂はその流れに逆らい、指令室に入って浮いている二人に近寄った

ユウキ・アマルフィには直哉と一夏が近寄り、脈を確認した

だが、既に死んでいた

そしてパトリック・ザラには、アスランとカガリが近寄り下まで下ろした

すると、パトリック・ザラはうわ言のように

 

『撃て……ジェネシスを……我らの……世界を……』

 

と言うと、死んだ

 

『父上!』

 

そんなパトリック・ザラにアスランが声を掛けたが、最早返事は無かった

そして、アスランが悔しそうにしていた時だった

突如、警報音が鳴った

それを聞いたアスランが、近くのコンソールに近寄りキーボードを叩き始めた

そして、少しすると

 

『これは……!』

 

と言って目を見開き、持っていたライフルを手放し再びキーボードを叩き始めた

すると、キーボードを強く叩き

 

『こんなことをしても、何も変わらないのに!』

 

と声を上げた

 

『アスラン、何が起きた!?』

 

と直哉が問い掛けると、アスランは

 

『ヤキンの自爆に、ジェネシスの発射が連動している!』

 

と声を上げた

 

『ええっ!?』

 

『照準は!?』

 

『アメリカ、ワシントン!』

 

アスランはそう言うと、ライフルを掴んでドアに向かった

その後に、全員続いた

そして、機体に戻ると

 

『アスラン! どうするつもりだ!?』

 

とカガリが問い掛けた

するとアスランは、少ししてから

 

『ジャスティスを核爆発させる』

 

と言った

 

『そんなことしたら、お前は!?』

 

カガリが制止するが、アスランは止まらない

そしてジェネシスに近づくと、資材搬入用らしいハッチを吹き飛ばして突入

その後に、直哉と一夏、カガリが続く

 

『これ以上はダメだ!』

 

アスランはそう言うと、ジャスティスのフライトユニット

ファトゥム00を分離

MS一機が通れる道を、ファトゥム00で塞いだ

 

『アスラン!!』

 

三人が呼ぶが、アスランはそのまま奥へ向かった

その頃外では、クルーゼの乗ったプロヴィデンスとキラの死闘が繰り広げられていた

キラは助けようとしたフレイの乗った脱出挺が目の前で撃破され、悲しみでSEEDを発動させていた

 

『貴方は! 貴方だけは!!』

 

『正義と信じ! 分からぬと逃げ! 知らず! 聞かず!』

 

クルーゼのその言葉は、ある意味戦場の真実だろう

互いに自分達が正義と信じ、銃を手に取る

そうして、戦争は繰り返されてきた

 

『違う! 人は……人はそんな物じゃない!』

 

『何が違う! 何故違う!? この憎しみの目と心と、引き金を引く指しか持たぬ者達の世界で! 他者より強く! 他者より先へ! 他者より上へ!!』

 

ああ、それもまた、世界の真理かもしれない

人々は自分の方が上なんだと示すために、争い続ける

 

『それしか知らない貴方が!?』

 

『知らぬさ! 所詮人は、己の知ることしか知らぬ!!』

 

その戦いは、人の光と闇の戦いだった

キラは人々の善意()を信じ、クルーゼは人々の悪意()を信じた

 

『まだ苦しみたいか!? 何時かは、やがて何時かはと! そんな甘い毒に踊らされ、一体どれ程の時を戦い続けてきた! 君もその一人だろうが!!』

 

『てめえが見てるのは、人の醜い部分だけだろうが! なんで、人々の善意を見ようとしない!』

 

弾はそう言いながら、クルーゼにビームを撃った

キラ機も弾機も、最早ボロボロだった

これまでの激戦と、クルーゼとの戦いが理由だった

だがそれでも、クルーゼに善戦していた

すると、クルーゼが笑い始めた

 

『最早私の勝ちだ! ヤキンが自爆すれば、ジェネシスは発射される!!』

 

『そんな!?』

 

『なんだと!?』

 

キラと弾はアスランと直哉達がジェネシスに向かったのは知っていたが、頭部が損傷したことで何をしているのか知らなかった

 

『地は焼かれ、涙と悲鳴は新たなる争いの狼煙となる! 最早止める術は無い!!』

 

その声からは、狂気しか感じなかった

人間全てに対する怒りと憎しみから来る狂気

それが、クルーゼの原動力だった

 

『それでも!』

 

キラはそう言うと、クルーゼに向かい始めた

弾はそんなキラを援護するために、ビームを連射

プロヴィデンスの移動小型砲台

ドラグーンの移動先を予測して撃っていた

実はこの時、弾はSEEDに覚醒していた

だから、ドラグーンの移動先を予測しビームを撃ち続けていた

この時、ジェネシスの中ではファトゥム00を退かすことに成功したカガリがアスランに対して

 

『ダメだ、逃げるな! 生きる方が、戦いだ!』

 

と言っていた

そしてキラは、ビームサーベルを抜刀

連結したアンビテクス・ストラスフォームにすると、突撃した

 

『守りたい世界があるんだぁぁぁぁぁ!!』

 

キラはそう叫びながら、クルーゼに突撃

コクピットを狙い、突き刺そうとした

この時、クルーゼは盾に内蔵されたビームガンでフリーダムを迎撃

フリーダムは被弾を無視して、突撃した

その盾を持つ左腕を、弾機が切り捨てた

その直後に、キラのビームサーベルがプロヴィデンスの胸部を刺し貫いた

その直後に、ヤキンが自爆を開始

それと並行し、ジェネシスが起動、発射された

この時キラと弾は射線上から脱出を試みたものの、機体の損傷も相まって間に合わずにジェネシスの砲撃を受ける

だがその直後に、ジェネシス内部でジャスティスが核爆発

ジェネシスの砲撃は、中断された

砲撃が中断された為に、地球には届かなかった

 

『キラ!!』

 

『キラは……!?』

 

『弾、何処だ!?』

 

『弾!!』

 

ジェネシスから脱出していたカガリ機のコクピットに、アスランも居た

脱出した四人は、キラと弾のIFFが無くなっていることに気づいた

この時キラと弾は、ジェネシスの砲撃によりかなり吹き飛ばされていた

 

『俺達は……なんのために、戦ってるのかね……』

 

と弾が呟いた時、視界の端に光りが見えた

それは、星の光りではない

スラスターの燃焼光だった

キラも気づいたらしく、ジッと見ていた

そして見えたのは、近づく三機

カガリ機と直哉達だった

こうして、第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦は幕を下ろした

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