ISGジェネレーション   作:京勇樹

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宇宙(ソラ)

スピリッツの補給と整備が終わり、場所は地下秘匿ドッグ

そこには、スピリッツの全隊員

そして、ウズミとカオル

他に、数名の上級仕官と護衛が居た

広さを考えれば、むしろ少ないほうだろう

しかし、スピリッツの行動を知られる訳にはいかないのだ

 

「諸君はこれから、人類未踏の地。宇宙に上がる……それは、宇宙に上がったテロリスト達。亡国機業を追い掛けるためだ」

 

と語り始めたのは、特設された壇上に上がったウズミだ

それをスピリッツは、静かに聞いていた

 

「諸君らの活躍が、歴史に乗ることはないだろう……だが、我々は魂に刻み付けよう……諸君らは人類のために、世界の敵と戦っている……その活躍を、我々は永久に忘れない……諸君の健闘と奮戦を期待する!」

 

ウズミのその言葉を聞いて、スピリッツは敬礼

その後、それぞれ母艦に向かった

そして先に動いたのは、アークエンジェルだった

アークエンジェルは、艦の両側にブースターを追加している

外に出ると、艦首を上に向けた

それはまるで、かの世界での焼き増しのようだった

だが今は、逃げるのではなく、追い掛けるために宇宙に上がるのだ

 

『アークエンジェル、ローエングリン……発射!』

 

ゼノンの号令の直後、アークエンジェルはローエングリンを発射

その直後に、追加ブースターを点火して、真空チューブの中を駆け上がっていった

それに遅れて、エウクレイデスが秘匿ドッグから出て、カグヤに向かった

そしてエウクレイデスは、マスドライバーを使って、宇宙に上がった

その後二隻は、予定していた宙域で合流

オーブが有する宇宙ステーション

アメノミハシラに向かった

その頃、エウクレイデス艦内では

 

「わ、わ、わ!」

 

「上手く、動けませんわ!」

 

宇宙に慣れてないメンバーが、無重力でフワフワと漂っていた

そこに、慣れている直哉達が近寄り

 

「掴まれ」

 

「大丈夫か」

 

「ほれ」

 

と手を差し伸べた

それに、彼女達は掴まり

 

「すまない、一夏」

 

「上手く動けないわね……」

 

「……ありがとう」

 

と口々に、感謝の言葉を述べた

それを聞いてから直哉達は、彼女達を椅子に掴まらせて、壁に近寄り

 

「お前ら、これに履き替えろ」

 

と彼女達に、靴を差し出した

 

「これは……」

 

「靴底に、磁石が仕込まれてるんだ。その磁石を壁や床にくっ付けて、流されないようにするんだ」

 

「なるほど」

 

直哉の説明を聞いて、彼女達は納得した様子で靴の履き替えを始めた

そして数分後

 

「履き替えたな……それじゃあ、宇宙での移動の仕方を教えておくぞ」

 

と直哉が教え始めた

 

「宇宙では、地上みたいに歩いて移動するよりかは、床や壁。天井を蹴って、移動するんだ」

 

「なるほど……無重力だからこそか……」

 

「水泳に似てるね」

 

直哉の話を聞いて、彼女達は納得した様子で頷いた

飲み込みが早かったのは、身体能力が高いラウラや千冬、そして束だった

全員がある程度動けるようになると、直哉達は居た部屋の外に出た

そして、廊下に出ると

 

「廊下での移動は、こういったバーを使う方法もある」

 

と言って弾が、壁のある場所に手を置いた

すると、折り畳まれていたバーが出てきた

それを弾は掴み

 

「これを掴むと」

 

と言った直後に、そのバーを使って移動した

 

「目的の場所に近付いたら離して、靴底の磁石を床にくっ付けて、着地する」

 

弾が離れていくと、今度は一夏がそう説明した

すると弾は、ある場所でバーから手を離して、ある場所で止まった

それを見た一夏が

 

「それで、もしすれ違いそうになったら、床や壁を蹴って天井近くを通るといい」

 

と言って、別のバーを掴んで移動を始めた

そして弾の近くに来ると、床を蹴って天井スレスレを通った

その後天井を蹴り、着地した

それを確認すると、直哉が

 

「それじゃあ、慣れるためにある場所まで向かう。着いてきてくれ」

 

と言って、床を蹴って移動を始めた

その後を追い掛けて、彼女達も移動を開始した

そして、十数分後

 

「ん、到着」

 

全員が到着したのは、艦尾の広い部屋だった

全員が入ったのを確認すると、直哉は入り口のコンパネを操作した

すると、壁の一部が開いた

入った部屋は、大展望室だったのだ

そして見えたのは、丸く青い地球だった

それを見て

 

「わあ……」

 

「これが……地球……」

 

「本当に、青い……」

 

と感嘆した様子で、呟いた

すると、直哉達が

 

「分かるか? この地球に、約60億の人間と数十億の動物が住んでいる……」

 

「そしてこれからは、宇宙にもその生活圏を広げることになるだろう……」

 

「俺達は何回も……地球を守るために戦ってきた……今度もまた、そうなるだろう……」

 

と喋り始めた

その表情には、複雑な感情が感じられた

 

「さあ……最前線にようこそ」

 

三人が手を差し出しながら言うと、彼女達は緊張した表情で頷いたのだった

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