「うそ!? 織斑君達が執事の格好をしてるの!?」
「見に行かないと!」
「一時間待ち? 待ちます!!」
四人が執事服を着ているという話はあっという間に広がり、一年一組は大盛況だった
廊下には、臨時に数人が列整理をしていた
そして中では
「お帰りなさいませ、御嬢様」
「こちら、本日のメニューになります」
「お待たせしました。珈琲とパンケーキでございます」
「写真撮影でごさいますね」
と四人が目まぐるしく動いていた
なお、写真撮影というのは一枚500円と高いがツーショット出来るのだ
もちろんだが、四人以外とも写真撮影は可能だ
だが、この四人がダントツで指名されていた
始まってから一時間足らずで、一万円以上は稼いでいる
その時
「いっしゃあぁぁぁぁ!」
「おごふっ!?」
鈴がまるで弾丸のように、一夏の腹目掛けて飛び蹴りをかました
その一撃は、鈴の体の軽さからは予想出来ない威力だったと、一夏は後に語る
一夏を蹴り飛ばした鈴は、着地すると
「あんたらのせいで、客がこっちに来ないんだけど!?」
と怒った
どうやら、それで一夏を蹴りに来たらしい
すると一夏は
「そんなん知るか! いきなり蹴りやがって!」
と怒ってから、鈴を見た
鈴の服装は、チャイナ服だった
「鈴のクラスは、何やってるんだ?」
「本格的な飲茶よ。母さんの店に協力を頼んだわ」
弾が問い掛けると、鈴はそう言った
直哉は、一夏に巻き込まれた机を直している
その間に鈴は、手近な椅子に座り
「余りにも暇だから、敵情偵察よ」
と言った
どうやら、余程入ってこないらしい
「だったら、いきなり蹴るなっての」
まだ痛むのか、一夏は腹を擦っている
そして一夏は、座った鈴にメニューを差し出したのだった
その頃、直哉達に呼ばれた三人は
「本当に広いな、おい……」
「本当ですね……」
「地図を渡されても、迷いそうねぇ」
と校舎内を歩いていた
IS学園の敷地面積は、かなり広い
一般的な学校の数倍は広い
だからその広さに、三人は受付で渡されたマップを見ながら歩いていた
マップが無かったら、完全に迷っていただろう
三人はマップで出店内容を見ながら、直哉達の居るクラスに向かっていた
「えっと……爆発は芸術だ? 不安しか感じないな、おい」
「古今東西、世界各国の家庭料理……うっ、気になる」
「こうすれば、古着を無駄なく使える……あらあら、寄ってみましょうかしら?」
と三人はマップを見ながら、歩いていた
その時
「あら、数馬じゃない」
と数馬と蘭には、聞き覚えのある声が聞こえた
呼ばれた数馬と蘭は、声のした方に顔を向けた
そして二人が見たのは、チャイナ服を着た鈴だった
「おー、鈴じゃんか。おひさー」
数馬は軽い調子で片手を上げて
「鈴さん……変わってませんね」
蘭はある部分を見ながらそう言った
すると鈴は、髪を逆立てて
「あんただって変わってないでしょうが!」
と怒った
二人は
更に言えば、互いの性格が反りに合わないので仲が良いとは言えない
すると数馬が
「俺からしたら、両方とも変わってないがな」
と言った
その直後
「うっさい!」
「余計なお世話ですっ!」
と鈴の崩拳、蘭のシャイニングウィザードが炸裂
数馬は沈んだのだった
周りの人達が感嘆したのか拍手すると、鈴と蘭は片手を上げていた
そんな中、麻里耶が
「御手洗君、そういうことは言わないほうが良いですよ」
と沈没している数馬に言った
その言葉に数馬は、片手を上げて答えた
人生の先達の忠告は、素直に聞いたほうが吉である
でないと、余計痛い目にあうのだから
そして数馬が復活したのは、それから数分後だった
「あー、効いた……鈴、威力上げたな?」
「
数馬の言葉に、鈴は自信満々といった表情で胸を張った
そうこうしてる間に、鈴の案内で三人は一年一組に到着した
しかし、生憎の長蛇の列だった
それを見て、数馬が
「凄い人数だな……」
と漏らした
すると、鈴が
「ちょっと、待ってね」
と言って、列を見ながら入り口に向かった
そして、入り口に居た生徒に何か言うと
「ほら、来なさい!」
と手招きした
すると、近付いた麻里耶が
「大丈夫なのかしら?」
と問い掛けた
すると鈴は、チャイナ服のポケットから紙を取り出して
「学園祭期間中は、一般客を優先してもてなすこと。このIS学園は、普段は一般客が入れないので」
と言った
それは、前日に全生徒に渡された学園祭期間中のルールが書かれた紙だった
様々なことが書かれていたが、一番上に大きく
《学園祭期間中は、生徒は一般客を優先してもてなすように!》
と書かれてあった
確かに、このIS学園は普段は滅多なことでは一般の人達は入れない
国や企業の人間とて、事前に申請し、審査と不審物検査をパスした人達しか入れないのだ
だからこういう時は、一般客を優先するように決まっていた
それは、普段は入れないIS学園に入ってもらい、ISのことを知ってほしいということからだった
「だから、気兼ねなくどうぞ」
と麻里耶を優先して、中に入れた
鈴とて、年上には敬うようだ
「ありがとうね」
麻里耶は微笑みながら鈴にそう言って、中に入った
すると、たまたま近くに居たらしい直哉が
「あ、院長」
と気付いた
しかし、すぐに
「では、席にご案内します。奥様、御嬢様、坊っちゃん」
と接待を再開した
そして学園祭は、賑わいを見せ始める