『全機、散開!
マークの指示に従い、スピリッツは一気に散開
即応の二機連携を開始した
だが、相手もガンダムタイプ
その動きは、今までの相手の比ではなかった
ガンダム達の動きに、彼女達は終始押されていた
楯無と真耶の二人が戦っていたのは、セイバー
セイバーは戦闘機への可変機構を有した機体で、その機動性は高い
もちろん、機動性だけでなく戦闘力も高い
そして二人が戦っていたセイバーは、その性能の高さを発揮していた
セイバーは真耶の弾幕を、戦闘機形態で全て回避
そして、あっという間にMS形態になると、ビームライフルを連射
接近しようとしていた楯無機は、それを盾で防御した
しかし次の瞬間、楯無機はセイバーに蹴り飛ばされた
直ぐに態勢を立て直したが、楯無機は一気に後退
そこに、セイバーのアムフォルタスビーム砲が走った
楯無は、その一撃を機体を左右に滑らせて回避
その楯無を援護するために、真耶はミサイルを発射した
しかしセイバーは、それを後退しながら頭部バルカン砲で迎撃
着地した
その間に、楯無機は真耶機に近づいて
『あいつ、かなり強いわね……』
『相手も、ガンダムタイプですからね。予想はしてましたが……』
と通信を始めた
勿論だが、セイバーに対する警戒は怠っていない
それに気付いているのか、セイバーも動きを止めていた
すると、楯無が
『山田先生、あいつの気を引いてもらえますか?』
『なにか、考えがあるんですね?』
楯無の言葉を聞いて、真耶はそう返した
その言葉に、楯無は無言で頷いた
それを見た真耶は、ヘビーアームズの武装を一斉に開放した
その弾幕はあまりにも濃密で、セイバーは盾を構えながら乱数回避をするしかなかった
ヘビーアームズの全武装一斉開放
それは、その名前の通りにヘビーアームズの全武装を一斉開放する技である
形成される弾幕は、濃密としか言い様が無い
盾を装備してない機体だったら、乱数回避をするしかないが、その殆どが撃破される
セイバーは、その弾幕をどうにかしようとしたのだろう
ビームライフルを構えた
だがそのビームライフルは、ヘビーアームズの弾幕が数発命中し、破損
セイバーは、ビームライフルを投棄した
その後セイバーは、捲れ上がっていた氷塊の裏に隠れて、アムフォルタスを展開
迫ってきていたミサイル群を、凪ぎ払った
その時だった
セイバーの背後の空間が揺らめき、そこに楯無機
AGF天ミナが、姿を現した
AGF天ミナに搭載されている、特殊システム
その名前は、ミラージュコロイド
これを機体に展開することにより、光学センサーやレーダーに一切反応されないステルスが起動するのである
しかし、熱センサーには反応する
だから楯無は、真耶に注意を引く役割を頼んだのである
真耶機の濃密な弾幕により、一時的にせよ熱センサーの精度を大幅に下げさせるために
そして、楯無の企みは成功
セイバーの後ろを取ったのだ
セイバーの後ろを取った楯無機は、特殊装備
マガノイクタチで、セイバーを捕まえた
すると、セイバーからエネルギーが強制放出されて、AGF天ミナに吸われていく
マガノイクタチ
これは、ミラージュコロイドを利用した特殊装備で、掴んだ相手機のエネルギーを強制放出させて、奪う装備だった
それにより、セイバーのエネルギーが危険域に入ったのだろう
セイバーのVPS装甲はダウン
動きが止まった
だが楯無は容赦せず、ビームサーベルを展開
マガノイクタチを放させると、袈裟斬りで撃破した
撃破出来たことに安堵し、楯無と真耶は深々と息を吐いた
その直後、楯無機を激しい衝撃が襲った
それによって、楯無機は氷原にめり込むように倒れた
楯無は直ぐに起き上がろうとしたが、叶わなかった
何故ならば、楯無機の上にて空間が揺らめき、黒い機体が現れたからだ
ネロブリッツが
ネロブリッツを見て、楯無は自分を叱咤した
(なんで、予想しなかったのかしらね。相手に、同じ機能を有する機体が居ることを)
と
ネロブリッツ
この機体は、前身機
ブリッツの強化機体である
そして、AGF天ミナはキラに撃破されたブリッツの機体の一部を移植されている
だから、二機は同じ機能
ミラージュコロイドを有しているのだ
だが、運用思想が真逆だった
AGF天ミナは、守ることに重点的に対して、ネロブリッツは攻めることに重点的だった
真耶は楯無を助けようと、ガトリング砲を構えた
だが
『ダメ! 山田先生! そいつ、ビームを屈折させる!』
と鈴音の声が聞こえて、真耶はトリガーから指を放した
そして、真耶機の両隣に箒機と鈴音機が着地した
『屈折するとは、どういうことですか?』
『あの機体のバックパック。ビームを光みたいに乱反射させ、任意の方向に放つことが出来るようです』
真耶が問い掛けると、箒がそう言った
ネロブリッツのバックパック
通称、クリスタルアーム
これも、マガノイクタチと同じようにミラージュコロイドを利用した特殊装備である
装備表面だけでなく、装備内部にもミラージュコロイドを展開
それにより、まるで水晶のようにビームを屈折させることが出来るのだ
しかもアームなので、前後左右に動かせる
まさに、攻防一体の武装と言えるだろう
下手に撃てば、その屈折で楯無機が撃破されるだろう
それに気付いたからか、真耶は
『私は、攻撃出来ませんね』
と言って、ガトリングを下げた
すると、箒と鈴音が
『お任せください』
『そもそもアイツは、私達の相手だったしね』
と言って、構えた
そう、そのネロブリッツは本来は、箒達が戦っていた相手だった
しかし、ミラージュコロイドにより見失ってしまい、気付いたら楯無機が押し倒されていたのだ
二人からしたら、名誉挽回と言ったところだろう
『行くぞ!』
『今度は、逃がさない!』
二人はそう言うと、ネロブリッツに突撃した