皆さん、今年もよろしくお願いします
夜、直哉達は母艦の中に居た
そこにはスピリッツの他に、あのメンバーも居た
そして全員が向かっているのは、医務室だった
そこに捕縛した少女が寝ているのだ
そして直哉達が入ると、椅子に座っていた銀髪の美女
エターナ・フレイルが立ち上がって
「ようこそ、スピリッツの医務室へ。私は、この医務室の責任者のエターナ・フレイルです」
と自己紹介した
すると、学園側の代表としてか
「私がIS学園の警備責任者の織斑千冬だ」
と自己紹介した
なお、エターナを見て専用機持ち達は
(凄い美女……)
と肩を落としていた
そのエターナは再び椅子に座ると、治療ポッドに入っている少女に目を向けた
「この少女ですが、身体中から薬物反応が多数検出されました……そのデータ類似パターンは、全て使用禁止薬物に非常に似ています……今、少しずつ中和していますが、完全に抜くとなると、かなり長期的な治療が必要でしょう」
「つまり、強化人間……」
エターナの説明を聞いて、直哉がそう言った
すると、エターナは頷き
「それも、かなり高い技術が使われているようです。骨密度も、一般の方々の二倍近い数値となっています……そして何より、この少女の遺伝パターンですが……98.85%の確率で……直哉君と一致しました」
と説明した
それを聞いて、驚いた表情で千冬が
「まさか、この少女が……神崎の双子の妹……なのか?」
と問い掛けた
すると、エターナが
「確証はありませんが……ほぼ、間違いないでしょう」
と告げた
それを聞いて、専用機持ち達は一様に驚いた表情を浮かべた
そして直哉は、ガラス越しに治療ポッドに入って浮かんでいる少女
妹の六華を見ていた
その後千冬と真耶は、ゼノンと会った
「初めまして、ワシがスピリッツの代表のゼノン・ティーゲルじゃ」
「私が、IS学園警備責任者の織斑千冬……一夏の姉だ」
「私は、補佐官の山田真耶です」
三人は自己紹介すると、軽く握手した
千冬と真耶は、それだけで分かった
ゼノンもまた、歴戦の強者だと
「今回、IS学園を守っていただき、感謝します」
「いや、ワシらは依頼をこなしたまでよ……それに、依頼が無くとも動いただろう……ワシらは、仲間を見捨てることはしない」
千冬が頭を下げると、ゼノンはそう言った
ゼノンのその目には、優しい光と悲しい光が同時にあった
それだけで、誰か大切な人々を失ったことが分かった
すると千冬が
「今度は、一夏の姉として……あいつらを、生かしてくれてありがとうございました」
と深々と頭を下げた
すると今度は真耶が
「彼等が生きて帰ってこれたのは、一重に皆さんのおかげと思います」
と頭を下げた
すると、ゼノンが
「いやいや……ワシらも、あいつらには元気を貰いました。特に、料理は助かった」
と返した
確かに
一夏を筆頭に、弾と直哉も料理は上手い
恐らく、一気に食生活が豊かになっただろう
「それに、あいつらが居なかったら、ワシらも生きていなかっただろう」
「シャフトの爆発……ですか」
確かに、あの爆発の直撃を受けていたら死んでいただろう
あれは確かに、直哉達のファインプレーだった
「ん? 知っているのか?」
「戦闘記録を拝見しましたから……二年分の戦闘記録を」
ゼノンが問い掛けると、千冬はそう言った
すると、ゼノンが
「そうか……膨大だったろうにな」
と千冬を労った
その後千冬は、ゼノンとこの後のことを話した
場所は変わり、医務室
そこでは直哉が、ポッドに浮いている六華を見ていた
すると、入ってきたシャルロットが
「直哉、妹居たんだ……」
と直哉と同じように浮いている六華を見た
すると、シャルロットと一緒に入ってきたセシリアが
「なぜ、仰ってくださらなかったのですか?」
と直哉に問い掛けた
すると直哉は
「知ったのは、偶然だった……それに、つい最近まで生きてるかすらわからなかったんだ……」
と言った
よく聞けば、直哉の言葉に力が無い
迷ってるようだ
「俺はこれまで、孤児院で過ごしてきた……はっきり言って、どう接すればいいのか分からない……それに、もしかしたら憎まれているかもしれない……だったら、俺は……どうすればいい……」
そう言った直哉は、普段からは想像出来ないほど弱々しい態度だった
すると、二人が寄りそうように
「だったら、僕たちを頼ってくれていいよ」
「そうですわ……私達だって、力になりますわ」
と告げた
二人からしたら、今までの直哉がむしろ高貴過ぎたようにすら見えた
それはまるで、《頼り方を知らなかったように》
そしてそれは、ある意味で正解だろう
直哉が居たのは、孤児院
早い段階で、年下の子供達の面倒を見るようになった
更に言えば、トライアド隊隊長として情けない姿を見せられないと気張ってきた
だから直哉は、頼り方を知らなかったのだ
不器用に育ってしまったのだ
頼り方を知らない、不器用な人間に
「頼る……か……」
そう言って直哉は、俯いたのだった