ISGジェネレーション   作:京勇樹

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休み時2

「テロか……やれやれ」

 

と言ったのは、爆弾を仕掛けようとした女性権利主義者を気絶させた一夏だった

その一夏の髪は、白髪に染められている

その近くに、長い黒髪をサイドテールにして眼鏡を掛けた箒と、髪をお団子状に纏めて、鉢巻きを巻いた鈴

そして、眼帯を逆にして髪をポニーテールにしたラウラも居た

その三人も、それぞれテロをしようとしていた女性権利主義者達を気絶させて、転がしていた

その女性権利主義者達が、直哉が軍人から聞いた過激派だった

それを、たまたま歩いていた四人が発見

気絶させたのである

そして四人は、その女性権利主義者達を拘束して道端に放置

その手前に、看板を建てた

 

《捕まったマヌケなテロリストです》

 

と書いてだ

その後四人は、その場所から離れた

面倒事を避けるためである

そして四人は、改めて休みを満喫することにした

まず入ったのは、レストランだった

そこで適当に注文し、食べてから歩いた

なお、支払いは一夏がした

一夏が一番、お金を持っていたからだ

そして四人は、自然公園に入った

そこは景色がよく、空気も綺麗だった

だから四人は、途中で買った飲み物を持ってのんびりすることにした

その自然公園では、親に見守られながら子供達が元気に走り回っている

それを見た箒が

 

「平和……だな……今が戦時下だと忘れそうだ」

 

と言った

確かに、今は戦時下だ

カナダは大分落ち着いているが、何時、何処の国が進攻してくるか分からない

その時、ラウラの足下に子供達が遊びに使っていたボールが転がってきた

すると、その子供の内の一人が

 

「お姉ちゃーん! ボール取ってー!」

 

と言ってきた

それを聞いたラウラは、そのボールを持ち上げて

 

「いくぞー!」

 

と言ってから、投げた

ふとその時、カシャリとシャッター音が響いた

ラウラが見てみれば、一夏がデジタルカメラで写真を撮っていた

それは、一夏の趣味の一つだった

一夏は幼少の頃の写真が少ない

それが理由か、何かと様々なことで写真を撮るようになったのだ

写真に撮られたと理解したラウラは、顔を赤らめながら

 

「恥ずかしいな」

 

と呟いた

すると、箒と鈴が

 

「まだ持っていたんだな」

 

「そのカメラ、まだ使えたのね」

 

と言った

一夏が持っていたそのデジタルカメラは、実は小学生の頃に一夏が貯めたお金で買った物だった

既に生産はされておらず、一夏が大事にメンテして使っている代物だ

 

「俺でも直せなくなるまで、使う……そう決めたからな」

 

一夏はそう言うと、そのカメラを肩から掛けていた鞄に仕舞った

そして一夏達は、時間までのんびりするのだった

時は戻り、場所は変わって海底のエウクレイデス

その一室では、カムナとエレンがコーヒーを飲んでいた

 

「人生とは、分からないものだな……」

 

「そうね……まさか、死んだら新しい世界に来るなんてね」

 

カムナの呟きに、エレンはそう答えた

そして、二人は同時に棚に飾ってある写真建てを見た

その写真建てには、別行動を取る前に一夏によって撮影された、親子四人の写真があった

それは、もう叶わないと諦めていた写真だった

最後に撮影したのは、シュンとナナが幼い頃だった

 

「また、子供に会えて嬉しかったわ……しかも、あんなに育って……」

 

「ああ……しかも、腕利きのパイロットになっていた……もう、MS戦では勝てそうにないな」

 

二人はそう言うと、体を寄せあったのだった

部屋は変わり、医務室

そこでは、ヴァルキリー隊

ニキ・テイラー、マリア・オーエンス、エルフリーデ・シュルツ、エターナ・フレイルの四人が居た

その四人は、コーヒーを一口飲み

 

「まさか、彼等の世界に来るなんてね」

 

「そうですね……何より、彼等が生きてたことは嬉しかったです」

 

「マリアは、三人の面倒をよく見ていたからな」

 

「ふふ……本当のお姉さんみたいだったわね」

 

と談話していた

そしてエターナは、パソコンに向き合って操作を始めた

その画面には、今のエウクレイデスのクルー全員のカルテがあった

エターナは、スピリッツの医療責任者でもある

彼女の冷静な観察力により、あらゆる怪我を見逃さない

そしてエターナは、あるカルテを呼び出した

そのカルテに刻まれている名前は、神崎六華

今六華は、オーブの軍病院に入院している

その治療代は、直哉が支払っているが

 

「問題は、この子ね……」

 

「確か、直哉の妹……だったか」

 

「ええ」

 

エルフリーデの言葉に、マリアは頷いた

そして四人は、そのカルテに目を通した

 

「この技術は……超兵と強化人間の物を混ぜた感じね……ブーステンデッドの技術が使われてなくて、良かったわ」

 

「γグリフェプタンが使われてたら、厄介だったからな」

 

エターナの言葉を聞いて、エルフリーデが同意するようにそう言った

γグリフェプタン

破壊衝動と殺戮衝動を快楽に変換する薬物だが、副作用がとても強い薬物だ

しかも、簡単には抜けないことも分かっている

なお、強化人間の技術にも種類がある

一年戦争時に行われていたのは、身体能力を底上げするのが主流で、検体に掛かる負荷はそれほど強くなかった

しかし、グリプス戦役時に主流となった人工NT再現研究

こちらは、検体に過大な負荷を与えた

記憶が無くなったり、精神が破綻する者が多数居た

六華に施されたのは、その人工NT再現研究の方と超兵の合わせだった

それにより、六華の精神は破綻してしまったのだろう

だから恐らく、別の人格を植え付けて使役したのだろう

そんなことをやっただろう相手に、四人は果てしない怒りを覚えた

そして、四人は同時に

 

(こんなことをした奴には、絶対に代償を払わせる)

 

と思ったのだった

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