シロッコ達が離れた後、他に敵MSが出ないことを確認した直哉達は、機体から降りて施設に突入した
施設内部は、警備ロボットが展開していた
しかし、たかが警備ロボットに止められる直哉達ではない
次々と現れる警備ロボットを、悉く破壊
奥を目指した
そこに、二機のISが現れた
それは、ロシア製第二世代機
ジュラーブリクだった
ジュラーブリクは機動近接戦闘を重視されて開発されており、両手に高周波ブレードを装備
更に、装備するパックによっては複数の高周波ブレードと追加スラスターを装備する機体である
余りにも近接戦闘に尖った機体だが、その総合評価は高い
ISというのは、近接戦闘がかなり多い
その近接戦闘で、近接戦闘用兵装が固定装備されているというのは、かなりありがたい
しかも、切れ味がかなり高い高周波ブレード
以前に、標準的な物理ブレードと切りあった時に、その物理ブレードが切られた、ということが起きた
だからか、一部小国ではラファール・リヴァイヴと部隊運用することも確認されている
閑話休題
しかし直哉達は、直ぐ様機体を展開
近接戦闘を挑んだ
それは、相手からしたら自殺行為に見えたかもしれない
しかし直哉達の機体には、高周波ブレードを上回る近接戦闘用兵装が装備されている
他ならぬ、ビームサーベルとGNソードである
直哉達はそれを使い、二機のジュラーブリクを撃破した
その後も直哉達は、警備ロボットと出てきた兵士達と交戦しながら進んだ
そして、あるドアを蹴破って、次の通路に入った時だった
その通路は、真っ暗だった
「ここは……」
「気を付けろ……居るぞ」
周囲を見回していた弾に忠告したのは、一緒に突入したエルフリーデだった
それは、弾にも分かった
その暗闇には、殺気が満ちていたからだ
そして、七人が注意深く周囲を見ていた
その時
「しっ!」
と一夏が、両手に持っていたナイフで、頭上からの奇襲を防いだ
それと同時に、直哉達にも攻撃が来た
全員はその奇襲を、無事に防御
すると、すぐに近くのメンバーと背中合わせになるように布陣した
そして、直哉は
「マリアさん……この相手……」
「ええ……強化人間ね……」
と自分と背中合わせになっていたマリアと、短く会話した
それは、二人がNTだから気づけたことだった
一夏もなんとなくは、察していることだろう
以前にハッキングで入手した、E計画
それは、強化人間を指していたのだ
このキルギスでは、強化人間の研究が行われていたようだ
そして暗闇の中には、数人の強化人間兵が待ち構えているようだ
凄まじいまでの殺気が、全員に向けられている
「しかも、さっきの奇襲で、スタンをきっちりと壊してやがる」
「抜け目ないな……まったく」
一夏とエルフリーデはそう言って、周囲を見回していた
その直後、今度は左右から挟むように奇襲してきた
それを一夏とエルフリーデは、それぞれ手に持っていた武器で弾いた
そのすぐ後に捕まえようとしたが、相手は既に離れていた
どうやら、弾かれた衝撃も利用したらしい
「このままじゃあ、埒があかないな……」
と言ったのは、ショットガンを持っていた弾だった
そのショットガンの銃身下には、銃剣が装着されている
すると、直哉が
「マリアさん……」
「ええ……出来れば、捕縛したかったけどね……」
二人はそう会話すると、目を閉じて意識を集中し始めた
それを見た他の五人は、二人を守ろうと周りに布陣し構えた
そこに、二人を倒そうと次々と襲撃してくる敵強化人間達
それを、周囲に布陣していた五人が弾いていく
そして、十数秒後
「見えた」
と二人は同時に言って、持っていた拳銃を数発ずつ撃った
すると、襲撃が止まった
それを確認した直哉が
「弾、照明弾」
「あいよ」
直哉の指示に従い、弾はバックパックに装着してあった照明弾を撃った
その照明弾により、暗闇は明るく照らされた
そして見えたのは、眉間を撃ち抜かれて絶命している強化人間達だった
その両手には、長大なナイフが握られている
七人は相手が絶命しているのを確認してから、先に進んだ
そして、突入してから約一時間後
「司令室、制圧……」
「スタンを壊されたからな。少し手間取ったな」
七人により、キルギスの司令室は完全制圧された
そして
「さて……地下の秘匿区画で、何をしている」
とニキが、一人の男性
チェイコフ・ツォルコフスキーに銃口を向けて、尋問していた
だが、チェイコフは喋らない
だからか、ニキは
「ならば、言ってやろう……強化人間計画……人道を逸脱した、狂った計画」
と喋った
どうやら、強化人間計画を知らない兵士も居たらしく、動揺していた
しかし、知らない兵士のほうが少なかった
どうやら、キルギスは大部分が亡国機業の支配下にあるようだ
「誰に唆されたのかは知りませんが、私達が破壊させてもらいます」
とニキが言った
その直後、凄まじい衝撃が司令室を襲った
すると、直哉達は身構えた
それは、予期せぬ衝撃だったからだ
「何をした!?」
とエルフリーデが剣を突き付けると、チェイコフは
「地下の秘匿区画……そこの自爆さ……」
と語った
そして
「既に、研究データの殆どは本部に送信済み……披検体達も用済み……だったら、処分するのは道理だろ」
と言った
それを聞いた、マリアが
「貴様は!?」
とチェイコフの襟首を掴み、持ち上げた
すると、チェイコフは
「新たな時代の幕開けだ……! 人類は、進化するのだ! 我々の手で!!」
と狂気染みた笑い声を上げた
そのチェイコフをマリアは壁に叩き付け、拳銃を抜こうとした
だがそれより早く、銃声が響いた
直哉が、その手に持っていた小銃を撃ったのである
その銃撃は、チェイコフの眉間に命中
チェイコフは、死亡した
「新たな時代は結構だ……だがな、進化は自然に任せるべきなんだ……狂った研究での進化なんて、間違ってるんだ……」
直哉はそう言って、小銃を投げ捨てた
その後直哉達は、情報を入手してから脱出
キルギスから離れたのだった