ISGジェネレーション   作:京勇樹

228 / 265
得た情報と懺悔

直哉が自己治療を始めた直後に、保護した子供達と共に一夏達が戻ってきた

子供達の数は、優に30を越えていた

それを見た直哉は、子供達を艦に収容することを提案した

それを聞いたゼノンは、それを承諾

艦を動かした

その護衛に、傷を治療した直哉達が動いた

そしてその艦に、百合も搬送することが決まった

しかし、場所は敵地

そこで気を抜くほど、スピリッツもバカではない

子供達と百合の搬送には、MSを使った

簪機、ラウラ機、シャルロット機、セシリア機に数人ずつ運ばせたのだ

その甲斐あり、子供達と百合は無事に母艦に収容出来た

そして十数分後に、昭和基地は完全に制圧

それを、暗号通信でオーブに教えた

それから数十分後、オーブからあらゆる周波数である放送がされた

それは、組織

亡国機業の幹部構成員の一斉暴露

更には、その幹部構成員と繋がりが深い世界各国の要人達の情報公開

そして極めつけは、暗号通信で一緒に送った亡国機業の重要データ

強化人間計画

その一報で、世界は震撼した

なにせ、幹部構成員の中には世界に名を馳せた資本家や芸能人の名

それだけでなく、今のMS配備国家要人の名前まであったのだから

特に多かったのは、日本とアメリカ

日本に関しては、MS台頭以前

ISが覇権を握っていた頃からの要人が、数人

更に、MS配備に関して尽力した現防衛省長官とその側近十数名

それだけの人物の名が、一斉に公開された

世界各国は、正に揺れた

それに合わせるように、世界各国の捜査機関や諜報機関に亡国機業の支部の場所が匿名で伝えられていた

それを受けて、一斉捜索が行われた

これにより、亡国機業は事実上壊滅状態に陥った

だが、問題はまだあった

それは、宇宙に上がったかの世界の最強クラスパイロット達

宇宙に上がったことには、理由がある筈である

でなければ、上がる訳がない

だが、今すぐは上がれない

だからスピリッツは、一路北上

オーブに向かった

保護した子供達と百合を、オーブに預けるためだ

子供達は強化施術と過剰に行われたらしい訓練で、苦痛を訴えていた

そして百合は、大分衰弱していた

どうやら、必要最低限の食事しか与えられなかったらしい

それにより、軽い栄養失調になっていた

念のために遠回りして、スピリッツは無事にオーブに帰港

スピリッツは物資の補給と艦と機体の整備を開始

補給と整備が終わるまで、スピリッツは上陸して休むことにした

そして直哉は、百合が収容された軍病院に向かった

そこで入院しながら、事情聴取を受けているのだ

直哉は案内された病室に向かい、ドアをノックした

すると、中から

 

『どうぞ』

 

と女性

百合の声が聞こえた

それを聞いて直哉は、静かにドアを開けて、中に入った

そして直哉は、百合をジッと見てから

 

「改めて……初めまして、母さん……直哉だ」

 

と名乗りながら、椅子に座った

すると百合は、涙を滲ませながら

 

「大きく、なったわね……直哉」

 

と言った

百合からしたら、約16年振りの再会になる

それも、生きてるか死んでるのか知らなかったのだから、無理もない

そして百合は

 

「直哉……その……六華は」

 

と直哉に問い掛けた

すると、直哉は

 

「実は、隣の部屋に入院してる。今は、記憶も戻ってる……ただ、10歳位までだ」

 

と言った

それを聞いて、百合は驚いた表情で

 

「隣の部屋に居たなんて……」

 

と呟いた

すると直哉は

 

「母さん、聞きたいことが有るんだ」

 

と百合に問い掛けた

 

「なにかしら? 私が知ってることなら……」

 

と百合が言うと、直哉は

 

「織斑百春と織斑十秋……この二人が、どんな研究をしていたのか。知ってるか?」

 

と問い掛けた

実は、スピリッツが昭和基地を制圧した際、その二人の姿が無かったのだ

二人のIDは残されていたが、研究データが一切残っていなかったのだ

そして、マスドライバーに繋がる橋を映していたカメラに、日系らしい黒髪の人間が二人

映されていたのだ

状況から察するに、その二人が織斑夫婦だろうことは容易に予想出来た

一夏からは、強化人間に携わっていることは、消えた直隆から聞いたと聞いていた

しかし、強化人間に携わっていた研究者は、他にも大勢いた

もし強化人間研究を発展させるのならば、その研究者達も数人は連れていく筈だ

だが、連れていったのは、その二人のみ

あまりにも、不可解だったのだ

だからもしかしたら、他に何か研究していた筈だと、マークやゼノンは予想したのだ

 

「あの二人の研究は、強化人間計画と……確か、量子コンピューター開発」

 

「量子コンピューター開発!?」

 

百合の告げた言葉を聞いて、直哉は驚愕した

だが、直ぐに納得した

死んだ直隆は、量子力学の天才と束に言われた程の人物だった

どちらかは分からないが、関わっていても不思議はない

 

「ええ……確か、強化人間計画に付随する形で、人と機体の神経接続も研究してたわね」

 

「神経接続……なるほど、あれがそうか!」

 

百合の言葉を聞いて、直哉は今まで会敵した中で反応の早かった機体が居たことを思い出した

どうやら、それがその研究の成果らしい

 

「その表情じゃあ、接触してたようね」

 

「ああ……敵としてな」

 

直哉がそう言うと、百合は

 

「やはり、直哉もパイロットなのね……しかも、ガンダムパイロット……相当の腕みたいね」

 

と言った

その言葉に直哉は、立ち上がりながら

 

「そうだ……パイロット歴二年だ……もう、何人殺したのかなんて、分からない程戦ったさ……またな、母さん」

 

と言って、去った

それを見送った百合は、泣きながら

 

「ごめんね、直哉……私達は、貴方を……捨てた……」

 

と懺悔したのだった

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。