戦闘機が巨人に変わったのを見て、エイナは
『なんだ、あれは!? あんな物の情報は聞いてないぞ!?』
と混乱した様子で叫んだ
しかしそれは、こと戦場に於いては致命的な隙
そしてその隙を見逃すほど、ムラサメのパイロット達
直哉達とグラハム・エーカーは無能ではない
四機は一気に接近
エイナとその部下達に対して、左手に装備されている盾を叩き込んだ
その一撃で、エイナ達四人は海面に叩き付けられた
しかも、たった一撃で事実上の中破のダメージを負った
たった一撃
しかも、ただ盾で殴っただけ
それだけで、エイナ達四人はほぼ戦闘能力を失った
『貴様ぁぁぁぁ!』
『やめなさい!』
楯無が制止するが、ドイツ軍の三人は攻撃
確かに、直撃した
『どんなものだ! なんだか知らんが、ISに敵う訳が……なっ!?』
確かに直撃したというのに、ただ装甲表面が少し焦げている程度だった
そして直哉達は、頭を向けると頭部バルカン砲を発射
60mmという大口径が、凄まじい密度で弾幕を形成
ドイツ軍三人のISは、あっという間に戦闘能力を喪失
海に落ちた
すると、楯無が
『指揮官の脱落により、私が指揮を引き継ぐ! 代表候補生達は、落ちた彼女達を救出!』
と指示を出した
それに従い、後方から数人の代表候補生達が海面に浮かんでいるエイナ達の救出に向かった
その時
『こんのおおお!』
と一人
乱音が前に出た
『待ちなさい!』
『このデカブツ!!』
楯無は制止したが、乱音は構わず突撃
その手に持っていた槍を、ムラサメに振り下ろした
しかし、虚しい金属音を響かせるだけ
『か、堅い!? なんて装甲なのよ!?』
と乱音は驚くが、そのムラサメ
直哉機は、ビームライフルをマウント
入れ替わりにビームサーベルを抜刀
乱に対して、無造作に振るった
『つっ!?』
乱はなんとか回避したが、その推定出力に驚愕した
『あんなの直撃受けたら……』
そう言いながら、直哉機から距離を取った
その直後、直哉機が機体を傾けたらその背後から今度は弾機がビームライフルを向けていた
『ヤバッ!?』
乱は一気に降下し、その射線上から退避した
その瞬間、ビームが走った
乱は回避したものの、その一発は艦隊の一隻に直撃した
『駆逐艦、セント・ジョーンズ艦橋に被弾! 通信途絶!』
『バカな!? ビーム兵器だと!? 携行兵器でか!?』
『データ収集急げ! なんだアレは!?』
まさかムラサメにビーム兵器が搭載されているとは知らず、艦隊だけでなく専用機持ち達にも動揺が広がった
そこに、ノーマルカラーのムラサメ
グラハム機が動いた
グラハム機はまた戦闘機形態に変形し、一気に上昇した
すると、後方に展開していた代表達が迎撃にと弾幕を形成
しかしグラハムは、機体を素早く操縦し弾幕を回避
艦隊上空に入った
そしてまたMS形態になると、ビームライフルを構えた
艦隊からも迎撃が放たれたが、グラハムはバルカン砲で迎撃兵装を破壊
そして、ビームを撃った
その一発のビームは、先程のとは違う艦を撃ち抜いた
そして、容易く貫通した
『駆逐艦、アインシュタット被害甚大! 浸水!!』
『ダメです! 浸水止まりません!!』
たった一撃のビームを受けて、また一隻の駆逐艦が大打撃を受けた
その時
『貴女達、何をしているの!!』
とかな切り声が楯無の耳に入った
それは、空母艦橋に居るIS委員会から派遣されてきた今作戦の最高権限者
IS委員会アメリカ代表、イリス・マキナである
『あんなウドの大木相手に、何を手こずっているの!』
『しかし、イリス委員! あれは完全に予想外です! それに、武装もビーム兵器を所持しています!』
楯無がそう言うが、イリスは構わず
『言い訳なんか聞きたくないわ! ISは世界最強なのよ!? あんなデカブツ、敵ではないわ!』
と癇癪染みた声を上げた
その時だった
『新たに接近する反応多数! これは……ISでは有り得ないエネルギー値です!!』
と管制官の悲鳴染みた報告が聞こえた
そして気付いた
戦闘機形態のムラサメだけでなく、新たな巨人
アストレイ二型が飛んでいることに
『そんな……あの四機だけで、こっちは七人やられたのに……』
『あ、あんなに……』
その数は、二十
それに対して、専用機はまだ80以上は居る
しかし、その大半は代表候補生
つまり、まだ学生である
正規の戦闘訓練を受けた訳ではないのだ
そして起きるのは何か
『あ、あ……うぁぁぁぁぁぁぁ!!』
混乱だった
一人の代表候補生が、右手にライフルを展開
乱射した
その結果、近くに居た別の代表候補生に命中
混乱が広がった
その隙を突いて、直哉達は進撃
そして、フィラルドに着艦
ライフルを艦橋に突き付けて
『チェックメイトだ……投降しろ』
と告げた