マーク達本隊は無人機部隊に突撃
本隊が突撃した後、一夏と弾、他のメンバーは二度のサイコフィールド使用によって動けなくなった直哉機の近くに布陣
他の専用機持ち達は、一度後退
エネルギーのチャージに入った
『ったく……無茶しやがって』
『だが、あの時はあれが最善だったさ』
一夏の言葉に、直哉はそう返した
二度によるサイコフィールド
サイコフィールドは未だに詳細不明の現象である
だから本来、短時間の連続使用は控えるべきなのである
しかし直哉は、一時間未満の間に二度使用した
だから今、機体の修復と重なって動けなくなったのだ
そしてスピリッツ本隊は、凄まじい勢いで無人機軍を減らしていっている
その勢いは、正しく破竹の勢いだった
今もまた、マークがデストロイと護衛機を一機ずつ撃破した
『こうして間近で見ると、彼等の力量の凄さが分かるわ……』
『うん……マトモに戦えると思えないよ』
鈴の言葉に、シャルロットがそう同意した
スピリッツの中でも一番新人のジェミニ隊
そして、最年少のリトル隊ですら勝てないと分かったらしい
その直後だった
『つっ!? 正面距離20にエネルギー反応多数!』
と簪が声を上げた
しかし、見える範囲内に無人機の姿は無い
つまり
『海中か!』
とカオルが気付いた
その瞬間、海中から複数の同型のガンダムタイプが姿を現した
それは、亀の甲羅のような装甲を持つガンダム
フォビドゥンだった
それも、フォビドゥンの改修機
ディープ・フォビドゥンとフォビドゥンヴォーテクスまで居た
その数、合わせて12機
なぜ、それほどの数の機体の接近を許したのか
それは、海中移動にあった
海中を移動する時にエネルギーは最小限にし、エネルギー探知を反応しづらくし、更に海中移動により熱源探知も反応出来なかったのだ
故に、こんな近距離までの接近を許してしまったのだ
しかし、布陣していたメンバーはすぐに迎撃を開始した
だが、フォビドゥンタイプは非常に厄介な機体である
それは、TPS装甲とゲシュマイディッヒ・パンツァーである
TPS装甲により、実弾は事実上無効化される
だったらビーム兵器だろうが、その遠距離用ビーム兵器はゲシュマイディッヒ・パンツァーによって意味を成さない
だから有効なのは、ビームサーベル等による近距離戦闘だ
しかし、フォビドゥンは強襲戦闘用に開発された機体である
近距離戦闘が弱い訳が無い
しかも、相手は無人機ばかりとはいえガンダム
その性能は今までの比ではなかった
しかも、四機のフォビドゥンの内の一機はパイロットが乗っていた
しかもその機体は、一夏に突撃した
『こいつは!?』
『織斑一夏ぁぁぁ!』
そのパイロットの気迫故にか、フォビドゥンは一夏機と互角だった
そして格闘戦闘では無類の一夏が引き離されたことで、他のフォビドゥンタイプは最前衛だった一夏機を通過
他の機体に迫った
弾も一機を押さえたが、相手の数が多い
次々と、他のメンバーに襲い掛かった
しかし、全員が押さえても四機程が通過
それは、動けない直哉に迫った
『つっ!?』
直哉は反射的に、視界に表示されているナノマシンの機体修復状況を見た
しかし、機体が戦闘可能になるまで最低でもまだ30秒近く掛かる
その間に、確実に攻撃される
直哉はそう思った
その時
『させるか!』
という声の直後、直哉に迫っていたフォビドゥンが切り裂かれた
その声には、一同の誰もが覚えがあった
しかしその身に纏うのは、黒い装甲のガンダムだった
そしてそのガンダム
ストライク・ノワールを見て、直哉が
『俺の予備機の!?』
と驚愕の声を上げた
そう、ラウラが纏うストライク・ノワールは直哉の予備機だった
直哉の担当する遊撃
そこをこなすには、遠近中の武装がバランス良く装備されてなければならない
更に直哉は、機動性も兼ね備えた機体を探した
そして見つけたのが、デルタカイ
そして予備機が、ストライク・ノワールだったのだ
ストライク・ノワールは直哉のNTとしての能力は活かせないが、武装のバランスが近接寄りだが良い機体だった
それに着目した直哉が、ストライク・ノワールを自分の予備機としたのだ
とはいえ、使ったのはほんの数回
微調整と、新武装のテスト等だ
ただし、直哉用に調整されているのでレスポンスは約三割増し
機動性は二割増しになっている
そのノワールを、なぜラウラが使っているのか
それは、オーブからの頼みだった
今現在、ラウラはオーブに身を寄せている
そしてラウラの軍人としての能力は、かなりのものだ
それを遊ばせる余裕など、オーブにはない
しかし、ラウラの身体能力に追随出来る機体は簡単には用意出来なかった
だからオーブは、スピリッツに頼んだのだ
ラウラに扱える機体を用意してほしいと
それを受けてスピリッツは、ラウラの身体能力
更に戦闘スタイルからノワールを選択
オートパイロットにして射出したのである
そして、その選択は大当りだった
ラウラは、直哉用に調整されたノワールを使いこなしていた
その結果、危機に陥った直哉を救ったのだ
『無事か、ビッグボス?』
『健在だ、ラウラ……そのノワール、扱えるのか』
ラウラの問い掛けに端的に答えると、直哉はそう問い掛けた
するとラウラは、一機のフォビドゥンヴォーテクスを蹴り飛ばし
『むしろ、私の反射速度に追随している……実を言うと、シュヴァルツェア・レーゲンは僅かに遅かったのだ』
と答えた
その声音からは、不満は感じない
そして、ディープ・フォビドゥンの突き出したトライデントをしゃがんで回避
ビームライフル・シューティーを0距離で連射
そのディープ・フォビドゥンを撃破した
そうこうしている間に、直哉機も戦闘可能領域までナノマシンの修復が完了
直哉は立ち上がった
その直後、右手から通常のビームライフルを超える威力のビームが直哉機に放たれた
その一撃を直哉は、盾に内蔵されているIフィールドで防御
放った相手を見た
それを行ったのは、黒い獅子の名を冠するガンダム
白き一角獣の兄弟機
『バンシィか……』
今ここに、同系の力を有する二機が相対した