直哉達がサイコガンダムを撃破して、十数分後
スピリッツは、敵を殲滅
サイコ達が空けた穴から、敵施設に突入した
突入した地下は予想以上に広く、途中まではMSで進めた
進めない区画が近くなると、一部を残してその奥に進んだ
内部はまさに、蟻の巣のように通路が張り巡らせてあり、突入する際にしたエコースキャンで作った地図に従って進んだ
しかし、やはり本部なだけあって、警備は厳重だった
「ちょっ!? 奴等、正気かよ! ロケランを、こんな狭い場所で!?」
「だったら、撃たせないようにすればいい話だろ!」
一夏が驚愕の声を上げると、弾がそう言って小銃を撃った
弾が撃った弾は、ロケラン
RPGを構えていた敵兵士の頭を撃ち抜き、即死させた
それによって、その敵兵士の腕が下がったのだが、どうやら引き金が引かれたらしい
シュバッという音の直後、爆発が起きた
その光景を見た直哉が
「たーまやー……さて、行くか」
と言って、爆発で吹き飛んで壁にぶつかった敵兵士を始末しながら、更に奥に向かった
直哉達は途中であることに気付いて、別行動を開始したのだ
それは、マークを含めた一部も気付いていたこと
直哉達が進んだ先にあったのは、科学に魂を売り渡した者達の狂った業
人を、強引に新たな段階に進化させる人道から逸脱した研究
強化人間の研究区画だった
直哉達はその研究区画のドアを吹き飛ばし、中に入った
すると、一人の研究者らしい男が拳銃を抜こうとした
だが
「怪我したくなきゃ、大人しくしておけ」
と弾が、ショットガンを向けて、黙らせた
そして直哉は、別の研究者に銃口を向けて
「さて……大人しく協力してくれるなら、怪我しないで済むぞ」
と告げた
その後、直哉達は一人の研究者に案内させてある場所に向かった
そこは、収容区画
披検体に選ばれた子供達が、閉じ込められていた区画だった
直哉達の脳裏に、子供達の嘆願が聞こえてきていたのだ
(助けて……)
(ここから……)
(この地獄から……)
(助けて……!!)
その嘆願を
悲鳴を、無視するわけにはいかなかった
だから直哉達は、収容区画の入口を開けさせると
「寝てろ」
とその研究者を、気絶させた
そして鍵を回収し、その研究者は縛り上げて放置
収容区画の奥に入った
すると、数人の兵士が直哉達の前に立ちはだかったが、難なく撃破
そして、鍵が掛けられてるドアを見付けると
「離れてろ」
と奥に居た子供達に言った
そして子供が離れたのを確認してから、ドアの鍵部分を銃撃
鍵を破壊した
その後、重々しい音をさせながらドアを開けて
「出ておいで……助けにきたよ」
と言った
すると、一人の子供が
「ほ……本当に……?」
オドオドしながら、そう問い掛けた
それを弾が、視線の高さを合わせて
「本当だ……」
と優しく言った
それを聞いた、一人の子供が弾に飛び付いて
「怖かった……怖かったよぉ……」
と涙声で言って、泣き出した
それを弾は、子供の頭を優しく撫でた
その間に一夏は、何らかの理由で動けなくなった子供達を抱き上げて、ストレッチャー等に乗せた
この時直哉は、その収容区画の更に奥
牢屋区画に向かった
何故だかは分からなかったが、そこに居るという確信があった
そして直哉は、ひとつの牢屋の前に立つと、その牢屋の南京錠を銃撃して破壊した
すると、奥から
「誰……ですか?」
と弱々しい女性の声が聞こえた
その声を聞いて、直哉は確信した
その声は、あの時見た映像と同じ声だったからだ
直哉はゆっくりと中に入り
「母さん……俺です」
と言った
「直哉……直哉なの?」
「はい……初めまして……に、なりますね」
そう言った時、百合の姿が見えた
長い間拘束されていたのだろう、着ている衣服はボロボロで大分痩せている
左手は手錠に繋がれて、壁に鎖が固定されていた
直哉はそれを見ると
「待っててください……今、外します」
と言って、拳銃を抜いて構えた
そして、一発発砲
鎖を撃ち抜いた
百合は自由になったが、やはり長期間繋がれていたからだろう
すぐには動けなかった
直哉は、ゆっくりと百合を抱き起こして
「脱出しましょう」
と言って、歩き出した
すると、百合は
「直哉……六華は……?」
と直哉に問い掛けてきた
その問い掛けに、直哉は
「大丈夫です……保護しました」
と答えた
それを聞いた百合は、安心した表情で
「良かった……」
と呟いた
その時だった
直哉が突如、百合を抱き締めて踞った
その直後、銃声が響き渡り直哉の左肩から血飛沫が舞った
すると
「居たぞ! 侵入者だ!」
と男の声が聞こえて、ドタドタと駆けてくる足音が近付いてきた
「直哉!?」
「カスっただけだ、問題ない。母さんはそこに!」
直哉はそう言って、百合を近くの別の通路に隠れさせて、銃撃戦を開始した
すると
『直哉! 何があったの!?』
『バイタルが急に!?』
と機体に残っていたシャルロットとセシリアから、通信がきた
それに対して、直哉は
「不期遭遇戦闘に入った。肩に一発カスった程度だ。問題ないが……人数が」
と言った
相手の人数は、十人以上居た
しかも、全員が重火器を使っている
幾らなんでも、不利は否めない
ISの展開も、怪我しながらではパイロットに高い負荷が掛かることが分かっている
(手持ちで、対処するしかないか)
直哉はそう判断して、スタングレネードを取り
「母さん、耳塞ぎ、目を閉じてて」
と言って、スタングレネードを投げた
そしてスタングレネードが炸裂した直後、直哉は拳銃とコンバットナイフを持って突撃した
それから十数秒後
「母さん、終わった」
と直哉は、百合を迎えに行った
そして、直哉は先に百合を連れて機体の場所に戻った
すると、機体から降りてきたシャルロットとセシリアが
「大丈夫?」
「お怪我は」
と近付いてきた
すると、直哉は
「十分手当て出来る範囲だ。問題ない……この人を頼む」
と百合を二人に引き渡した
すると、二人は
「この人は」
「まさか」
と直哉と百合を見比べた
すると直哉は
「神埼百合……まあ、俺の母親だ」
と言って、自己治療を始めたのだった