今回は短いです
三人でお祭りを回り始めて、数分後
「なんか、二人とも……雰囲気が怖いぞ?」
と一夏が言った視線の先では、箒と蘭が睨みあっていた
険悪とまではいかないが、仲がいいとも言えなかった
すると二人は
「大丈夫だ」
「問題ありませんから」
と答えたが、滲み出る気迫が凄まじい
(俺に、どうしろと……)
一夏はそう思いながらも、二人と歩いた
そして、少し歩いてから
「なあ、なんかやるか?」
と二人に提案した
すると蘭が
「あれをやりませんか!?」
と射的屋を指差した
しかし、内心では
(あああぁぁぁ! 私ってば、何してるの!? 射的は苦手なのにぃ!!)
と頭を抱えていた
それに気付かず、一夏は
「おーう、いいぞ」
と三人分のお金を払った
すると、店主が
「お、中々男前だな。兄ちゃん。おまけに、女の子達には一発増やしとくぜ」
と言って、コルク弾の入った皿に一発ずつ入れた
そして、三人は構えた
なお、射的屋の棚の一番上には色の派手な板があった
「店主、あの板は?」
「あれは、最新テレビの板だ。簡単には倒せないぞ?」
一夏の問い掛けに、店主はそう答えた
箒は訓練で銃を扱ったことがあるために、落ち着いていた
しかし、蘭は緊張でガチガチだった
そして一夏は、構えていた蘭の狙いが、その板に向けられていることに気付いていた
だから一夏は、左腕に銃身を乗せて蘭の射撃より僅かに早く撃った
一夏の撃った弾は、傍目には外れたように見える
だが、一夏の撃った弾は跳ねてその板の裏側の棒に命中
その棒を叩き落とした
その直後に、蘭の撃った弾が命中
その板は、倒れた
それを見た店主は
「な……なんてこった……まさか、アレが倒されるなんて……いや、約束だからな……持ってけ!」
と奥から、テレビの箱を持ってきて蘭に渡した
「いやはや、今年は赤字だな!」
と店主は頭を掻いた
その後箒は、無難にクマのヌイグルミをゲットした
そして一夏は、その後はわざと全て外した
流石に、店主が可愛そうに思えたからだ
「お、重い……」
「だろうな。貸せ」
蘭から箱を受け取ると、一夏は
「箒。確か、荷物預かり所が有ったな?」
と箒に問い掛けた
すると箒は
「ああ、社務所に持っていけば預かってくれるぞ」
と答えた
それを聞いて、一夏は
「うし。じゃあ、持ってくか」
と歩きだした
そして、数分後
「確かに、預かりました」
と社務所に居た巫女から、ナンバープレートを貰った
それを一夏は
「帰りは、弾に頼んでくれ」
と蘭に渡した
「あ、はい。わかりました」
蘭は受け取ったナンバープレートを、無くさないようにと巾着に入れた
それを見た一夏は
「んじゃ、また行きますか」
と出店に繰り出した
組合わせが変わり、弾と虚ペア
こちらは、二人で静かに回っていた
「私、こういうのは久しぶりですね」
と言ったのは、黒を基調にした浴衣を着た虚である
何時もは結い上げている髪を、ストレートにしている
立ち姿もしゃっきりしていて、着なれているのが分かる
「そうなんですか?」
「ええ。殆どの方が、お嬢様と一緒に行くので」
弾の問い掛けに、虚はそう答えた
すると、弾は
「そいつら、見る目無いんですね」
と言った
弾からしたら、虚もまごこうことなき、美少女である
「そ、そうですか?」
「自信持ってください」
虚の言葉に、弾はそう言った
そして、二人は適度に食べ物を買うと森の中に入った
「あの、弾くん……こっちは、大丈夫なんですか?」
「はい。こっちに、花火がよく見える場所があるんです」
虚からの問い掛けに、弾はそう答えた
このお祭りでは、数こそ少ないが花火が打ち上げられるのだ
そして、今弾が向かっているのはその穴場スポットだった
「ここです」
と弾が言って、二人して夜空を見上げた
その直後に、花火が上がったのだ
「わぁ……」
「丁度だったか」
そして二人は、ゆっくりと花火を見ていたのだった