ISGジェネレーション   作:京勇樹

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昼食と新しいルームメイト

授業も終わり、昼休み

 

直哉達は屋上で昼を取ることにした

 

ただし、簪とシャルルの二人が増えていた

 

その増えた二人を、箒と鈴が睨むように見て

 

「その二人は……」

 

「なんなのよ……」

 

と問い掛けた

 

すると、一夏が

 

「ん? いい天気なんだし、皆で食ったほうが美味いだろ? それに、シャルルは転校したてでまだ分からないことが多いんだからな」

 

と説明し、聞いた箒と鈴は揃って渋面を浮かべた

 

なお、集まっているメンバーは直哉達三人の他には、カオル、ジュリ、シャルル、簪、箒、鈴、セシリア、セツコという大所帯だ

 

全員はそれぞれ、購買で買ってきたパンやおにぎり

 

もしくは、自作したお弁当を手にしていた

 

空は快晴で、絶好のロケーションである

 

食べながら会話する、というちょっとしたマナー違反ではあるが、会話は華が咲いた

 

IS学園という特殊な場所ではあるが、彼らとて年頃の男女だ

 

会話内容は多岐に渡る

 

発売される新しいゲームや、今放送中のアニメ

 

使っている化粧品の種類や、読んでる本の内容などだ

 

しかし、そんな彼ら

 

正確には、直哉、弾、一夏、カオルの四人を見ている存在が居た

 

その存在に、挙げた四人とジュリも気づいている

 

気配を消しているようだが、どういう訳か荒い

 

今のところ実害が無いので放置しているが、何時までも放置する気はない

 

近い内に、なんとかする気だ

 

昼食が終わると全員、片付けてから次々と立ち上がった

 

そして、直哉とジュリは何気ない会話をしながら、オーブ軍式のハンドサインで

 

「あいつの事、洗いざらい調べてくれないか?」

 

「了解、二日位頂戴」

 

と会話していた

 

直哉が言ったあいつというのは、シャルルのことだ

 

なぜ、シャルルを調べるのか

 

それは、シャルルが来たタイミングがあまりにも良すぎたからだ

 

直哉達という例外が現れてから、約1ヶ月で見つかった

 

これではまるで、《以前から探していた》ようではないか

 

そして何よりも、直哉はある一つの確信があった

 

それは、《シャルルは女の子》という確信だ

 

直哉がその確信に至ったのは、シャルルの所作の行動からだ

 

なんとか男の子のように振る舞っているものの、どうしても所々に女の子が残っていた

 

それが、直哉のNTとしての感覚に引っかかった

 

だから、ジュリに頼んだのだ

 

オーブ軍が有する情報網を使って、シャルルという偽りの皮を剥がさせるために

 

時は経ち、放課後

 

直哉達は荷物を纏めて、寮に帰ろうとしていた

 

すると、山田先生と千冬が近寄ってきて

 

「織斑、神崎。お前達のどちらかの部屋に、デュノアを入れさせろ」

 

と言ってきた

 

その言葉に思わず、直哉と一夏は顔を見合わせた

 

すると、弾がヒラヒラと手を振って

 

「んじゃ、お先」

 

と言って、教室から出て行った

 

それを見送り、山田先生が

 

「今のところ、デュノア君が入れるのが、神崎君と織斑君の部屋だけなんです」

 

と語った

 

実を言うと、今から2日程前

 

それまで一緒に住んでいた箒とセツコが二人の居た部屋から去り、新しい部屋に引っ越したのだ

 

それにより、二人は一時的にせよ一人で部屋を使っている状態だ

 

そして、シャルルは男の子として通っている

 

つまりは、一夏か直哉の部屋に住まわせるしかないのだ

 

しかも気付けば、ドアの所にそのシャルルが居るようだ

 

すると、ジャンケンをしようとしたのか、一夏が手を上げた

 

 

「でしたら、俺が受け入れます」

 

と直哉が言った

 

直哉としては、気づいてない一夏の部屋に住まわせるよりも、気づいている自分の部屋に住まわせて監視した方が良いだろう、と判断したのだ

 

「お、いいのか?」

 

「ああ。お前が、一人暮らしに憧れてるのも知ってるしな……別にいいさ」

 

一夏と直哉がそう会話していた間に、山田先生がシャルルを呼んでおり、シャルルは私物が入っているらしいキャリーバックを引いて入ってきた

 

「よろしくね、神崎君」

 

「ああ、よろしく」

 

シャルルと握手した時、直哉はそれを感じた

 

(罪悪感? 何に対してだ?)

 

シャルルが何に対してかは分からないが、罪悪感を抱いていることに気付いたのだ

 

直哉のようなNTは、意思の強い言葉や感情を機敏に察知し聞く事が出来るのだ

 

そして今、直哉がシャルルから感じ取ったのは、強い罪悪感だったのだ

 

何に対してかは分からない

 

だが、シャルルは確実に罪悪感を抱いている

 

(何か、裏があるな……)

 

直哉はそう思いうと、シャルルに対して

 

「そんじゃあ、部屋に行くか」

 

と言って、案内を始めた

 

こうして、不思議な同棲生活が始まった

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