それはある日、突如として起きた
『駆逐艦、タツナミ、被雷! スーパーキャピテーピング魚雷です!』
『浸水、止まりません!』
『総員、退艦!』
オーブ領海を哨戒していた、第五艦隊
その一隻たる駆逐艦タツナミが、魚雷を受けたのである
その後、海中からは水中用MSとMAが確認された
MSはグーンとゾノ
MAはシュウェザァイ
が多数確認された
それは、奇襲だった
同盟を組んだ連合国家が、オーブに対して事実上に宣戦布告と同時に攻撃を開始したのである
もちろん、オーブも反撃を開始した
しかし、水中の敵に関しては機雷や対潜ミサイルを駆使するしかなかった
オーブが採用しているアストレイ
そのアストレイに採用されている装甲たる発泡金属は、頑強性が低いために、水中には不向きなのである
ならば、水中は蹂躙されるだけかと思われるだろうが、否である
オーブも自国のアストレイが水中戦に不向きなのは、重々理解していた
だから、備えていた
幸いにも、オーブ近海は比較的浅瀬だった
だから海底には、多数の魚雷発射装置が設置されていた
それにより、水中を侵攻してきていたMSとMSは損害が出た
しかし、敵の戦力がそれだけな訳がない
水中と同時に、空戦式MSが多数投入され、それに護衛される形で揚陸艦内に陸戦式MSが搭載されて侵攻を開始していた
しかし、空戦式MSはオーブにもある
ムラサメである
しかもオーブには、他のMSには無い武装があった
それは、ビーム兵器である
ビーム兵器の圧倒的火力に、相手のMSは成す術もなく撃破されていった
しかし連合は、それを数で補ってきていた
オーブに配備されているMS総数は、約三百
それに対して、連合は千以上のMSを投入
拠点攻略の基本たる、三倍以上の戦力を投入してきていた
幾らビーム兵器を採用しているとはいえ、数に限りがある
しかも、パイロット達にも限界があった
数に囲まれれば、撃破される
それにより、ジリジリと防衛線は後退
連合のMSが砂浜に揚陸した
その直後、そのMS隊と揚陸艦がビームの直撃を受けて吹き飛んだ
それを成したのは、彼等である
『フェニックス1よりスピリッツ全機に通達する。敵を殲滅せよっ!』
『了解!』
マークの命令を受けて、スピリッツはその牙を解放した
起きたのは、正しく蹂躙
連合は上陸してすぐに、残骸に成り果てる
なお、臨時トライアド中隊はそのまま続行
正式に中隊になり、新たに千冬を隊長とした部隊が編成された
千冬が乗っているのは、スサノヲをベースにした機体
GNSー013ミコトガンダム
スサノヲの特徴たる機動格闘性を活かしつつ、装甲は最低限にし、GNドライヴはオリジナルに換装
そして、左腕部分にGNフィールド発生装置を設置
武装はスサノヲから引き継いで、実体剣が二本
更に、ビームサーベルが二本
爪先にビームブレイド
両肩に可動式GNビームキャノンが配置されている
全体的に、近接戦闘重視に開発された機体である
もちろん、TRANSーAMも使える
二番機は、束
機体はガンダムAGE2フルバレット
武装は両手にビームライフル
そのビームライフルも、ビームサーベルとして使えるものである
ビームバルカンとミサイルを内蔵しており、全体的に火力重視に開発されている
三番機には、真耶
機体はヘビーアームズ改(EW)だ
ただし以前と違うのは、両手に持っているガトリング砲がビームと実弾の混合になっていることだ
これにより、ヘビーアームズの欠点だった弾切れの心配が軽減されている
そして、四番機
楯無である
機体は、AGF天ミナである
とはいえ、原型機体よりも遠距離攻撃用に内蔵式ビームガンを右腕に増やしている
これが、千冬を隊長とした部隊
ブリュンヒルデ隊だ
部隊名に関しては、千冬が嫌そうな顔をしたが、多数決で決まった
楯無はMSでは初陣だが、やはり裏の家系の出だからだろう
機体性能もあって、次々と敵を撃破していた
真耶はその圧倒的火力を活かし、上陸してきた敵を次々と蜂の巣にしていった
そして束は、可変機構を活かした一撃離脱と火力による制圧射撃
それにより、単機で小隊を吹き飛ばしていた
千冬は機動を活かして肉薄し、剣を使って相手を撃破
スピリッツにより、海岸線には夥しい数の敵の残骸が積み上がった
そして、戦端が開かれてから約一時間後
『敵部隊、後退していきます!』
『無闇に追撃はするな。もしかしたら、罠という可能性もあるからな』
『了解』
敵が撤退したことに合わせて、スピリッツも後退を開始した
だがその時、一発の粒子ビームが同じように後退を開始したアストレイに直撃
そのアストレイは爆散した
『今のは!』
『総員、散開! 回避機動!』
『見つけた! ガデッサだ!』
海面ギリギリをガデッサが高速で飛んでいた
先程のは、GNメガランチャーのようである
そして、現れた敵はガデッサだけではなかった
『あれは……ヴァサーゴとアシュタロンか!?』
『何でもいい! 迎撃!』
『ブリュンヒルデ1、無理に一対一で戦おうとは思うな! 奴等、今までの敵と訳が違う!』
『了解した』
マークの言葉を、千冬は素直に受け止めた
確かに、千冬もスピリッツで幾度となく訓練を受けた
しかし、自分でも分かってしまった
今対峙している相手は、意地で戦っても勝てない相手だと
『トライアド1より中隊各機に通達! 弾幕を形成し、あの二機を撃破しろ!』
『了解!』
そしてトライアド中隊は、直哉の命令を受けてアシュタロンとヴァサーゴの迎撃を開始した
そして彼女達は、命が安くなる現場を目撃する