ISGジェネレーション   作:京勇樹

178 / 265
初連携

「はあぁぁぁぁ!」

 

と気合いの声を上げたのは、紅椿を展開し両手に武装を持った箒だった

箒は篠ノ之流剣術で、無人機

アドヴァンスド・ジンクスに斬りかかった

しかしアドヴァンスド・ジンクスは、それをバク転で回避

その勢いを利用し、箒を蹴り飛ばした

 

「がはっ!?」

 

蹴り飛ばされた箒は、直ぐに態勢を立て直した

だが気付けば、その周囲をジン・ハイマニューバとジム・クゥエル四機が包囲していた

だがその四機は、ミサイルとビームで撃破された

 

「箒、無事か!?」

 

「アスハか、すまない!」

 

箒を援護したのは、カオル、ジュリ、簪の三人だった

すると、四人にビームが降り注いだ

簪と箒の二人は回避したが、ジュリは楯で防御

カオルは、そのビームを跳ね返した

それこそが、アカツキの装甲

ヤタノカガミの能力である

ヤタノカガミはビームならば、ビーム砲撃全てを弾き返せるのだ

 

「あれは……」

 

彼等(トライアド)のデータライブラリに適合あり。アドヴァンスド・ジンクスだそうです」

 

簪が睨んでいると、ジュリが機種名を告げた

アドヴァンスド・ジンクス

それは、初期ジンクスとジンクスⅡを運用して得たデータから開発された名前の通り強化型ジンクスである

しかし、通常のジンクスと比べてピーキーな出力はパイロットを選んだ

それもあり、このアドヴァンスド・ジンクスは約100機程しか生産されなかった

だが、アドヴァンスド・ジンクスで得られたデータを基に開発されたのがジンクスⅢである

まず挙げられるのは、武装の汎用性だ

初期ジンクスでは、GNライフル(アタッチメントによりロングバレル化が可能)、GNサーベル、GNバルカン、GNシールドしかなかった

なおこれは、慣れないGN系の機体に乗り換えたパイロットに配慮した結果とも言われている

いきなり武装が豊富だと、選ぶのを迷ってしまうからだとも言われているが、真偽は不明である

次に、ジンクスⅡ

この機体は、換装による近接、遠距離、遊撃の三種に別れることが可能となっている

しかし、その反面に汎用性が失われてしまっていた

近接では、GNバスターソードしか装備しておらず、遠距離ではGNキャノン、遊撃ではGNライフルとGNサーベルしかなかったのだ

そこで開発されたのが、アドヴァンスド・ジンクスだった

このアドヴァンスド・ジンクスは、当時は様々な試みがされた試験機という意味合いも強かった

そして、選ばれた約100人によりアドヴァンスド・ジンクスは運用されて良好なデータと戦果を得られた

それらのデータから開発されたジンクスⅢは、初期ジンクスやジンクスⅡに比べて汎用性と長期行動を可能とした

なお、そのジンクスⅢが出た後も暫くの間は一部パイロット達によりアドヴァンスド・ジンクスは運用され続けた

その理由が、機動性の高さだった

アドヴァンスド・ジンクスの機動性は、ジンクスⅢに比べて約二割程高かったのだ

実際、そのパイロットと一般パイロットが操縦したジンクスⅢの模擬戦では、アドヴァンスド・ジンクスが圧勝したという記録もあったらしい

しかしその後、ジンクスⅢが普及していくにあたってアドヴァンスド・ジンクスは姿を消した

だが、一部MS評論家達の間では名機と呼ばれている機体である

その性能の高さは、折り紙付きである

四人の上に居たアドヴァンスド・ジンクスは、右手にプロトGNランスを

左手にGNライフルを装備すると突撃してきた

 

『散開!!』

 

カオルの指示に従い、四人は一気に散開

アドヴァンスド・ジンクスは降下しながら、GNライフルを連射

ジュリを狙ったが、楯で難なく防御

反撃で、ライフルを撃った

しかしアドヴァンスド・ジンクスは、その一撃を難なく回避

速度を落とさずに、簪に突撃した

簪はレーザー薙刀を構えると、アドヴァンスド・ジンクスのランスを防いだ

しかしその直後、そのランスからビームが放たれた

このGNプロトランスは、ライフルを内蔵している装備だった

なお、このGNプロトランスは後に制式採用されてGNランスとして配備されている

しかし簪は、驚きは僅かに直ぐに肩の楯を動かして防いだ

なにせ簪は、似た武装を知っていた

それは、姉

更識楯無の武装の一つ

蒼流旋(そうりゅうせん)

蒼流旋は、中にガトリングガンを四門内蔵した複合武装だ

GNプロトランスは、正しくそれだった

だから簪は、即座に防御態勢に移行出来たのだ

そして簪は、その楯下部に取り付けられているガトリングガンを至近距離で斉射した

しかしアドヴァンスド・ジンクスは、その射撃すら倒立の要領で回避

踵落としを繰り出してきた

しかし簪は、その一撃をしゃがんで回避

レーザー薙刀を高速で回した

しかしそれは、GNシールドで防がれた

そこでようやく、アドヴァンスド・ジンクスは距離を取った

この間、僅か三秒程

あっという間の攻防戦だった

 

『こいつ……強い……』

 

簪はそう言いながら、間合いを慎重に計った

簪の機体

打鉄弐式は、原型機たる打鉄に比べて防御力が低い代わりに機動性が高く取られた機体である

しかも、当初の計画よりもその性能は飛躍的に上がっている

だというのに、攻めきれなかった

簪とて、弱いわけではない

元より、暗部の家

そういう意味ならば、今の同じ日本代表候補生の中では頭一つ抜けた腕と気構えを有している

しかし、その簪ですら攻めきれなかった

それだけで、アドヴァンスド・ジンクスの性能が高いことが伺える

すると、カオル達が近寄り

 

『付け焼き刃だが、連携するしかないか』

 

『ああ……恐らく、単機だと負ける可能性が高いからな』

 

『彼等に比べて、見劣りしますがね』

 

『そうだね』

 

と手早く、段取りを決めた

そして四人は、素早く布陣した

前衛に箒

中衛に、簪とジュリ

後衛にカオル

という陣形である

そして四人は、アドヴァンスド・ジンクスと交戦を開始した

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。