『貴様はまたそうやって、傍観者を気取るのか!』
『私には、その資格がある!』
『ふざけんじゃねぇ!!』
『世界を動かしてきたのは、一握りの天才だ!!』
『天才が居たって、他に人が居なければ、世界は回らないだろうがぁぁぁ!!』
『愚民共は、天才の足を引っ張るだけだ!』
直哉達はシロッコと戦いながら、その思いをぶつけていた
感情に飲み込まれないで、一流
だからと言って、感情を抑え込むのではなく力にする
それが出来て、超一流となる
その証拠に、三人の攻撃は苛烈だった
しかし、その攻撃も当たらない
ジ・Oはその見た目とは裏腹に、機敏に攻撃を回避
もしくは、弾いていく
それは、人類の進化者達による異次元とも言える域の戦闘だった
流石に、アクシズ落としの時のシャアとアムロには及ばない
しかしその戦いは、彼女達には手出し出来なかった
だから彼女達は、バイアランとの戦闘に意識を向けた
『一人で戦おうとは考えないでください!』
『最低で、
『了解!!』
ニキとマリアの指示に従い、バイアラン一機に対して最低二機で戦っていた
バイアランの反応は早く、その動きは、かつてオーブの海岸で対峙した二機のガンダム
ヴァサーゴとアシュタロンとほぼ同じだった
オーブの時は、他に頼れる先達が多くいたから何とかなった
しかし今は、その先達の援護は期待出来ない
だから、自分達でやるしかない
自分達で選べるあらゆる手段を、駆使して戦う
それが、今の彼女達に求められていた
『ハロちゃん、ライフルビットを!』
『ライフルビット展開! ライフルビット展開!』
『連携戦術、Cー35! 前衛を箒と鈴、頼んだ!』
『了解!』
連携戦術
それは、直哉達が離れた場合用に叩き込んだものだ
その時の指揮は、元正規軍人で隊長を担っていたラウラがすることになっている
そして、ラウラの指示に従って箒機と鈴機がツートップの形で布陣
その後ろに、ラウラ機とシャルロット機が一列に並び、更にその後ろに簪機とセシリア機が横に一列に配置
そして彼女達は、一機のバイアランに向かった
先に攻撃を仕掛けたのは、彼女達だった
後方に配置されていた簪機が、ミサイルを一斉射
それは、特に狙いが定められたものではなかった
その証拠に、ミサイル群はバイアランの周囲に着弾
土煙を巻き上げた
その土煙により、カメラは封じられた
しかし、レーダーは生きている
バイアランはレーダーにより、彼女達が接近してきていることに気付いた
だから、内蔵式ライフルを連射
迎撃を図った
しかしそれは、セシリア機が追加展開したシールドビットによって防がれた
その直後、箒機と鈴機がビームサーベルとビーム青龍刀を振るった
しかしその攻撃を、バイアランは回避し後退
バイアランが着地した瞬間、バイアランにワイヤーが絡み付いた
それは、ノワールの手とV2の腰部装甲内部から射出されたワイヤーだった
そのワイヤーを切断しようと、バイアランはビームサーベルを展開した
だがその腕が、ビームによって吹き飛ばされた
それを撃ったのは、セシリア機だった
しかしバイアランは、残ったビーム砲で、ラウラ機とシャルロット機を撃とうとした
しかしそれは、鈴機と箒機が背後から光刃を突き刺してバイアランを撃破して阻止した
バイアランが動かなくなったのを確認して、彼女達は周囲を見た
他に、バイアランが数機居たからである
しかし他のバイアランは、全て撃破されていた
中心になったのは、ヴァルキリー隊だったようだ
流石は、スピリッツの第二小隊である
アサルト隊はグラハムが中心になり、撃破したようだ
グラハムも、歴戦のパイロットである
その腕前は、彼女達は遠く及ばない
だが、何時までも後塵を排する気はない
何時かは、追い付く
そう決めていた
そして、ジ・Oだけが残った
『ここまでだ、シロッコ』
『残ったのは、貴様だけだ』
一夏と弾はそう言って、ビームライフルを構えた
しかし、シロッコは
『やはり、感情を剥き出しで戦うなど……これでは、品性を求めるのは絶望的だな』
と言った
その直後
『総員、散開!!』
とCP
セツコから通信が聞こえた
それを聞いて、展開していたエウクレイデス隊は即座に散開回避
エウクレイデスは、回避機動をした
その直後、ビームの雨が降り注いだ
幸いにも、直撃はなかった
すると、マリアが
『敵機捕捉! カラミティ、フォビドゥン、レイダー!』
と言った
そして他のメンバーも、敵機を視認した
確かに、その三機だった
だが、その三機は改造されていた
ブラウカラミティ、ロートフォビドゥン、ゲルプレイダーに
『シロッコ、迎えにきたぜ』
『ふむ、では……引こうか』
『逃がすか!』
オータムとシロッコの会話を聞いて、一夏は切り込もうとした
だが
『死ね、織斑一夏!!』
とロートフォビドゥンが、一斉に全射撃兵器を撃った
それを一夏は、難なく回避
ロートフォビドゥンと向き合った
『てめえか……』
『貴様を殺せば、私は……つっ!!』
二機が向き合ったことにより、一触即発の空気が高まった
しかし
『M、撤退よ。従いなさい』
とスコールが言った
それを聞いて数秒後、ロートフォビドゥンは背を向けて離れた
一同は離れていく四機を敢えて見送り、本来の作戦
今居る施設の制圧を開始した